評価、コメント、お気に入り登録などありがとうございます。励みになります。
誤字脱字報告助かります。
FF7EC FS編がとんでもなく不穏な方向へ行っているのでびくびくしています。
分かりにくい部分もあり、本編からカットした話ですが、やっぱり書いた方がいいかなと思い幕間として投稿します
セフィロスは、ぼんやりと焚火を眺めながらこれからのことを考えていた。
人の住んでいる村まではまだ少し距離があるからと、今日は野宿だ。ヴィンセントからは『早めに寝なさい』と言われたが、妙に目がさえてしまって、眠ることができなかった。
朝に、グレンたちから伝えられた情報を頭の中で反芻する。
――潮時かもしれない
自分は神羅に帰るべき人間なのだ。きっと、外では生きていけない。神羅が、それを許さない。
うつむき、目を閉じる。
すると、先ほどまでなかった眠気が襲ってきた。
のろのろと寝袋に入ると、セフィロスは気絶するように、夢の世界へと落ちていった。
立ち上る炎。それは先ほど見た焚火よりももっとずっと大きい。人も家も、すべてを飲み込んでしまうほどの大きな炎。
そこから聞こえる、たくさんの人の悲鳴。怨嗟の声。
――嫌な夢だ
セフィロスは、たまにこういった夢を見ることがあった。起きたら忘れてしまうのだが、夢を見ている間は、不思議と以前にもこの夢を見たのだと自覚することができた。
しかし今回はいつもと少し違う。セフィロスの隣に、あの時、夢の中で不思議な声につられそうになった時に、セフィロスを止めた黒い皮手袋に黒いコートの男がいた。
セフィロスは問う。
「これは?」
「これから起こること。お前が進む未来だ」
「……」
そんなものを、どうして夢で見るのか。セフィロスには心当たりがあった。そのことを口にしようとした瞬間、男が口を開く。
「だが、今は確定しているわけではない」
「……?」
「どう進むかは、お前次第だ」
つまり、この未来を歩まない選択もあるということなのだろうか。
思えば、セフィロスは幼いころより生き方を選べていなかったような気がする。ヴィンセントやガスト博士やイファルナは、セフィロスに対し『何が好きか?』『どれがいいか?』と選択を促してくるが、あの人たちよりも大きな存在である神羅は違う。
セフィロスに対し『あれをしろ』『これをしろ』と命令する。セフィロスの希望や意志は関係ない。
――きっと、それではだめなのだろう
これが未来の世界なのだとしたら、あきらめるしかないと思っていた。でも、もし『進まない』という選択肢があるのなら、そちらを選んでみたい。
セフィロスは男に問う。
「あなたは、だれ?」
「俺は捨てられた残骸のような者。もうすぐ消える」
「残骸?」
セフィロスが問い返すが、男はそれに答えない。
男の姿は、だんだんと薄くなっていった。
「待って!」
「どうした?」
男に伸ばした手は空を切る。目の前は炎に包まれた場所ではなく、明け方の森。ヴィンセントが、不思議そうにこちらを覗き込んでいた。
「えっと、夢を、見ていたみたいです」
「そうか。どんな夢を見ていたんだ?」
ヴィンセントの言葉にセフィロスは首を緩く横に振った。
「もう、忘れました」
それから何度も追手との戦闘を繰り返した。潜伏場所を三日とかけずに変え、時には森に潜んでいても、彼らは追ってくる。
――やっぱり、俺が戻らないと
セフィロスは、あたりの気配を探った。
――二人……
次にヴィンセントを見る。
「ヴィンス」
「どうした?」
「ごめんなさい」
謝りながら、セフィロスはヴィンセントを気絶させた。
近くの気配が、息をのむ。彼らのことは知っている。ヴィンセントの味方だ。
――ヴィンスはあの人たちに任せよう。
自分には、まだやることがある。
これからの展開について、活動報告を更新&あらすじに追記しました。
以下読み飛ばし推薦の解説
夢に出てきた黒いコートの男は、セフィロスというよりも、本編とACの間でセフィロスがライフストリームに捨てた人の心です。
彼はこの小説では若セフィがどのような未来を歩もうが、あまり興味ないしどうでもいいと思っていますが、ジェノバが無理矢理若セフィを闇落ちさせようとするのは『さすがにそれは卑怯じゃないか?』と思って、妨害しました。
しかしこの世界のセフィロスが色々なことを知った上で星の敵になる選択をした(ようは本編闇落ちルート)なら妨害する気は全くないので、ヴィンセント達の味方というわけでもありません。『お前を想う者はたくさんいる。それを決して忘れるな』発言は、彼自身が人間よりの精神なので『神羅屋敷で資料を読み漁っていた時、ジェノバ以外にすがる何かがあれば、未来は変わったかもしれない』という思いが少しだけあった(とはいえ、本編の選択を後悔しているわけでもない)ためです。
今のところ、再登場する予定はありません。本人の『もうすぐ消える』発言の通り、どこかに消えました(ライフストリームに帰ったわけではない)