ひろがるスカイ!プリキュア~ SUNLIGHT×STORY ~   作:零たん

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第22話:VS自販機ランボーグ

 

変身を完了したサンライト達は、カバトンが生み出した「自動販売機ランボーグ」と向かい合っていた。

 

「サンライト、敵の強さはどうですか?」

 

スカイはサンライトに問いかける。3人の中で唯一アンダーグ・エナジーを感じ取れるサンライトは、その気配の強さでランボーグの大まかな強さを察することができるのだ。

 

「気配はまあまあ強いが、昨日の電車型と比べれば大したことないな。今の俺達なら問題なく倒せるだろう」

 

「そうなんだ!じゃあ3人で一緒に戦えば大丈夫だね!」

 

サンライトの言葉にプリズムはホッと胸を撫で下ろす。一方スカイの表情は険しいままだ。

 

「ですが毒キノコの時のように、何か厄介な能力が備わっている可能性もあります。二人とも、最後まで油断しないでくださいね」

 

「了解(だよ)!」

 

スカイの言葉に二人は元気よく返事をすると、改めてランボーグと向き合い戦闘態勢に入る。

 

「プリキュアめ~!今日こそボッコボコにしてプリンセスの居場所を吐かせてやるのねん!やれランボーグ!」

 

「ランボォーグー!!」

 

カバトンの命令を受けたランボーグは、腹部の取り出し口からペットボトル型のミサイルをプリキュア目掛けて射出した。3人は即座に散開し、飛来するミサイルを回避する。

 

「これが今回のランボーグの武器か!こないだのバーガーショップといい、俺達のソラシド市を汚すような真似ばかりしやがって!」

 

「サンライトの言う通りだよ!ごみのポイ捨てはいけないことなんだよ!」

 

「知ったことか!ランボーグ!もっとぶっ放せ!!」

 

サンライトとプリズムのクレームなど意に介さず、カバトンはランボーグに攻撃を続けさせる。再びランボーグの腹から大量のミサイルが発射され、プリキュア目掛けて飛んでいく。しかしそれらはスカイが手刀で次々と撃ち落としていく。

 

「このミサイル、大した威力はないようだな。盾で防御するまでもねえ」

 

サンライトもミサイルをパンチで殴り落としながら呟いた。

 

「ですが戦いが長引けば、誰かが巻き込まれる可能性があります。そうなる前に勝負を決めましょう」

 

「だな。プリズム!俺とスカイは一気に距離を詰めてぶっ飛ばすから、援護を頼む!」

 

「了解だよ!」

 

プリズムはサンライトの言葉に同意すると、手から光の弾丸を発射しペットボトルミサイルを撃ち落としていく。

 

その間にスカイとサンライトがランボーグ目掛けて駆け出し、瞬く間に接近していった。

 

「「プリキュア!ダブルパンチ!!」」

 

スカイとサンライトの鉄拳がランボーグに迫る。

 

「きやがったな!飛べぇ!ランボーグ!」

 

「ランボォーグゥ!!」

 

だが二人のパンチはランボーグに命中することはなかった。ランボーグが背中にペットボトル型のジェットパックを展開し、そのまま空中に飛び上がったからだ。

 

「あのランボーグ飛んだよ!?」

 

予想外すぎる展開に、プリズムは思わず声を上げる。敵は背中のペットボトルから噴出された水を利用し、空を飛んでいるのだ。

 

「マ〇オサンシャインのホバーノズルかよ…」

 

宙に浮くランボーグを見上げながらサンライトは呆れたように呟いた。

 

しかしジェットパックに積まれた水は限りがあるらしく、徐々に噴射の勢いが落ちている。その間にランボーグは建物の上に着地すると、使用済みジェットパックを切り離し、新たなものを補充した。

 

「にゃーっはっはっは!どうだスカイにメソメソ野郎!お前らのパンチがいかに強くても、間合いを取られたら意味はねえだろ!」

 

「くっ…やはり厄介な能力を持っていましたね…」

 

