戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1573/003.hmos

復活祭。

ニエッキとロレンソには、またサンガへ行ってもらって、情報蒐集を頼んだ。

噂は、どこまで本当なのか。

シンゲン軍がミカワ国まで攻めこんで、時間をかけて小さな城をひとつ陥としたあと、シナノ国へ向かって引き返し始めたって?

 

真だとしても意図がわからないし。

偽だとしても、そんな情報を誰が何のために流してるんだ?ってことの説明がつかない。

 

15代目は今、どんな気持かな。

カヅサ殿との絶交宣言は、シンゲンへ向けての純恋歌だと思うのですが、そんな痛々しい振る舞いをする相手とは付き合ってられんわと、普通の人なら愛想を尽かすところだよなあ。

意外と、これが真相かも。

 

 

白衣の主日。

カヅサ軍が動いた。

先発隊がオーミの西まで来て、砦をひとつ潰したと聞く。

慎重だな。まだ本隊はミノから出てないようだ。

 

私も、冷静に考えてみた。

カッとなって即、15代目を追い詰めるのは、並の武将が考えること。

日本には、敵に殺される前に自殺することこそが名誉を守る手段だと考える、悪い風習がある。15代目に早々とこれをされては、たまらない。

15代目がただ死ねば、もしかすると、もっと悪い奴がすべてを仕組んでいたのではないかという疑いだけが残ることになる。

赦すわけなどないけれど、15代目の口から、自分がその黒幕だったのだってことをはっきり言わせてから葬ったほうが、すっきり後味もよいでしょう。

 

15代目が、カミキョウの王宮を離れたという噂は聞かない。

防備は少し増やしている。掻き集められたアシガルどもが武装して守備している。

カヅサ軍が向かってきた瞬間、一目散に逃げるだろう、こんな連中。

ほんとに、何ひとつ考えてないのかな。

考えてたら、あんな宣言、出さないか。

 

 

ニエッキたちが、戻ってきた。

 

カイ軍の撤退は、事実だった。

ミカワ軍は大敗したが、総大将はまだ生きている。残存兵力を立て直し中である。

サンティアゴ殿たちにとっても、シンゲンがなぜここで退くか、という説明はつけられないみたいだった。

カイ国を本拠地とするシンゲンは、シナノ・スルカ・カミツケ・ヒタなど、これまで各地を制圧し支配下に置いてきた、領土欲旺盛な坊主である。

この度、西トトミまで手に入れて、ミカワ軍を全滅寸前まで追いこんだ。

なぜ、トドメをささぬ?

 

理由になるかわからないが、前後してエチゼンが、北オーミから撤兵している。

エチゼン軍が進出していたのは、カヅサ軍を牽制するためだった。

この押さえがなくなったことで、西部戦線の脅威が減じ、カヅサ軍がミカワへの救援に出兵する可能性が出てきた。

 

カイ軍としては、カヅサ軍とは戦いたくない?

 

いやちょっと待て。それが理由なら、そもそもミヤコなんかへ出てこようとすら、思わないだろうって。

エチゼンの撤兵も、やはり、クボウの絶交宣言が理由か。

こんな阿呆とつるむことが、馬鹿馬鹿しくなったか。

それはまあ、いいとして。

 

カヅサ軍の進撃先は、2つ考えられる。ミヤコと、ミカワ。

分散させる愚は、冒さないだろう。

優先順位はどちらかな。

すでにオーミまで来ているから、ミヤコかな。

 

15代目の身柄を確保したあとなら、ミカワの救援に駆けつけられる。

ミカワ王からは、自分たちを後回しにしてと怨まれるかもしれないが。

そこは謝ってすませるとして。

 

しかしカヅサ殿にしたって、亀と戦わなくてすむなら、それに越したことはない。

 

エチゼン軍は無傷の状態で引き揚げた。カヅサ軍の損失が大きくなれば、いつでも北から襲いかかってくる。

それは常に考えておかねばならないことだ。

 

ううむ。私が知り得た情報では、この辺りまでが限界かなあ。

おや?

また、白い犬がやってきたようだ。

すっかり、なつきやがって。

 

今日は、こいつ、少し長めの時間、寝そべっていた。

おまえたちはいいよな。悩みなんか、無いのだろう。

うらやましいとも、思わないが。

 

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