白兎とアリスちゃん   作:パッチワーカー

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 4月中ということで、まだエイプリルフール企画としては間に合うと思ってます。
 リアルで友人とした「カタシロ」というTRPGを改変し、白兎くんにプレイさせてみたって感じです。カタシロ知らなくても支障がないくらいにしたので、通過してない人も大丈夫です。



兎月白兎という人物を再定義しよう カタシロtype-? KP お姫様

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 長く眠っていたとき特有の疲れを感じながら僕は目を覚ました。

 

 目が覚めると近未来感のある病室のベッドにいた。いや、正確には手術室?それに近い部屋にいた。

 

 ···頭痛がひどい、それになんだろ?この体の()()()は?足や腕が思うように動かないし、感覚がなくなったみたいだ。

 

 僕はその違和感を感じながらゆっくりと体を起こすと、そこにはどこか親しみを感じる絵本の中にいるような白衣を着ている美少女がイスに座り微笑んでいた。

 なにか強烈な既視感や親しみをこの少女から感じる。

 

 ──この女の子と僕はどこかで会っていたんだっけ?···ん?あれ?···僕って、誰だ···?

 

 

 そこで僕は初めて気づく。自分の名前すら分からず、自分という存在が全部消え去っていることに。

 

 いや、全部ではなく生きていくための記憶は残っている。しかし、それ以外は何も覚えていない。

 けど、僕の何かが目の前の少女に心を許しているような、そんな感覚がした。

 

 

「······はk···兎月、白兎くん?」

 

 

 混乱している中で、少女はふわりとした声で話しかけてきた。よそゆきの声のように感じ、どこかで会ったことがあるのかとより疑ってしまう。

 

 

 それにしても、うづきはくと···親しみを感じるけど、誰の名前なんだろ?

 ──この女の子は僕に向かってそう言ってるし、もしかして僕の名前なのかな?

 

「······あー、それが僕の名前ですか?」

 

「···なるほど、記憶喪失になっているんですね」

 

 なぜ、この女の子は名前を知っているのか。やっぱりどこかで会ったこと、もしくは友達だったのか?

 

 

 

CC≦75 【目星】 58 レギュラー成功

 

 

 

「そうみたいです···あの、君とはどこかで会ったことありますか?」

 

 

 この既視感や感情というものを僕は抑えられず、聞いてしまった。

 この質問を聞き、少女はどこかおかしそうに笑い、答える。

 

「ふふ···そうですね、ここで初めて出会いましたよ。とそう言っておきましょうか」

 

 しかし、目の前の女の子は真面目に答える気がないらしい。絶対にどこかで出会ったことがあることは明白だが、今の僕にはそれを証明できる記憶がない。

 ──今は諦めるしかなさそうだね。

 

「そうですか···なら、なんで僕の名前を?」

 

「貴方の財布の中にあった学生証を拝見しました。ですので、貴方が兎月白兎であること。そして、貴方が高校生であることは分かってます」

 

 学生証があるということは、少女は僕の情報を持っていることが分かる。

 その情報を聞かない訳がない。

 

「そうなんですね、高校名はなんでしたか?」

 

「そうですね···貴方が敬語ではなく自然にお話ししてくれたら教えてあげてもいいですよ?」

 

 この女の子に敬語を使って話すことに違和感というか、気持ち悪さを感じていたが、それは僕だけじゃなかったらしい。

 ならまあいいか。

 

「···ありがと、なら普通に話すね。君も···いや、多分君はその話し方が普通だよね」

 

 やっぱり僕は目の前の少女のことを知っているらしい。だけど、何も思い出せていない現状は変わっていない。

 

「なにか記憶が戻りましたか?」

 

「ううん、ただ君はそうやって話すだろうなってなぜか思っただけだよ」

 

「そうですか、人のことがよく分かる。そんな性格だったのかもしれませんね」

 

 どこまでも煙にまくらしい。多分高校名は答えてくれなそうなのを肌で感じる。

 ──今は一旦諦めるか。

 

「ありがと。高校名はあとで聞くとして、ここはどこなの?君は誰?」

 

 近未来感のある病院のベッドで、既視感はあるが名前すら分からない絵本の中から出てきたような美少女。

 ──異世界転生でもしたのかと本気で思う組み合わせだ。

 

「そうですね。まず、ここは病院で私は医者です。貴方は落雷に遭って病院に運ばれました。これは覚えていますか?」

 

 ···そう言われてみると、何か強い光を浴びた記憶はあるが、その前後は何も覚えていない。

 幸い生きていくための記憶は覚えている。ただそれ以外は全く覚えていないことに焦りを感じる。

 自分の記憶がすっぽりと抜け落ちているのだから当然といえば、当然か。

 

 ──自分の記憶がないのに、なぜ目の前の少女には覚えがあるんだろ?というか、落雷にあって生きてるのはおかしくない??

