星屑の夢   作:ハレルヤ

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天井まで引いてピックアップキャラを引けないという地獄を味わいましたが、多分きっと私は元気です。
 
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Ep-3.Increment

◇0

 

 

「白亜の竜よ! 飛翔せよ!」

 

「了解!」

 

「ここ室内! しかも暴投! ――あっ!」

 

「「あっ」」

 

「へぶっ」

 

 高らかに声を上げたアリスに応えたのはモモイ、非難めいた注意喚起はミドリだ。次いで声を重ねたのはアリスとモモイで、情け無い呻き声を発する羽目になったのは顔面に飛来物の襲撃を受けた先生である。

 

「「せっ、先せぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

 アリスとモモイが慌てて先生に駆け寄る側で、リョウヤとミドリが「あちゃー……」と額に手をやっていた。

 ユズはモモイが放り投げた両手で持つゲームのコントローラーに似たリモコンを見事にキャッチして一人安堵に息を吐き、アリスとモモイに続く。

 

「せ、先生、大丈夫ですか……?」

 

「ご、ごめん、先生……」

 

「いや……うん、大丈夫。びっくりしたけど、痛みはそこまでじゃなかったよ」

 

 ユズが先生を上目に気遣い、モモイは気まずそうに瞳を右往左往させた。

 

「ジャストナウでした!」

 

 困り笑いを浮かべた先生に安心したのか、楽観的なアリスにモモイも「本当にねー!」と同意を示してからから笑う。

 何もなければ扉に直撃したであろう飛来物は、タイミングよく扉を開けてしまった先生に突っ込んでしまったのだ。

 

「玩具は頑丈にし過ぎると怪我に繋がるからな」

 

「翼がゴム製なのは軽量化だけが目的じゃなかったんですね」

 

 痛みが然程ではなかった理由を説明して、リョウヤが肩を竦める。

 ミドリは「なるほど……」と感心ながら、落下していた小さな白い竜拾い上げて翼をむにむにと摘んだ。

 場所はゲーム開発部部室。日付はミカとアリウスの襲撃から五日が経過した日だった。

 アビドスに大きな病院は稼働しておらず、自分で自分を診るのは最終手段なので、リョウヤは検査の為にミレニアムを訪れていた。検査後に先生と集合の約束を交わしていたのである。

 先生は先生でミレニアム内での所用を済まし、ゲーム開発部の部室の扉を開けた瞬間……顔面にダメージを受けてしまったという流れだ。

 

「これはリョウヤくんが?」

 

「はい! 魔術士がくれました!」

 

 ふと先生がミドリに手を伸ばして玩具の竜を受け取ると、興味深そうにしながらも問い掛けた。

 アリスが「使い魔です!」と喜色を滲ませている。あらあら、とアリスの様子に先生の笑みが深くなっていく。

 

「安静にしていろ、と各方面から圧が掛かっていてな……暇潰しがてら作ってみた」

 

 アリスの喜びように癒されながら、リョウヤはさらりと言い放つ。

 幸いにも、今月の業務用魔力付加(エンチャント)は済んでいた。重症だったことも事実なので、本人的には大人しくしているつもりだった。だが、引っ掛かりを覚える人物もいる。

 

「安静に…………安静? 安静とは?」

 

「マキちゃん達が、リョウヤさんの仕事は全部取り上げたとは言ってましたけど……」

 

 安静にしろと命じられて、物作りをしていたのか? それは仕事と大差ないのでは? 反芻した先生と乾き笑いのミドリは訝しむ。

 

「でもゲームの気分転換に別のゲームするとかあるじゃん」

 

 ねー? とモモイから振られて、ユズは「確かに」と頷く。

 大会や対人戦、記録を詰める、或いは単純に高難易度のプレイはゲームであっても酷く疲れる。が、一人でゆるりと遊べるゲームも多い。

 ユズにとっての後者が、リョウヤにとっての仕事と関わりのない物作りであるのなら理解できる話だった。

 

「別のアプローチで作ったのがこっち」

 

「鮫だ!」

 

 話題を変えて逃げるようにリョウヤが工房から取り出した小さな鮫に、先生は声を弾ませる。

 綺麗に釣られた先生であったが、モモイの言葉に共感したというのも大きな理由だった。

 

「? 別のアプローチですか?」

 

「翼とプロペラの違いじゃないかな……」

 

「確かに、こっちはメカメカしてる」

 

 首を斜めにするアリスへ、ユズが見解を述べ、モモイは背鰭の後ろから伸びているヘリコプターのようなプロペラをくるくる回す。

 プロペラという特性上、緩やかに上昇する。

 対して先の竜型は生物感が強く、助走をつけての飛び上がりを可能としていた。先生の顔面に特攻した理由は、テーブルで助走つけて飛び出したからだ。

 

