今日も今日とて仮面の更新をしていきます。ちなみに更新帯は本編の区切りですが、メインとしてるあのユニットのメンバーたちは出ませんオイ
今回は前回の続きとなっておりますので、先に前話をご覧頂けるとこの後の内容が分かりやすくなっております。まだご覧になっていない方が居ましたら、是非とも前回更新分と併せて閲覧頂けると幸いです。
それでは、本編スタートです。
最後までごゆっくりお楽しみ下さい。
「あー、酷い目に遭った……」
「でも颯樹にとっては、アタシに抱き着かれて満更でも無かったでしょー?」
「……ま、結局あの行動があったから何とか逃れたけど、傍から見れば異常だからね!? もっと危機感を持って!」
「……はぁい」
燐子や花音からのお説教が終わり、僕たちは海で遊ぶ事になったのだが……花音の方が極度の水が苦手な質であり、そして迷子になりやすいと言う普段の行ないも災いして、パラソルを張った場所で留守番になってしまった。
それを燐子が気遣ったのか、彼女が花音の方に就くとは言ったのだが……如何せん二人とも遠目から見れば、否が応でも目を引く存在であり、その判断が吉と出るか凶と出るかと言った所だ。
「二人が荷物を見てくれてるお陰で、アタシたちはこうやって遊べてる訳だし……気にしない気にしない☆」
「こーら、調子に乗らない。あとシレッと右腕の所に何か当たってるんだけど僕の気の所為かな?」
「んー、当たってるんじゃなくて……当ててるんだよ☆」
「……さいですか」
僕は未だにしつこく絡んで来るリサに対応しつつ、この日に日に暑くなって来る時期にはぴったりな、海を満喫していた。普段がお仕事だったりバンド活動に学業等に目白押しな為、こうやっておちおち休めている暇が無いのが現状だった。
ただ……この場には花音の誘いがあって来れているし、とんだ予想外の展開ではあるものの、リサや燐子も加わって四人で過ごしているので、退屈する事は無かったりする。
「ふふーっ、どう……颯樹。アタシの胸、気持ちいい?」
「本っ当にリサって人の事を揶揄うの好きだよね。通りで日菜と仲が良い訳だ」
「むっ、それってどう言う意味! そんな意地悪を言う颯樹にはこうしてやる〜っ!」
「えっ、ちょっと……何すんのッ!?」
そう言ったリサは何を思ったのか、僕の背後に周り込んで勢い良く飛び付いて来た。さっきまでは絡みつかれてると言うのもあり、若干動きづらさが目立っていたのだが……今度は背後からなので、彼女の重さを直に体感する事になった(若干重いなとは思ったが、それは本人の名誉の為に発言を控えた)。
リサが今着ている水着は、水色を基調とした白のレースが付いたホルターネックタイプのビキニで、下の両隣を紐で軽く結わえて留めるタイプみたいだ。
彼女は普段から派手めな服装が多いので、今回の様な爽やかで清楚なイメージを思わせる水着をチョイスしたのは、僕としては少々意外な所だったが。
「んー♪ 颯樹にこうしてると、何だか落ち着くな〜☆」
「はいはい、良かったですねー」
「……何その如何にも興味無さそうなませた反応。アタシだって一応、れっきとした女なんだけどっ!」
「頼むから声は少し抑えて……。そりゃあ僕に会う度毎回抱き着いて来てるでしょ。そんな相手にどう感情を持てって言うつもりなのさ……紗夜に怒られたとしてもそのままなクセに」
……これは事実だ。
現にリサのスキンシップの激しさは、僕の知り合いの中でも彩と日菜に並ぶ程だ。同級生の区分で見たらこの二人だが、下級生の方で見ると……この手の事をするのは、イヴか香澄かの二択になって来る。まあ、何方も異性に対しての危機感と言う物が無いと言う証明にはなるのだが。
ただ、リサ自身は……。
『アタシ、颯樹以外のオトコには興味無いし、お友達なら良くても恋愛感情なんて一切抱かないから』
と言っているので、これは本人なりの気持ちの伝え方の一つなのだろうなぁ……と思っているけれど。
「……へぇ〜、アタシに向かってそんな事言うんだぁ……颯樹ってそう言う事を平気で言えるくらいには、立場がすごくエラくなったんだねぇ……」
「リサ、それはいったいどう言うつもりさ?」
「いんやぁ〜? 何で花音や燐子みたいな大人しい子がやったら良くて、アタシがやったらダメなのかなーって。アタシ、あの二人と比べたら確かに大人しい感じじゃないけど、それでも一応女なんだし……疚しい気持ちの一つや二つ、抱いてくれたって良いじゃん。アタシの事を乱暴に犯すくらいしてくれても良いじゃん」
