【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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前半は、前話のフォロー回。おじ様たちに根回しする政治学的様式美(?)な話です。

後半は、何だか久しぶりの愛に溢れた人、再登場(伏線回収こみ)です。








第107話 ボアズを墜とすための事前根回し、並びに”御旗”の新たな可能性

 

 

 

C.E71年8月某日、オーブ代表首長官邸

 

 その日、大会議室にはオーブの政務と軍務の首脳陣が集められていた。

 原作の「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」が面子の多数派と言えば、この情景は伝わるだろうか?

 今生は、是非とも最後まで責務を全うして欲しいものではある。

 集められた理由と議題は、当然、カガリが提唱する『オーブ単独での”ボアズ”攻略』の作戦プレゼンだ。

 無論、会議前に関係各所に根回しは済ませており、今回の会議の本当の理由は、関係部署の意見確認とすり合わせだ。

 

「以上の理由をもちまして、大西洋連邦共同でのボアズ攻略は国派を中心とした一部の国民からオーブの理念たる『他国を侵略せず,他国の侵略を許さず,他国の争いに介入しない』という反発を招くリスクがあり、また反動勢力や不穏分子がそれに乗じる可能性があります。状況に応じては”一連のザラ一派に対する拡大警察行動”に支障が出る恐れがないとはいえません。そうであるが故に私は、可能であればオーブ単独での宇宙要塞ボアズの攻略を提唱いたします」

 

 それが単独攻略に正当性を持たせるための”表向きの理由”である事はこの場の誰もが理解していた。

 実際にはオーブにも確実に存在する(国内をまとめる触媒として意図的に残されている)国内左派、「何が何でも政府に反対しないと気が済まない輩、国外と繋がり自国より他国の利益を慮る輩」達は、急進派でもそう過激な行動は起こせ無いだろう。

 オーブの政府も治安組織そこまで温くはない。

 同時に大義名分の重要性を理解しない者もこの場にはいなかった。

 

「カガリ代表、確かに君の言い分はわかった。いかに安全保障条約相手先の友好国とはいえ、安易に手を結べばオーブの理念に抵触する可能性がある」

 

 そう口を開いたのは血縁は無くとも戸籍上の父親である現オーブ代表首長、現在は公人モードのウズミ・ナラ・アスハであった。

 なぜかその言い回しに”様式美”という言葉がよぎる。

 

「しかし、この場で問題とすべきは作戦の勝算だ。リスクの高すぎる作戦に大軍を投じることはできんぞ?」

 

 太陽光発電公社”ソレスタルビーイング”代表(表のトップ)であるカガリが軍事作戦を提案することに苦言を申し立てる者はいない。

 『第16話 渋めの人事発表』で初めて明言され、パナマでもその権限が発動した通り、オーブの国家生命線その物である軌道エレベーター”アメノミハシラ”をはじめ、多くの太陽光発電システム守護せねばならない事から、ソレスタルビーイングは警備名目でガンダム・タイプをはじめ多くの「高い戦闘能力を持つモビルスーツ」を運用している。

 それらを書類上は一公社が保有し、指揮統制と運用を行う正統性の担保として、カガリには「オーブ軍の大将待遇」という権限が与えられていた。

 そして、ヘリオポリスからの脱出行、オーブ本土防衛戦のアメノミハシラ周辺宙域の戦闘、パナマでの強襲作戦でも見られたとおり、それは決して”お飾りの名目だけの権限”ではない。

 この所の立ち位置を知る人間にとり、カガリは普通に「オーブ軍大将」の一人であり、これまでの実績からそれに相応しい能力があると認識されていた。余談ながら軍部は割と本気でカガリを獲得したがってるが、今以上の地位と権限を提供できないため断念してるらしい。

 無論、同時に性悪説論者の政治的マキャベリストであることも周知の事実だ。

 

「事前に関係各位に作戦起案書はお送りしましたが、検討はしていただけたでしょうか?」

 

 するとウズミは軍務のトップを司る”()()氏族”の一つ、マシマ家当主に目線で回答を促し、

 

「内容的には問題ないでしょう、投入兵力も問題なく動員できる範疇です。作戦自体も”第1段階で的軌道兵力を誘引し、ボアズからある程度の数を引きはがしたところで第2段階を発動し要塞表層を焼き、混乱を拡大→その隙に第3段階として内部制圧戦力投入”するという工程は合理的で問題点は見当たりません。しかし……」

 

 マシマはカガリを見やり、

 

「第2と第3段階は、その作戦中核はまさにソレスタルビーイング頼りになる。太陽光発電施設の防衛という大義名分の使えない、純然たる軍事作戦への保有戦力の投入は、太陽光発電公社として後々問題になりませんか?」

