筆が乗りましたので……連日更新、行きますよー!
それでは、本編スタートです。
最後までごゆっくりとお楽しみください。
「それじゃあ……始めるよ」
「よろしくお願いします♪」
初華とまなに拠る、苛烈なハニートラップの第一陣を何とか潜り抜けた僕は……彼女たちの考案した第二陣に陥っていた。どうやら先程まで車内でコソコソと話し合っていたのは、僕をこの始末に追い込む事らしい。
数分前にじゃんけんで勝利を収めたまなは、心底楽しみな様子で待ち侘び……二番手になった初華はと言うと、内心では悔しさを滲ませつつも、後に何か企んでいるのか平然としていた。
容器から押し出したクリームを手で軽く広げ、まなの背中にピトッと付けた後に優しく這わせたのだが……彼女の口から聴こえてきたのは、世間一般の女性と比べても遜色無い程の甘い喘ぎ声だった。
日焼け止めが背中に塗られた事で、自らの身体全体を清涼感が伝っていて、それに空かさず反応したのだろう。
「(うぉっ……これはさすが、アイドルだね。ひと声聴くだけで意識が一気に持って行かれそうだ。でも、最後までやってしまうまでは耐えないと)」
「あっ……さつき、さん……っ♡ なんだか手つきが、すごくやらしい、ですぅ……あぁっ♡」
「ダメ、我慢して。年上を揶揄うとどうなるか、その身で教えてあげないとね」
「わ、わたし……そんな、つもりじゃ……ひゃあっ♡」
全身に日焼け止めを塗られてる途中で、まながそんな事を絶え絶えに伝えて来たが……僕はそれをお構い無しに、彼女の身体全体に塗り続けた。僕としては先程のお返しがしたかったので、まながこれで懲りてくれれば、目的はほぼ達せられた物なのだが。
「……よし、これで良いかな」
「あっ、もっと……えっ?」
「前は自分でできるでしょ。それと布に触れてる部分は、さすがの僕でも触れちゃいけない……その点は弁えないと」
「で、でも……わたし……。良いです、よっ」
……はいぃ?
「さつきさんになら……すきに、されても……♡」
「え、マジで言ってる?」
「……女の子に最後まで言わせないでくださいっ。私は、気にしませんから♡」
「ま、マジか……」
「もっと、してください……あんっ♡」
……なるほど、そっちがその気なら、僕もここからは本気でやらせて貰おうかな。あとから加減して欲しいと言われても、緩めてあげないから覚悟してなよ。
「やっ……あぁっ♡そこ、良い……ですっ♡ふぁぁっ♡」
「ほら、大人しくして。そんなに気持ちいい?」
「だって、こんなに気持ちいいの……あっ♡わたし、生まれてはじめて……です、からぁ……あんっ♡」
「そっか。感傷に浸るのは勝手だけど、まだ残ってる所があるからやるよ」
僕の言葉を聞いたまなは、終始艶やかな嬌声をあげる事になった。それを聞いた初華は友人の新たな一面に驚くと同時に、もしや自分もあんな風に……と心の中で思ったのか、顔中が茹でダコの様に真っ赤に染って行った。
まあ、高校一年生にとっては刺激が強いから、そう思っちゃうのも無理は無いけど……元はと言えば、年上を揶揄う様な事をした二人が悪いんだから、確り反省して欲しいのが本音かな。
そんな事を考えながらも……僕はまなに日焼け止めを塗り終わり、次に控えている初華の方へ移る事にした。その横では日焼け止めを塗る為にズラした水着を戻さずに、ただその場で延びているまなが居たのだが……何処か幸せそうな表情を浮かべていたのだった。
「いいねいいね〜、やっぱり颯樹くんは当たりだったよ。こんなイイ風景を収めさせてくれるとは……いやはや、徳は積んでみるものだね」
……あっ、濱瀬さんあんなとこで写真撮ってる。
まあ、今はそっとしておきますか。後々痛い目を見るのは貴方自身だって、思い知らせてあげますから。