スカイが悔し気に歯噛みしていると、ランボーグはまたも上空へと飛び上がる。そして地上にいるプリキュア目掛けてミサイルを大量に投下してきた。

 

「サンライト!ジャンプです!」

 

「おうよ!」

 

スカイとサンライトはミサイルを躱すと、空高く跳躍しランボーグ目掛けて再度パンチを繰り出した。だがランボーグは二人に背を向けると、ジェットパックから噴出される大量の水をスカイとサンライトに浴びせた。

 

「きゃあああっ!?」

 

「ごぼぼぼぼっ!?」

 

咄嗟のことで反応が遅れた二人はまともに水の直撃を受けてしまい、地面へと落下してしまった。

 

「ぎゃーっはっはっは!思い知ったかプリキュアどもめ!例えカロリーが足りねえランボーグでも、戦い方次第でここまで強くなるのねん!」

 

カバトンは高笑いしながら、水でずぶ濡れになったスカイとサンライトを見下ろす。

 

「さあ今日こそどっちがホントにTUEE~のか、思い知らせてやるのねん!さあ行けランボーグ!」

 

「ランボーグ!!」

 

再度ジェットパックを補充したランボーグは再び空へ飛び上がり、空中からミサイルを発射しようとした。その時、プリズムの光弾がランボーグの体に命中し、攻撃を中断させた。

 

「飛んでる相手は私におまかせだよ!」

 

プリズムはそう言うと、空を飛ぶランボーグ目掛けて再度光弾を発射した。三人の中で唯一遠距離攻撃ができる彼女は、空を飛ぶ敵を相手取るにはうってつけの存在なのだ。

 

「ラ、ランボーグ…!」

 

ランボーグは慌ててプリズムの方を向き、攻撃を回避しようと試みる。だがジェットパックの空中制御が困難なのか全ては躱しきれず、一発が胴体に被弾。体勢を崩したランボーグは建物の上に墜落した。

 

「かぁー!あの脇役の攻撃が鬱陶しすぎるのねん!ランボーグ!まずはあの脇役を叩きのめすのねん!」

 

「ランボーグ!!」

 

命令を受けて立ち上がったランボーグは、プリズム目掛けて大量のペットボトルミサイルを射出した。

 

「!?まずい!」

 

プリズムの光弾はランボーグのミサイルと相殺する威力はあるが、あれだけの物量を撃ち落とすには無理がある。プリズムは即座に回避を試みる。しかし今回のミサイルには追尾能力があるらしく、彼女の後をぴったりと追ってくる。

 

「逃げきれない…それなら!」

 

プリズムは体を捻ってミサイルの方を向くと、スカイやサンライトのように拳で叩き落とそうと試みる。しかし全てを迎撃することができず、何発かのミサイルが彼女に着弾した。

 

「きゃあああ!!」

 

吹き飛ばされたプリズムは、地面を転がって倒れた。

 

「「プリズム!!」」

 

「ギャーッハッハッハ!YOEE~!パッと出の脇役が余計な真似をするからそうなるのねん!」

 

吹き飛ばされるプリズムを見て高笑いを浮かべるカバトン。

 

「う…ぐぅ…!」

 

プリズムは何とか体を起こそうと試みるが、うまく起き上がれない。スカイやサンライトほど頑丈ではない彼女にとって、ミサイルの直撃はかなりのダメージだった。

 

「では先ず一匹仕留めることにするのねん。ランボーグ!とっておきのヤツを出すのねん!」

 

「ランボォ~グゥ~…!」

 

ランボーグは腹部から巨大なペットボトルミサイルをプリズム目掛けて発射した。これを受けたらひとたまりもないだろう。

 

「!?ううっ…!」

 

思わず目を瞑るプリズム。しかしミサイルが彼女に命中することはなかった。スカイが間一髪のところでミサイルを受け止め、プリズムを救ったのだ。

 

「私の友達に…これ以上手出しはさせません!!」

 

「スカイ!」

 

スカイの後ろ姿を見て安堵の表情を浮かべるプリズム。そしてスカイはジャイアントスイングの要領でミサイルをぶん回す。

 