 

「ご心配ありがとうございます。マシマ国防統括殿」

 

 先ずはビジネスマナーとしてカガリは礼を述べ、

 

「まず、今回の作戦は名目上は軍事作戦ではなく、テロリストに対する警察行動の一環であり、また”ザフトを僭称するテロ組織”は、今年5月にオーブ本土攻撃に乗じてソレスタルビーイング管轄の軌道エレベーター”アメノミハシラ”も襲撃しております。故に法的にも公社の規約的にも『()()()()()()()()』は問題ないと判断します」

 

 そして、一旦言葉を切り、

 

「また、書面上はソレスタルビーイングは”軍への警察行動に必要な機材の貸し出しと運用”がメインであり、投入兵力の数から考えても作戦の主兵力はオーブ軍であることは変わりません」

 

「なるほど。そういうスタンスで行くのですね?」

 

「スタンスも何も、私は事実を述べてるだけですよ?」

 

 マシマは苦笑すると、

 

「良いでしょう。そう言う事であれば、軍部の代表(国防大臣準拠)として、ソレスタルビーイングの参加を容認。作戦も了承しましょう」

 

「ありがとうございます」

 

「それにしてもカガリ代表、貴女は政治家や公社代表というより一端の軍政家のようですな? 近い将来が実に楽しみだ」

 

 何やらウズミだけでなく会議に参加しているウナトも頷いていた。

 

「過分な褒め言葉ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”ボアズ”攻略に必要な準備……ソレスタルビーイングが、どのような特殊機材を用意し持ち込もうとするのかは……実際に作戦発動時に言及したいと思う。

 なのでしばしの間、次の戦場で主役となるであろう”機械仕掛けの主役達”を気の向くままに書いてみたい。

 

 

 

「素晴らしいぞビリー! まさに新時代のフラッグを象徴するような面構えではないかっ!!」

 

 ここはモルゲンレーテ社、エイフマン教授が座長を務める”フラッグ”シリーズの今後の発展と展開を担う”オーバーチューン計画(『第34話 御旗の狂詩曲 フラッグ・グラカスとオーバーチューン計画』を参照)”チームの格納庫だ。

 その一角に聳える見覚えはある姿であると同時に、これまでにない異彩を放つ機体……間違いなくフラッグの系譜に名を連ねる機体であるのだが、

 

G()N()フラッグ・グラハム・カスタム”……気に入ってもらえたようで何よりだよ」

 

 友人(グラハム)の満足そうな表情にほっと胸をなでおろす主任開発者のビリー・カタギリであった。

 

 さて、皆様は第97話の”メテオストライク(宇宙ゴミ合法投棄作戦)”において、弾着観測を担っていたグラハムが、本来の愛機である”フラッグ・グラハム・カスタム(フラッグ・グラカス)”ではなく、部下のダリルやハワードと同じオーバーフラッグ(予備機)を駆ってたことを覚えておいでだろうか?

 あの時、『少々訳アリで、今はちょっとソレスタルビーイングのラボ入りしているようだ。』と表記した覚えがあるが……

 

 もうソレスタルビーイングで何が行われていたか、察していただけただろう。

 『GNドライヴ[T](略称:GN-T。疑似太陽炉)』の搭載とそれに伴う機体改修作業を受けていたのだ。

 

 そもそも”グラカス”は、オーバーフラッグの雛形、初期少数生産型フラッグを叩き台に改造した実験機で、大西洋連邦との技術提携で得られた様々な新装備のテストベッドという側面も持っていた。

 そのようなコンセプトから装備換装がし易い改装が元々施されていた。

 それを買われて、「フラッグへのGN-Tの搭載+従来型の超電導電源システムとのマッチングテストベッド」に選ばれ一時的にグラハムの手を離れていたのだ。

  

 ただ、少し留意してほしい点がある。

 原作00でも、”ユニオンフラッグカスタムⅡ(GNフラッグ)”という酷似した名前と、疑似太陽炉をフラッグに搭載するという同じコンセプトの機体が登場するが……この”GNフラッグ・グラハム・カスタム(GNフラッグ・グラカス)”は全くの別物だ。

 正直、エイフマン教授が”あぼーん”されてないことやフラッグ開発元のモルゲンレーテ社・エイフマンワークスとGNドライブ全体の開発元でスペシャリスト集団のソレスタルビーイングが全面的にタッグを組んで開発した機体であり、「そこらへんから引っ張ってきた普通の原付に世界最新のジェットエンジンを無理矢理ポン付けし、とりあえずF1よりも速く走れるようにしてレースに出場しようとするようなもの」と称されたオリジナルGNフラッグとは完成度が全く違う。

 箇条書きするだけでも……

 