「さてはリョウヤくん、おやつ時に放送していた鮫映画を見たね? 竜巻のやつ」

 

「そう言えば一昨日にやってましたね、あの映画」

 

 探偵が推理するかの如く顎に手をやる先生の横で、ミドリが納得に息を吐く。恐らくは、竜巻からプロペラを連想したのであろう。

 その映画からインスピレーションを得たので、認めるようにリョウヤは軽く笑う。

 手の平をピンと伸ばして鮫を乗せたモモイが、キリッと言った。

 

「プロペラシャークと名付けよう……!」

 

 件の鮫映画タイトルに含まれる“トルネード”ではない所に、せめてものオリジナリティは感じさせる。

 

「そのまんまです!」

 

 アリスから無邪気なカウンターを喰らったモモイが、ドヤ顔から一転「ふぐっ」と呻いた。

 名前は決めてないんですか? とミドリがリョウヤに問うと首が縦に振られ「型式番号ならある」と返ってくる。

 

「うーん……あ、顔は意外と可愛い」

 

 リアル調ではなく、デフォルメされた顔の鮫を見ながらモモイは頭を悩ませていた。

 

「フカヒレ……」

 

「フカヒレ!」

 

 ぼそっ、と呟いたのはユズだ。愛嬌に捻りを加えて、ふと思い浮かんだだけのものだ。名付けをしたかったわけでもない。

 そんなユズの意に反して、声を上げたのは偶然にも聞き取ったアリスだった。

 え、あっ! とユズが顔を赤くして弁明するより早く、フカヒレで話が進んでいってしまう。

 ミドリが「フカネード? プロペラフカヒレ?」と首を斜めにしてしまったからだ。

 

「プロペラに拘らなくても良いんじゃないか? 陸海空制覇してるぞ」

 

 作成者が指差したのは、鮫の玩具の下部。確かに車輪が付いていた。尾鰭にも後方に向けた小さなプロペラが付属している。

 大地を走れ、水中を泳ぎ、天空を舞えるのだ。

 陸海空……! とアリスのテンションが一つ上がった。

 フカヒレに拘らなくても大丈夫です、と今更ユズには言えない。あわあわと行く末に身を任せる他なくなっている。

 

「じゃあスーパー……いや、ハイパーフカヒレ! どう!?」

 

「ちょっと可愛い響きで良いんじゃないかな」

 

「B級映画っぽさもないしね」

 

 モモイ渾身のリベンジに、今度はミドリも頬を緩め、鮫映画に引き摺られていた先生も肯定的である。

 むふん! と満足げなモモイを横目に、ユズはこっそりリョウヤを見上げた。

 

「良いんですか……? ふ、フカヒレで」

 

「商品名をハイパーフカヒレで会議に通しておくよ」

 

「商品名にしちゃうんですか!?」

 

「お手柄です! ユズ!」

 

 リョウヤから胡散臭い満面の笑顔を向けられたユズは、アリスの追撃もあって顔を真っ赤にして慌てふためく。

 私は!? とモモイが口を挟んでいることにも気が付かず、ユズはリョウヤの服の腹部を掴んでブンブンと首を振って赤い髪を揺らす。

 

「そもそも基本的に名付け親は公開されないから。……内部資料には残るかもだけれど」

 

 リョウヤが僅かに可笑しさを滲ませると、ユズは「本当ですか……?」と上目を向ける。

 

「本当本当」

 

「確かにTS社の商品ページに書かれているのは見た事ないかも」

 

「あっ、そ、そうだよね……!」

 

 クッとリョウヤが喉を鳴らし、思い出したようなミドリの呟きにユズはホッと息を吐いた。

 余談だが、後々に発売されたハイパーフカヒレ。そしてコバンザメがモチーフのより小さくなったハイパーフカヒレJr.(ジュニア)は、鮫好きや鮫映画好き、子供、ガジェット好きといった層にそこそこ売れることになる。

 そして、その名付け親がユズであることもミレニアムでは広がった。

 信じてたのに……! と震えるユズであったが、広まった切っ掛けはモモイとアリスである。尚それもそれぞれ友人に話しただけであったので、責めるに責められない。驚くべきは広まった事実そのものであろう。

 閑話休題。

 ゲーム開発部でリョウヤと先生が待ち合わせをしていたのには、当然ながら理由がある。

 ハイパーフカヒレの命名式を終えた二人は、同校ヘリポートへ移動していた。

 

「私とヒフミで、二人を無事にトリニティまで届ける」

 

「本当はハナコちゃんとコハルちゃんも来たがっていたんですけど、シスターフッドと正義実現委員が少し忙しいみたいです」

 

 ふんす! と胸を張るアズサと、試験も終わり肩の力が抜けたヒフミが、ヘリポートで待っていた。

 移動の為の足兼、護衛役として抜擢された二人である。

 

