戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1595/003.hmos

〔〔〔 セブン…セブン……セブン……… 〕〕〕

 

ペドロ?おはよう。ずいぶん、長く眠っていたね。

 

〔〔〔 ここは……どこだい?ずいぶん、寒いようだが…… 〕〕〕

 

ニッポンヘ来ている。マニラでは、シャポンとかハポネスとか呼んでいた国だよ。

 

〔〔〔 なんとなく記憶にあるが……内戦中の孤島じゃなかったかな?まさか、趣味の旅行では、ないだろうね。〕〕〕

 

仕事だ。それに、意外と大きい島のようだよ。山が多くて、人が住める土地は、ごく僅かだけど。

 

〔〔〔 フウ……降誕祭をやっているのかな?ああ、雪の降誕祭は、久しぶりだよ。ずいぶん、なつかしい光景だ。〕〕〕

 

たっぷり見ておくといい。マニラへ戻ったら、雪なんて、お目にかかれないからな。

 

〔〔〔 仕事と言ったね。布教かい?SJは、門戸開放に応じたのかい。〕〕〕

 

いやいや全然。内戦どころか、今は外地へ侵略戦争を仕掛けていて、国内では暴君が民衆を絶滅させかねない勢いだ。SJもまだ踏ん張っているよ。そこへ乗り込んできて、3年目かな。よく生きていられてるなあ。ディオスに感謝しなければ。

 

〔〔〔 ……すまない。君の得意な冗談はほどほどにして、正確なところを教えてくれ。〕〕〕

 

ぜんぶ本当だ。まったく、ひどい仕事だよ。しかも、渾身の力作だった僕の報告書を読む前に、おやじ、死んじゃったみたいでさ。

 

〔〔〔 え?総督が死んだ?いまは誰が総督をしているんだ? 〕〕〕

 

息子のルイスだ。だから、支援を打ち切られて、今年は船が来なかった。いつ帰れることやら。

 

〔〔〔 理解できない。ずいぶん無茶をやっているのじゃないかね。〕〕〕

 

僕の来る前年、OPのコーボが死んだ。もっとも、海難なので日本のせいとも言えないけどね。ただ、なり手がますますいなくなった。僕はおやじと交渉して、かなりの予算はつけてもらったんだが、日本へ持ち込むと全部とられちゃうと思って、徹底的に貧乏旅行を演出している。結果的に成功しているが、困窮生活っってほんとに困窮するもんだね。まあ無茶といってもその程度だよ。

 

〔〔〔 実は、自分の格好を見て、てっきり島流しにでもされたのかと思ったのだよ。なにをやらかしたんだろうって。〕〕〕

 

島流しかあ。たしかに、牢獄としては最適な島だね。なにが辛いって、食糧事情が劣悪なんだよ。栄養が摂れない。君の意識と記憶を維持するのに、なんとかエネルギーを振り分けているが、あまり余裕がない。だから今回は特に、休眠時間が長かったんだ。そこは、申し訳なく思う。

 

〔〔〔 たしかに、降誕祭にしては、テーブルに肉が見当たらない。え、まさかこれで全部なのか。普段はもっと粗食なのかい? 〕〕〕

 

日本では、肉食が禁じられている。アビラ君が治外法権区域に住んでいて、そこでは豚肉が食べられるみたいだけど、臓物でも高級食材だ。だから滅多に食べられないって。

 

〔〔〔 アビラ・ヒロンか?彼もハポネスに来ているのかい。〕〕〕

 

そう。我らが友人、AGだ。手紙で連絡をとっている。その他で、日本に来ているフェリペナス人は、ここに全員いるはずだね。

 

〔〔〔 SJは、どうだった?やはり、真っ黒だったかい。〕〕〕

 

想像以上にひどかった。40年にわたって日本をメチャクチャにしたのは、かれらだと断定してよいと思う。とはいえ、過ぎた事実は認めるしかない。ここから、どうするか、なんだが、ルイス君がはたしてどこまで動いてくれるかねえ。心許ないねえ。

 

〔〔〔 ……ところで、さっきから、ずいぶん君は子供たちに慕われているようだが。ここでの生活は、それなりに楽しくやっているみたいだね? 〕〕〕

 

そうだね。マニラに負けず劣らず、楽しく過ごしているよ。ちなみにこの人は、立派なオトナだ。日本人は大人になっても小柄だけど、子供でも内面成熟が早くて、見た目で年齢を判断するのが難しい。機嫌を損ねると急に怒り出したりするしね。一年目は、いろいろ失敗もした。

 

〔〔〔 失敗といえば、私に助言を求める事態は発生しなかったかい?日本では、カスティーリャ出身者には出会わなかったのかな。〕〕〕

 

何人かいたよ。日本SJのボスはアンテケーラ生まれだと言っていたし。アンテケーラって、どこだっけ。

 

〔〔〔 アンダルシア地方だったと思う。エスパーニャでも南の方だ。私も行ったことはない。〕〕〕

 

特に問題はなかったよ。よっぽど同じ村の出身とかでなければ、地球の裏側まで来て、祖国の記憶がうろ覚えだったとしても、怪しんだりはしないものだよ。愛嬌で乗り切った。マノーロにも、感謝しておこう。

 

〔〔〔 マニラでも言ったはずだが。セブン。もう、私になりすまさなくても、いいよ。君は、私が生涯かけてやり遂げられる何倍もの仕事を、すでに果たしている。やりすぎなくらいだ。これ以上の無茶はよしてくれ。私こそ君に、感謝しきれないほど感謝しているんだ。もう、君は君の、本来の姿に戻ってくれていいよ。〕〕〕

 

ありがとう。でも、心配御無用。危険は周到に避けているし、君の余命は、まだまだ数十年ある。

君の所属と実績は、私にとって得がたい財宝なんだ。ペドロ・バウティスタ・ブラスケスだからこそできる仕事が、これからも沢山舞い込んでくる。私はその機会を、可能な限り、活かしたい。

君の名誉を傷つけないようにする。それだけは絶対に約束する。だから、まだもう少し、この肉体を使わせてもらいたい。

僕こそ君に感謝しているんだ。どうか、あきらめてくれ。

 

〔〔〔 あきらめろ、と言うか。まったく、君にはかなわないな。〕〕〕

 

あはは。それじゃあ、少し体を動かすよ。子供たちが雪像をつくっているだろう。そろそろ手伝ってあげよう。

高い部分は、僕たちが肩車してあげる約束なんだ。

 

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