【書籍化決定】馬乗りされて体力がなくなるまでやられる悪役〜今度は主人公の好感度を上げまくっていたら全員に惚れられた件〜   作:陽波ゆうい

47 / 99
第47話 「アンタには、ちゃんとお礼したいから」

「教室がなにやら騒がしいね」

「本当だ。なにかあったのかな」

 

 日直であるまひろと結斗がゴミ捨て場から教室へ戻ってくると、クラスメイトたちが騒がしい。そして、放課後にも関わらず、かなりの人数が残っている。

 

「あ! まひろさんだ!」

「まひろさんに聞けばっ」

 

「おっと。結斗、私の後ろにいて」

「うん? わわっ」

 

 まひろに気づいたクラスメイトたちはぞくぞくと彼女に詰め寄る。

 結斗は慌ててまひろの後ろに移動し、人混みに巻き込まれずに済んだ。

 

「まひろさん! りいなちゃんとアイツ……笠島が2人で帰ったんだけど!」

「も、もしやあの2人って………ああああっ」

 

 クラスがより騒がしくなった。特に男子は、りいなに幾度となく遊びの誘い断られ、よりダメージがあるのだろう。

 

「みんな落ち着いて。りいなたちには先に校門に行っていてくれ、と頼んでいるだけだよ」

 

 まひろがそう言うと、クラスの騒めきが収まった。

 まひろを囲んでいた生徒たちは自分の席に戻り、安心したように帰る支度を始めた。部活に急いでいく生徒もいた。

 

「みんな分かりやすいねぇ。対応が楽だよ」

「あはは……。それで、りいなちゃんと雄二くんは2人で帰ったのかな? それとも2人で打ち上げ? 仲良くなったのは確かだよね!」

「結斗はりいなと笠島くんが仲良くなるのは嬉しいかい?」

「そりゃあもちろん。りいなちゃんに雄二くんの魅力が伝わっているってことだとだし」

「そうだね。笠島くんの魅力……伝わっているといいね」

「うん」

 

 

 

 

「………」

「………」

 

 校門を出て、並んで歩く。お互い無言。

 

 俺は、りいなを改めて見る。

 長いまつ毛に、やや釣り目がちなパッチリ大きな目。スラリと通った鼻筋。制服を押し上げる巨乳。紛れもなく可愛いし、メインヒロイン力を感じる。

 

「なあ、お礼ってなんだ?」

 

 お礼という主旨で移動しているのは分かるが、そろそろ内容も教えて欲しい。

 

 歩く足を止めたりいな。俺も止める。

 

 次の発言を待っていると、りいなは、眉ひとつ歪めず、極めてクールな口調でこう言った。

 

「私、アンタにはちゃんとお礼したいから色々考えたの」

「お、おう。ありがとう」 

「色々と考えたけど、金品だと気を遣わせるし、お出かけはない」

「まあ、はい」

 

 選択肢を絞っているような発言。もしや今からお礼を決めるとか……?

 

「お姉ちゃんはゆいくんと2人っきりだし、すぐに家に帰ってくる可能性は低い」

「ほ、ほう?」

「そして勉強会のお昼休憩中。2人っきりで話していた時に、アンタから出た言葉でピンときた。()()()っていう言葉に」

「手料理……?」

 

『ちなみ雲雀は料理も得意だ。味は店で出せるレベル』

『私のより?』

『……俺、りいなさんの手料理食べたことないけど』

 

 確かに話の流れで言っていたな、手料理。って、お礼ってまさか………。

 

「アンタへのお礼は——手料理にする。だから今から()()()に来て」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。