作者の頭の中で「こんなの書きたい!」て思ってかいたものです。

語彙力もあまりないのでよく分からない所もありますが
そこは「よく分からないなぁー」とスルーしてください。


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初めまして。納豆パンです。ノリと勢いで書いてしまいました。
3000文字もない小説ですが楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ!



空襲

とある夏の日。

気持ちの良い朝だった。

雲一つなく青空が広がっていた。

そんな気持ちの良い空の下の町で

私は配給を受け取りに行くために大きな通りを歩いていた。

 

たくさんの人が並んでいる。

私は一番後ろのほうに並んだ。

一時間半待ったと思う。

受け取れたのは南瓜二つに90mlの牛乳一つと塩少量だけだった。

これだけでもうれしいと感じれた。

 

帰り道、小さな道のわきに生えている野草を摘みながら帰った。

思ったよりもたくさんあって籠がいっぱいになった。

少し重たくなった籠を背中に背負い

いつもより軽い足取りで自宅へと向かって歩いていた。

 

地獄が始まったのはそんな時だった。

少し高いような低いような音がした。

飛行機が飛んでいるような音。

ふと空を見た。

黒く、キラキラとした大きな鳥のような物体が奇妙な音を出しながら並んで飛んでいる。

その黒い物体を爆撃機と理解するのに私は数秒の時間を要した。

 

私がその物体を爆撃機と認識すると同時に辺りが大きな音に包まれた。

空襲警報が鳴りだしたのだ。

ウーウーと泣きながら騒いでいる。

私は荷物を慌てて地べたに下ろし防空壕へと走っていた。

 

近くの防空壕は人がいっぱいで入れなかった。

私は仕方がなく別の防空壕へと向かった。

五分ぐらい走ると別の防空壕が見えてきた。

おーい、早くこっちに来い。 人の声がする。

よかった。助かった。と思ってすぐそばまで向かったら突然上からヒュゥゥゥーーーと声が聞こえた。

咄嗟にその場にうずくまった。

目を閉じ、耳をふさぐ。

「ドおン!」と体が張り裂けるような音がしたのは地面に伏せてから一秒もしなかった。

 

その爆弾は防空壕を直撃していた。

煙があり詳細は分からなかったが、当たったことはわかる。

防空壕があった場所に行くと口から言葉以外の物が出そうになる姿があった。

みんな即死だった。

破片で切り裂かれた人がいる。

がれきに押しつぶされて飛び散ったモノがある。

全身が焼けて姿がわからない人がいる。

体の大半がない人もいた。

小さな子供らしい人もあった。

 

とてもひどかった。

が、正直私はほっとしている。

 

私じゃなかった。まだ生きてる。よかった。と

 

でも、目の前の人だったものを見ると何とも言えなくなる。

私は飛び出すようにそこから逃げ出した。

 

防空壕から逃げ出してから数分、私は坂道を登っていた。

周りを見ると兵隊さんが大砲をたくさん空に向けて撃っているのが見えた。

爆撃機に当たったようで煙を吹いていた。

気が付くと爆撃機たちの中からゴマ粒みたいな黒い点がこちらに来ているのが見えた。

米粒ぐらいになると黒い点の正体がわかった。

敵機だ!

反射的に私は道のわきの草むらに転がった。

敵機が機銃を撃つ。

草むらの葉っぱが宙を舞った。

そばにいた名前の知らない人の頭が砕けた。

何も言えずに死んでいった。

残ったのは頭のない体だけだった。

 

嫌だっ!あんな風に死ぬのは嫌だ。

 

私は心の中でそう叫んだ。

敵機が旋回してくる。

私は必死になってそこらへんの草を体を隠すように引っ張っていた。

私が死を覚悟したその時だった。

敵機が火を噴いて地面に堕ちた。

兵隊さんが撃った機関銃が当たったらしい。

敵機は大きな炎を上げて燃えていた。

 

飛行機の中から一人の男が燃えながら出てきた。

新聞などに書かれているような鬼ではない。

鬼ではなかった。人間だった。私と同じ人間だった。

 

Ah-! please help me! ahhh-!

