【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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いよいよ、ラクスのライブコンサート、開幕です。
本当に最初からぶっ放すみたいですよ?w





第55話 伝説のLIVE開幕!! 「最初からクライマックスですわよ~♪」 「いや、私は音痴なんだがな」

 

 

 

「凄い……これが誇るフルダイブVR技術……」

 

 ダイブした仮想現実で再現された収容人数推定10万人のアリーナ・ライブシアターの臨場感と完成度に素直に驚く”ノンナ・ナガトロ”ことイングリット・トラドール。

 何せ感覚を落とし込んでるだけなのに、本当に場の空気や雑踏まで”その場にいる”ように感じられるのだ。

 

「流石はラクスだなっ!」

 

 と何故か胸を張るアキヒサなオルフェに、

 

「コイツ、本当にぶれんな……」

 

 とむしろ感心するアルトなのか(イオ)フレミングなのかどっち寄りか難しいシュラと、

 

「別にラクスが作ったわけじゃないでしょーに」

 

 普段は面倒くさいから突っ込まないのに思わずツッコミを入れてしまうリデラート。

 

 そろそろ、開演の時間だ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「”紅”だぁぁぁ~~~~っ♪」

 

 ”伝説のライブ”は、まずラクスのその一声から始まった!

 そう、開幕にローエングリン級の破壊力のあるX-JAPANの名曲”紅”を持ってきたのだ!

 

 激しいビートの曲を一気に歌い上げるラクス。

 更にMCを入れず”地球にI LOVE YOU”を熱唱し、特に大西洋連邦から来ていたらしいブルーコスモス系のファンを大いに沸かせた。

 2曲を歌い終えた後、ようやく

 

「皆さん、こんにちわ~! 久しぶりのライブに大歓喜のラクス・クラインですぅ♪」

 

 とプラント時代のような”作り物のように美しいラクス”ではなく、むしろ滴る汗がコケティッシュな”生のラクス・クライン”がそこには居た。

 

 次に”誇り高きアイドル”で盛り上げ、”命に嫌われている。”でじっくり聴かせた後……

 

「ここで特別ゲストですよ~」

 

 ステージがライトアップされ、演出で舞っていたはずの光の粒子が一斉に金色に輝くとラクスの横に集まり、一人のシルエットを形成する。

 

「オーブで知らない人はいませんよね? 我らが”太陽の獅子姫”! ソレスタルビーイングの代表にしてわたくしのボス、”カガリ・ユラ・アスハ”でーす!」

 

「おーい、ラクス。その”太陽の獅子姫”ってのはなんだ?」

 

 現れるなり困った顔をするカガリに、

 

「わたくしが考えたカガリの”二つ名”です♡」

 

 会場からドッと笑いが出る。どうやら本人未公認らしい。

 

「ねえ、カガリ、今日は一緒に歌って下さるんでしょう?」

 

「まあ、約束したからな」

 

 あの「ニコルを”らくらく☆ちゃんねる”の最初のゲストにする」云々の”埋め合わせ”である。

 

(随分と高くついた気がするが……)

 

 とはカガリの心の声で、

 

「えーと、歌うのは”ハクメイとミコチ”のED曲でいいんだよな?」

 

 ”ハクメイとミコチ”

 それはオーブでマクロスシリーズ同様にリメイク版が製作されている国民的ほのぼの日常系ファンタジーだ。

 ”How to walk tiny little life”……二人の女性の小人、ハクメイとミコチを中心に繰り広げられる純朴な優しい物語である。

 日本に起源を持つオーブでは、「いつかどこかで見たような」(魂の)故郷を偲ばせるカールチューンを刺激されるのか、ノスタルジーな魅力でかなり人気のあるシリーズで、現在まで4期48話が既に放送され、続編(5期目)の制作も発表されていた。

 面白いのは1期目こそOPもEDも幸いにして音源が残っていた西暦時代のオリジナル版が使われていたが、2期目以降はこの時代の歌手がシーズンごとに代わる代わる歌っていた。

 

「確か、本来ならミコチ(主人公の片割れ。歌が上手い)とコンジュ(作中の歌手)がデュエットで歌うって設定だよな? いや、確かにラクスならミコチでもコンジュでもこなせるだろうが……」

 

 カガリは苦笑しながら、

 

「だが、私はどちらかと言えばハクメイ(主人公の片割れ。音痴)だぞ? ビジュアル的にも歌唱力的にも」

 

 再び会場から笑いが出る。

 

「うふふ。こういうのは楽しければ良いんです。それにわたくしが”カガリと歌いたい”んですのよ?」

 

「それを言われると弱いな」

 

「それに皆さんも超レアな……というより、わたくしでさえも滅多に聴いたことのないカガリの歌声、聴いてみたいですわよね?」

 

 会場からは(一部を除き)「聴きたーい!」の大合唱!

