ヴァルキューレ警察学校所属、公安局のとある生徒との絆ストーリー。

※ オリキャラがメインで出ます。
※ 小説本文は先生の一人称一元視点です。
※ 時系列は最終編後、「カルバノグの兎」編第2章冒頭程度を想定しています。ネタバレにはご注意ください。
※ モモトーク風レイアウトや攻略wiki風レイアウトの再現に特殊タグを使用しているため、実際に小説としての体を成している本文文字数は3300文字程度となります。ご了承ください。

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いぬのおまわりさん

 山積みになっていた書類仕事に一区切りがつきそうなところで、スマートフォンが鳴動した。モモトークに新しい通知が1件来ている。先日、シャーレ奪還作戦で協力してくれた公安局の生徒からだ。

 

MomoTalk

_リコ

◀︎
先生、何か事件はありませんか

先生_

▶︎
いきなり物騒だね

▶︎
どうしたの?

_リコ

◀︎
少々暇でして

◀︎
シャーレなら何かしら事件を抱えている

だろうと

先生_

▶︎
今はないかな

_リコ

◀︎
そうですか

◀︎
それは良いことです

絆イベント

リコの絆ストーリーへ

 

 


 

 

 書類に一区切りつけたところで、ユウカに「ずっと座っていては健康に悪いので、少し散歩してきてください」と言われてしまい、特段あてもなくD.U.を散歩する。しばらく散策していると、ヴァルキューレ公安局の制服を着た生徒がパトロールをしていた。温和なラフ・コリーを連想させる子だ。

 

「こんにちは、リコ」

 

 半垂れ(セミ・プリック)のイヌ耳がぴくりと動き、彼女はくるりと私の方を向いた。真っ直ぐ垂れたふさふさの尾が、上機嫌そうにゆったりと振られている。全体としては黒いのに先端のごく一部だけが白いので、非常に目を引いた。

 

「こんにちは、先生。事件ですか? 事故ですか?」

 

 口調こそ深刻そうだが、どこか期待に満ちた目をしている。

 

「散歩をしていただけだよ」

 

 首を横に振ってそう答えると、リコはがっくりと肩を落とした。尻尾の動きも止まっている。

 

「……そうですか。先生が歩き回っているだなんて、これは何かあったに違いないと思ったのですが」

「私もたまには散歩をするよ」

「それは、健康的で良いことですけれど」

 

 はぁ、とリコが溜め息をつく。

 

 キリノたち生活安全局の生徒がパトロールをしている光景はよく見かけるが、思い返してみると公安局の生徒が見回りをしている印象はなかった。

 

「公安の子もパトロールをするの?」

「これは私的にやっているものです。実はボイコット中なので」

「ボイコット?」

「はい。先日の作戦が独断専行とされて、局長が更迭されまして。なので局員一同、局長の復職を求めてボイコットしました」

「そっか……。カンナには、無理をさせてしまったね」

「局長はだいぶ無理を通しましたが、局員一同、そして私個人的にも、昔の正義感に満ちていたころに戻ってくれてうれしいんです。だからこそのボイコット、と言うわけです」

 

 そう言うとリコは肩を竦めた。

 

「まぁ、いざやると暇になりすぎたので、こうして日課のパトロールで暇を潰しています。私的に事件解決をする分には、ボイコット放棄にはなりませんから」

「仕事熱心なんだね」

「いいえ。事件があれば合法的に銃が撃てるからですね」

「えぇ……?」

 

 彼女の右手がホルスターを撫でる。そこに収められた銃は、一見するとヴァルキューレ制式の銃ではないように思えた。折り畳み(フォールディング)ストックのカービンに、ドットサイトとウェポンライトが取り付けられているように見える。

 

「おや? 先生もお目が高いですね。私のシェパードちゃんに目を付けるなんて」

「シェパードちゃん?」

「はい。勝手にそう呼んでます。いい名前でしょう? 公安(我々)の仕事は、無辜の羊に仇を為す(やから)を捕らえること――」

 

 鼻高々にそこまで言って、私とリコの目が合う。リコは何かに気がついたようにばつが悪そうな表情をした。

 

