Handler Archive   作:ゲオザーグ

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島田愛里寿さん作『スーパーロボット大戦 未知なる宇宙ヘ』(https://syosetu.org/novel/356336/)にて、以前からゲスト出演を打診していた『S.H.A.R.K.S』の本格出演(https://syosetu.org/novel/356336/99.html)に伴い、メンバーの描写補完がてらこちらの視点も投稿してきます(ぶっちゃけハウンズ側だけだと時系列に対して内容が歯抜けだったり代わり映えしなそうだし・・・)
そういや今更ながら、キヴォトスの喫煙事情ってどうなってるんでしょうね?
以前触れたようにあちらの喫煙規制はこっちの比じゃないくらい厳しいとはいえ、飲酒については言及されてるそうだけど、一応柴大将やクズノハが煙管持ってるくらいしか喫煙に関する要素ってないし・・・


()Side:S「温泉開発部殲滅」

 ウォルターが依頼を吟味していた頃、チナツが帰還した『ゲヘナ学園』自治区内では、『自由と混沌』を掲げる同校での日常茶飯事と化しているものとは異なる、大規模な戦火が生じていた。

 

「ミギャ~~!!」

 

 その中を現在進行形で逃げ回る、裾が地に着くほどのオーバーサイズの白衣が特徴の『鬼怒川(きぬがわ)カスミ』を追い込む様に、周囲の破損した車や瓦礫を手にしたラハティL-39対戦車銃の『ディープ・ブルー』で撃ち抜き、火柱を上げていくマコ。やがて空になった弾倉(マガジン)を予備に差し替えてしまうと、余裕を見せつけるかのようにゆったりとした歩調で、対照的に疲れ果ててへたり込み、息を荒げるカスミを見下す。

 

「な、何なんだね君は!?平和に楽しく温泉を掘っていた我々にいきなり襲ってくるなんて酷いじゃないか!?」

 

「な~にが平和に楽しくだ。半分便乗した様なもんだが、こんだけ破壊の限りを尽くしやがってよ。温泉じゃなくて爆弾開発してるって言われた方が納得できらぁな」

 

 頭1つはありそうな体格差が、更に大きく見えるほど身を縮ませるカスミの泣き言を一蹴し、呆れた様にため息と共に吐き出した紫煙を顔に浴びせたマコは、追撃とばかりにむせる彼女を蹴り飛ばし、横転した車に叩き付ける。

 彼女率いる『温泉開発部』は、実際それを口実とするかのように、市街だろうが他校学区だろうが場所を問わず「開発」と称して爆破し、破壊していくため、ゲヘナ内でも事実上の指名手配犯扱いされ、ことある毎に治安維持を担当し、チナツも属する『風紀委員会』が取り締まってきたのだが、今回不運にもマコが先んじて駆け付け、年上の副官『下倉(しもくら)メグ』を始め率いていた部員達共々それ以上に徹底して叩かれたのは、ネームバリューもあって単純に実績作りの相手として目を付けられたのが大きい。

 

「ま、後はアンタを仕留めて終了だが、このまま突き出したとこですぐ脱走()るだろうから、ついでにもうちょい痛い目遭ってもらうか……」

 

 何かと悪知恵が回り、風紀委員会からも警戒されるカスミだが、温泉開発部は今回潰された彼女率いる本隊とは別働の部隊がいくつも存在し、更に普段は逃走時も分散させることで一網打尽のリスクを避け、万が一彼女が捕まっても逃げ延びた部員が仲間を連れて救援に駆けつけるようにするだけでなく、口八丁で手近の無関係な相手も強引に協力させてしまえる話術と心理察知力もあって、何度も逃走を成功させてきたカスミも、ここまで追い込まれることはほぼなかった。しかもその数少ない追い込んでくる相手である風紀委員長『空崎(そらさき)ヒナ』からも、ここまで持てる手札を出そうとする前に悉く潰され、心身共に追い込まれるようなこともなかったとあって、プルプルと体を震わせるしかなかった彼女に対し、マコは更に追い打ちをかける様に背負っていたHK416、『エイブル』を左手に持つと、カスミの頭上を撃ち抜き、車の燃料タンクから溢れ出たガソリンを浴びせる。

 

「ブワァッ!?プップ!!な、何をする気だ!」

 