 

◇1

 

 

 ミカとアリウスの一件が終わると、アズサの推測通り程なくしてナギサは目覚めた。

 先生とシスターフッドがナギサと正義実現委員会へ事の次第を説明し、そこへ補習授業部が合流したのは結局試験後になった。

 クタクタになっていたヒフミ達は、最低限の聴取で一度解放。対して先生、そしてキャリーに詰め込められて体がガチガチになってしまったナギサの一日はあまりに長い。

 多忙を極めて尚、ナギサはその日のうちにアビドスとTS社にアポイントメントを取った。先生というクッションが挟まっていた事で迅速に話は繋げられ、翌日にどうにか作った時間でナギサはアビドスとTS社を直接訪れて謝罪を行なっている。失敗だったのは、検査時間と重なってしまったリョウヤとは顔を合わせられなかったことだ。

 ヒフミに対する誤解はハナコによってきちんと解かれ、補習授業部は誰一人として退学にならなかった。

 目的だったトリニティの裏切り者を捕らえ、最悪を阻止したにも関わらず、ナギサの顔色は酷いものだ。

 そんなナギサが必死に素面を装い、真剣に頭を下げてくる。

 補習授業部以外からした今回の元凶はミカだ。対策委員会もTS社もナギサを糾弾するつもりはなかったのだが、それを差し引いても文句を言う気力を削がれる程だった。

 ナギサはリョウヤの治療費と慰謝料を払う事を約束し、詳細はまた後日に詰めることになったのだ。

 

「でもまさかリョウヤが直接来るだなんて……」

 

「仕事取り上げられてて暇だからな。逆に他の皆が忙しくなってるよ」

 

「それは何というか……当然だし仕方のない事だとは思いますが……」

 

 ヘリコプターでの移動を終え、改めてアズサが小さな驚きを溢すと、リョウヤは落ち着かないとでも言いたげである。

 ヒフミは苦笑を伴いつつ、怪我の具合はどうですか? と心配を滲ませた。

 

「良好」

 

 リョウヤの額から包帯は消え、ガーゼだけが宛がわれている。そのガーゼにも、血が滲んだ様子はない。

 良かったと二人から素直な想いを受けたリョウヤが辿り着いたのは、シスターフッドの会議室だった。

 仮にもティーパーティーに襲撃された人間を、ティーパーティーがメインで使用する部屋へ呼ぶのは憚れるという判断らしい。

 出入りを見張るように扉の外に立っていたのは、背丈ほどもある不釣り合いなほど大きいスナイパーライフルを持つ生徒……静山マシロと、コハルである。リョウヤ達の姿を確認すると後者は表情を崩すも、ハッとなって首を左右に振った。

 大丈夫……? と潜められた声は、リョウヤに向けられたものだ。首が縦に動いたことで、コハルは安堵を晒す。

 

「急かすようで申し訳ありませんが、既に皆さん待機していますので……」

 

 二人の短いやりとりを確認してから、マシロは遠慮がちに黒い髪を微かに揺らした。

 リョウヤが頷くと、マシロは扉をノックする。

 すぐに扉を開けたのは、マリーだった。

 マリーは元気そうにしているリョウヤを見て安心したように微笑むと、どうぞと片手を使って室内へとリョウヤ達を優雅に導く。

 

(おお……!)

 

 硝子張りの丸テーブルに赤や黄のソファーが並ぶ豪華絢爛な空間は、何より膨大な数の本に囲まれている。

 木や本の匂いがほのかに香る夢のような一室に足を踏み込んだ事で、リョウヤの足は歩みを止めてしまっていた。

 

「本当に本が好きなんだねぇ」

 

 先生の優しくも揶揄い混じりの呟きに、目を輝かせていたリョウヤはビクリと体を震わすと何事もなかったように歩みを進める。

 扉を開けて正面にいたハナコとナギサだ。二人とも直立で言葉をいくつか交わしていたようである。

 リョウヤ、ヒフミ、アズサ、コハル、ハナコ、先生の六人に「お掛けください」とナギサが促した。

 

「傷は平気」

 

 何か言いかけたハナコの先手を取るように、リョウヤは言い切った。

 あら、と可笑しそうにハナコは口元に手をやる。

 

「もう散々に確認されてるよ。心配かけて悪いな、ありがとう」

 

「いえいえ……でも、ふふっ、そうですよね。快調そうで何よりです」

 

 ハナコの楽しげな姿に、扉からゆっくりと歩いて来ていたマリーも喜色を纏う。彼女もリョウヤの事も気掛かりだったので、安心したように頬を緩める。

 

「だからナギサ。俺の怪我はそう気にしなくて良い」

 

「……そういう訳にはいきません」

 

