ひろがるスカイ!プリキュア~ SUNLIGHT×STORY ~   作:零たん

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第16話:すれ違う思い

 

ソラと別れてから数時間後。ハルトはリビングでエルと遊んでいたましろに今朝のソラの様子を話していた

 

「そんなことがあったんだ…」

 

「ましろは何か心当たりがない?ソラの様子がおかしい理由…」

 

今日の彼女は明らかに普段と違う。日課のランニングを休んだ上に、朝食も食べずに今も一人部屋に閉じこもっているのだ。

 

「そう言えば…この間の戦いのときからソラちゃん元気がないように見えるよ」

 

「こないだって…ましろが初めてキュアプリズムになった、あの戦いのことか?」

 

「うん、ハルくんはソラちゃんを助けようとしてキノコのランボーグに捕まっちゃったよね。もしかしたらソラちゃんあの時の事をずっと気にしてるのかも…」

 

「そういうことか…」

 

ましろの話を聞いてハルトは納得した。確かにあの時ハルトはソラを庇って敵に捕らえられてしまった。ましろがキュアプリズムに変身したことで事なきをえたが、戦いの後でソラは自分を責めていた。

 

「あの件は俺のミスだから気にしないでって言ったのに…」

 

「仕方ないよ。ソラちゃんは責任感強いから…」

 

ハルトもましろも心配そうな表情を浮かべる。

 

「それにしても、力自慢のサンライトが捕まっちゃうなんて、あのキノコのランボーグとっても強かったんだね~」

 

「いや、あの程度の触手なら普段のサンライトのパワーで引きちぎれる。アンダーグエナジーもそこまで強くなかったし…」

 

ハルトの言う通り、毒キノコランボーグは分身を生み出したり触手で拘束するなど搦手で攻めるタイプで、これまでのランボーグと比べて物理的な力はそこまで強くはなかった。

 

「でもあの時は急に力が入らなくなったんだ。そのせいでずっと捕まってたんだよ」

 

「力が出なくなった…それはどうしてだろう?」

 

 

ましろが首をかしげて考えていると、ハルトはあることを思い出す。

 

「そういえば、ランボーグを倒すと体が妙にしんどくなるんだよな」

 

「…それってサンライトが必殺技を撃った後の話?」

 

「多分そうだと思う」

 

「じゃあそれだよ!」

 

ましろが突然大きな声をあげるのでハルトは思わずたじろいだ。

 

「サンライトが弱くなった原因はサンライトバスターのせいだよ!」

 

「サンライトバスターのせい?」

 

「うん。サンライトバスターはキュアスカイでも勝てなかったランボーグをやっつけちゃうくらい強いよね?その代わりに一度使っちゃうとサンライトのパワーが弱くなる弱点もあるんじゃないかな?」

 

「言われてみれば確かにそうかも…!」

 

ハルトはハッとした表情を浮かべる。彼女の推測が正しければ、サンライトバスターは体力の消耗のみならず、サンライト自身のパワーも大きく弱めてしまう諸刃の剣かもしれない。

 

「デメリットありの必殺技か。なんか特撮や少年漫画でありそうな設定だな~」

 

「呑気なコト言ってる場合じゃないよ!うかつに必殺技を使ってもし相手を倒しきれなかったらこないだみたいにピンチになっちゃうってことだよ?」

 

「あ、ああ。ましろの言う通りだ。今度からサンライトバスターを使う時はもっと慎重になるよ…」

 

ハルトは真剣な表情を浮かべながら呟く。実際パワーダウンを引き起こしたサンライトはキノコランボーグの拘束を解けなかったのだ。その弱体化が一時的なものとはいえ、戦闘中に起こるのは非常にまずい。前回キノコランボーグに捕まったのも、敵が複数いることを見抜けずに分身に全力の必殺技をかましたのが原因なのだろう。

 

「待てよ?じゃあこの間の事はソラが責任感じることないじゃないか。よし決めた!俺もう一度ソラのとこ行って気にしないでいいって伝えてくる!」

 

「えっ!?まってハルくん!タイムだよ!」

 

ソラの元へ向かおうとするハルトをましろが慌てて呼び止める。

 

「何だよましろ。行かせてくれ。俺は早くソラの悩みを解決したいんだ」

 

「慌てちゃだめだよハルくん。ソラちゃんの悩みがその事とは限らないでしょ?」

 