僕からの返答を聞いたリサが、本気の嫌味をたっぷり含ませた言葉で反論しにかかった。最後の方に小声で少ししか聞き取れなかった部分はあったが……要は僕が彼女より優位な立場に居るのが、少々……いや、誠に遺憾に絶えない上で、いつでも襲われて良い覚悟は出来てるはずなのに、僕がリサに手を出さない事に非常に腹を立てている様だ。
……いやいや、もし仮にそれが出来たとして、その後の後処理はどうするんって話なんだよ。そう言うのはリサだけじゃなく、彩やちーちゃんに花音とか……その他大勢の同じ気持ちを持つ人の前でも、先程の様な同じ事が言えるんだったらまだ良いのだが(本当は良くない)。
それになんか、気の所為じゃなければ何処からかイヤーな予感がするのは、気の所為だろうか。感じとしては先程の一悶着あった時と同等かそれ以上だと見えるが。
「良いよ、正直になっちゃえ☆」
「……はい……? っ、ちょっ!」
「んっふっふっふー。アタシの方はいつでも準備が出来てるんだから、あとは颯樹次第だよ☆ あの二人や彩に千聖とかにできない事……アタシがた〜っくさん、颯樹の気が済むまで存分にシてあげるけどなー?」
うわぁ、これどうすんのさぁ……。
背中から贔屓目に見なくても麗しい少女が抱き着いて、さらに耳元でそんな事を囁かれたもんだから、僕の身体も無意識のうちに反応してしまってるよ……(まあ、僕の腕に絡み付いて胸を押し当てて来た時点で、薄々気付いては居たけれども)。
僕からは死角になっていてリサの顔は見えないけれど、彼女自身はすっごく悪い顔をしていると思う。その様はまるで……猫が自らの獲物である鼠を見つけて、今すぐにでもご馳走を食べたいと、その獲物を捕らえる決定的瞬間を待ち侘びているみたいだ。
「ほほぉ……実際に抱き着いてみて分かるけど、颯樹ってかなり逞しい背中してるねぇ〜。さっすが男の子だ☆」
「……あっ、そうですか」
「そんな身体付きも性格もバッチリな颯樹に、もし触れてしまおう物なら……アタシ、一体どうなってしまうんだろうねぇ……?」
段々リサとのやり取りが淡白な物になって来ているし、と言うよりも……我慢の限界がそろそろ来てしまいそうだ。このまま彼女の好きにさせておくのはなんか癪に障るし、そろそろ何かここで手を打たねばマズイ……でも、この状況で何が出来るかと言われたら考えるのに少し時間を要してしまうし……。
いかん、頭ん中真っ白になる! 少ない時間でも脳をフル回転させて思考を巡らせなければ……喰われるッ!
「じゃあ、直に感じさせて……ッッッ!? 何この悪寒! すごく寒気がしたんだけど!?」
……よし、隙あり!
「リサ、そろそろ降りて。周りからの眼が次第に生暖かい物になってるし、どっからか睨まれてるよ」
「……うん、そだねー。あ、あはは……はははは……」
無言の圧力を飛ばして来た二人に心の中でお礼をして、僕はリサを背中から下ろした。その今までミノムシの様にくっ付いていた彼女の方はと言うと、冷や汗をかきつつもまだ物足りないと言った具合で三者三様ではあったのだが。
その後は二人の待つパラソルに戻り、全員で出来る簡単な海辺ならではのゲームをして、日中を過ごす事になった。時折燐子や花音からの手痛い言葉の集中放火がリサを襲ったのだが、それはまた別の話だ。
「……お仕事中に大変申し訳ありません。2名で其方に宿泊を予約している盛谷ですが」
『はい、どうなさいましたか?』
「唐突なお願いで恐縮なのですが……宿泊の人数を更に2名追加して頂く事は出来ませんでしょうか? 料金はキチンとお支払い致します」
『……はい、承りました。お部屋の空き状況を確認して参りますので、今暫くそのままでお待ち下さいませ』
……さて、と。あの二人の事だ、このまますんなり終わらせてくれる筈が無いだろうから、少し此方も手を打ちますかね。
「おぉ〜っ!」
「眺めが、とても綺麗ですね……」
「ホントホント〜。ありがとね、颯樹♪ 急遽飛び入りでの参加だったのに、宿泊先まで用意してくれてさ☆」