「――あぁ、まぁ、先生ならあの不良たちもまた生徒だと言うでしょうね。ただ、更生は公安の仕事ではないので、ええ、そのあたりは矯正局と先生に任せます。きっかけもなく悪事を働くほどの悪人はそうそういない、と言うことは理解していますよ」

 

 彼女が手のひらを2回、パンパンと叩く。

 

「この話は、また機会があればと言うことで。シェパードちゃんが気になったんですよね?」

 

 リコがホルスターから銃を抜く。第一印象とは異なり、カンナのものと同じカラーリングの第17号ヴァルキューレ制式拳銃に、カービン型の外装パーツが取り付けられていた。

 

「カンナと同じ銃だよね?」

「はい。だいぶ見かけが変わっているでしょう? 素の17号だと距離と精度の問題で撃ち負けたり、部下を指揮するときに問題があったので、私費でコンバージョンキットとか色々買って私好みにカスタムしたんです。あっ、シェパードちゃんの本体はまだ支給品扱いなので、もちろんちゃんと元に戻せるよう配慮はしてますよ?」

 

 ものすごい早口だった。彼女の銃に対する偏愛が感じ取れるほどに。

 

「他の銃に変えたりはしなかったの? フブキと同じライフルとか」

「嫌ですよー。フブキ、と言うと14号を使ってる生活安全局の子ですよね? もちろん14号は良い銃ですけど、シェパードちゃんは私が初めて手に入れた銃ですから、特別なんです。そのうち買い取る予定です」

「……入学してから銃を持ったの? 珍しいね」

 

 キヴォトスではスマートフォン感覚で銃が流通している。高校に入学するまで銃を持ったことがないというのは、相当珍しい。

 

「まあ、昔はスマホと銃どっちかしか選べないくらいにはお金がなかったので。その2つなら、流石にスマホを選びますよ」

「それもそうだね。銃ではモモトークも使えないし――」

 

 少し遠くで爆発音。およそ100m離れた地点だ。私と向かい合って話していたリコが素早く現場の方へ振り向く。

 

「ポンポコヘルメット団だー!」

 

 市民が叫びながら、商業施設から逃げまどっていた。どうやって目立たずに集合したのか、非常に特徴的なヘルメットを被った不良集団がここから見えるだけでも20人ほどいる。

 

「おお、事件! やはり先生の傍にいると暇しないようですね! ……あっ、いえ、喜んではいけないのですが!」

 

 嬉々とした様子のリコが私に振り向き直す。

 

「先生。これから公安局員を招集するので、指揮をお願いできますか?」

「いいの?」

「ボイコット中ですから、シャーレの指揮下に入った方が都合がいいんです」

「わかったよ」

「そう来なくっちゃ!」

 

 リコが無線機を手に取った。

 

「公安局員諸君、事件だ! 現場はD.U.サンシャインモール! シャーレの先生もいるから、対応してもボイコット放棄にはならないぞ!」

 

 周辺の地図が全て頭に入っているのか、リコは地図を見ることなく爆発現場の詳細な位置とヘルメット団に見つからないだろう集合経路を口頭で伝える。数分のうちに1個分隊分の生徒たちが集まった。

 

「書類手続き飛ばせば、これだけ早く集まれるんだ……。いえいえ、いけない考えです。法に縛られるからこそ、暴力装置はその存在を許されるのですから」

 

 少し複雑そうな表情をすぐに消し、リコと部下の生徒たちが私を見る。

 

「それでは先生、指揮をお願いします!」

 

 アロナがシッテムの箱の戦術指揮モードを起動した。

 

 …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……

 

 現場にいるヘルメット団に見つかるギリギリまで距離を詰めた後、リコがヘルメット団の少女たちの正面へ躍り出た。ここまで早くヴァルキューレが――それも公安局が出てくると思わなかったヘルメット団側に動揺が走る。

 

 その隙を見逃さず、リコが素早く照準した。

 

「頭がお留守ですよ!」

 

 ただの拳銃で撃つにはまだ距離がある。しかしリコは折り畳み(フォールディング)ストックを展開すると、肩と頬、両手の3点で支えるように構えてドットサイトを覗き込み、あっという間に頭へ2発叩き込んで1人を気絶させる。