 てっきり追撃で気絶させ、そのまま風紀委員会に突き出されるのかと思いきや、予期せぬ仕打ちに抗議の声を挙げながら、流れるガソリンから必死に逃げ、何とか目元を拭ってカスミが睨みつけた先では、エイブルを背に戻したマコが、大分短くなった葉巻を左手に摘まんでいた。

 

「何を、ねぇ……。ま、アンタの言葉を借りるなら……『サプラ~イズ♪』って奴か?尤もあんま嬉しくないだろう、が!」

 

 直後押さえていた親指の下に差し込んでいた人差し指を跳ね上げ、弾き飛ばした吸い殻が、カスミの背後にできた水溜りならぬガソリン溜りに落ちると同時に、そこから彼女の白衣を伝い、炎がその身を包み込んでいく。

 

 

「うわぁ~~!!や、やめろぉ!助けてくれぇ!」

 

 慌てて白衣を脱いで炎から逃げようとするも、その前に下のワイシャツ、果ては自身の皮膚や毛髪にまで届き、しかもどこかに転がって鎮火しようにも、ガソリンのせいで周囲まで燃え広がり、縋ろうとしたマコもすでに距離を取り、いつの間にか取り出し火の着いた新たな葉巻を銜え、悠長に眺めている。

 

「因果応報って奴かね。一応くたばる前には何とかしてやるから、しばらく燃えて――」

 

 が、マコが言い切る前に撃ち抜かれた車の燃料タンクまで火が届いたのか、時間差で生じた爆発で吹き飛ばされた拍子に火が消えたカスミが真横を通り過ぎ、瓦礫にぶつかって動かなくなる。一応呻き声が聞こえるため、息はあるようだ。

 

 

 

 

 

 

「オッケオッケー、んじゃ待ってる間に伝えとくわ」

 

 カスミが爆発で吹き飛ばされる寸前、マコが暴れる現場から大きく離れた地点にて、彼女からの連絡を受け、軽いノリで返すヨシキ。拒絶にも等しい自虐的な発言を、ゲラゲラ笑いながら世間話感覚で、相手を問わず馴れ馴れしく言い放つ振舞いから、自他ともに認めるコミュニケーションに難のある彼女だが、本来ならマコの活躍をもって『S.H.A.R.K.S』の有用性を示し、風紀委員会に戦力として雇用してもらうための交渉を行うはずだったところ、本来なら得意として担当するはずのアギトもオセアも、ハウンズの視察に向かってしまったため、代わりに割り当てられてしまい、「あれ、この交渉決裂前提だったっけ?」と困惑こそしたものの、同伴していた仲間達に補佐を願うことで、何とか席を維持していた。

 

「残ってた親玉だけど、火だるま(ロースト)中だから、鎮火し(焼け)たら届けるって

 

「いや何があったってか悠長に言ってる場合か!配達ピザの出来具合聞いてるんじゃないんだぞ!?」

 

「あー、いいねピザ。今晩食べに行く?」

 

 それまでのやり取りで、ヨシキの感性が異常なことを、嫌でも理解していた風紀委員会の前線部隊の面々だが、下手をすればカスミの命に関わるような事態を、余裕を通り越ししれっと冗談交じりで言い放たれ、あまりの軽々しさに半ば恐怖しながらも思わず声を荒げたのは、切り込み隊長を務める『銀鏡(しろみ)イオリ』。

 しかし当然の如くヨシキは慌てぶりに動じないどころか、煙草を銜えた満面の笑みと共に左手の親指を上に向け、補佐に置かれた仲間と夕飯の話に脱線しようとしている。

 

尻鰭(バック)、流石に人命軽視が過ぎるのは……」

 

「えぇと、火傷が酷いと思うんで、とりあえず(ヘッド)が戻るまでに治療の準備をしてもらっといた方が……」

 

 場が場とあって顔を引きつらせ苦笑するのは、マコ達『S.H.A.R.K.S』中心メンバーの属する『ドルフィン1』の副官に位置する『ドルフィン2』のリーダー、『那須昂(なすこん)アトラ』と、その双子の妹でサブリーダーの『那須昂(なすこん)トウニ』。対する風紀委員会は、出撃に待ったをかけられた委員長、ヒナがため息をつく。

 

「ここで準備しておくより、直接出向かせた方が早いわ。救急医学部が風紀委員と共にそちらの回収した温泉開発部員を引き取ってたから、こちらから伝えておく」

 