海で一頻り遊んだ僕たち4人は、今回宿泊を予約していたホテルの方に足を運んでいた。ここに来る前に一度車を停めたパーキングに戻って、そこから車を出して移動したのだが……助手席に座っている花音をリサと燐子が心底羨ましそうな顔をしていたのだ。
……まあ、このお出かけを言い出したのは花音なので、このくらいの対応は有って然るべきだと思っているけれど。
「でも、よく人数の追加が通ったね……。普通なら受け入れてくれない所が多いはずなのに」
「そこは僕も予想外だったよ。さっき電話に出ていたスタッフさんがその時の空き部屋を確認してくれてたんだけどさ、偶然にも和洋室のお部屋が一部屋余っていたみたいでね……宿泊するお部屋はそこで、尚且つ来館時にお支払い頂く金額が当初の二倍になると言う条件で、快く引き受けてくれたよ」
「そ、そうなんだぁ……」
本当はこの手の事例は余程の事が無いと起こらないし、かと言って急遽飛び入りで泊めてください、なんて言われて直ぐに応対出来る保証が……万が一にもある訳ではないのだ。それを考えたら、先程対応して下さったスタッフさんには本当に感謝の気持ちしか無いし、成る可く粗相が無い様にしたい所だ。
ちなみに部屋の構成はと言うと、よくホテルとかでは散見される様な手前側に和室があり、その奥には二つの大きなベッドにテーブルと椅子が置かれている物だった(ただ就寝時に毛布や布団は和室の方には置きません、と言う注意はあったけど)。
まあ、こう言う機会は年内に早々無いので、たまに来る分には良いが……これがほぼ恒例と化すと大変になるので、考えようとは思うのだが。
「さてっ、と! それじゃあ先ずは寝場所から決める?」
「確かにそれは良いかもね。寝る時は殆ど電気も消してる状態だし、予めわかってたらいざと言う時にも対応出来るからね」
「じゃ、じゃあわたしは……窓際にしますっ。松原さんは、どうしますか…?」
「えぇっと……じゃあ、私は……」
リサの突発的な発言から始まった寝場所決めは、時間にして約三十分と言う長い格闘の末に結論が固まった。本当はこの間に館内の構造を把握したり、夕食やお風呂等の時間の確認だったり、やるべき事がたくさんあったのだが。
話し合った結論としては……。
との事だ。
これは話し合っていた時の余談だが……入口側にリサ、その隣に僕が寝る、と言う意見が出た時は花音と燐子から猛烈なバッシングを受けてしまったのだ。これを聞いたリサは負けじと反発してしまい、軽く修羅場を思わせる光景となってしまった。
まあ、リサの場合は浜辺での二度の騒動が原因なので、あの二人が異を唱えたくなる理由も何となく理解は出来るし、僕としても最初はそのつもりで断る手筈では居た。……だがしかし、それが理由だからと言って、彼女の気持ちを蔑ろにするのも少し遠慮したかった所だ。
……なので、苦渋の決断ではあったが。
『リサの事は僕が確りと監視しておく。これ以上暴れられたら堪らないし、僕が近くに居れば多少その気は収まるでしょ』
との旨を伝えて何とか事を収めた。
結局……花音と燐子は不機嫌そうな顔をしているのは変わらなかったけど、この案ならと言う事で妥協する事になったのだ。頼むからこの後に喧嘩はしないで欲しいな……本当に。
「ありがとね、颯樹☆」
「僕からも一応釘刺しとくからね、リサ? あんまり粗相をやらかしちゃダメだよ」
「うっ、手厳しいなぁ……善処します☆」
「言質取ったからね」
さぁて……たぶんだけど、今夜辺りにまた一波乱あるかもしれないし、何が起こっても良い様に用心をしておこうかな。
そうして寝場所を決めたり、荷解きまで済ませた後……女性陣はホテルに常備されている部屋着に更衣をして、三人連れ立って温泉の方へと歩き出す事となった。僕はそこまで早めに入ろうとは思わなかったので、彼女たちを女湯の暖簾のある手前まで見送ってから、宿泊部屋に戻って少しだけ仮眠を取った。
だが仮眠を取ろうとした時、唐突に送られた下着姿のリサの画像を見て悶える事になったのは……またの機会に話すとしよう。
『今夜はいーっぱい構って貰うから、覚悟してなよ☆』
「(リサの野郎……あんだけ釘刺したのに、それでもなお変わり無したぁ……これは本格的に一つお説教逝っとくか…!?)」
今回はここまでです。如何でしたか?
次回もなるべく遅くならない様に更新しようと思いますので、更新通知を今暫くお待ちくださいませ。
それでは、また次回の更新にてお会いしましょう。