戰國ぢあぼろす   作:ひねもす@HAMELN

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SengokD.1570/006.hmos

<<< ただいま、戻りました。>>>

 

((( おかえり。随分長かったな。

何をしていた? )))

 

<<< この島の海岸線を一周。

日数と距離のカウントは、途中でやめました。

計測器とレコーダーが欲しいところですね。>>>

 

((( 半年と少し、というところかな。

楽しかったかね。)))

 

<<< この乗物の動かし方を習熟しました。

戻ってこられたことも大成果ですね。

嗅覚マッピングと記憶力は、驚異的です。>>>

 

((( 匂いだけで、どれほど細かく判別できる? )))

 

<<< パラメータが多すぎて、これも計測器がないと数値化できませんが……Q個程度の種類は、識別できるんじゃないでしょうか。>>>

 

((( おそるべき能力だな。

弱点はあるのかね。)))

 

<<< 大量の水の動きが匂いを攪乱させる環境では、嗅覚による判断が著しく制限されます。

また、酸素の摂取を止められないため水中移動ができず、水上移動もきわめて非効率なので。

自力でこの島を出ることは、不可能といってよいですね。>>>

 

((( その点では、道具を組み立てられるヒトの方が、可能性を持つか。)))

 

<<< イヌからすれば、ヒトこそ驚異的な生物と思いますよ。

道具をつくり、建築もできる。

イヌとヒトは、喧嘩ならイヌにも勝機がありますが、戦争になるとイヌが勝つ可能性は低いでしょうね。>>>

 

((( 集団組織力が一定レベルで発揮できるならば、ヒトが勝てる場合もあるかもだがね。

でも、期待しすぎだよ。ヒトに、戦争なんて無理だ。

せいぜい、喧嘩しかできないね。)))

 

<<< そうですかねえ。

俺は、ヒト同士の集団戦闘に遭遇したんですが、あれは戦争をやっていたと評価していいものでしたよ。>>>

 

((( ン?

その話、詳しく聞かせてくれないか。)))

 

<<< はい。武装集団CとGとの殺し合いでした。

個体数はどちらもO以上。不意遭遇により戦闘開始。

多彩な武器が使用されました。

最も遠距離仕様なのが、ライフルの原始的な形態。

濃厚な硫化水素が強烈に撒布されます。>>>

 

((( 鉄炮、だな。)))

 

<<< 次が、ボウですね。

これも、シンプルな手動式です。>>>

 

((( 弓と呼ばれている。

アロウは、矢という。)))

 

<<< 投擲系は、主に地面の石を拾って投げていたようです。

グレネードやテレキネシス、ウルトラスラッシュの類いは確認できませんでした。

接近戦になると、まず、スピアー。

ヒトの身長より長いもので突きます。>>>

 

((( スピアーは、槍だね。)))

 

<<< 最接近してからは、ソード、ナイフの出番ですが、持っているのは上級兵。

下級兵はバットを振り回すか、その場で拾った武器を使っていました。>>>

 

((( 太刀、短刀、棍棒。

意外と本格的だな。

地形は? )))

 

<<< C軍とG軍を隔てる自然水路がE→A方向に流れていました。

戦場となったエリアは大部分平地でしたが、多量の水分を含み粘性が高く、移動困難。

中盤戦以降はヒトの死体が積み上がり、安定した足場となります。

双方、一定数の犠牲が出たところで退却。

丘陵地ではもう少し継続していたようですが。>>>

 

((( 川を挟んだ泥濘地。

ちなみに時間帯は……昼かな?夜かな? )))

 

<<< 夜面から昼面へ転移する頃に始まり、恒星が天頂に達するまでには終わっていました。

自転周期の単位を日として、F日よりも最近のことです。

ここからの方位は、DDE……かな? >>>

 

((( カヅサがそこにいた可能性は高いな。

他に、その場で気付いたことはあるかね。)))

 

<<< そうですねえ……

ヒトは固有の匂いを放散しますが、C軍はほぼ近郊出身。

G軍はかなり広域から集められていたようです。

すなわち、GがCのテリトリーに攻め入ってきたと推定できます。

カヅサというのは、ヒトの個体ですか? >>>

 

((( いたとすれば、G軍のジェネラルだ。

総指揮官なので、まさか最前線には出てこないと思うが。)))

 

<<< 先輩が注目するほどの逸材なんですか? >>>

 

((( この星の生物個体で興味を抱かせる、今のところ唯一の対象かな。

飼ってみたい、程度の関心だが。)))

 

<<< 隊員にスカウトするレベルではないんですね。>>>

 

((( それは冗談にもほどがある。

せいぜい、私の退屈を紛らせてくれればいいんだよ。)))

 

<<< カヅサ、特定してみたいものですね。

ああ、気付きといえば、もうひとつ。

イヌに比べて、ヒトの反応速度というのは、随分と遅いみたいですよ。>>>

 

((( 遅いだろうね。

ヒトがどんなに訓練しても、平均的なイヌの速度で走れるようになるとは思わない。)))

 

<<< 身体能力もそうですが、反応速度も相当な差があります。

泥濘地の戦場では、ヒトがあまりにも石やバットをよけないのを奇妙に感じたんですが。

あれ、検知できてないのだなと、途中から気付きました。>>>

 

((( 失敬。感知と反応のことか。

つまり……イヌから見て、ヒトはずいぶんノロマな動きしかできない生物だ、というニュアンスで合っているかね。)))

 

<<< まあ、そんな感じです。

イヌが、狩猟に最適化しているせいかも知れませんが。>>>

 

((( 生物種としての完成度が低すぎるんだよ、ヒトは。

やれやれ。君にとってはこいつを殺すことくらい、ほんとうにチョロい仕事だろうね。)))

 

<<< その気になればいつでも、先輩を次の乗物のところまで咥えて運びますよ。

命令してください。>>>

 

((( ありがとう。そのときは、お願いする。)))

 

<<< じゃあ、そろそろ、行きます。

フルーツ、ごちそうさまでした! >>>

 

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