 だろうな、と肩を揺らすリョウヤ。言ってなんだが、ナギサの真面目な反応も当然だと理解していた。

 とは言え、既にある程度の話は纏まっている。

 補習授業部とリョウヤが並んでソファーに、シャーレとしてリョウヤ達とナギサを取り持った先生が両者の間にある一人用の椅子に腰を下ろす。

 四角いテーブルの短辺……誕生日席とも言える側の先生の一歩後ろでマリー立ち止まった。彼女はシスターフッドとしての立ち合いである。

 着席を見守って、ナギサは改めて頭を下げた。

 

「まずは改めまして、今回は本当に申し訳ありませんでした」

 

 その謝罪はリョウヤと補習授業部だけでなく、先生に向けられたものだろう。

 未だ立ったままに、ナギサは大きく頭を下げ続けていた。

 ややあって、唇が動き始める。

 

「えっと……頭を上げてください、ナギサ様」

 

「……謝罪はもう受け取っている」

 

「……そ、その通り……です!」

 

「私達に怪しい点があったのも事実ですからね」

 

 ゆっくりとナギサが顔を上げると、ヒフミもアズサもコハルもハナコも少し困ったような顔を浮かべていた。

 

「私としては別に……そこまで迷惑を被ったわけでもないからなぁ。実は結構楽しかったし」

 

「確かに楽しかったし、為にもなったな」

 

 だよねぇ? だよだよ、と先生とリョウヤは明るく顔を見合わせている。

 

「ですが……皆さん大変だったでしょう。いえ、私が言うことではないというのは理解していますが……体は勿論のこと精神的疲労も、怪我も」

 

 怪我は……、と補習授業部全員と先生の視線がリョウヤに集まる。ナギサの表情が固くなった。

 

「それこそナギサは関係ないだろう」

 

「ミカさんはティーパーティーの一員ですから」

 

「いや、怪我の責任は俺にある」

 

 両者共に何処か頑なでありつつも、周りに沈黙の帷を降ろしたのはリョウヤである。

 ミカからの攻撃で受けた怪我なのだから、責任も当然ミカ……引いてはティーパーティーにあると考えるのは当然の帰結なのだ。

 ククッ、とリョウヤが自嘲を漏らす。

 

「俺が対応できなかったって話だ。他人のせいにするつもりはない」

 

 ストイックな言葉ではあったが、理解も難しくはない。

 本来なら責任を問われる側のナギサは、謝罪を受け取ってくれた面々が軒並み光って見えてしまう。

 疑心暗鬼を抜け出せたわけではない。しかし、やはり同じように在りたい――そう思えてならない。

 

「まぁ謝罪して金払って、それでも納得できないってなら……うちの会社、トラオム・シュテルンの商品の流通をセーブするの止めてくれると有り難いか」

 

 やっぱりそうだったんですね、とハナコは胸中でひとりごちる。同時に当然かとも思う。

 トリニティは富豪が多い。一人でもTS社の商品を気に入る者が生まれれば、大きなメリットだ。であれば、トリニティでも流行るように企業努力があったことは考えるまでもない。

 その過程で、売り上げの不振とその理由をTS社側も把握していたのだろう。

 リョウヤは悪戯をする子供のような笑みで、更に何か思い付いたようで言の葉は続いていた。

 

「いや、アビドスとの関係を改善して欲しくもあるな」

 

 今度は考え込む素振りのリョウヤの主張は、要するに「仲良くしようぜー!」である。

 実際リョウヤ……アビドスからしたら、トリニティ程の資金力を持つマンモス校と良縁は結んでおきたい。

 それはカイザーコーポレーションがアビドスから撤退しても変わらないのだ。

 微笑みを零して口を挟んだのはハナコだった。

 

「両方とも注文して良いと思いますよ?」

 

「そう?」

 

 微笑を携えたハナコに覗き込まれたリョウヤは、微かに驚いたようだ。まさかのフォローだった。

 

「はい。それに私達への出張授業も公欠扱いにして貰っては如何でしょうか」

 

 公欠を駆使していたのを覚えいたハナコからの提案を受けて、リョウヤはちらりとナギサを見やると首が縦に振られる。

 

「お約束します」

 

 意外だが、ハナコの助け舟はリョウヤだけでなくナギサにも出されていた。

 ナギサ自身勝手だとは自覚もあるものの、相手の主張があった方が有り難く、何より明確な罰があることは救いにもなるのだ。

 

「じゃあそれで」

 

 あまりにも軽い調子で、リョウヤは話を纏めた。ふむ、と考え込むナギサとは対照的だ。

 

「……ゲヘナ風紀委員会がアビドスを見回る、という情報は我々も把握しています」

 

「えっ、そうなの?」

 

 ナギサの確認に、コハルがリョウヤを窺った。

 

「ああ、前に色々あって……形としては風紀委員会からの補填の一部だ」

 