 ···考えることが多すぎて、頭が破裂しそう···今考えても埒が開かなさそうだし、普通に答えるか。

 

「ううん、全然覚えてないよ」

 

「なるほど、では、家族や友人のことなんかは覚えていますか?」

 

「それも全然、ただ君とどこかで会ったのか、それとも友達のような、近しい関係だったような、そんな感覚がするんだ──僕らは知り合いだったの?」

 

 僕の質問を聞いて、少女はどこか嬉しそうに答える。

 

「知り合いではありませんよ、だって私のこと何も知らないでしょう?」

 

 記憶喪失ということを盾にされ、かわされてしまった。

 ···何か記憶取り戻さなきゃ、この女の子は話してくれないだろうな。

 

「確かにね。じゃあ君の名前は?」

 

「···貴方が退院するときには伝えましょう。今は()()と、ただそう呼んでください」

 

 さっきも医者だと言っていたが、150くらいの身長で、中学生のような体格の女の子を医者とは思えない。柔らかな雰囲気を纏い、優しい人であることは分かるが、「医者」という感じはしない。

 

「さっきも『医者』って言ってたけど、君の年齢や外見とか加味してそうは考えられないよ」

 

「あら、貴方は外見で人を判断するような人だったんですか?」

 

 そう少女に言われ、僕はハッとした。

 外見だけで人を判断するような人が苦手だったはずだ。

()()勝手な判断されてきた側の人間だったし、その辛さは分かっているはずなのに···

 

「······ごめん、失礼なこと言った。本当にごめんなさい」

 

「いえ、謝らないでくださいね。よく言われますし、これでも世界で名医と呼ばれるほどの立場ですので、安心してください」

 

「そうなんだね。でも、ごめん。嫌なこと言った」

 

「···はk···いえ、貴方は優しい方ですね。きっと良い友人に恵まれていたんでしょう。──まあ無駄話はこれくらいにしておいて、現状を整理しましょうか」

 

 柔かな笑みを浮かべながら医者はそう言った。

 僕はこの医者の言うことに従ってしまいたくなる、そんな感覚がした。

 

「うん、頼んでいい?」

 

「任せてください。まず貴方は落雷に遭い、病院に運ばれました。その衝撃で貴方自身に関する記憶を失ってしまっていて、名前すらも覚えていない。そういう状態で合っていますよね?兎月白兎くん?」

 

「落雷とかは確証ないけど、僕の状態は合ってるよ」

 

「ずいぶんと長いこと意識を失っていましたから、無理もないですよ。···色々検査が必要そうですね」

 

「その検査がうまくいけば、体はちゃんと動くようになるの?」

 

「そうですね、数日もすれば本調子ではないですが、動けるようにはなると思いますよ」

 

「記憶は?」

 

「記憶も問題ないでしょう。必ず近いうちに戻ると約束しましょう」

 

 この少女に言われたら、どんなことでも信用したくなる感じがする。この少女と僕はどんな関係だったのか気になるが、答えてくれる感じは皆無だ。

 自分の記憶が戻ることに賭けるしかない。

 

「そっか、なら頼りにしてるね。ちなみに何日間くらいはここにいないとダメなの?早く学校戻らないといけなそうだから、早めに帰りたいけど···」

 

「そうですね、まず絶対に数日は様子を見たほうが良いので、最低でも3日間はここにいてもらいます。それからは貴方次第ですね」

 

「分かった。で、なんでこの手術室みたいな部屋なの?」

 

「他に部屋がありませんので、物々しくて申し訳ないですが、ここで過ごしてください」

 

「···不満はないからいいよ、ただただ気になっただけだしね。で、これから僕は寝たきりの生活を続ければいいのかな?」

 