ソラの事が心配で焦るハルトをましろは冷静にたしなめる。

 

「それにソラちゃんは今朝ハルくんを避けてたんでしょ?急に押し掛けたところでハルくんとお話してくれるかわからないよ?」

 

「それはそうかもしれないけど…」

 

ハルトは不満げな表情を浮かべる。ましろの言うことはわかるが、だからと言ってソラの事を放っておけない。ソラを励ましたいし、何か悩みを抱えているなら力になりたいのだ。

 

「ハルくん。ここは私に任せてくれないかな?」

 

そんなハルトの心情を察したのか、ましろは彼に優しく微笑みかける。

 

「ソラちゃんの悩んでることは私が聞いてみるよ。ハルくんの気持ちも伝えておく。だからハルくんは普段通りソラちゃんに接してあげてくれないかな?」

 

ましろの提案にハルトは少し考え込む。確かに自分が無理に干渉したところでソラにまた避けられるかもしれない。それなら聞き上手のましろの方が話を引き出しやすいだろう。

 

「確かにそうだな…わかった!ソラのことよろしく頼むよ」

 

「うん!ましろお姉ちゃんにお任せあれだよ!」

 

いつものようにお姉ちゃんぶって胸を張るましろを見てハルトは笑みを浮かべる。

こういう時の彼女には素直に頼れる安心感があった。

 

「ハルトさん、ましろさん。少しいいかしら?」

 

丁度話がまとまったところに、ヨヨがリビングへやってきてハルト達に声をかけてきた。

 

「おばあちゃん?どうしたの?」

 

ましろが尋ねるとヨヨはいつもと変わらぬ様子で答えた。

 

「プリキュアの事について古い本を調べて分かったことがあるの。聞いてもらえる?」

 

「「プリキュアのこと!?」」

 

ふたりは驚きヨヨに詰め寄った。

 

「ええ。詳しいことは私の部屋で話すから、ソラさんを連れてきてもらえるかしら」

 

「うんわかったよ!ソラちゃんは私が呼んでくるからハルくんはエルちゃん見てて!」

 

「お、おう分かった…」

 

ましろはハルトにそう告げるとソラを呼びにパタパタと階段を上がっていく。

 

「次の試練を乗り越える時ね」

 

「?」

 

ハルトはヨヨが口にした意味深な言葉を理解できずに首を傾げた。

 

 

 

―――――――

 

 

 

ヨヨの部屋を訪れたハルト達。エルを抱っこするましろの隣にはソラもいた。相変わらず暗い表情を浮かべるソラ。ハルトは彼女に一言声をかけたかったが、先ほどのましろとの約束もあるし今はヨヨのお話を聞くことにした。

 

「それは嵐の晩のことだった。闇の世界の魔物がスカイランドに攻め込んできた」

 

ロッキングチェアに腰掛けるヨヨはミラーパットを手に取り語り始めた。ミラーパッドのボタンを押すと、鏡の映像が変わり調べていた書物の絵が映る。そこにはランボーグと思われる怪物の軍団の絵が描かれていた。

 

「空は暗い雲に覆われ、絶望的な戦いが始まった」

 

怪物の襲来に逃げ惑う人たちの絵が映る。

ハルトもましろも真剣な面持ちでヨヨの話を聞いていた。

 

「スカイランドの姫は祈った。ヒーローが現れて、青い空とみんなの笑顔を取り戻してくれますように」

 

今度は崖の上で膝をつき、天に祈るスカイランドの姫の姿が映し出された。

 

「姫の祈りに答えるように、勇敢な戦士が現れた。その名はプリキュア」

 

次のページには、空に浮かぶプリキュアと思われる少女のシルエットが移される。

 

「プリキュアは闇の世界の魔物を討ち払い、スカイランドを救った。闇に覆われた世界は青空を取り戻し、スカイランドに再び平和が訪れた」

 

さらに次のページには平和になったスカイランドの絵が写されていた。

 

「しかし平和は続かなかった。最初の戦いから長い年月が経ち、闇の世界からまた魔物が姿を現した」

 

再び暗闇に染まったスカイランドの絵が映る。そこには巨大な竜のような姿の魔物の絵が描かれていた。

 

「再び訪れたスカイランドの危機に、新たに二人のプリキュアが立ち上がった」

 

(今度は二人…!?)