 ・航空機形態への変形がオミットされていない

 ・水素吸着素材のインナーフレームは、トランスフェイズ構造材とGNコンデンサに置換されている

 ・トランスフェイズ素材は内部装甲の一部やディフェンスロッドなどにも採用されている

 ・GN-X(ジンクス)シリーズとビームライフルやビームサーベルなどのGN粒子兵装を共用

 ・GN粒子供給路がフレームワークに融合されており、使用時にGN-Tを移動させたり、GN-Tに武装をケーブルで直結させたりする必要はない

 ・またGN粒子を機体中に蓄積、あるいは供給路に張り巡らされる事によりGN粒子の重量軽減効果/副次的慣性緩和効果が期待できる

 

 と本当に別物なのだ。言い方を変えれば急造品ではなく「GN-Xと同等の完成度を誇るGNフラッグ」とイメージして貰ってよい。

 無論、十分な開発人員、開発期間、開発人員がいたこと・あったことが根本的な理由なのだが、そもそも先に出てきたフラッグ系列機の包括的発展開発プロジェクト”オーバーチューン計画”の一環として「GN-T対応のオーバーフラッグ改修機」開発計画は実働していて、言い方を変えればグラカスはまたしても後に続く量産型の雛形となったのだ。

 

 蛇足ながら現状で「ワンオフではなくオーブ軍正式採用のGN-T搭載MS」は3系統の開発が予定されていて、その一つがこのGNグラカスの量産型となる”GNオーバーフラッグ”だ。

 

「惜しむべきは、GNドライブ搭載のフラッグがこの1機しかない事だな。おかげでハワードやダリルが新型機、”GN-X(ジンクス)”と言ったか?に取られてしまった」

 

「それは仕方ないね。”ジンクス”は既にソレスタルビーイングで少数先行量産が始まってる機体で、GNオーバーフラッグを作るには、この新型グラハム・カスタムで、データ取りを行わないと始まらない」

 

 そう苦笑するビリーである。

 

「むしろ、開発主任をエイフマン教授から丸投げされた僕としては、試作機とはいえ実戦投入可能なレベルまでの完成度に漕ぎつけられたことが奇跡的だとおもってるよ。キラ君にも随分、手伝ってもらったし」

 

「そういえばキラ少年も、自らの機体を開発しているのだったな」

 

「ああ。自分だって忙しいのに優しい子だよ。とはいえ、僕にも技術者の先輩としての面子はあるからね。この機体のデータ取りと調整が終わったら、彼のサポートに入る予定だよ」

 

「うむ。是非、そうしてやってくれ」

 

 

 

 この世界線においてはカガリのみならず、キラにもまた「フォローに回ってくれる頼れる大人」に事欠かないのは幸いであろう。

 まあ、モビルスーツ関連に限らず、オーブの技術畑は曲者揃いの気がしないでもないが。

 

 

 

 さて、ついでながら最後に一言付け加えさせて欲しい。

 GNフラッグ・グラハム・カスタムが生まれたことで、マスラオ、スサノオのみならず”ブレイヴ”の開発ツリーは、こうして無事に繋ることが確定したと。

 

 

 

 

 

 

 

 




原作00と異なる形で、フラッグの開発ツリーの方向性が固まりました(挨拶

可変機能を維持したまま無理なく疑似太陽炉を積める”GNフラッグ・グラカス”は”ブレイヴ(強化型?)”の直系のご先祖様って訳です。

ついでに第97話(https://syosetu.org/novel/335614/97.html)でグラハムがグラカスではなく、オーバーフラッグに乗っていた理由がグラカスにGN-T乗っける改造してたからなんですね。
このGNフラッグ・グラカスのテストデータが良好なら、更にブラッシュアップした上でオーバーフラッグにも同様の改装が行われるかも?

そして、朝から申し訳ないですが、ちょっと重めな話題を……
冒頭でチラッと毒を吐きましたが、やっぱり原作のウズミたちの集団自決はどう考えても無責任で控えめに表現しても納得いかないんですよ。
自分達の失策(国民より理念優先)で攻め込まれたから死んで詫びます?
いやアンタ、「国民の生命と財産を守る(その為に税金取ってる)国家の義務は、あんたら数人の命で釣り合うほど安くて軽いんかい?」と。
死んだらその先は何もできんし、生きてなきゃ責任は取れない。
それに戦争ってのは大抵、戦争責任云々の戦後処理や戦後復興の方が大変になる。
そんな時に東京やニュルンベルクのノリで裁判で死刑を言い渡されたのならまだしも、国家首脳部が安易に集団自決なんかしてたら、残された国民はどうすればよいのかと。

まあ、この世界線ではそういう心配はいらないようですが。

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