 

 リコは不良生徒のヘイローが消えたことを確認すると、ウェポンライトを点灯して素早くターゲットを変更した。

 

「ほら、眩しいよ!」

 

 リコのシェパードちゃんに備え付けられたウェポンライトは極めて明るいようだ。その光が不良生徒たちの目に突き刺さり、幾人かが堪らず目を押さえた。

 

 公安局の生徒たちに指示を出し、次々に制圧していく。

 

「不謹慎、と自覚はありますが……!」

 

 楽しそうにしているリコのエイムが冴えわたっている。そろそろ制圧できそうなところで、おそらくはヘルメット団のボスだろう子とその取り巻きが出てきた。

 

 リコに目標を指示し、リコはその通りにウェポンライトでボスを照らした。強烈な光にボスの目が眩む。

 

「目標照射、集中砲火!」

 

 公安局の生徒たちがリコの照らした相手目掛けて攻撃を集中させ、戦闘開始から1分でヘルメット団は鎮圧された。

 

 …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……

 

「うーん」

「どこか怪我したの?」

「いいえ。怪我は部下も含めてないのですけれども……」

 

 少々不満足そうだ。

 

「どうにも、先生の指揮下だとあっさりと勝てすぎて、思いのほか淡白と言いますか。いえ、もちろん公安局員としては喜ばしいことなのですが、個人的にもう少し撃ちたかったと言いますか」

 

 温和で真面目そうな公安局の生徒は、少し心配になるくらいのトリガーハッピーだった。

 

 


 

 

画像

プロフィール

No Image

(トライカラーのラフ・コリーのような雰囲気がある

半垂れイヌ耳の少女。

黒のストレートロング。優しげな垂れ目。

真っ直ぐ垂れたふさふさの尻尾。

とても温和な性格に見える。)

名前

リコ

フルネーム

伴野とものリコ

学園

ヴァルキューレ

警察学校2年生

部活

公安局

年齢

16歳

誕生日

10月10日

身長

163cm

趣味

パトロール、

銃の手入れとカスタム

基本情報

ヴァルキューレ警察学校所属、公安局の一見温和そうに見える生徒。

 

幼い頃人質に取られた際に助けられたことがきっかけで、ヴァルキューレ警察学校に入学した。

入学するまで銃に触れたことが無く、初めて自分の銃を持ってすっかりのめり込んでいる。

空き時間は私的にパトロールに出ているが、それは何か事件が起きないかと期待してのことであり、事が起きると非番でも嬉々として現場に行き犯人との銃撃戦を楽しむ悪癖がある。

 

ステータス

役割

STRIKER

ポジション

FRONT

クラス

サポーター

武器種

HG

遮蔽物

使う

攻撃タイプ

貫通

防御タイプ

軽装備

市街地戦闘力

A

屋外戦闘力

D

屋内戦闘力

A

 

EXスキル

目標照射、集中砲火!

Lv

コスト

効果

5

3

指定した敵に対して集中砲火状態(30秒間)

さらに気絶状態を付与(5.0秒間)

 

ノーマルスキル

頭がお留守ですよ!+

Lv

効果(愛用品T2)

10

20秒毎に敵1人に対して、気絶状態を付与(3.0秒間)

さらに攻撃力の300%分のダメージ

 

パッシブスキル

不謹慎、と自覚はありますが……!+

Lv

効果(固有武器★2)

10

CC強化力を27増加

さらにCC強化力を26.6%増加

 

サブスキル

ほら、眩しいよ!

Lv

効果

10

ターゲットを変更した時、

変更先の敵に対して30%の確率で気絶状態を付与(0.5秒間)

(クールタイム15秒)

 

固有武器

第17号ヴァルキューレ制式拳銃-シェパードちゃん

No Image

(GLOCK 17 Gen4 + B&T USW-G17 + Aimpoint ACRO P-2 + Surefire X300U-A)

詳細

リコがヴァルキューレ警察学校から支給されている制式拳銃。

 

私物のカービンキットなどを取り付けて彼女好みにカスタムしている。

支給品なので、元に戻せるよう配慮はしている。

 

愛用品

リコのドットサイト

No Image

(Aimpoint ACRO P-2)