 今となっては懐かしい、アコの独断によるアビドスへの侵攻まがいの行為……その補填である。

 追憶して先生が柔らかく目を細めた。

 

「関係改善の為に、アビドスからゲヘナ風紀委員会に助っ人を派遣するって話も出てるんだっけ?」

 

「風紀委員会は忙しいからな。ヒナはどちらかと言うと事務要員を求めていたよ」

 

 先生とリョウヤのやり取りを聞いて、ヒフミがふと思い出す。

 

「そういえば先生言ってましたよね、アビドスの生徒は人数少ない分個人が優秀だって」

 

「……一人でアビドスの見回りしてる人もいたんだっけ」

 

「……シロコとセリカも強かった」

 

「全校生徒が六人だから、数の提供はどうしても難しい。でもその分、頼りになる子達だよ」

 

 ヒフミを切っ掛けに、さらっとコハルはリョウヤとホシノを言葉で刺し、アズサは先日の所感を溢して、先生が満面の笑みで断言した。

 直球だなぁ、とリョウヤは頬を掻く。

 

「それに関しては、最早疑う余地もありません」

 

 温かな空気を肌で感じて、ナギサは漸く小さな笑みを浮かべた。

 

「模試も含めて皆さんの試験の結果は把握しています。リョウヤさんが講師役を務めて以降の点数の上昇率は目覚ましかったですから」

 

 であるのなら、そんなリョウヤから教えを受けているであろうアビドスの生徒達も相応に優秀なはずだ。

 ぶっちゃけ、六人でアビドスの管理を回しているのだから疑いようもない。

 

「当人達の努力の結果だろう」

 

 紛れもない本音である。

 手は貸したが、貸された側にやる気がなければどうしようもないと知っていたのだ。

 ヒフミ達からしたら「いやいや」と手を振りたい気持ちもあったが、褒められたのは素直に嬉しかった。

 

「リョウヤさんの後輩お二人の活躍も聞いています。二人の連携は勿論のこと、他の皆さんの邪魔になることのない見事な立ち回りだったと」

 

「それは……まぁそうだろうな。自慢の後輩なんだ」

 

 感心するナギサを、リョウヤはようやっと肯定する。ついでに言葉通り自慢した。

 間髪入れずに先生とヒフミが反応する。

 

「デレた」

 

「シロコちゃん達に教えてあげないとですね……!」

 

 いやデレて、とツッコむリョウヤ。別に伝える事を止めやしないが、そこまでする? と苦笑である。

 先生とヒフミからすれば、共有すればシロコ達が喜ぶという確信がある故の対応だ。

 アズサとコハルが小さく笑みを溢して、ハナコとマリーが隠す事なくニコニコとし始める。

 リョウヤは咳払いを一つ。

 

「察するに、人材派遣を?」

 

「はい、トリニティからも同様の人手は割けると思います」

 

 仮に月に一度であっても、ゲヘナ風紀委員会が警邏してくれるというのはネームバリューも含めて大きな力だ。

 双方の学校の関係を踏まえると、トリニティからの派遣も似たようなものだろう。

 

「現状のトリニティとゲヘナの関係を踏まえると、ブッキングは避けなければなりませんが……」

 

 真剣なナギサの面差しに苦味が混じった。

 しかし将来的にには、トリニティとゲヘナか合同でアビドスの警邏を行う可能性もある。

 エデン条約それ自体は、あくまでトリニティとゲヘナの不可侵条約でしかない。だが、関係をより良くする可能性があるのが大事なのだと理解していたのだ。

 

 

◇2

 

 

 トリニティのアビドス警邏についてはまた後日に詰めると話は終わり、話題はナギサからの報告へと移っていく。

 尤も、出せる情報はそう多くない。

 ただ、リョウヤへと共有しなくてはならないものが一つあった。

 

「ミカさんは当初、私がリョウヤさんを遠ざけた事を利用するつもりだったそうです」

 

 一度瞳を伏せて、ナギサは努めて淡々と告げる。

 ナギサを利用した、という旨のミカの供述を知った時の衝撃は大きかった。ナギサ自身も冷徹な判断を下してはいたものの、それでも幼馴染からの言葉に傷付かないなんて事はないのだ。

 マリーが痛ましげに、ナギサを見やる。

 

「それは妙だね」

 

 先生が顎に手をやって考えを纏めていく。

 

「妙なの……?」

 

「ナギサさんから連絡を受けたリョウヤさんは、指示通りトリニティを訪れる事をやめた……つまり、この時点でリョウヤさんからの干渉・妨害を心配する必要がなくなったという事になります」

 

「だが実際にはリョウヤは呼び出されている」

 

「でも呼び出したのはミカ様……なんですよね?」

 

「ああ、それに関しては俺もスマホの通信記録を提供している」

 

