紫電奔る   作:浜騎士

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疾く、駆ける

「___虎杖悠仁ィ!リベンジマッチだァ!」

 

無為転変による変質した肉体での圧倒的な攻勢!藤堂葵へのブラフのために無数に分裂してもなお、渋谷での遍殺即霊体を超えた物理的殺傷能力!

五千万人という膨大な呪力によるたった独りの軍隊がこの場にいる呪術師たちの魂を歪めるために蠢いていた。

まさに、特級___真なる人と彼の悪行が、仙台の歴史に刻まれる。

 

しかし、虎杖悠仁は、本来であれば到達するに数十年の実践を経て到達すべき場所へと、現時点で到達していた。

今までの黒閃によるボルテージの上昇、爆発的な感情による呪力の漲り、そして___

 

黒閃

打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間、空間は歪み、呪力は黒く光る。

 

彼の拳は、空気の面を叩くだけで輝くようになっていた。

黒閃の寵愛者、後生の術師は虎杖悠仁をそう呼ぶ。彼のラッシュが仙台一帯を塗りつぶすことになる。

 

「うおおおおおお!!!黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃黒閃ッ!!!」

 

魂を無意識に知覚していた彼は、無数の黒閃によるボルテージの上昇により、魂の本質すら知覚できるようになっていた。それにより、真人の本体を的確に殴り続け、時には『解』を、時には『黒閃』により徹底的に真人の身体を破壊した。

五千万人という圧倒的な呪力も、ホースが千切れれば流れ出してしまう。真人の消滅は時間の問題であった。

 

「___は?」

 

驚愕の表情の真人は虎杖を見やる。そこには圧倒的で隔絶した実力の壁があった。

 

「オマエこんなに弱かったっけ?」

 

戦闘時間は数十秒、ザフッという呪霊特有の消失反応が仙台の片隅に届いた。

 

 

 

 

 

これからの話をしよう。死滅回遊の平定と超常決議については五条悟に一任された。彼に続く五条派は今後の呪術の歴史を大きく関わった歴史の転換点となる。

多くの受肉体たちも処理され、日本という場所は混沌のるつぼながら、着実に復興していた。しかし、仙台は六十八年後も膨大な呪術により汚染され、呪霊の発生する場所として政府と呪術界が結託し、情報を散布したことで魔境として語り継がれている。

日本人の誘拐、拉致は戦後に注目されることになる。呪力という日本人特有の資産を狙い、諸外国が挙って動き出したのだ。呪術を秘匿していた日本を擁護する国々も少なく、国家間の関係は2000年代最悪と言ってもいい時代であった。日本に対しての戦争が起きなかった理由は、日本特有の核兵器こと五条悟の存在あってこそである。世界ニュースにリークされた現代最高峰の呪術戦の代表者である両面宿儺と五条悟、鹿紫雲一の戦闘は、彼らのみで一つの地域を破壊しつくし、文字通り空を裂き、地を割った戦いは、諸外国の恐怖の象徴となっていた。

しかし、2086年ともなると五条悟も寿命により___無理な反転術式などの影響もあるだろう___この世を去り、虎杖悠仁が彼の後を継ぐように動き始めた。老兵であるはずなのに老けない彼の隣には奇抜な髪型をし、奇妙な入れ墨をした若い男と、ヴィブラスラップを失われた右腕に装着した丁髷の筋骨隆々の老人がいるという噂も、裏社会で流れていた。

 

そして、現代の雷神の器___鹿紫雲一は老人として生きていた。子供や妻にも恵まれた彼は和服を着て緩やかな死に向かっていた。子供は新たな新天地に旅立ち、妻には先立たれた彼は、巨大な切り株に腰を掛けている。

___満腹だと、命を削りあったリーゼントの受肉体の言葉がよぎる。ただ少しの渇きがあった。だが、すでに老兵の役目は終わり、その全ては虎杖悠仁に任せている。

渇きを潤すには、少し平和な時代だ。だが、それでいいのかもしれない。

 

…ふと、空に光が見えた。そして彼は感じる。あの両面宿儺に迫る圧倒的なプレッシャーを彼は感じた。

2086年、シムリア星人の訪問という地球と歴史の呪術の交錯が始まろうとしていた。

 

「おい、あんまりワクワクさせんなよ」

 

長い髪を特徴的なコイルのように纏め上げ、駆け出す。

 

 

紫電、奔る。

 




鹿紫雲一とダブラ・カラバという亜光速の申し子は戦士として戦うのはもうすぐであるが、それはまた別のお話。

いや~疲れました!虎杖には悪いけど主役はあくまでかしーもだから活躍させられなくてごめんな~!という思いがあります。
最後のかしーもは戦国のかしーもみたいなお爺ちゃんです。みてえ~!かしーもとダブーラの戦闘が!気が向いたら書きます!
2年も待たせてごめんな!だけど、俺は満腹だ!呪ニメもモジュロもめっちゃ面白かった!読者~!ありがと~!

敬具 浜騎士
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