戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1582/012.hmos

((( 大冒険、おつかれさま。)))

 

<<< この星の大きさを思い知りました。角度にしてAAB未満しか移動していないのですが、そこから先が広漠たる砂地しかなく恒星の輻射熱を遮る術が無い。

水の補給も困難で、それ以上進むのを諦めました。シグナルへの返答無し。

降下したのは、更に先と思われます。>>>

 

((( この星の生物種の幾つかは、AABを超える広域移動の手段を確立している。ヒトも含めてな。だから、地表まで到達してさえいてくれれば、いつかコンタクトできるだろう。

君の言う通り、この星は在地生物種にとって、実に広大なのだ。悲観することはない。)))

 

<<< そうですね。大きいといえばこの群島よりA方面には大陸が存在するのですが、生物種のサイズが全般に、ここよりも巨大でした。

虫も、俺なら入れそうな体格のものをいくつか発見し、捕食してみましたよ。

幾つかは強力な毒を持っていましたが。>>>

 

((( 無茶をする。

この群島は海流によって外界と隔絶されてきたから、大陸の生物種とは免疫機能の構成因子が相当に異なっていると想定できる。

無闇な摂取は慎むべきだと、出発前に言っておけばよかったな。)))

 

<<< はあ。次があれば、もっと気をつけます。>>>

 

((( 大陸にも、鷹はいたかね?

この島の鷹より、巨大だったんだろうか。)))

 

<<< へへ。いました。

体格も大きいし、性格も気性が荒く、種族も膨大な数でした。

あちらでもヒトは鷹を飼育し、洗脳し、芸を覚えこませて喜ぶみたいですね。極力近寄らずに眺めてきましたけど、今も複雑な感情を抱きます。>>>

 

((( ヒトも、ここより巨大だったかい? )))

 

<<< あ。それが意外に、ヒトだけはほとんど同サイズ。

むしろ先輩の乗物は、ネイティヴより一回り大きいですよね。この種族は、大陸にはいませんでした。

不思議に感じましたが、明瞭な説明をつけられません。>>>

 

((( フム。建物や道具、社会構造などについて有意差があったならば教えてほしい。)))

 

<<< ウーン……相似も相違も各種ありましたが、鷹から見れば、大差ないようにも。

ああ、建物のサイズは、ここより数倍の大きさが標準でした。単純に、空間上の制約に起因すると思われます。

広い平地には建造物が密集していましたが、あの規模に匹敵する都市も、こちらでは、ミヤコくらいですかね。>>>

 

((( 興味深い観察だ。ありがとう。

この乗物の最期を見届けたら、大陸へ移動した方が、研究の精度を上げられそうな気がする。カヅサ級の破壊者がもっと大量に見つかれば、組織化できるかどうか試してみるのも面白いかもな。)))

 

<<< カヅサ……って何でしたっけ。かすかに記憶にある語彙だ。>>>

 

((( ミヤコ周辺を寝ぐらにしていた、破壊力で名を馳せた、ヒトの個体だよ。

夏に殺されたばかりだ。)))

 

<<< へーえ。消えたんですね。

あちらでは、ヒトにそこまで注目してなかったので、提供できるレポートは多くないんですよ。>>>

 

((( ああ、いいんだ。君は鷹なのだから、それでいい。

むしろ、君自身が特に注目した点があれば、聞かせてくれ。)))

 

<<< 気候と風土が、生物育成には厳しすぎるという印象が挙げられます。

山岳も河川も、草原も荒野も、何もかもが広大なのですが、水源地が限られている。良環境が整っていれば大抵ヒトが集落をつくっているという感じです。

この群島は、マイルドな森林が勾配地の大半を覆っているおかげで水利が非常に豊かですが、大陸では植物自体が過酷な生存競争にさらされ、凶暴化しています。

そこでは動物も、よほど適応しなければ共存を許されない。安定が崩れればその地は砂漠化します。

長期滞在すれば、もっと複雑な変遷と、収束までのパターンが公式化できるとは思いますが、今回見てきた限りにおいては、以上のような見解でした。>>>

 

((( ワイルドだな。

そこから戻ってきて、どうかね。ここの群島は。)))

 

<<< 率直に言って、先輩がこんな動かないヒトに乗って、F年以上経つんでしたっけ。じっとしているということが、理解できないです。

先輩の能力・知識・経験を、無意味に浪費しすぎてはいませんか。

どうしてこんな退屈きわまりない僻地で、まだこれから何年も、じっとしているつもりなんですか? >>>

 

((( 見事すぎて、返す言葉も無い。

確かにその通りだし、私に迷いが全く無いわけでもない。だが、私は過去に、これよりもっと不毛な業務に従事していたことが、幾度もあるんだ。

この星の時間単位で、あとG年ほどかな、この乗物の余命は。それだけあれば、実験ができる。

ずっと準備してきたが、そろそろ実行に移す頃合いだ。

この群島でテストをしておけば、失敗しても、他への影響が少ないじゃないか。

うまくいけばそれを、大陸でもっと大規模に実行しよう。そんなことを考えている。)))

 

<<< な、なんと!そんな構想があったのですね。>>>

 

((( エースよ。君は、先に大陸へ渡っていてくれてもいいよ。

私が、次の乗物で向かったとき、私の先輩として、大陸でのガイドをお願いしたい。

頼めるかな? )))

 

<<< 了! >>>

 

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