 コハルが小首を傾げると、ハナコは分かりやすく噛み砕き、アズサが“妙”と思える点を拾い上げ、ヒフミはリョウヤへと目線を流した。

 ここまで聞けたのなら、コハルも不自然な点に気がつく。

 

「……呼び出す必要のないリョウヤさんをわざわざ呼び出した……」

 

 挙句、リョウヤどころかシロコとセリカ、果てにはウタハ、チヒロ、コタマ、ヒマリからもミカとアリウスは妨害を受ける羽目になった。

 文字通り必要のない工程を踏んだ事で、必要のない妨害を発生させていたのだ。

 

「何処にいるか分からない状態は不安要素だ、イレギュラー足り得る存在は確保しておくべき――とアリウス側からミカさんに打診があったそうです」

 

 きゅっ、とナギサの拳が握られる。

 

「それは……いや、まぁ……そうか。リョウヤくんの行動範囲と移動手段を考えると妥当かなぁ」

 

「イレギュラーの居場所は常に把握しておきたかったということですか」

 

 先生が納得に嘆息し、ハナコも同意を示す。

 一見すると姿のないリョウヤが実は近くに居ました、という事態を対策したかったのだろう。

 リンケージリングやスマートレンズ等の情報がなかった為に失敗していたが、逆を言えばそれらがなければ知らず知らずのうちにリョウヤは確保されていた。当然、アビドスやミレニアムからの救助隊も来ない。

 先生や補習授業部に対して人質としても機能しただろう。

 

(俺、そんな特別に対策とるような相手か……?)

 

 そう言いたいのぐっと堪える。

 無論、自分がいたからこそ救援が来てくれた。その救援が戦力としてだけでなく、シスターフッドの説得も早々に終え、事件は比較的素早く収束した。

 分かっていて尚、大袈裟では? と思えてならない。

 

(ミカから依頼がなければ葛葉リョウヤ(イレギュラー)がトリニティに行く事はなかった……というのが確定事項になるのは俺の視点だからでしかない)

 

 リョウヤの思考や判断をミカやアリウスが知る由はない。

 ナギサには嘘を言って実はトリニティに居るかも、と想像されることに納得感はある。そして、その可能性が僅かでもあることを嫌うのも理解できる。

 けれど、リョウヤが……仮にもアビドスの生徒会という立場にあるというのを念頭に置くどうだろうか。

 ティーパーティーのナギサからの注告めいたメッセージを無視できるか? 否、出来る筈もない。あまりにもリスクのある行為だ。

 少なくともナギサは、リョウヤの立場と責任を信頼して釘刺しのメッセージを送っていた筈だ。

 先生や補習授業部から助けも請われていなかった事も大きい。

 ナギサを無視してまで、トリニティに向かう可能性は極めて低かっただろう。

 

「良かった、じゃあリョウヤさんが恨まれてるとかじゃないんだ……」

 

 リョウヤの意識を引き戻したのは、コハルの何気ない一言だった。

 彼女は停電の起きた日にリョウヤが言った「俺も狙われる理由がいくつか思い付くなぁ」という言葉を覚えていたのだ。

 

「……ゲヘナを嫌っているのなら、ゲヘナと懇意にしている人を恨んでいたかもしれないのか」

 

「あっ、もしそうだったら今後も狙われていたかもしれなかったんですね!」

 

 もしアズサの推察通りなら、加害対象があまりに際限の無くなる話な気はするが、決してあり得ないとも言い切れない。ミカやアリウスの態度は、それ程までのゲヘナへの憎悪を孕んでいた。

 或いは動機がゲヘナとの関係ではなく、別の理由であったかもしれない。……が、実際は作戦の邪魔になるからであり、その作戦も既に終わっている。

 一安心ですね! とリョウヤへ破顔を向けるヒフミ。そんなヒフミに釣られて、ナギサも微笑んだ。

 

「はい、ですので継続的に狙われることはないかと思われます」

 

 毒気の抜かれる笑みが溢れる光景に、リョウヤは「深読みのし過ぎか」と結論付けて頷いたのだった。

 これからの安全性の証明――ナギサが謝罪の次に、リョウヤへと伝えなければならないと思っていたことである。

 

 

 

◇3

 

 

 リョウヤが自宅へと帰ると、パンパン! と少量の火薬が弾ける音が鳴り響く。

 リビングの扉を開けると同時にシロコとセリカがパーティー用のクラッカーを弾けさせたのだ。

 キラキラとして色鮮やかなテープがゆらゆらと舞い落ちていく。

 

「補習授業部の皆さん、そして先生! 試験突破おめでとうございます!」

 

「アーンド☆」

 

「リョウヤは出張講義お疲れ様〜」

 