「大回転プリキュア返し!!」

 

その叫びと共にスカイは巨大ミサイルをランボーグ目掛けて投げ飛ばす。

 

「な、なんてヤツ!?おいランボーグ!躱せぇ!」

 

カバトンに命令されたランボーグは、ジェットパックを噴射し何とかミサイルを回避した。

 

「逃がすか!喰らえ!!」

 

だがそこへサンライトの追撃が迫る。彼は盾を召喚すると、それを巨大化させてランボーグに目掛けて投擲した。サンライトの投げた盾は敵の腹部に命中し、空中で体勢が崩れたランボーグは牛丼屋に墜落してしまった。その結果屋根を押しつぶし、店が半壊してしまった。

 

「僕の店がぁ!?」

 

「店長!!」

 

見るも無残な店を見た店員達の悲痛な叫びが、町に響き渡った。

 

「大丈夫ですかプリズム!?」

 

「遅れてごめん!怪我は痛むか!?」

 

スカイとサンライトが、心配そうにプリズムの元へ駆け寄る。

 

「二人とも…うん、大丈夫だよ!」

 

プリズムは二人の手を借りて起き上がる。体は痛むが二人を心配させまいと笑顔を見せた。一方、サンライトの攻撃を喰らったランボーグは瓦礫を押しのけながら立ち上がると、怒りの形相でサンライトを睨みつけた。

 

しかし怒っているのはこちらも同じだ。プリズムを傷つけられて怒り心頭のサンライトとスカイは、負けじとランボーグを睨み返す。

 

「もうこれ以上、大切な友達を傷付けさせません!」

 

「全くだ!お前らだけは許さねえぞ!ランボーグにバトミントン!」

 

「だから俺様の名前はカバトンだって言ってるだろ!このメソメソ野郎の鳥頭め!」

 

もうわざとか?と思えるくらいに名前を間違うサンライトに、カバトンは苛立ちを隠せない様子だった。

 

「くっそ~!もう許せねえのはこっちも同じなのねん!ランボーグ!もっととっておきの攻撃でアイツらをぶっ飛ばすのねん!」

 

「ランボー…グ…グゥ!?」

 

ランボーグは更に特大のミサイルを撃ちだそうと試みる。しかしどんなに力を込めてもミサイルが発射される様子はない。

 

「げぇっ!?なんか腹に挟まってるのねん!?」

 

カバトンはランボーグを見て驚いた。何故ならランボーグの腹部の取り出し口に、先ほどサンライトが投げた盾が挟まっており、ミサイルの射出を妨害しているのだ。

 

「どうだ、これでもうミサイルは出せまい!」

 

ドヤ顔でそう言い放つサンライト。先ほどの盾の投擲はランボーグを撃ち落とすだけでなく、ミサイルを封じるための布石だったのだ。

 

「お見事です!サンライト!」

 

「それほどでも!じゃあ今度こそ決めるぞスカイ!」

 

「了解です!」

 

スカイとサンライトはお互い頷き合う。そして空高く飛び上がるとランボーグ目掛けて急降下した。

 

「プリキュア!ダブルキィーック!!」

 

二人のキックがランボーグに迫る。ミサイルを封じられたことで動揺したランボーグは、二人の攻撃を回避することができなかった。サンライトとスカイのダブルキックはランボーグの顔面にクリーンヒットし、背後にいたカバトンを巻き込みながらその巨体を吹っ飛ばした。

 

「へぶぅぅぅ!?だから俺様を巻き込むのは止めるのねーん!?」

 

吹き飛ばされたカバトンは、そのままランボーグの下敷きになってしまった。そしてプリキュアダブルキックをモロに喰らったランボーグは、仰向けに伸びてしまい戦闘不能になった。

 

「とどめを頼めるか?二人とも」

 

「お任せください!プリズム、行きましょう!」

 

「う、うん!」

 

スカイに促されたプリズムは、彼女と共にスカイトーンWシャイニングをスカイミラージュに装填し、合体技を発動する。

 