「それっ!」
「きゃっ! やったなー、そりゃっ!」
僕の気も知らないでまぁ……。こんな気分になったのは一体全体誰の所為だと思ってるのさ。ま、二人が楽しそうに遊んでいるなら、それはそれで良いかな。
女性陣の身体に日焼け止めを塗り終わった後、それを待ってましたと言わんばかりにまなが初華の手を掴み、我先にと海の方に走って行ったのだ。初華の方は最初こそやれやれと言う感情が勝っていたが……今ではそんなの何処へやら、と言った具合だ。
僕は二人からは少し離れた所で日陰に入り、三人分の荷物を見張っている事にした。グラビア撮影用に選ばれた場所なので、周りには僕たち以外の人物(居ても撮影スタッフくらい)が居ない為……少し気が楽になる感覚があった。
「(それにしても、さっきは地獄だった……。まなが終わったと思ったら、今度は初華でも同じ目に遭ったんだもん。暫く頭から離れなくなってしまうよ……)」
……そう、まなの身体に日焼け止めを塗った後、その直後に初華から同じ事を頼まれたのだ。先手後手をじゃんけんで決めていたので、彼女から言われる事の見当は付いていたのだが……何分興奮冷めやらぬままに誘われたので、おちおちひと休みする暇も無かったのだ。
好きな人が出来た女性は、目に見えてわがままになりやすいとは聞いた事があるが……ここまでの変わり様だと、もし僕がこの場に居なかったら、と考えると身震い物だ。
だからこそ、一度行動を起こす時は細心の注意を払って警戒を怠らない様に……え、何かこっちに駆け寄って来たんだけど。
「颯樹さんも一緒に遊びませんか? 海の水が冷たくて気持ちいいですよ♪」
「あー、その気持ちは嬉しいけどごめん。荷物番をしてないと行けないから、僕は気にせず二人で楽しんで来てよ。せっかくのオフなんだしね」
僕がそう言うと……まなは唐突に僕の右手を確り掴み、自分の胸に押し当てた……えぇっ!? 少し離れた所で初華もびっくりしてるし、何があった!?
「……わたしの胸、結構あると思うんですけど」
「え、えぇ?」
「日焼け止めを塗ってる時、感覚を確かめる様にゆっくり丁寧にやってましたけど……気持ちよかったですかっ?」
……は? 確かに気持ち良かったのは否定しないけど、何でそれをここで言うの?
「……やっぱり、ういちゃんが良いですか?」
「え?」
「私の目から見ても、ういちゃんは確かに魅力的で可愛いと思いますけど……私だって、アイドルなんです。ういちゃんには引けを取らないつもりですよ?」
「えっ、そりゃあ……確かに。僕から見れば二人とも魅力的だけど……」
そんな事を言われていると、先程まで足を海の水に入れていた初華がゆっくりと此方の方まで戻って来て、僕の後ろを陣取る様に抱き着いてきた。
「いくらまなちゃんと言えど……先輩は私の物だからね。そう簡単には渡さないよ」
「うん、私だって負けないよ。いくらバンドメンバーで友達だからと言っても、好きな人まで譲るつもりは無いからね」
「じゃあここからは……」
「敵同士、だねっ」
そう言うや否や、二人の間に見えない火花がバチバチと散り始めていた。この手の事は
だからこそ、この事案は成る可く当人たちだけで事を収めて欲しいと思っているのだが。
そう考えていると、先程まで火花を散らしあっていた二人から両手を掴まれる感覚があった。見上げてみると、そこには満面の笑みを浮かべた姿があったので……やむ無しと観念する羽目になった。
「颯樹さん、折角の海なんですから楽しみましょう♪」
「先輩、今日一日は私たちから目を離させませんから……覚悟していて下さいね」
「オ、オテヤワラカニオネガイシマース」