 ちなみにカガリは時折、機嫌が良いときに無自覚に鼻歌を歌うぐらいだ。まあ、絶対にラクスは目をつぶってじっくりそばで聴いてるだろうが。

 

 そして、その声に応えるように、あるいは作品の世界観を再現するようにふわりと”衣の付喪神”が二人の上に舞い降りてきて、

 

「あら♡」

 

「ここまでするか演出スタッフェ……」

 

 カガリの髪が茶色に染まりハクメイの衣装へ、ラクスのピンクの髪が黒絹のような色合いとなりミコチの衣装へと変わる。

 仮想空間ならではの、中々に気の利いた演出だ。

 

「カガリ、カガリ、黒髪のわたくしはいかがです?」

 

「お前は元が良いんだ。黒髪だろうがフォークロア・スタイルの衣装だろうが似合うに決まってるだろ?」

 

 飾り気のないドストレートな口説き文句を、「何を当り前のことを聞いてるんだ?」とばかりに素で言ってのけるカガリに、

 

「あっ、あらあらあら♡」

 

 場をわきまえず蕩けそうになる表情を頬を両手で抑えることで何とか抑制しようとするラクスの仕草に、ファンがまたしても増えそうだ。

 ついでに「なぜか」、オーブのあちこちで行われる”彼氏にしたい人ランキング”で、カガリが上位の常連になる現象が発生する事になる。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ふふん。俗人の割にはわかってるじゃないか? 褒めてやろう」

 

アキヒサ(オルフェ)、なぜお前がドヤ顔なのかはさておき、その発言を公共の場ではするなよ? 特にオーブでは、だ」

 

 と早速苦労人スキルを発動させるシュラに、

 

「なんでさ?」

 

「相手を考えろと言っている」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「はぁ……まあ、ここまでお膳立てが整えられたら仕方ないか。じゃあ行くぞ、ラクス」

 

「はい♪ カガリ♡」

 

 そして息を合わせ、

 

「「”ハクメイとミコチ”より”Harvest Moon Night”」」

 

 

 

心地良い風吹いたら外でご飯食べよう

金木犀香るこんな季節には

アケビ色の空から 星チラチラキラリ

ゆっくり息を吸い込んだら

宴の幕開け開始

 

 それは自然の情緒溢れた優しい曲で……

 

こんな夜に合うお酒なんだろ?

ボタニカルに山椒なんてどうかな?

小さなこの手で月もつかめちゃう

なんて思っちゃう気分

 

 

 

「いや、えっと、これは……」

 

 オルフェは明らかに混乱していた。

 自分に必要なのは、確かにラクスだけだったはずなのに。

 隣りに並び立つのは自分だけだと思っていたのに。

 

アキヒサ(オルフェ)、今は聴こう? ね?」

 

 ”きゅ”っとバーチャル空間で手をつなぐイングリット。

 オルフェは、イングリットの言葉にこくんと頷いた。

 

ほらおしゃべりが止まらない

ぜんぶ飛び越えて笑い合ってる

 

 二人の楽し気な歌声は続いてゆく……

 

 

 

ここにしかないちょっと小さな世界

みんなと繋がっている

これからもずっとずっと

朝まで終わらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




歌詞は出しませんでしたが、インパクト抜群の開幕”紅”からぶちかまし、同じロック路線の”地球にI LOVE YOU(メタルアレンジ?)”に間髪入れずにMC無しで繋げ、MCを挟んで”誇り高きアイドル”で盛り上げ、”命に嫌われている。”でじっくり聴かせる……

と、ここまでは”紅”以外は既に配信済みで「耳馴染みのある曲」で下地を作ったと言っていいでしょう。

そして、第48話(https://syosetu.org/novel/335614/48.html)の伏線を回収しつつ、「埋め合わせ」としてカガリをステージに引っ張り出し、ハクメイのコスプレ(自分もミコチのコスなので実質的にペアルック)までさせてデュエットで歌わせるという暴挙w

まさにやりたい放題のラクスですw
しかも、VR空間とはいえ公衆の面前で素で口説かれるという美味しすぎるご褒美までついてきました。

いや、オルフェがもし恋愛脳だったら、この時点で精神汚染引き起こされたんじゃ……

まあ、この世界線のオルフェは基本、”ハイスペックな明久 or 善逸(アホの子)”なので命拾いしたようですがw




メインはやはり、”Harvest Moon Night”♪
この曲をカガリとステージでデュエットで歌うことを予想した方はいらしたでしょうか?

でも、”ハクメイとミコチ”もED曲”Harvest Moon Night”も懐かしい気持ちになれるとても良い作品なのですが、将来の黒騎士カルテットにはちょっと残酷かもしれません。

だって、「生き方を生まれた時点で決められてしまう」彼ら彼女らはこんな”自由で優しい世界”を知らない筈ですからね。



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