「プリキュア!アップドラフト・シャイニング!!」

 

スカイとプリズムは円盤状の物体を上空に召喚し、ランボーグをその中に吸い込んだ。

 

「スミキッター…」

 

吸い込まれたランボーグは円盤の中で爆散し、浄化された。そして破壊された街や牛丼屋も元通りに修復されたのであった。

 

「ち、ちくしょう…これで勝ったと思うなよプリキュアども!もう一度カロリーを溜めてリベンジしてやるから覚悟するのねん!」

 

ランボーグが倒されたことで下敷きから解放されたカバトンは、捨て台詞を残し退散した。

 

「終わった…皆お疲れ様…」

 

戦いの後、変身を解いたましろはその場にへたり込んでしまった。

 

「「ましろ(さん)!?」」

 

それを見たハルトとソラが、慌てて彼女の元に駆け寄った。

 

「大丈夫かましろ!?もしかしてさっきの攻撃で体が痛むのか!?」

 

「すみませんでした。もっと早く私が駆け付けていれば…」

 

「だ、大丈夫だよ二人とも!傷は治ってるし、ちょっと疲れて腰が抜けただけだから!」

 

ましろは心配そうな表情を浮かべる二人に笑顔で応えた。実際プリキュアになった時にできた傷は、変身を解除すれば元通りになる。変身が解けるほどの大ダメージを受けた場合はその限りではないが、今回はその心配はないようだ。

 

「私の方こそごめんね。今回はあんまり役に立てなかったよ」

 

「そんなことない。水をぶっかけられた俺たちをランボーグから守ってくれたし。最後はスカイと一緒にバッチリ決めてくれたじゃないか」

 

落ち込むましろをハルトが優しくフォローする。

 

「俺たちはチームなんだ。ピンチの時や力が及ばないときは、お互い助け合えばいい。だからそんなに気を落とすなよ」

 

「その通りです!それにましろさんは、私たちの大切な友達です!ましろさんが傍にいてくれるだけで、とっても心強いです!」

 

そう言ってハルトとソラはましろに微笑みかける。励まされたましろは、申し訳なさと嬉しさが入り混じった複雑な感情を抱きながらも、二人に笑顔を返すのであった。

 

「ハルくん、ソラちゃん…どうもありがとう!次は頑張るね!」

 

「ああ、どういたしまして!ていうかましろはもう充分頑張ってるから」

 

「私みたいに無理はしないでくださいね?ましろさん?」

 

「あ、あはは…心配かけてごめんね二人とも。私は大丈夫だよ」

 

ましろはまだ心配そうに自分を見つめる二人を安心させるように言った。

 

「さて、戦いも終わったことだし、改めてコンビニに行くとするか…って!?」

 

「また注目されてるよ~!?」

 

ハルトとましろが周囲を見渡すと、騒ぎを聞きつけた野次馬連中が、自分たちに注目していることに気づいた。スマホを構えて写真を取ろうとする者もいる。これではコンビニどころではない。

 

「ハルくん!コンビニはまた今度にしよ!?急いでこの場から逃げないと…!」

 

「そ、そうだな…ちくしょうカバトンめ!お前のせいで唐揚げ棒を食いそびれたじゃねえか!許さねえ…!」

 

「落ち着いてハルくん!唐揚げならまた今度私が作ってあげるから」

 

怒りに震えるハルトをましろがどうどうと嗜める。一方ソラは非常事態にもかかわらず、どよめく市民たちを安心させようと声を上げはじめた。

 

「皆さん!お怪我はないですか!?怪物はやっつけたから安心しっ!?むぐむぐっ!?」

 

「「ソラ(ちゃん)!注目を集めちゃダメだ(よ)~!!」」

 

ハルトとましろはソラの口を慌てて塞ぐと、彼女を連れて一目散に逃げだした。こうして野次馬を振り切るために全力疾走する羽目になったハルトとましろは、今朝のランニングとランボーグ戦の疲労も重なり、帰宅した頃にはヘトヘトになってしまうのだった。

 

 

 

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