Handler Archive   作:ゲオザーグ

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ちょうど間もなくイベント終了ですが、海洋系ってことで少し前から関連設定考えてたオデュッセイアが予期せずメインにくるわ、しかもその会長の名前が『ミナト』で自キャラと被るわ、ある意味主軸にしたクジラの骨の話もあるわと、結構タイムリーな事態に・・・


()Ⅰnterlude:Side:S「ケートス水産高等学校交遊録」

 ミレニアム製の新兵器でケートスにて防衛線が張られつつある中、トリニティでは半ば恒例となったタイガ率いる『S.H.A.R.K.S』と、ツルギ達正義実現委員会が合同演習を終え、那須昂姉妹が歓迎会を開いたスイーツビュッフェ店で、交遊会と称した打ち上げを満喫していた。

 

「にしてもアンタ、胸とケツはまだしも、腹なんてそんな気にするほど出てないじゃない。委員長と一緒に腹鰭(ボトム)と運動して(遊んで)るそうだけど、それなのに悩んでんの?」

 

「で、ですが、甘味(スイーツ)の誘惑に揺れていると、どうしてもその後のことが……」

 

 その中で言い方こそ多少品のないフランクなものだが、堪能する仲間達の姿に葛藤しつつも、既に空となったパフェグラスと、切り分けられたショートケーキが幾分減った皿を前にしたハスミと向かい合って座り、卓を占領する胸の上に乗せた皿からフルーツタルトを半分ほど腹に収めたリンコが、「同じデカブツの好(よしみ)」と称して、彼女の苦悩を一蹴していた。

 

「大体あの委員長(ツルギ)とか薄目の娘(イチカ)とか、多少背が低いくらいのと比べるのはまだわかるにしても、周囲のもっとちっこいの気にしてどうすんのよ。なんて名前だっけ?あの突っかかってきたピンクのムッツリ。あれを目指すってんなら、それこそ骨と皮通り越して翼捥いで頭丸めたって届かないでしょ。逆にあれの体重あたしに合わせたら、肉の詰まったバランスポールかクッションね」

 

「その、コハルに関しては彼女がとんだ無礼を……」

 

 例えがてら変わって槍玉に挙げられたコハルは、リンコと初対面早々目を見開いて顔を赤らめるや、『エッチなのはダメ!死刑!』と言い放ち、機嫌を損ねた彼女が注意の為目線を合わせようとしたところ、目測を誤りしゃがんだ拍子に頭上から放漫な胸に押し潰され、膝丈程まで地面に埋まって合同演習の開始前に脱落する醜態を晒したとあって、以前から見栄で上級生の試験を受けては無様な結果を出してきたことを知る同僚達だけでなく『S.H.A.R.K.S』からも変な意味で注目を浴びていた。

 

「まぁ、私達の中でも文字通り頭1つ2つ飛び抜けてるリンコ相手にあんなこと言い出したら、実際のダメージはともかく、撃たれなかっただけ温情はあったようなもんよ?」

 

「まさか始まる前から救護騎士団の出番が来るとは思いませんでしたけどぉ、流石本職だけあって、随分手際よかったですねぇ。特に同じピンク髪でも大違いだったのが、その後の合同演習でも活躍してましたしぃ」

 

 そこに思い思いの甘味(スイーツ)を乗せた皿を持って合流したのは、並べばリンコより背は低いものの、同じく2メートルを超え、周囲と比べれば誤差の範疇なライナと、同じく2人には及ばずとも。シロナに並んでやはり背は高い方にあたるクキ。今回は「組織間連携」と称し、正義実現委員会側に救護騎士団も加わっていたが、その一員たる『鷲見(すみ)セリナ』は、自滅同然にある意味文字通り潰れたコハルに対し、手早く手当てを済ませるや、仲間達と共に地面から引き抜いて回収し、引き上げている。そしてリンコが振るう『黒潮(ブラックストリーム)』は、5発の高速弾を連続発射する、狙撃型大口径砲『AM/SCB-217』。その威力と、かつてウォルターがハスミ達と対峙するや、駆け付けたハウンズに破壊されたクルセーダー巡航戦車くらいなら真正面から片手で受け止め足止めできるほどの膂力から、基本対人戦では使用を控えられ、肉弾戦を主としているが、もしコハルがこれに撃ち抜かれていれば、数メートルは転がった末、四肢のどこかがおかしな方向に曲がり、後日発足予定の『補習授業部』に移転することなく、ベッドの上で過ごしているうちに、エデン条約に関するわだかまりが片付いていることだろう。

 幸か不幸か今回の合同演習でその砲火を見せることはなかったが、かつてヴァルキューレの矯正局に収監されていた、『伝説のスケバン』が残す逸話を連想させる様な、体躯に任せた強行突破で迎撃する姿は、多くの正義実現委員会部員を慄かせた。

 

「そういやその前に骨と皮がどうとかってたけど、どうしたん?」

 

「コイツが見てくれに反してみっともなく体重がどうとかウジウジ悩んでたから、コハル(アレ)例えに使って一喝してたとこ。多分骨の重さだけでコハル(アレ)の半分は超えてるから」

 

「いやぁ、あなたはまだしも、流石にそこまで極端じゃないと思うっすけど……」

 

 早速隣の卓で持参したチーズケーキを頬張りながら、先程の発言を掘り返す様なライナの疑問に、フルーツタルトを食べ尽くし、新たな甘味(スイーツ)を取りに席を立ちながら答えるリンコに対し、苦笑気味にツッコミを入れるのは、その少し前にツルギ共々例に挙げられた『仲正(なかまさ)イチカ』。ハスミの様子を伺いにきたはいいものの、押しの強さに狼狽える姿を見て、思わず割り込んでライナとクキの卓に持っていた皿を乗せると、手近な空いた椅子を寄せ、座る。