ここで更に抗うと、確実にロクな事にならないのは目に見えていたので……僕は二人に引っ張られる形で、炎天下の陽射し降り注ぐ中へと連れ出される事になった。その時に万が一と思って持って来ていたビーチボールを持って行くのは忘れなかったが。
「行くよ〜、それっ!」
「先輩、お願いします!」
「はいよ……っと。まな」
「ナイスですっ」
パラソルの下から出た僕は、二人と一緒にビーチバレーをしていた。と言ってもそれ専用のコートがある訳では無く……言ってみれば、ただのパスの回し合いだ。世間一般のビーチバレーと言えば、そこまで競技性を求める物で無ければ、これが一番馴染み深いだろう。
最初のパスは過去に僕がバレーボール経験者の為、僕から始まってまなから初華と言う……時計回りに繋げていた。今の所は風も強く吹いていないので、砂が目にかかる心配も無ければ、風邪でボールが飛ばされると言う事態も無いので一安心だ。
ただ、その最中ではあるのだが……。
「ういちゃん、それっ!」
「先輩、お願いしますっ!」
「はいよっ、と!」
ラリーを続けてる間に視界に移る、女性特有のモノに目が少しずつ奪われていた。二人とも贔屓目に見なくとも見目麗しい存在で、尚且つ先程日焼け止めを塗った際にわかったのだが……それなりに大きいと察せられた。
二人が何かアクションを起こす度に、それに釣られて揺れ動くので……僕としては、理性の決壊を堪えるので精一杯だった。
「ねぇ、颯樹さん?」
「えっ……え、な、何っ!?」
「さっきからそんなに真剣に……何を見てるんですか?」
唐突にかけられたまなからの言葉にビックリした僕は、スパイクモーションに入ろうとした所を止められたので、まなに返球出来ずにボールを落としてしまった。そしてそれに釣られたのか、初華の顔が先程と同じく赤くなったのは言うまでも無い。
そして僕の返答が途切れたのを好機と見たのか、まなは更に追い討ちをかけて来た。
「颯樹さんも立派な男性なんですねぇ……♪ 私とういちゃんの胸を、必死に視線で追いかけるなんて♡」
「そ、それは…っ!」
「それは……何ですか? 私とまなちゃんの胸を、あんなに確りと触った上で形も何もかも見ておきながら」
まなからの質問があった直後に……顔の赤らみが引いた(それでもまだほんのりと赤かった)初華が、その気になればどんな男でも堕とす事のできそうな笑みを浮かべながら、僕にジリジリと詰め寄っていた。
僕が返答に困ってる隙に……初華とまなは僕の両腕に絡み付いて、どんな返答をしても逃がさないと言う状態になった。
……う、うわぁ……マジですか……。
「ふ、二人とも? もしかしてこれって……」
「私たちの胸……もっと見たいですよね? 颯樹さんさえお望みなら、この後ホテルに行った後で……じっっっっくり、穴が空くまで見せてあげても良いですよ? もちろん、直で♡」
「でも、私たちの恥ずかしい所を見るなら……先輩も、それ相応の対価を払って頂きますよ?」
そ、それ相応の対価ぁ!? え、こんな事を言って来るってことは……やっぱり二人って……!
「先輩♪」
「颯樹さん♡」
僕は二人に身動きが取れない様に拘束され、その場で直立不動の態勢になってしまった。両側から感じる柔らかい感覚には目を瞑るとしても、この状況はまったく褒められたもので無いのが火を見るより明らかだ。
……さて、この状況は一体どうしたものかなぁ……。
そんな風に考える僕を他所に、二人は黒い笑みを浮かべながら獰猛な視線を向けていたのだった。その後何とか離れてはくれたものの、夜に待ち構えている事態に備える事を余儀無くされたのはまた別の話だ。
今回はここまでです。如何でしたか?
次回も今回の続きから始まりますので、更新通知をお待ち頂きますようお願いいたします。
それでは、また次回の更新にてお会いしましょう。