戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1574/007.hmos

<<< あの海辺で一体、何をやっていたんですか? >>>

 

((( 従軍教誨師……みたいな仕事かな。

私じゃなくて、こいつがだよ。)))

 

<<< シグナルも打ったのに、完全にシカトされました。>>>

 

((( 返す余裕もなくてね。

こいつのリソースは完全にオーバーフローしていたから。)))

 

<<< 非戦闘員を大勢殺していたようですが、あの作戦意図も不明でした。

交渉で移住させるとか、もっと効率のよい手段をとる余地はなかったものですか。>>>

 

((( 我々ならそうしただろうね。

しかしカヅサにとって、害衆駆除は初挑戦らしくてね。

試行錯誤していたみたいなので、ひとまず傍観していた。)))

 

<<< 発展性のある解決へ結びつきそうでしたか? >>>

 

((( どうかねえ。

今のところは、却ってもっと敵を増やしそうな按配だ。)))

 

<<< だめじゃないですか。>>>

 

((( これが犬との戦争だったら、即介入してやるんだがね。

ヒト同士だからどちらへ転んでもいいじゃないか。

そういえば、死体が多く出た割には犬をそんなに見かけなかった気がする。)))

 

<<< 犬は海辺では食事をしませんよ。

この体、ヒトのような汗腺が無いので、海産物を食べるとナトリウムを過剰摂取してしまうんです。

健康を損ねます。>>>

 

((( なるほど。戦争は海より山でする方が、犬のためになるんだね。)))

 

<<< 海は海で、魚が喜ぶからいいんじゃないですか。

山といえば……

どこの話からしましょうか。>>>

 

((( 最近は、特に大きな戦場はなかったと思うんだが。)))

 

<<< そうですね。シンゲンがまたトトミを攻めているくらいかな。>>>

 

((( シンゲン、どうやら死んだらしいよ。)))

 

<<< え?……ああ、それで、前回のような勢いがなかったのか。

なるほど、そういうことか。

今やっと納得しました。>>>

 

((( やはり、違うかね。指導者が替わると。)))

 

<<< ふらついてますね。リーダーシップの欠如というやつです。

前回との比較で言うなら、反対にトトミ側が、粘り強い抵抗で腕を上げています。

こっちのリーダーは誰でしたっけ。>>>

 

((( ミカワ王かな。名前はややこしくて忘れた。

前回と同じ人物のはずだ。失敗から多くを学んだのだろう。

よいことだ。いずれ、シンゲンを超えてくれるといいね。)))

 

<<< 時間がかかりそうに思いますよ。

他には……エチゼンを巡回してきましたが、いやはや、ひどいものです。>>>

 

((( 在地領主を皆殺しにしたあと、カヅサが新領主を送りこんだが、殺されたのだったか。

その後、混沌とした無法地帯になっているようだと聞いているよ。)))

 

<<< そうなんです。

率直にいって、カヅサは確かに戦闘狂です。稀有な破壊力と統率力を持っています。

しかし政治家としてはお粗末すぎやしませんか。

壊すだけ壊して、その後の秩序構築は失敗ばかりしているように感じるんですが。>>>

 

((( それでいいと思うよ。

私だって、カヅサには破壊することしか期待していない。)))

 

<<< あ、そうだったんですね。

もしかしてカヅサをマウンティングの頂点に立たせた瞬間、退場させるのが理想とか。>>>

 

((( それもアリかね。

いや、私は退屈が嫌いだ。カヅサにはその後もがんばって次々と敵を作り続けていってほしい。)))

 

<<< まだまだ終わらせるつもりはないよ、ですか。

いつまで見守っていくつもりなんです? >>>

 

((( ヒトが、これまでにないアルゴリズムを持ち始めているからね。

まるで進化だ。もう少し観察をしてみたくなってきたのだよ。

そうだねえ、とりあえずこの乗物が稼働している間は。)))

 

<<< 犬よりも耐用年数長そうですが。そうですか。

ところでエチゼンでは現在、周辺領域やオーザカなどからもヒトの流入が烈しく、様々な匂いが混じり合っています。

その中には、あの海辺から来たヒトも相当数いるんですよ。

かれらはカヅサに害衆として駆除された側です。

そこから逃げ延びたノウハウを、エチゼンで拡散していると推測できます。

カヅサがエチゼンで同じ粛清を始めるとして、同じ手は通用しないかもしれませんよ。

どう誘導していきますか? >>>

 

((( 誘導なんてしない。

いいことじゃないか。戦争とは、常にこうして過去から学び、切迫した情況の中で進化を加速させ発展していくものだよ。

君はまだ経験が少ないか。ヒカリノクニへ帰還したら、アーカイヴを繙いてみるといい。

私のレポートも沢山置いてある。きっと、理解が進むだろう。)))

 

<<< はあ……かないませんね。俺には、先輩が眩しすぎます。>>>

 

((( 無価値なセンテンスだな。リソースの浪費は歓迎しないぞ。

それよりさっき、オーザカと言っていたか?

エチゼンへ、オーザカからヒトが流入しているのかね。)))

 

<<< あ、はい。エチゼンには不自然なほどオーザカの匂いが紛れこんでます。

集団移住ではなく、広範囲に分散してますね。つまり……

工作員を大量投入しているということになりますか。>>>

 

((( それは有益な情報だ。

オーザカはカヅサを倒し得る最大の好敵手だが、エチゼンに発生した政治的空洞を利用するべく、積極的に動いているのかもね。

イセイでの害衆駆除も、もとはオーザカとの戦争が発端なのだが、エチゼンで報復戦が始まると考える根拠が増えたよ。)))

 

<<< えっ?イセイでは、オーザカの匂いはほとんど感じませんでしたが……あっちも繋がっていたんですか。>>>

 

((( ヒトの視点では、オーザカとイセイは親分子分の間柄なのだが、実態としてはすっかり乖離していたみたいだね。

そしてエチゼンでは、各種勢力が緊密に協力し合って対カヅサ戦に備えている。

これは同じ手どころか、より新たな戦略が必要になる舞台だと身構えておいた方がいい気配だ。)))

 

<<< 犬とヒトは、やはり協力すべきですね。今日得た知識で、理解が大きく更新しました。>>>

 

((( こちらもそれは同じだ。

ただヒトには依然、犬に教えを請う姿勢がない。まったくと言っていいほど、無い。

学びを増やしながらの進化ならよいが、そうでない進化は袋小路に嵌まりこむだけだからね。

今後は、そういった観点からも嗅ぎ回ってきてくれ。)))

 

<<< より新たな戦略で調査をするわけですね。

わかりました。それでは、走ってきます。>>>

 

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