 

何を言っているのかわからなかった。

でも助けてくれと言っている気がした。

けれど助ける気にはなれなかった。

怖かった。

怒りがあった。

何も罪のない人を殺しておいて助ける必要があるのだろうか?

でも助けたほうがいいのかも知れない。

助けたほうがいいのか、よくないのか、私は正解がわからなかった。

私は何も見ていないふりをしてその場を去った。

 

あの後私はなぜかまだ火と鉄の雨が降っている町に戻っていた。

自分の家が気になったからだ。

町はひどいことになっていた。

いたるところから赤い炎とどす黒い煙が上がり、

辺りを昼間のように照らしている。

私の頬を熱い風が撫でた。

熱いっ私はしゃがんだ。

少し顔をかがめて辺りを見回した。

道には焼死体がたくさん散らばっていた。

壁に寄り掛かったまま焼かれた死体がある。

変形したバケツを持ったままの死体もあった。

我が子を守るように自らの体で包んだ親子の死体もあった。

もちろん子供も死んでいた。

そんな死体の群れを躱しながら私は歩いて自分の家の場所に向かった。

 

家は燃えていた。

赤色になってしまっていた。

何もかも失った。

家も

家族も

畑に植えたいた野菜も

畑のそばにあった桜の木も

みんな燃えて散ってしまった。

 

涙が出た。

地面に拳を叩きつけて声を押し殺しながら静かに泣いた。

まだみんなは燃えていた。

 

全てのの物を失った後、火の雨の中を私は一人歩いていた。

ほかの人が見たら、地獄を彷徨っている様にしか見えないだろう。

私は映画に出てくるゾンビのように炎の海と化した街中をうろついていたのだった。

 

気が付くと空襲は終わっていた。

火の雨は収まっていたが、まだ燃えている建物もある。

酷い姿になってしまった建物がたくさんあった。

でも、まだ原型をととどめられている建物はよいほうだろう。

町の九割以上の建物は木造なのだ。

今回の空襲で大体八~九割の建物すべてが炭や灰になってしまった。

 

灰になった家の前で泣き崩れている人を見つけた。

小さな家の人でいつもよく私と喋っていたていた人だ。

私は大丈夫ですか?とこえをかけた。

その人は涙と鼻水でひどく顔を汚していた。

その人は私の声に気付くと少し驚いたが、すぐに顔を袖で拭い鼻が詰まった声で

 

一人だけの息子が戦地に攫われたのにまた戦争は私から大切なものを奪うのか!

もうこんな世界いやだよ...

大嫌いだよ!

 

感情を爆発させながらその人は言った。

怒りのやり場がなくなったのだろう。

怒りと悲しみを混ぜた表情でそのまま泣き続けていた。

どうしていいのかわからない。

どうやって慰めてあげたらいいのかもわからない。

何もできない。

私だってこんな世界は嫌だ。

たった数十分の時間で沢山の人の幸奪い去っていく。

それがたとえ日常の中の些細な幸福だとしても。

一瞬で奪っていく。

 

失ったものは戻ってこない。

それはわかっていることだ。

でも、さっきまでいた人が一瞬でいなくなってしまうのは

言葉では表せられないほど辛く、悲しいことで受け容れ難いなのだ。

 

目を背けたい気持ちはわかる。

でも、目を背けずに前を向いて生きていかなければいけない。

 

戦争はいけないこと。

それを私たちよりも後の世代に伝えるためにも

前を向いて生きていかなきゃいけない。

 

前を向いて生きていくだけで

亡くなってしまった人の分の人生も背負って生きていけるのではないだろうか?

 

私はそう考えながら

泣いている知り合いの背中をさすり、

爆撃機が去った方角の空を見つめていた。




自分はバトラーつけてサバゲーの実戦版みたいにやってくれればいいなと思ってます。


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