 アヤネ、ノノミ、ホシノが拍手を木霊させる。

 補習授業部と先生も、葛葉邸へと招待されていた。顔合わせの機会はヒフミ達も望んでいたので、折角の機会なので訪れたのだ。

 リョウヤは補習授業部と先生を祝う会を内緒で開催すると聞いていたので、どうぞどうぞとヒフミを先頭にリビングへと促したのだが……まさかのサプライズに、ヒフミ達同様に目を丸くしてしまう。

 煌びやかに飾られた室内にはモモフレンズのグッズも混じっており、ヒフミとアズサが双眸を輝かせる。

 まぁ! とでも言うようにハナコは片手で口元を隠し、クラッカー音に驚かされたコハルは頬を赤らめた。

 

「さーさー、入って入って〜」

 

 補習授業部の反応を満足げに見ながら、ホシノはヒフミ達をソファー側のテーブルへと誘う。

 ソファーと高さの合わされたテーブルにも、ダイニングテーブルにも、数多くの料理が並んでいる。

 

「こういうことされると泣きそうになるんだけどなぁ」

 

 ゆっくりと歩みを進めた先生の消え入りそうな呟きは、近くでフリーズしていたリョウヤにだけは届いていた。

 ノノミが楽しそうにグラスを配り始めると、ヒフミが気のおける友人へ向ける笑顔で、アズサが一見するとクールに、ハナコが影のない微笑みで、コハルが少し吃ってお礼を言って、それぞれ受け取っていく。

 

「ほらっ、リョウヤ先輩も」

 

「おっ、おお……」

 

 腰を軽くセリカに押されて、リョウヤも輪に近付く。今回、対策委員会ではリョウヤだけが祝われる側である。

 程なくして全員にグラスが行き渡り、音頭をとったのは眼鏡を光らせて気合い充分なアヤネだった。

 

「補習授業部の皆さんと先生は試験を」

 

 アヤネは五人をゆっくりと見渡していく。

 

「そして先輩は、講師役をやり遂げました」

 

 労いの視線は、次いでリョウヤへ。

 

「実際は勉強だけでなく色々と大変だったそうですが、全てを無事に乗り越えられ、こうして笑って顔を合わせる事が叶い、とても嬉しく思っています」

 

 改めまして、と一拍置いてアヤネはグラスを前に出す。皆が倣って腕を前に伸ばしていく。

 

「試験の合格おめでとうございます! お疲れ様でした!」

 

 アヤネの眼鏡の奥が優しく細められ、グラスが軽く挙げられた。

 おめでとう! お疲れ様! ありがとう! そんな声が重なっていく。

 補習授業部とリョウヤ、先生が一つの区切りを迎えた瞬間だった。

 そして漸く紹介を済ましていなかったメンバーが、各々きちんと自己紹介をし合い、リョウヤ以外の対策委員会が用意した料理に舌鼓を打つ穏やかな時間を過ごしていく。

 打ち解けるのも難しくはなく、元より予定して通りに補習授業部は対策委員会へ差し入れ等のお礼も伝えることが叶った。

 今ではテーブルの上は片付けられ、ケーキと紅茶や珈琲が並んでいた。

 

「……私達にモモフレンズのグッズを贈ろうと提案してくれたのは、ノノミだったのか……」

 

「あんなにたくさん集めるの、大変じゃなかったですか?」

 

「そうでもないですよ? 皆で分担しましたし……シロコちゃんは自転車であっちこっち行って探してくれたのですが、それはそれで楽しんでいたみたいです☆」

 

 ヒフミとアズサはノノミとモモフレンズのトークで盛り上がっている。

 

「ん、大胆さでトップを走るのはアヤネ。なんとリョウヤの先輩を下に敷いた」

 

「それは寝相であって能動的ではないって言ってるじゃないですか!」

 

「なんかもう一生ネタにされそうよね……」

 

「聞いておいてなんですが、本当に何もないのが分かるのが凄いですよね……」

 

「分かってたでしょ……無駄に飛び火しちゃってるじゃん」

 

 ハナコはリョウヤとの同衾について興味を滾らせていたのか、詳細を尋ね、シロコが赤裸々に答えたことにアヤネがボンっ! と赤くなり、セリカが諌める。

 桃色な話が少しは出るだろうかと期待していた質問主はスンと落ち着き、コハルはジトっとした瞳で呆れていた。

 

「あ、そういえばハナコちゃんが試験を受かる気がなかったっていうのは分かっていたの?」

 

 自分じゃどうしようもないって言ってたけど、と不意に疑問を口にしたのは先生である。

 ダイニングテーブルで後輩達と補習授業部の様子を伺い、頬を緩めていた一人……リョウヤがチョコレートケーキを口に運ぶ姿勢で、きょとん顔を作った。

 

「えっ、そうだったの?」

 

「うん、ほら」

 

 コハルが驚くと、先生は携帯端末でモモトークを開く。

 そこには確かに[ハナコは多分、俺にどうこう出来るものじゃない]と書かれている。

 