 

「骨と言えばぁ、ケートスが『ジェリーフィッシュ(クラゲ)』連中対策に頼んでたミレニアムの兵器、完成したそうですよぉ。後は届き次第、設置を済ませれば、迎撃の準備は完了ですねぇ」

 

「ケートス……名前は聞いたことある気がするっすけど、よく知らないとこっすね。どんなとこっすか?」

 

「言われてみれば、『S.H.A(ウ).R.K.S(チ)』とは縁深いけど、余所との事情は気にしてなかったわね。だとしても、オデュッセイアくらいは聞いたことあるんじゃない?」

 

 そこで彼女としては連想の産物だとしても、傍から見れば唐突にクキが話題を変えると、イチカに尋ねられたライナは、複数の船舶で活動する『オデュッセイア海洋高等学校』の名を挙げる。

 

「存在自体は。ただ、奇しくも先程出たミレニアムは頻繁に交易が行われているらしいですが、如何せんその活動形式から、トリニティに限らず、全体像を掴めていないのは否めませんね」

 

「それもそうね。っても、船舶で暮らしてる以上、それを作るための施設は必須なのはわかるでしょ。同時に、片付けるための解体施設もね。ケートスは元々、後者の施設に由来する分校的な存在よ」

 

 そこで挙げられたオデュッセイアに対するハスミの認識を聞いたライナが、パウンドケーキを呑み込んでからケートスとの関係を答えると、続けてクキが詳細を語る。

 

「尤も必要に応じて作ったはいいですがぁ、オデュッセイア(あそこ)は船に対する愛着も一入ですから、就きたくないと拒否する生徒ばかりでしてねぇ。已む無くいわゆる窓際部署的に、罰則として強制所属させたはいいんですけどぉ、そんな有様だもんで、逃亡者が続出して、廃船が放置された様は、さながら船の墓場的にホラースポットとして知れ渡っちゃいましたねぇ」

 

「それが逆に人を寄せ付けなかった反面、設備自体は長期滞在と空白を前提に十分整ってたとあって、代わりとばかりに恐れ知らずやそれどころじゃない退学者達が、いつの間にか居着いちゃったわけ。当然オデュッセイアとしちゃあ、施設が機能しないわ、配備した人員は碌に仕事せず逃げ出すわ、代わりに余所者が流れ着くわで面白くなかったんだけど、そこで思いついたのよ。『じゃあソイツ等に押し付ければよくね?』って」

 

 生憎口調のせいで、こうした長丁場の説明との相性が悪いとあってか、途中で割り込んだライナが引き継ぐと、それを理解したとばかりに苦笑しながらガトーショコラを口にするクキを横目に続ける。

 

「結果オデュッセイアは汚れ仕事の人員を確保できて、居着いた退学者達は追い出される心配が解消されたばかりか、学籍に仕事までもらえて、winwin。そのまま人手を増やして事業を拡大してくうちに、良好な関係のまま円満独立して、今に至るってとこ。で、拡大した事業の1つが捕鯨なんだけど、今じゃ船舶解体を越えて、主産業化してるこれにケチつけてきてる連中が『ジェリーフィッシュ(クラゲ)』なの。できた経緯からか、SRT入学までは世話になった『S.H.A(ウ).R.K.S(チ)』としても、一宿一飯どころか万宿億飯くらいの恩義はあるから、有事の際は格安で優先してたんだけど、コイツらしつこくて……」

 

「そこで『S.H.A(ウ).R.K.S(チ)』とオデュッセイアからのコネを用意してぇ、ミレニアムに自衛用兵器を用意してもらってたんですよぉ。それが活躍すればぁ、他の学区や企業にも売り込んで、紹介と購入で『S.H.A(ウ).R.K.S(チ)』とミレニアムが更に儲かるって寸法なんですぅ♪」

 

「なるほど、それは厄介な事態ですね……」

 

「正義実現委員会(私たち)も十分注意する必要がありそうっすけど、ティーパーティーにも警告しといた方がよさそうっすよ……」

 

 終盤にライナが疲弊から言い淀んだところを引き継ぎ、近況に持ち込んだクキが説明を締めると、ハスミは「しつこい」と評された『ジェリーフィッシュ』に対する警戒心を高めた。

 こうした連中は自己の絶対的な正義を妄信しており、そのためならば何をしても許されるし、それこそ粘着されているケートスの様に、従わない相手にはどんな手を使ってでも従わせようとしてくる。加えてそうした活動に資金がかかることを理解している、余計なところに頭が回るような奴がいれば、何かの拍子に脅迫から詐欺まで手段を問わずトリニティまで魔の手を伸ばしてくることは容易に想像できるのだが、現に粗雑な『モモフレンズ』の模造品を「限定プレミア」と称して売りつけられ、アッサリ騙されてカモにされるヒフミの姿が浮かび、口を波打たせる。

 イチカも同意し、まだセイアが襲撃されて日が浅いこともあって、十中八九『S.H.A.R.K.S』とミレニアムの自衛用兵器に迎撃されるだろう『ジェリーフィッシュ』が、万が一にも混乱に乗じてトリニティに逃げ込むことがない様にと、苺大福を頬張る口と共に、気を引き締めた。




蛇足ながら先日開かれたコスプレイベントにてレイヤーさん撮らせてもらったこともあってギリギリでコトネ狙ってみましたが、天井行きましたww
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