 

ハルトは次のページに描かれた二人のプリキュアの絵を見る。一人は月のシルエットをバックに剣を掲げ、もう一人は太陽のシルエットを背に大きい盾を構えている。

 

「二人のプリキュアは闇の魔物を討ち倒しスカイランドは再び救われた。そして使命を果たしたプリキュアたちは何処かへと去っていった。…以上!これはスカイランドでもとうの昔に忘れ去られた古い古い伝説よ」

 

話し終えたヨヨは真剣な表情からいつもの笑顔に戻り物語を締めくくった。

 

「で、伝説の戦士…プリキュア!」

 

「まさかプリキュアがそんなスケールのデカい存在だったとはな……ん?」

 

ハルトはお話の最後に出た盾を構えたプリキュアの姿を見て何かに気づいた。

 

「こっちの太陽の紋章と盾を持ったプリキュア…俺のキュアサンライトとちょっと似てる…?」

 

絵本のプリキュアと衣装や盾の意匠は異なるが、ハルトの変身するキュアサンライトも太陽がイメージの盾を装備したプリキュアだ。たまたまモチーフや防具が似ただけかもしれないがただの偶然とも思えなかった。

 

(あげは姉も言ってたけど、親父は伝説の戦士と呼ばれているプリキュアのスカイトーンをどこでどうやって手に入れたんだ?)

 

ハルトのスカイトーンはソラやましろの物とは違い父親から譲り受けたものだ。

それもエルがまだ生まれていないだろう13年近くも前から。

 

(エルが生まれる前にもプリキュアがいたのなら、このスカイトーンを作った別のプリンセスがいてそれを渡された本来の持ち主がいるはずだよな…。もしかしてそれが親父?それとも別の誰かか?)

 

謎が謎を呼びハルトの脳内でグルグルと思考が巡る。

一方、テンションが上がったましろもエルを抱えたままグルグルと回り始めた。

 

「エルちゃんもう安心だよ~!伝説のヒーローが味方だよ~!そっかぁ~!エルちゃんの不思議な力はスカイランドのプリンセスパワーだったんだね~!」

 

「落ち着けよましろ!エルが目を回しちゃうだろ!?」

 

我に返ったハルトは慌てて止めに入る。しかしエルは嬉しそうにキャッキャとはしゃいでいた。

 

「私さ、今猛烈にトレーニングがしたい気持ちだよ!ハルくん!ソラちゃん!今すぐ一緒にランニングしよう!」

 

「すげーやる気だな…でも朝のランニングも出来なかったし参加しようかな。ソラもどう?」

 

ハルトはソラに尋ねてみるが返答はない。

彼女はヨヨが話をしている間も二人のように興味を示さず、ずっと何か別の事を考え込んでいた。

 

「ソラちゃん…?」

 

ましろがソラに呼びかけるが、彼女は無視してヨヨに質問を始めた。

 

「そんなことよりこの世界とスカイランドを繋ぐトンネルはいつ開いてもらえるんでしょうか?」

 

「ソラ…?」

 

「…もう少しだけ時間をちょうだい。簡単な作業ではないの。100種類以上の素材を繊細な手順で組み合わせて、それからー」

 

「カバトンは簡単にトンネルを開いたじゃありませんか!!」

 

ヨヨの言葉を遮るようにソラが大声で叫ぶ。

そんな彼女の様子にハルトとましろも驚きソラを呆然と見つめる。

 

「あ……ご、ごめんなさい!」

 

我に返ったソラはヨヨに謝罪するとすぐに部屋を出ていった。

 

「ソラちゃん…」

 

「やっぱりソラ、何か悩んでるよな……」

 

去って言ったソラを心配するハルトとましろ。

ヨヨはそんなソラの態度に怒ることも動揺することもなく「優しい子ね…」と呟いた。

 

______

 

 

____

 

 

__

 

 

 

「ソラ、大丈夫か?」

 

ヨヨの話が終わった後、ハルトはソラの部屋の前まで行き、ドア越しに彼女に話しかけた。彼女とは無理に干渉しないとましろと約束したところだが、先ほどのソラの様子を見ているとどうしても放っておくことができなかった。

 

「あの…出てこなくていいから、話だけ聞いてくれるか?」

 

そう言ってハルトはソラの返事を待つ。しかし一向に返事が返ってくる気配がない。声をかけた時、それに反応するように部屋の中から物音がしたのでソラに聞こえているとは思うのだが、やっはり自分は避けられているのだろうか?

