ミレニアム製の新兵器でケートスにて防衛線が張られつつある中、トリニティでは半ば恒例となったタイガ率いる『S.H.A.R.K.S』と、ツルギ達正義実現委員会が合同演習を終え、那須昂姉妹が歓迎会を開いたスイーツビュッフェ店で、交遊会と称した打ち上げを満喫していた。
「にしてもアンタ、胸とケツはまだしも、腹なんてそんな気にするほど出てないじゃない。委員長と一緒に
「で、ですが、
その中で言い方こそ多少品のないフランクなものだが、堪能する仲間達の姿に葛藤しつつも、既に空となったパフェグラスと、切り分けられたショートケーキが幾分減った皿を前にしたハスミと向かい合って座り、卓を占領する胸の上に乗せた皿からフルーツタルトを半分ほど腹に収めたリンコが、「同じデカブツの
「大体あの
「その、コハルに関しては彼女がとんだ無礼を……」
例えがてら変わって槍玉に挙げられたコハルは、リンコと初対面早々目を見開いて顔を赤らめるや、『エッチなのはダメ!死刑!』と言い放ち、機嫌を損ねた彼女が注意の為目線を合わせようとしたところ、目測を誤りしゃがんだ拍子に頭上から放漫な胸に押し潰され、膝丈程まで地面に埋まって合同演習の開始前に脱落する醜態を晒したとあって、以前から見栄で上級生の試験を受けては無様な結果を出してきたことを知る同僚達だけでなく『S.H.A.R.K.S』からも変な意味で注目を浴びていた。
「まぁ、私達の中でも文字通り頭1つ2つ飛び抜けてるリンコ相手にあんなこと言い出したら、実際のダメージはともかく、撃たれなかっただけ温情はあったようなもんよ?」
「まさか始まる前から救護騎士団の出番が来るとは思いませんでしたけどぉ、流石本職だけあって、随分手際よかったですねぇ。特に同じピンク髪でも大違いだったのが、その後の合同演習でも活躍してましたしぃ」
そこに思い思いの
幸か不幸か今回の合同演習でその砲火を見せることはなかったが、かつてヴァルキューレの矯正局に収監されていた、『伝説のスケバン』が残す逸話を連想させる様な、体躯に任せた強行突破で迎撃する姿は、多くの正義実現委員会部員を慄かせた。
「そういやその前に骨と皮がどうとかってたけど、どうしたん?」
「コイツが見てくれに反してみっともなく体重がどうとかウジウジ悩んでたから、
「いやぁ、あなたはまだしも、流石にそこまで極端じゃないと思うっすけど……」
早速隣の卓で持参したチーズケーキを頬張りながら、先程の発言を掘り返す様なライナの疑問に、フルーツタルトを食べ尽くし、新たな
「骨と言えばぁ、ケートスが『
「ケートス……名前は聞いたことある気がするっすけど、よく知らないとこっすね。どんなとこっすか?」
「言われてみれば、『
そこで彼女としては連想の産物だとしても、傍から見れば唐突にクキが話題を変えると、イチカに尋ねられたライナは、複数の船舶で活動する『オデュッセイア海洋高等学校』の名を挙げる。
「存在自体は。ただ、奇しくも先程出たミレニアムは頻繁に交易が行われているらしいですが、如何せんその活動形式から、トリニティに限らず、全体像を掴めていないのは否めませんね」
「それもそうね。っても、船舶で暮らしてる以上、それを作るための施設は必須なのはわかるでしょ。同時に、片付けるための解体施設もね。ケートスは元々、後者の施設に由来する分校的な存在よ」
そこで挙げられたオデュッセイアに対するハスミの認識を聞いたライナが、パウンドケーキを呑み込んでからケートスとの関係を答えると、続けてクキが詳細を語る。
「尤も必要に応じて作ったはいいですがぁ、
「それが逆に人を寄せ付けなかった反面、設備自体は長期滞在と空白を前提に十分整ってたとあって、代わりとばかりに恐れ知らずやそれどころじゃない退学者達が、いつの間にか居着いちゃったわけ。当然オデュッセイアとしちゃあ、施設が機能しないわ、配備した人員は碌に仕事せず逃げ出すわ、代わりに余所者が流れ着くわで面白くなかったんだけど、そこで思いついたのよ。『じゃあソイツ等に押し付ければよくね?』って」
生憎口調のせいで、こうした長丁場の説明との相性が悪いとあってか、途中で割り込んだライナが引き継ぐと、それを理解したとばかりに苦笑しながらガトーショコラを口にするクキを横目に続ける。
「結果オデュッセイアは汚れ仕事の人員を確保できて、居着いた退学者達は追い出される心配が解消されたばかりか、学籍に仕事までもらえて、winwin。そのまま人手を増やして事業を拡大してくうちに、良好な関係のまま円満独立して、今に至るってとこ。で、拡大した事業の1つが捕鯨なんだけど、今じゃ船舶解体を越えて、主産業化してるこれにケチつけてきてる連中が『
「そこで『
「なるほど、それは厄介な事態ですね……」
「
終盤にライナが疲弊から言い淀んだところを引き継ぎ、近況に持ち込んだクキが説明を締めると、ハスミは「しつこい」と評された『ジェリーフィッシュ』に対する警戒心を高めた。
こうした連中は自己の絶対的な正義を妄信しており、そのためならば何をしても許されるし、それこそ粘着されているケートスの様に、従わない相手にはどんな手を使ってでも従わせようとしてくる。加えてそうした活動に資金がかかることを理解している、余計なところに頭が回るような奴がいれば、何かの拍子に脅迫から詐欺まで手段を問わずトリニティまで魔の手を伸ばしてくることは容易に想像できるのだが、現に粗雑な『モモフレンズ』の模造品を「限定プレミア」と称して売りつけられ、アッサリ騙されてカモにされるヒフミの姿が浮かび、口を波打たせる。
イチカも同意し、まだセイアが襲撃されて日が浅いこともあって、十中八九『S.H.A.R.K.S』とミレニアムの自衛用兵器に迎撃されるだろう『ジェリーフィッシュ』が、万が一にも混乱に乗じてトリニティに逃げ込むことがない様にと、苺大福を頬張る口と共に、気を引き締めた。
蛇足ながら先日開かれたコスプレイベントにてレイヤーさん撮らせてもらったこともあってギリギリでコトネ狙ってみましたが、天井行きましたww