「そうですね···記憶を取り戻すきっかけとして、私とお話しませんか?」

 

「おはなし?」

 

「ええ、やはり誰かと話すということが1番効果的だと考えられますので」

 

 状況の説明が済み、医者は僕とおしゃべりがしたいと提案した。記憶を取り戻すきっかけになるかもしれないということらしい。

 

「おしゃべりね、いいよ。君とのお話しはすごい楽しそうだし」

 

「そう言ってもらえて嬉しいです。では、そうですね···」

 

 と、そう言うと、医者はさっきまでの柔らかい雰囲気からこちらを観察する捕食者のような鋭い表情になった。

 こちらの方が僕は好きだなと思ってしまったのはなぜだろうか?

 

 

 少女は獲物をしとめる蛇のような目で僕に問いかける。

 

 

「貴方はシュレディンガーの猫は知ってますよね?」

 

 

CC≦50 【幸運】 3 クリティカル

 

 

 そう言われ、僕はすぐに有名な話である「シュレディンガーの猫」が浮かんできた。どうやら、そういう知識系は全部残ってるようだ。

 

「うん。一定の確率で毒ガスを放出する装置と一緒に箱に入れられた猫は、蓋を開けて観測するまで生きた状態と死んだ状態が重なり合っている···って話だよね?」

 

「あら、やはりそういう知識は残ってるんですね。合ってますよ」

 

 シュレディンガーの猫は多分多くの人が名前くらいは聞いたことがあるほど有名な話だ。

 生きているのか、死んでいるのか観測するまで50:50という考え方。僕は結構好き寄りだ。

 夢を持てるしね。

 

「ならよかった。観測するまで物事の状態は確定しないっていう量子力学の考え方、僕は結構好きだよ。人間らしくて···君は?」

 

「私は嫌いですね。曖昧なものは嫌いなんです」

 

「そっか···で、なんで聞いたの?」

 

 嫌いな話をなんで僕にしたのか、純粋に気になった。

 

「貴方の考え方が知りたかったんです」

 

 そう医者は言って、また一段と人を見定めるような雰囲気となり緊張感が増した。

 

「···僕の?」

 

「ええ──貴方は自分の大事な飼い猫がその箱に入っているとしたら、箱を開けますか?」

 

 なるほど、そういう思考実験か。

 記憶を取り戻すというより、僕という存在を再定義する方が近そうだと感じる。

 

 ──さて、僕はどうするんだろうか、なんて考えるだけ無駄だね。答えは1つだよ。

 

「僕は開けるよ」

 

 即答した僕が少し意外だったのか、医者は少し目を見開いていた。

 

「···なぜですか?」

 

「生きてるならそれはいいし、死んでるとしたらちゃんと祈れる。開けないっていう選択肢は生でも死でもどっちでも、猫も僕も不幸になる」

 

「と言うと?」

 

「生の方だとしたら開けられない箱の中で生きているのは()()()()()とは言えないと思う」

 

「死の方だったら?」

 

「死んでる猫に生きていると思って生きる僕が不幸だし、惨めだと思う」

 

「···しっかりとした考え方を持っていますね。その考え方があれば、()()も大丈夫でしょう」

 

 僕の答えに満足したのか、少し笑みを浮かべた。

 ──この笑みに畏怖を感じるし、嫌な予感がする···

 

 

 

CC≦55【魅惑】 82 失敗

 

 

 

 当然逃げ出すことも会話を拒否することも今の自分では不可能であり、説得することなんてできるわけがない。

 ···大人しく医者の言うことを聞くしかないか···

 

 

 そう覚悟を決めていると、医者は目の前に大きめな()を棚に置いた。

 そして、先ほどと同じ蛇のような目をしながら口を開く。

 

「では、ここに貴方の()が入っているとしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「···え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日常生活のワンシーンのような軽さで医者はそう告げ、

 漠然と感じていた不安•恐怖感が一気に来た。

 この医者はヤバい。そう全身で感じた。

 

CC≦75 【SAN値チェック】 71 レギュラー成功 SAN値1 減少

 

 

「────は?え?······な、何言ってるの?」

 

 

 だけど、僕には逃げる術なんて持ってないし、答えない選択肢もない。

 

 ···諦めるしかない···

 

「言葉の通りですよ?──先ほどと同じ条件のこの箱の中に貴方の脳が入ってるとします。さて、貴方は開けますか?」

 

 

 言葉の意味は分かるが、理解はしたくない。

 今思考しているこの脳が、その箱の中にあるのなら?