 

それでも自分の気持ちは伝えておきたい。ハルトは意を決して口を開く。

 

「今朝も言ったけど何か悩みがあるなら遠慮なく話してくれ。ソラがどんな悩みを抱えているかはわからないけど…俺、ソラの力になりたいんだ」

 

ハルトは部屋の中にいるソラに伝えるが、やはり彼女から返事は返ってこない。

 

「あと…こないだの事はホント気にしないで。サンライトのパワーダウンの原因も分かったし、今度はソラに心配かけないように気を付けるから」

 

ハルトはなんとか言葉を絞り出すが、またしても反応なしだ。

 

「それだけ伝えておきたかったんだ。それじゃあ…」

 

そう言うとハルトはその場を離れようとした。すると部屋の扉がカチャリと開き、中からソラが顔を覗かせた。彼女は何やら心配そうな表情でハルトをジッと見つめている。

 

「ソラ、どうしたの?」

 

ハルトが声をかけるとソラは一度躊躇うような素振りを見せる。数秒後、意を決したようにハルトに向かって告げた。

 

「ハルトさん、部屋に来ていただけますか?私もハルトさんに伝えたいことがあります…」

 

「あ、ああ…分かった」

 

突然の申し出に戸惑いながらもハルトは了承した。そしてソラに案内され、ハルトはソラの部屋に足を踏み入れた。

 

空き部屋だった彼女の部屋はぬいぐるみや花瓶、可愛い小物が彩られ女の子らしくそれでいて綺麗にまとまった居心地のよい空間になっていた。

 

しかし部屋の主のソラは表情が暗く何か言いたそうにハルトの顔を見つめていた。

 

「それで俺に伝えたいことって何?」

 

椅子に腰かけたハルトが穏やかにソラに尋ねる。だがソラは無言のままなかなか話を切り出せずにいた。その表情には迷いも見える。

 

「話しづらい事か?それなら無理して言わなくてもいいんだぞ?」

 

ハルトが優しく語りかけるとソラはようやく自分の想いをに話し出した。

 

「ハルトさんにお願いがあるんです」

 

「お願い?それって一体…」

 

「ハルトさん…プリキュアにはもう変身しないで欲しいんです」

 

「ええっ!?」

 

ハルトは面食らった。まさかプリキュアに変身するなと言われるとは思ってもいなかったからだ。

 

「な、なんでプリキュアに変身しちゃダメなの!?俺なんかソラの足引っ張るようなことした!?」

 

ハルトは焦ってソラに詰め寄った。

 

「そんなことはありません。ハルトさんには本当に感謝しています。ただ…」

 

暗い表情のまま、ソラは意を決して声を絞り出す。

 

「このまま戦い続けたら…ハルトさん、貴方は死んでしまうんです…」

 

「俺が死ぬ…?」

 

ソラはここ最近見続ける悪夢の内容をハルトに説明した。強力なランボーグを相手に3人が打ちのめされ最後はハルトがソラとましろを庇って死ぬことも隠さず伝えた。

 

「そんな怖い夢を見続けているのか…」

 

「ただの夢だと思いたいです。ですが…」

 

「俺がこの間見た夢が予知夢だったから、自分の夢もそうなるんじゃないかって思ったわけだな」

 

ソラの話を聞いたハルトは納得したように頷く。

さっきのヨヨへの態度も、早くスカイランドに戻ることでこれから起きる戦いを回避したかったのだろう。すべてはハルトとましろを守るために……。

 

「心配してくれてありがとうなソラ。だけど…俺はプリキュアをやめるわけにはいかないよ」

 

「えっ…何でですか?」

 

「だって俺が戦いを辞めたら、代わりにソラやましろが犠牲になるかもしれないだろ?」

 

友達を傷付けたくないのはハルトも同じ気持ちだ。

もし自分が戦いを辞めて、そのせいでソラやましろが犠牲になったら一生後悔するだろう。

 

「なら一緒に戦う。そんなに強い相手なら3人で迎え撃つ方が勝率は上がるだろ?」

 

「で、でも…私たちそのランボーグに一度も勝てたことはないんですよ!?」

 

