戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1567/001.hmos

サンティアゴ殿より招かれ、サンガ城へ行ってきた。

 

サカイの教会は当面、ダミヤンに任せる。彼はイルマンになることを志望しており、統率力も悪くない。

しばらく一人きりにさせてみて、何一つ悪い気を起こさないようだったら、信用しよう。申請は出しておこう。

 

サンガ城の聖堂施設は3年前、サンティアゴ殿が棄教を迫られ、隠居したときに破壊された。

だが復帰したので、あらためて、もっと立派なものに再建しようとしているところだ。

ひとまず新聖堂が完成したので、それを見せたかったという。

会堂、香部屋、住院などは建築中だが、意見があれば直してゆくので、城内に滞在しながら見て回られたしと。

ここまで手厚くしてくれる領主は、ドン・バルトロメウ以来ではないか。

サンティアゴ殿と、続けて息子のマンショ殿が、ゆくゆくカワチの王となり、キナイを制する人物となることを、デウスはお決めになっているはずだ。

私にはそれがはっきりとわかる。

トルレスに、物資とくにサリートリをサンティアゴ殿へ贈られたし。そう要請しておこう。

 

 

サンガ城の兵はこの1年間でかなり入れ替わりがあった。私は連日、説教と講義に明け暮れた。

従僕を2人連れてきていたが、もう数人、欲しかったな。

ここへ、トマスがやって来た。

エチゼン国へ偵察に行ったまま消息を絶ったので心配していたが、食事が美味すぎてなかなか立ち去りがたかったのだという。

サカイの茶器が思いのほか高く売れ、そのカネが無くなるまで遊んでいたそうだ。

バカタレめ。

 

最近、兵士の間では、腕に刺青をするのが流行っている。

3本の釘やクルスなどの図形だったり、INRIなどの文字だったり。

一生消えない。これこそが永遠にデウスの信徒であることの証である。

ちょうど城に彫師が来ていたから、トマスもやってもらったらどうかと勧めた。

彼はコンパニヤの紋章を刻んでもらってから、サカイへ戻っていった。

私はもう少しここにいるからとの伝言を託した。

 

 

長居していたのは、政治工作のためでもある。

かつてヴィレラが、西将ヨシチカ殿への謁見を試みたが感触はいまひとつで、それきりになっていた。

ダイリサマによる追放令は出されっぱなしで未だ有効だが、この取り消しをいかに進めていくべきか。

サンティアゴ殿も必死で考えてくれている。

 

私は、西将も東将も退場させてミヨシ一族がクボウサマになればよい、という案を披露した。

一笑に付された。

ミヨシ家の内部は未だに紛糾を続けており、その見通しは絶望的だという。

13代クボウサマを暗殺した三人衆。

大ミヨシドノの継嗣サキョウ殿および、智将のフィウンガ殿。

西将と共にツノ国へ上陸した、アワのミヨシ一族。

大きなところだけでも、この3派が互いに譲り合わず。

東将ヨシアキをエチゼンへ追い詰める作戦すら、まとまらなくて動き出せないでいるのだそうだ。

 

ミヨシ大軍勢をひとつに束ねるには、強力な家長が必要。

大ミヨシドノ亡き今、仮にその役を務められるとしたら、皮肉にも

「弾正殿をおいて他にいない」

という驚きの答えが返ってきた。

 

サンティアゴ殿もまた、ダンジョウドノすなわちソウダイを尊敬する一人である。

彼の実力を認め、その恐ろしさを知り抜いている、とでも言った方がよいかもだが。

ソウダイを家臣にしていなければ大ミヨシドノがここまで強大な権力を有することはなかっただろう、とまで言う。

兵の扱い。決断力。情報分析と交渉の巧みさ。

そしてダイリサマや坊主各宗派へも影響力を持つ政治家として

「弾正殿ならば天下を治められる」

とサンティアゴ殿は語る。

 

だがしかし。

一代で城を築くまでに出世したソウダイには、ミヨシ家のような一族を構成するほどの身内がいない。

一方でミヨシ家には同じ一族でなければ対等に認めない風潮も強く、大ミヨシドノはソウダイによって殺されたのだぞ、と復讐心に燃える者も少なくないという。

「本当に弾正殿が殺したのなら、後々のことまで全部段取りしてから、もっとうまく殺ってますよ」とサンティアゴ殿は嘆息する。

たしかに、そうかもしれないな。

 

サンティアゴ殿は、3派のうちいずれかの将との交渉に、私を連れてゆくつもりでいた。それに合わせて準備だけして待っていた。

しかし、どうも調整がうまくいかなかったようで。

いずれとの謁見も、しばらくできなさそうな流れになった。

私は、サカイへ戻ることにした。

 

 

戻る前日、こっそり、ナラを観光した。

城の家臣数名に案内され、脅えながら訪れたナラは

雪のせいか、とても静かで

インヘルノらしからぬ趣だった。

 

鹿の姿をした悪魔が、いっぱいいた。

野山以上に、夥しい鹿が、街のいたるところを我が物顔で歩き回っている。

家臣たちは、餌をあげていた。

脅えて逃げ回る私を嗤いやがった。

なぜ君たちは平気なのかね。まだまだ、信仰が足りないぞ。

 

石風呂という興行をやっていた。

蒸気で満たされた室内に半時間ほど座り、垢を落とす。

ふらふらになって出てきたあとで、熱い茶を飲む。

とても気持ちよくなる。いい体験だった。

男女皆丸裸で入り、性器を見せ合う作法は道徳的にけしからんと思うが、収容人数と回転数の都合もあるのだろう。

苦言を呈すのは控えた。

 

教会関係者には、くれぐれも内緒ですよ。

だから従僕も連れていきませんでした。

こんなの口止めできるわけがない。

 

こわかったけど、また行きたい。

 

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