 ──まあでも、どんな状況•ものだろうと僕はこう選択するよね。

 

 

「···開けるよ、たとえ自分の脳がぐちゃぐちゃになっていたとしてもそれが真実なんだしね」

 

「そうですよね。貴方ならそう答えると思ってましたよ。では、実際に観測してみましょうか」

 

 箱を僕の方に向けてくるが、体は思うように動かない。特に腕や足といった四肢は無理だ。

 

「腕思うように動かないんだけど···」

 

「少し待ってください、貴方のお腹の上で開封しますから」

 

 箱を僕のベッドの上まで重そうに持ってきて、僕のお腹の上に置いた。不思議と重みはそれほど感じない。

 感覚が鈍くなっているのだろうか?それとも、医者が非力なのか···まぁ、どっちでもいいや。

 

「···兎月さん?」

 

「ごめん。────じゃあお願いするね」

 

「ええ、現実と虚構の狭間から、現実に引き戻してください」

 

 どこか期待するような笑みを見せながら、医者はこちら側に見えるように箱を開封する。

 自分の脳が生きていること願いながら、僕は見ることしかできない。

 

 

 

CC≦50 【幸運】 27 レギュラー成功

 

 

 

「おめでとうございます。貴方の脳は生きていたようですね」

 

 そこにあったのは、鮮やかなピンク色の脳だった。

 ···緻密に作られているけど、模型?作り物のような質感だ···本物感はない···よね?

 

「···それは···模型?」

 

「ええ。ですが、()()の確率で色が変わる仕掛けを箱にしていましたので、この脳は生きているという判定ですよ」

 

 と、医者は嬉々として語った。

 

 

CC≦75 【目星】 9 ハード成功

 

 

 彼女をよく見ると、何かに浮かされているような感じではなく、ただただ嬉しそうだ。

 ──そこまで嬉しい現象なの?

 

「そういうことね······で、なんでそんなに君は嬉しそうなの?」

 

「模型とはいえ貴方の脳のレプリカですから、汚されたくありませんでした」

 

 この医者は当たり前みたいに軽くおかしなことを言う。

 ──僕の脳のレプリカ?···今の技術ならスキャンして、出来るのか?

 

「え?···ほんと?」

 

「ふふ···さて、どうでしょうね──どちらにしても、貴方が幸運で良かったです」

 

「?···なにを言ってるの?」

 

「···ひとまず今日はここまでですね、大分お疲れでしょうし。また明日たくさん話しましょう」

 

 医者はそう言い、僕の目の上に手をかざすと急に眠気がやってきた。

 どうやら久しぶりに起き、話して疲れが溜まってたんだろう。

 

 優しく微笑む医者を横目に眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────

 

 

 兎月白兎 

 誕生日:8月15日

 身長:160㎝ 体重:48kg

 

 肩に届かないくらいの白髪、赤い目でアルビノで兎みたいな可愛い男の子。いつも隣にはお姫様がいる。

 走る系の運動は得意だが、筋力自体は乏しいため握力などはない。精神力は当たり前に高い。容姿は言うまでもない。

 INT•EDU 共に高いが、女王様には届くわけがない。

 

 STR 8 (筋力•普通以下)

 CON 10 (体の丈夫さ•普通)

 POW 14 (精神力•どこぞのお姫様のおかげでまあ強い)

 DEX 14 (俊敏さや手先の器用さ•まあまあ高い)

 APP 17 (容姿•誰もが振り返る)

 SIZ 11 (体の大きさ•160cm程度)

 INT 14 (地頭の良さ•2週目のため高い)

 EDU 16 (教養•天才に追いつこうとしていたため高い)

 

 SAN値 75

 幸運 50

 目星 75

 聞き耳 80

 図書館 65

 信用 20

 アイディア 50

 魅惑 55

 コンピューター 30

 回避 65

 

 

 

 

 これは船の中での暇つぶしか、または悲しい未来の話か、それとも起きればなくなるような誰かの夢か。

 

 

 

 

 





 
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