「何度も同じ夢を見たならそのランボーグの特徴くらい覚えてるだろ?相手の技は?戦い方は?前にソラが言った通り、相手の特徴をよく知って3人で対策すれば何とかなるって」

 

「ダメです!今度の敵はそんな次元の相手ではないんです!」

 

「それでも3人の力を合わせて戦うべきだって」

 

ソラは頑なにハルトの提案を拒む。恐怖心で取り乱す彼女をハルトはなんとか宥めようと試みる。

 

「それに俺が見た夢は最後にソラに救われたし、もしかしたらソラの夢だって実はまだ途中で途切れただけかもしれないだろ?真の結末は…そうだな。俺が不思議な力で復活して逆転勝利を収めるって感じ!漫画や特撮ものとか結構そういう展開あるから…」

 

「いい加減にしてください!!」

 

ソラは堪えきれずハルトの言葉を遮って叫ぶ。

 

「いい加減ってなんだよ。これでも俺はソラの事を心配してるんだぞ!?」

 

「私だって同じです!ハルトさんに傷ついてほしくないんです!」

 

「俺だってソラに傷ついてほしくない!だから力になりたいんじゃないか!」

 

「ハルトさんの助けはいりません!私一人で何とかして見せます!」

 

「そうやって一人で頑張るのはやめろよ!そんなのソラの自己満足だろ!」

 

「違います!私はハルトさんを守りたいんです!どうしてわかってくれないんですか!?」

 

「ソラこそなんで俺の気持ちを分かってくれないんだよ!」

 

ハルトとソラの口論は次第にヒートアップし、二人は冷静さを失っていく。

 

「一体どうしたの!?」

 

そこへ騒ぎを聞きつけたましろがソラの部屋に駆け込んできた。

 

「ハルくん!ソラちゃん!二人とも一旦離れて!」

 

「ましろ!?だってソラが…!」

 

「さっきも言ったでしょ!?無理に関わっちゃダメだって!今は離れて!」

 

ましろがハルトとソラの間に入り、二人を強引に引き離す。

 

「…どうしてもプリキュアをやめてくれないんですか?」

 

「そ、ソラちゃん!?」

 

驚くましろを余所にソラは涙を浮かべながらハルトを睨みつける。

 

「絶対にやめない…!」

 

ハルトもソラを睨み返す。

しばらく睨み合いが続いたが、やがてソラの口から耳を疑うような言葉が飛び出した。

 

「じゃあ…私がやめます…」

 

「やめるって…何をだよ?」

 

「プリキュアをやめてくれないなら、ハルトさんの友達やめます!!」

 

「!?」

 

予想もしなかったソラの言葉にハルトはショックで目を見開く。

 

「そ、ソラちゃん!?そんな…何があったか知らないけど、それは言っちゃだめだよ!?」

 

ましろもソラの口からそんな言葉が飛び出すとは思わずうろたえてしまった。

二人の間で何があったかは分からないが、友達をやめるなんて言い過ぎだ。

 

一方、ソラの言葉に呆然と立ち尽くすハルト。だがやがて肩を震わせ怒りを露にし出す。

 

「そうかよ…わかったよ!そんなこと言うなら友達なんかこっちからやめてやるよ!!」

 

「は、ハルくん落ち着いて!?ソラちゃんにだって理由が…!」

 

「うるさい!もうソラとは絶交だ!!」

 

ハルトはソラに向かって怒鳴ると部屋を出て行ってしまった。バタンッ!と勢いよく扉が閉められ部屋に残ったソラとましろは呆然と扉を見つめていた。

 

「どうしよう…」

 

「ソラちゃん…?」

 

ソラは真っ青な顔をして震えていた。

 

「わたし…ハルトさんに戦ってほしくなくて…傷ついてほしくなくて…」

 

ソラはショックで膝をつき、眼からボロボロと大粒の涙が溢れ出す。

 

「でもハルトさんはプリキュア辞めないって言ったから…そしたらわたし…ついあんなことを……!」

 

「ソラちゃん…」

 

「どうしようましろさん…わたしっ!ハルトさんに酷いこと言っちゃった!ハルトさんに絶交だって言われちゃったぁ!!」

 

ソラは大声を上げて泣き出した。ましろは幼子のように泣きじゃくる彼女をただ抱きしめることしかできなかった。

 

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