詳細

リコの私物である密閉型ドットサイト。

支給品の拳銃よりも高価なので、壊したり壊されたりしないよう気を使っている。

 

 


 

 

家具モーション

事務用デスクセット

No Image

(デスク+ワゴン+チェアの3点セット)

説明

ヴァルキューレ警察学校の公安局に設置されている一般的な事務用デスクセット。

この席を割り当てられた生徒の趣味なのか、第17号拳銃と同型の拳銃用であるカスタムパーツのカタログが整理整頓されて収まっている。




<後書きその1>

 いぬのおまわりさん。あるいは、何が何でも気絶状態付与するガール。



<旧前書き>

 つい先日、ピストルカービンキットなるものの存在を知りました。それが私には非常に格好良く思えたこと、ブルーアーカイブも時折思い出したように遊んでいることから頭の中で反応が起き、ふんわりとしていますが単発で投稿しようと思う程度にはまとまってしまったので投稿いたします。

 ただし、私はブルーアーカイブに関してまだ最終編を読めてないくらいのニワカです。
 ネタバレは自分がされることに限ればそこまで気にしない性分ですので、本作はその内容のほとんどをTwitterなどで受動喫煙した知識で描いています。
 もし明確な間違いがあれば、是非ともご指摘ください。

 また、別原作の二次創作小説執筆を最優先としていますので、本作について今のところ続きを掲載する予定はありません。

 モモトーク風レイアウトや攻略wiki風レイアウトの部分は、試しに作り始めたら楽しくなってしまいました。誤字報告を押しますと、どのように特殊タグを使用しているか見ることができます。もしご入用でしたらご自由にご利用ください。
 (追記)チラシの裏に「モモトーク風レイアウト」として抜粋して掲載いたしました。返信や既読など本文で使っていないおまけも作りましたので、ご自由にご利用ください。

 なお、特殊タグによるrowspanの指定が最大9でしたので、攻略wikiのレイアウトをそのまま再現することはできませんでした。



<旧後書き>

 本作を書くきっかけとなったピストルカービンキットは、法執行機関向けに開発されたものでした。それとブルーアーカイブが作者の頭の中で反応するにあたり、まずヴァルキューレ警察学校の生徒となることが決定しました。

 また、学校が決まりますとそれから童謡『いぬのおまわりさん』を連想しました。童謡『いぬのおまわりさん』発表時、その挿絵に描かれている犬種はコリーだったそうです。ここで主人公がコリー系のイヌ耳少女となることが決定しました。

 トリガーハッピー気質になったのは、作者自身何故なのかわかりません。書いていたら自然とそうなっていました。



<後書きその2>

 モモトーク部分は、SunGenuin(佐藤)氏の『特殊タグを使用したデザインの紹介その2』を参考として、より柔軟性のあるboxで再現できないか試行錯誤したものとなります。

 また、プロフィール等の部分は、有志の攻略wikiのレイアウトを参考にいたしました。

 スキル等の設定は、下表のキャラクターを参考に壊れた性能にならないよう配慮はいたしました。ただし、ブルーアーカイブにおいてCCは強いと聞きますので、これだけ特化させていると性能が壊れているかもしれません。

 EXスキルはカンナのEXスキルと相性が良くなるよう意識いたしました。旧海軍における探照灯の使用方法を参考としています。

スキルの設定に関して参考としたキャラクター一覧
EXスキル
ノア、ミヤコ
ノーマルスキル
(愛用品T2)
ヒナ(水着)、スズミ
パッシブスキル
(固有武器★2)
カヨコ
サブスキル
イズミ(水着)




2024/01/08 12:00
前書きが長くスクロールしないと小説本文が見られない状態だったため、前書きを後書きに移動いたしました。

2024/01/08 18:30
モモトーク画面風レイアウトの部分の再現度を高めました。
ご利用の際は、各キャラクターのトーク部分について18文字で手動改行するようにしてください。

2024/01/09 19:30
iPadで意図しない表示となっていた問題を修正いたしました。

2024/01/11 21:00
チラシの裏に掲載した特殊タグ練習「モモトーク風レイアウト」へのリンクを追記いたしました。

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