「おう、あんがとさん。で、どうだい?『S.H.A.R.K.S』(僕達)結構いい戦力になるだろ?」

 

『戦力以前にアピールするならその振舞いを正しなさい!大体タバコなんて、その煙を吸ったヒナ委員長の身に何かあったらどうしてくれるんですか!』

 

 迅速な対応に礼を述べつつアピールするヨシキだが、そこにヒナの秘書的存在の風紀委員会行政官、『天雨(あまう)アコ』がホログラムで割り込んで噛みついてくる。

 

「あのさぁゴチャゴチャ口挟んでくるのはいいけど、せめてこっち来いよ……」

 

 ヒナを妄信するあまり、あらぬ方向に勝手な行動をして、却って余計な苦労を掛けることもあり、「シロナがいたら『面倒を増やすな』って殴りつけそうだな」とヨシキからはトラブルメーカー扱いされているアコは、今回の出撃においては留守を任されていたのだが、マコ達が割り込み交渉してきたことに対しヒナが報告したため、こうして口を挟んでは、その場にいないのをいいことに何かと文句をつけてきているため、『S.H.A.R.K.S』側からは早くも疎まれている。

 

「そもそも売り込むなら万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の方だと思うんだけど、なんで風紀委員会(うち)を選んだの?」

 

「そりゃあゲヘナと言ったらヒナ(アンタ)でしょ。ってか万魔殿(パンデモニウム)って何?」

 

 そして本来売り込むならゲヘナを統治する生徒会、『万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)』に対してではとのヒナの疑問には、ここに残されてからずっと彼女と戦いたくてウズウズしているタイガから、単純な対外知名度と明かされ、何かと対抗心を燃やして風紀委員会の活動を妨害してくる自己顕示欲の化身とも言うべき議長、『羽沼(はぬま)マコト』がまた突っかかってくるだろうことにウンザリし、頭を抱えるのだった。

 

 

 

 

 

 

「あー、思ったより早く消えたな。んじゃ運んでやるか……」

 

 ヨシキやタイガが風紀委員会とやり取りを繰り広げられている頃、予想外の尻切れトンボな展開に、マコは思わず空に昇る紫煙を見上げ言葉を濁らせるが、とりあえず終わらせることは終わったとあって、燃えた白衣のポケットに入っていた拳銃『レッド・レクター』共々カスミを拾い上げ、先に道中で他の部員達を回収していた仲間の元へ向かおうとしたところに、1台の車が飛び込んでくる。

 

「失礼、こちらに緊急性の高い死体……いえ、負傷者がいると聞いて、納品……いえ、搬送に来ました」

 

「あぁ、ちょうどカスミ(コレ)持ってこうと思ってたから、助かったわ。ありがとよ」

 

 車から降りて早々、何かと物騒な言い間違えと訂正を繰り返すのは、ゲヘナ学園の医療を担当する『救急医学部』の部長、『氷室(ひむろ)セナ』。運ぶ手間が省けたと、マコが燃え残ったワイシャツの襟を掴んでいたカスミを突き出すと、受け取るや否や、「ここまでの全身火傷とは……これは確かに緊急性の高い死体……いえ、負傷者ですね……」と呟きながら、乗ってきた『緊急車両11号』に投げ込み、再びマコに向き直る。

 

「あぁ、ついでに1つ。余計なお世話かもしれませんが、未成年喫煙はキヴォトス全域で禁じられてます。医療関係者としても、健康のため、早めの禁煙を推奨します。では」

 

 その後軽く小言を残して自身も乗り込むと、「もう用はない」とばかりにそのままUターンさせて去って行く。

 

「ハッ、余計なお世話だっつーの……」

 

 尤も生憎とマコには届かなかったようで、不満げに去って行く姿を見送ると、そのまま銜えた葉巻を離さずに撤収していく。




()ちなみに冒頭の逃げ回るカスミのイメージは、昔見た某非公認ゆるキャラの爆破ドッキリだったりww
明らかに公式じゃなく個人の投稿なんでリンク貼るのはどうかと思いましたが、探せば簡単に見つかるんで、気になる方は検索してくださいww
でもって自分でも「なんでここまで筆進んだんだ」と内心ビックリしてる後半の仕打ちは、昔見たアメコミ映画「スポーン」を思い出しました
今思うと何で見ようと思って、ビビりながらも結局最後まで見てたんだろアレ・・・
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