戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1573/004.hmos

<<< なるほど。ヒトは暑い時期には農業して、寒い間に戦争をするものなんですね。>>>

 

((( 生産性が低いゆえに、夏季の食物生産を怠れば、冬季に餓死することが確実だからさ。

これで、シナノの撤退が説明つくかね? )))

 

<<< シナノの巣周辺では、雪で行動が制限される時期にオスが巣から離れることで余剰が生まれ、メスとベイブスに食糧が行き渡りやすくなりますものね。

実に、合理的な行動習性だ。>>>

 

((( そして君たちも、戦場へ行けば食糧にありつける。

ヒトの戦争周期は、自然の摂理に組み込まれた、すぐれたシステムの一環にも思える。

デウスにしてはよくやったものだと評価してよいね。)))

 

<<< それが目的ならもっとうまいやり方がありそうなものですけど。

では、シナノに軍隊が集結するところから語ります。夏から冬への移行期。

シナノは広い地域ですが、各地から満遍なく。また方位Eからも、まとまった援軍が送りこまれてきました。>>>

 

((( リーダーはカイを根拠地にしている。たぶん、そこから来たな。)))

 

<<< それならば、カイ勢をシナノの防衛に残して、シナノ勢を方位Gへ向かわせたことも説明つきますね。>>>

 

((( 迎え撃つ側の構成はどうだった?

リーダーはミカワ、戦場はトトミだと聞いているが。)))

 

<<< 海辺に広がる大平野がトトミでしょうか。

山だらけのシナノとは空気が違うので、シナノ兵は歓喜してました。

トトミは現地兵が中心で、数でも劣勢でしたが、士気低く、戦術もちぐはぐ。

やられ放題といってよかったですね。>>>

 

((( 兵の練度に、最初から決定的な差は認められたかな? )))

 

<<< どう……かな。一概には言えません。

ただ、シナノの方が勢いに乗っていて、指揮が巧みで、兵同士の連携もしっかりできていて、要は絶好調なムードだったんです。

トトミは、そんな敵に攻められて為す術もなかった。

カヅサならこの状況からでも逆転できるだろうか?と考えてみたんですが。

難しいでしょうね。あの初期配置設定では。>>>

 

((( カヅサは一応、トトミに援軍を送っているんだが、約束を守ったポーズをとっただけのように映る。

指揮官がすぐに殺されたところをみても、優秀な人物を派遣したようには思えない。

トトミに勝ち目は無いと初手から見切っていたとすれば、大局的な判断を高い精度で弾き出していると評価できるだろうね。

カヅサの能力は、マクロ視点と冷徹な計算力において、君よりも高スコアかもしれない。)))

 

<<< キツいなあ、先輩。

……そうですか。ところで、シナノはトトミから撤兵しました。

とどめを刺さなかったんです。

これは何故でしょう?

ミカワのリーダーをカヅサと反目させ、カイ側に就かせようとする狙いでもあるんでしょうか? >>>

 

((( それは、ありえる。

ただ、ひとまずシナノ兵を郷里に帰らせてやらねば忠誠心が下がるだろう。

かれらの大半は徴用兵に過ぎず、職業軍人ではないからね。

トトミを完全に制圧することは計算外で、カイにとって今度の戦闘は予想以上にうまくいきすぎたわけだ。

しかも欲を張らず、すんなり撤収した。カイ軍の司令塔には優れた自制力が備わっていると判断する根拠になる。

カヅサを、かなり手こずらせると思うよ。

ワクワクするね。)))

 

<<< カイのリーダー、名前はわかってますか? >>>

 

((( シンゲンと呼ばれている。)))

 

<<< シンゲン、カイ。

わかりました。特定して、追跡してみましょう。>>>

 

((( よろしく。期待している。)))

 

<<< シンゲンか……

参考になればですが、シナノ軍には特有のドクトリンがありますよ。

軍全体の士気を上げることに熱心で、最下級の兵にまでフォローが手厚いのは、トトミやカヅサの軍には無い雰囲気です。

言うなればカヅサはドライ。シンゲンはウェット。>>>

 

((( ほう、面白い。

そういう感想は、ヒトに乗っているとなかなか聞けない。

詳しく説明してほしい。)))

 

<<< カヅサの部下たちは、横の連携を持ちません。

カヅサ軍では部下同士を競い合わせることで各チームのモチベーションを高め、より困難な目標を達成させるのが基本フローです。

シナノ軍は、もっと大らかで、柔軟性を持つ。

局面に応じて下位部隊の貸し借りなども、鷹揚にやっていたようですしね。>>>

 

((( 母集団が相当に大きいのではないかな、シナノは。

しかしカヅサもシンゲンも、自軍の持つ駒の性格をよく理解して運用しているという点では成功例だと評価できると思う。

エースよ。両者が対決する場合、何が勝敗の決め手になるだろうか。言えるかね。)))

 

<<< アクシデントを一切考慮しないならば……

相手を、自分に有利なフィールドへ誘いこんだ方が勝つ、と思います。>>>

 

((( そうだね。

補足するなら、カヅサもシンゲンも、彼我の長所と弱点を事前によく調べていると思う。

だから簡単には相手の罠へノコノコ誘いこまれていったりはしない。

それを、どう、おびき出すかという戦術を組み立て、準備しておくかが鍵だ。

もちろん周辺諸勢力も動くし、アクシデントだって頻繁に起きる。

それを迅速に、適確に利用する諜報力や決断力も問われる。

さあ、見モノだね。

しばらく退屈しないでいられるよ。)))

 

<<< 戦場を見てもいないのに、よくそこまで楽しめますね。

俺は……なるほど、今日の話を呑みこんだ上で、また、いろいろ嗅ぎ回ってきます。>>>

 

((( 君からの情報あってこその分析だよ。思う存分、駆け回ってきてほしい。

何より君自身が楽しみ、好奇心を満たしてきたまえ。

それが、最大の収穫をもたらす。

ユニヴァースの原則さ。)))

 

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