「これ、日付かなり前じゃないですか!」

 

「……リョウヤと出会ってすぐの頃か」

 

 画面を覗き込んだヒフミとアズサも、流石に驚きを禁じ得ない。

 対してハナコは思い当たる節がある上に、わざと点数を落としていた負目に複雑そうな顔色で曖昧に笑う。

 

「別に確信はなかった。単にハナコが、本番に弱いって可能性もあったしな」

 

 本番に弱いだなんて、と体をくねらすハナコ。脳内レーダーがピンク反応を検出したコハルは、猫のような目でハナコを睨んだ。

 

「違和感を覚えたのは、一回目と二回目の答案用紙を確認した時だ」

 

「それなら私も見ましたけど、可笑しなことはなかったような……」

 

「採点した時も何も思わなかったよ」

 

 ハナコをスルーするリョウヤからの触りの情報だけでは、ヒフミと先生の疑問は加速する。要領を得ないのは、アズサとコハルも同じである。

 

「応用問題が解けていて、その応用を解くのに必須な基礎問題を落としていたんだよ」

 

 責めるでもなく、リョウヤは断言した。

 ハナコにも自覚はあった。と言うより、意識的にそうしたのだ。

 気が付くだけの頭があるのかどうかという、先生への試し行為であったのである。何せ初対面の、しかもシャーレという特殊な組織の大人だ。ティーパーティーとの繋がりもある。警戒するか否かも含めての指標にするつもりだった。

 尤も解けた問題の矛盾にこそ気が付かなかった先生は、その人当たり良さと人柄でハナコの心を解きほぐしてしまっていたりする。その事が、当人としては少しむず痒い。

 

「確かリョウヤ、どう思う? って相談して来たよねぇ」

 

 ケーキにフォーク落として、リョウヤの対面に座るホシノが記憶を辿る。

 あの時、リョウヤは回答用紙に「おかしいな」と違和感を覚えた。

 本番に弱い……つまり「プレッシャーに弱い?」と考えたのはセリカである。

 アヤネは「単純にケアレスミスが、可能性としては高いですよね」と、シロコは「わざとやってるとか」と、ノノミは「実は暗号になっている……なんてありませんよねぇ」と、それぞれ所感を口にした。

 狙いがあるのかないのかでも変わるよねー、とホシノは答えたのだ。

 結果として、正解者はシロコである。

 誰も知らないが、わざと点数を落としていて、裏では先生の能力チェックも兼ねていたのだ。大きく解釈するのならノノミも近いかもしれない。

 

「その上で先生が教えてくれたハナコの学力を照らし合わせると、問題は本人の意識だと判断したわけ」

 

 精神関連は専攻ではないリョウヤは、ケーキを口に含む形で締め括った。

 はぇー、と気の抜ける反応をしたのは先生。全然気が付きませんでした、と感嘆したのはヒフミだ。

 

「きっとお二人は不正解の解答を注視していたんだと思います。対策を取るべきは間違っていた問題ですから」

 

「なるほど……出来た問題より出来なかった問題の方が優先度が高いから」

 

 アヤネが先生とヒフミを慮ると、アズサも得心したようだった。

 

「それに私の場合はチェックする問題も多かったでしょうから……本当にご迷惑をお掛けしました……」

 

 普段は何処か掴み所のないハナコも、これに関しては頭が上がらない。

 連帯責任の退学という重過ぎるプレッシャーの中、ヒフミと先生は各々の間違った問題の抽出もしていた。二桁前半はおろか一桁代の点数のハナコの答案は、必然的に抽出量も多くなる。

 教える事も勉強になるとは言え、随分と仕事を増やしてしまったと猛省しかない。

 

「……最終的にハナコは充分過ぎるほど貢献してたでしょ」

 

 小さな声だがきちんと届いた正当な評価に、ハナコが「コハルちゃん……!」と感動を表す。

 大袈裟! とコハルは返す。事実、今となってはハナコに勉強が出来ないというイメージは一切ない。

 なんなら、先のやり取りがあるまで忘れていたくらいだ。何せそもそも、模試を受けるまではハナコの学力が高いと認識していたのだ。

 ハナコは教える側として間違いなく貢献していた。

 コハルだけでなくヒフミとアズサ、先生も同意見である。

 浮き沈みの激しいハナコに、自然と皆の顔は綻んでいくのだった。




次はアビドスリゾート編となりなます。
例に漏れずまた書き溜め期間と入りますので、暫しお待ちください。
年内の……暑い時期には投稿したいですね(夏とは言っていない)。
 
今回のあとがきは長々と書くつもりはないので一つだけ。
月二回の更新なら一日三十日じゃなくて、十五日三十日とかで良かっただろ……と決めてから割と本気で思いました!
 
読了、ありがとうございました。
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