暁山瑞希に性癖破壊された僕の失言デッキ   作:科葉諸友

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 暁山瑞希の性別はハッキリとしていません。プロセカのストーリーから生物学的性別は男性であると読み取れますが、性自認がどうなのかは今の所不明です。性同一性障害なのか、「カワイイ」服が好きで着たいだけの性自認は男性なのかは分かりません。どっちつかずで本人も悩んでいるという可能性もあります。
 それを踏まえた上で、本作は「オスだろうがメス堕ちさせれば問題ないだろ!」というストロングスタイルで行かせていただきます。
 暁山瑞希という存在はただ「男の娘」で済ませていいようなものではなく、彼もしくは彼女の性自認は多様性を重要とする現代において非常にセンシティブな内容であり、それを読者が推測して型に押しはめて二次創作物を作るなど許されざることです。
 しかしそれはそれとして、恋愛に性別は関係ないという考えの元、本作では暁山瑞希とオリ主の恋愛描写があります。ご了承ください。
 要約すると、瑞希くんちゃんとイチャイチャする話が書きたかったから書きました。


失言1 結婚しよう

 

 僕、蛭ケ谷響(ひるがや ひびき)にとって暁山瑞希は、幼稚園から高校まで同じ、付き合いの長い幼なじみである。その仲は非常に良好であり、良き友人であった。

 中学1年のあの日までは。

 

 あの日、僕は突如瑞希の家に呼び出された。僕がいつも通りの遊びの誘いだと思って気軽にインターホンを鳴らすと、中から出てきたのは瑞希のお姉さんだった。瑞希に会いに来たことを伝えると、彼女はにこりと笑って僕を瑞希の部屋へと案内した。

 お姉さんが「瑞希、響くん来たよー!」とドアをノックすると、数秒待ってドアが開かれた。同時に、僕の中の()()()の扉も開かれたのだった……。

 

 そこから出てきたのは、フリルが沢山付いた可愛らしい服を着て、おそらくウィッグでサイドテールを作り、メイクをばっちりキメたカワイイ暁山瑞希がいた。

 余りの可愛さに脳がフリーズし、見つめ合うこと数秒。沈黙に耐え兼ねた瑞希が喋り出した。

 

「その……ええと。どうかな、この服」

 

 僕は瑞希の幼なじみだ。ただならぬ仲だ。もちろん、瑞希がカワイイものが好きなことは知っていたし、服装に関しても女の子らしい可愛らしいものが好きであることは理解していた。だから、瑞希がカワイイ服を着ていること自体にはそこまで驚かなかった。まああまりに可愛すぎて驚いたけど。

 僕はあの時、「似合ってるよ」だとか「カワイイね」だとかの当たり障りのない言葉を言うべきだったのだ。そして、瑞希のそういう趣味を何も気にせず受け入れるということを示して、安心させてあげるべきだった。

 しかし、当時の僕は余りの出来事に混乱していて、あろう事か最悪の失言をしてしまった。どうしようもなく本心を零してしまった。

 

「結婚しよう」

「へっ!?」

「あらあら」

 

 後悔先に立たず。言ってからでは遅かった。

 その後、なんとか軌道修正を試みたものの。

 

「あっ。ええと、あれだ。今のは言葉のあやというか、結婚したいくらいカワイイというか」

「けっ、結婚……かわいい……」

「あらあらあら」

 

 なんというか手遅れだった。

 

 あの日以来、明らかに二人の関係性は変わってしまった。瑞希は僕から距離を置くようになった。

 今まで、肩を組んで歌ったり、一緒に組体操したりするほど距離が近かったのに、あの日以降ベンチで隣に座る時でさえ1人分スペースを開けるようになってしまった。

 ……そうだよなぁ。そりゃあ、ただの友達だと思ってた奴にいきなり結婚だなんて言われたら引くよな。むしろ、距離を起きつつも今まで通り話したり遊びに付き合ったりしてくれるだけ有情だ。

 

 さらに救えないことに、そんなに瑞希に引かれてるというのに、僕はどうしてもあの日あの時見たどちゃクソにカワイイ瑞希の姿を忘れられなかった。瑞希の顔を見る度に思い出してしまうのだ。

 せめてまた会いたい……あのパーフェクトでカワイイ瑞希に……。

 僕がそんなことを思っているのを知ってか知らずか、なんと大天使ミズキエルは定期的にカワイイ衣装を着て僕と会うことになった。

 いや、わかる。流石にここで「もしかして瑞希は僕に気があるのでは」なんていう初歩中の初歩のような勘違いはしない。普通に、瑞希はカワイイ服を着るのが趣味で、それに付き合ってくれるのが僕しかいないというだけで、そこに特別な感情はないのだろう。

 

 そんなこんなで、僕と瑞希の仲は少し距離を置きつつも、持ちつ持たれつのまま中学生活は終わった。

 神代先輩と瑞希が屋上で密会している所を目撃してしまい、BSS(僕が先に好きだったのに)を発症し、唐突な寝取られにより脳が破壊しかけたが、神代先輩から誤解を解かれることによりなんとか持ちこたえたりもした。

 

 そして、僕と瑞希は同じ神山高校に進学することになった。

 瑞希は高校に入ると同時に、日常生活を「カワイイ」服を着たありのままの姿の自分で送ることに決めた。周囲の反応は、受け入れるのが1割、様子見もしくは関わりを避けるのが7割、受け入れないのが2割といったところだ。

 社会が多様性を叫ぼうが、年頃の今を生きる者共にとっては世界がどうとかは関係なく、ただそこにリアルがあるだけだ。異質なものを嫌うという社会生物である人間に染み付いた習性はこの場合悪く働いた。

 

 瑞希は、こうなることを予想していたし、受け入れもしていたが、それはそれとして居心地が悪いことには変わりない。瑞希が学校に来る回数は少なくなった。

 その結果、学校で教わり損ねた授業を僕の復習も兼ねて一緒に学ぶという習慣ができた。

 

「ちくしょう。なんで僕のが先に授業受けてるのに僕より理解が深いんだよ」

「ふふーんっ。これでも僕、要領の良さには自信があるからね」

「ついでに器量もいいしね」

「……っそ、そうかな〜、あはは。なんで響はいつも不意打ちするのかなこの無自覚たらしが……

 

 僕の目の前にいるのは、フリフリの服、完璧なメイク、髪型で武装した天使だ。悩む時ペンを顎に当てる仕草がカワイイし、首を傾げるときに揺れるサイドテールがカワイイし、というかそもそも瑞希がカワイイから何してもカワイイ。

 わかってる。一緒に勉強するくらい、幼なじみなら普通ってことくらい。変に恋愛に結びつけるとろくなことにならないことくらい分かる。特に、少々事情が特殊な瑞希相手にそんなことをしでかしたら、「勘違いでした」では済まない、取り返しのつかない傷を負わせることになりかねない。だから、僕は瑞希の好意を絶対に勘違いしてはいけないし、慎重にならないといけないのだ。

 だがしかしそれはそれとして。

 

 これって実質デートじゃね。

 

 ……まあ、うん。僕が勝手にそう思って、胸の内で喜ぶだけなら問題ないよね。

 よし。これはデートこれはデート。いやーテンション上がるな。

 

「お家デートっていいよなぁ……」

「えっ!?あ、うん、そ、そうだね」

 

 やば、もしかして今の失言だった?

 ……いや、セーフだなセーフ。この程度の馬鹿な呟きくらい男子高生なら普通にするだろう。

 失言なんて1話につき1つくらいの割合でいいのだ。




 あらすじには次回追いつきます。今回の話はプロローグとして扱ってください。
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