続かない
ISB2262惑星ルビコン3
ベリウス地方にあるベイラム・インダストリー専属AC部隊レッドガン拠点にて2人の男女が何やら話をしていた。
「いやぁ〜、ごめんってポトマック…そんな怒らないでよ〜」
「レナ、アンタ今月これで3回目だぞ?いくらなんでも壊し過ぎだ。一体どんな使い方したら肩装備のガトリングを1ヶ月に3回も壊せるんだ?値段だってバカにならないんだからな?」
「いやぁ…それは…そのぉ…オーバーヒートするまで撃ってクールダウンしたらまたオーバーヒートするまで撃って……を弾切れするまで繰り返してた…からかなぁ…(震え声)」
「ハァ……全く……というか、そんな壊れるくらい撃つのなら別の武器を使えばいいんじゃないのか?」
「嫌よ!だってガトリング砲をブッパしてる時が一番気持ちいいんだから!!」
「はいはい、分かった分かった。俺はもう何も言わん。ただ今後は自重してくれよ?アンタが壊した分の修理費、または新規購入費もレナ、アンタの給料から引かれるんだからな?」
「うぐ…分かってるよポトマック…」
「お前なぁ……ハァ……まぁいい。じゃあなレナ」
「うん、また明日ね〜!」
(ったく、レナの奴め。整備士泣かせも大概にしろってんだ)
そんな事を考えながらポトマックは格納庫に戻り、ACの整備を始めるのだった。
「不味い……今月もうCOAMが無い…修理費と弾薬費がバカにならないからなぁ……修理不可レベルまで壊れた少微(肩ガトリング)の新規購入費が痛い…今月の食事は安い混ぜ物レーションで済ますかな…」
格納庫内でタブレット端末とにらめっこしながらウンウンと唸っているのは、レッドガン所属コールサインG11のレナ。
スレンダーな体型にピッチリと張り付いてボディラインがくっきりと浮かぶパイロットスーツを来た茶髪の少女だ。
そんな彼女に話し掛ける1つの人影。
「よっ、レナ。また武器を壊したって?」
男の名はレッド。
コールサインG6のナンバーを持ち、レナと特に仲のいい同僚である。
「そうなんだよ〜……でもさぁ、やっぱりガトリングをブッパしてる時がいっちばん気持ち良くなれるからさぁ……しょうがないじゃん?」
この女、ハッピートリガーを超えて弾幕中毒の域に至っていた。
反省の色無しである。
「いやいや、気持ちは分かるよ?俺も銃とか好きでよく整備したりもするし……けど流石に度が過ぎてるぞ。今月だけで何回目だよ?」
「うぐぐ……3回目です……」
そんな会話をしながら2人は格納庫を後にするのであった。
ーー
「ふぅ……ようやく終わった」
整備士から修理費と弾薬費の請求書を渡されたレナは深い溜息を吐く。
「来月は気を付けないとなぁ……」
そう言いながらタブレット端末で貯金残高を見るレナの表情はゲッソリとしていた。
「給料を前借りしても足らないかもなぁ……依頼でも受ければ…いやでもまた弾幕ブッパ気持ち良くて壊しそうだな……はぁ…何やってんだよ私……」
頭を抱えて項垂れるレナだが、そんな彼女見て笑う人物がいた。
「テメェは相変わらずだなァ?レナ」
「ちったァ自制心って物を覚えろよなァ」
およそ20代の男性2人組。
G5イグアスとG4ヴォルタのチンピラコンビである。
「うっさいなぁ……私の勝手でしょ?」
「ハッ、ちげぇねェ」
そんな軽口を叩き合う3人だが、仲は案外が悪くなかったりする。
3人は基地内にあるカフェテリアで不味いコーヒーを飲みながら談笑していた。
「で?アンタらの給料はどうなのよ?ちょっとでも増えた?」
レナが2人に問いかける。
「俺は多少増えたぜ?誰かさんみてェにバカスカ撃ちまくったりしねぇからな?」
「ま、そういうこったな。」
「ぐぬぬ……」
悔しそうに歯噛みするレナ。
そんな光景を傍観しながらコーヒーを飲むイグアスとヴォルタ。
「まぁ、テメェは割とマジメに自制心覚えた方が良いぜ?ミシガンの野郎がボヤいてるの聞いちまったからなぁ…『レナの弾幕中毒を治す為には素手でアーキバスとの戦闘に放り込む必要がありそうだ』だとよ」
「え?」
それを聞いたレナの表情が凍りつく。
「うげぇ…それ実質死刑宣告では…?」
「ハッ!ざまぁねェな!」
「嫌なら少しは自重しろよ」
と、イグアスとヴォルタにからかわれるレナ。
2人は笑いながら立ち去っていく。
「はぁ……本当に、不味いコーヒーだよ……全く」
レナは溜息混じりにそう呟くのであった。
レナ
【挿絵表示】
18歳の少女
識別名はG11レナ、AC名はアンタレス
エンブレムは赤いサソリ(足が8本ハサミが2本尾針が1本の計11本でG11のナンバーを表している)
ベイラム・インダストリー専属AC部隊レッドガンのメンバーでコールサインはG11
レッドガンのリーダー G1ミシガン総長とは義理の親子の関係
惑星ルビコンで生まれ育ったルビコニアンだが、産みの両親が星外から密航した独立傭兵で、レナが3歳の頃に戦死。
その後両親が密航者で企業の依頼を喜んで受ける独立傭兵だったが為にルビコン解放戦線の一部ルビコニアン達から差別を受け、スラムの様な土地で腐ったミールワームと汚染水や泥水を啜って生き延びた。
そのせいでルビコンとルビコニアンが大嫌い。
そんな生活が祟り、8歳の時に身体が限界を迎えて死に掛けていた所をたまたま近くを通りがかったミシガン総長に救われ養子となる。
まともな食事や雨風を凌げる建物、清潔な服に暖かいベッドなどを与えられ、恩を返したい一心で体作りと勉強を頑張り、レッドガンに入隊した。
幼い頃の栄養不足な生活が原因で18になった今でも身長が低い事がコンプレックス
名前の由来はロシア連邦シベリア東部のイルクーツク州とサハ共和国を流れる川