<<< 住みやすい島だと思いますよ。
暑さ寒さもほどほどで、水も空気も潤沢だ。
凶暴な捕食者もいません。
ヒトだけが、例外ですが。>>>
((( 海流・気流ともに、外来種が入りこみにくい環境のようだね。
地殻の移動が早いようだから、そのうち全島が海中に没すると思うが。
計測器が無いので、時期の予測は難しい。)))
<<< 陸上でしか生きられない種の生存は、そこまでですかね。
ヒトならば、道具でなんとかするかな? >>>
((( こいつらに、できるかねえ。
地震は多いし、沿岸部では津波も頻繁に発生するが、ヒトは直前になるまで回避行動をとらない。
自殺衝動といってよいかもしれない。そんな習性を固持しているように見えるよ。)))
<<< 地震の前兆はさすがに、ヒトのセンサーでも数日前から感知できるでしょう。
飛んでくる矢から逃げろと言ってるんじゃないんだから。>>>
((( 驚くなかれ。
ヒトは、雨が降るかどうかを予知することさえできない。
地震だって震動を直接感知するまでは、視覚等で得た情報さえ意識的に黙過して、日常習慣行動を優先させるものだよ。)))
<<< ……冗談でしょう。
これだけの知能を持っていながら?
危機回避能力が、あまりにも低すぎる。>>>
((( ヒトのハードウェアはグロテスクの極みだから、その構造の上に備わる各種能力も、おそろしくアンバランスなものとなる。
あとさき考えずに創造を始めると、こんなことになってしまうものだ。という見本のひとつとしては面白いよ。
自殺衝動が強いことは、ヒトの身になってみれば、むしろ納得できる適応特性ではあるね。
その死体は、他の生物種に餌やねぐらを提供する。ヒトに出来る、せめてもの社会貢献だといえよう。)))
<<< たしかに、どこにでも新鮮な死体が転がってるから、ヒトには感謝すべき一面も無くはありませんが。>>>
((( ヒトってのは、おいしいものかい? )))
<<< 外毛が無いので、噛みちぎりやすいです。
油分は少ないかな。
悪くはありませんよ。>>>
((( ヒトに狩られたりすることは、あるものかい?
犬にとって、さしたる危険ではないとも思うが。 )))
<<< 道具さえ使われなければ。
要注意なのは矢です。
攻撃者が風上にいれば匂いで気付けるんですが。たまに逆風でも狙ってくるヤツがいるので。
そういうハンターに限って、命中精度も高い。
鉄炮も遠距離から狙われますが、匂いが強烈で射程外から感知できますので、矢ほど脅威ではありません。>>>
((( ヒトは犬を補食するのだね。油断ならないな。
くれぐれも気をつけてくれよ。)))
<<< 鉄炮については最近、珍しい活用例に遭遇しました。
包囲GGH、距離半日。
そこの出身兵が、賢い使い方をしていましたよ。>>>
((( ナラかな。行ったことがある。
鹿というD脚獣が群棲していたね。)))
<<< そうそう、そこです。
ナラ兵は、鉄炮が攻撃用の武器ではないことを理解しているんですよ。
初めてそんな、マトモな運用に出会いました。>>>
((( ン?
すまない。もう少し詳しく説明してくれ。)))
<<< はい。鉄炮は、第一印象でライフルに似ていたのですが。
ヒトが持ち運ぶにはやや重すぎ、命中精度が低く、連射ができず、再装填に時間と手間がかかり、高湿度環境では点火させられないため使用できません。
つまり、鉄炮≠ライフルでした。>>>
((( ……呆れたな。あちこちで相当数が配備されているはずだが、そんな使えない代物だったのか。)))
<<< もしかして、鉄炮を実際に使った経験は無いんですね? >>>
((( 無いね。
てっきり、ライフル様兵器だと想像していたよ。)))
<<< つまり、攻撃に適した武器ではないわけですが。
物理的に間違った運用をしている例が多いなあと、不思議に思っていたんです。ある時点で気付いてから。>>>
((( 鉄炮が、そんな兵器であるのなら。
陣地を守るために密集させておいて合図で一斉射出。敵集団に対して、ある程度の割合でその威力を削ぐ。
……こんな活用しか、想定できないな。)))
<<< 俺もそう思います。防御でしか効果を発揮しません。
あるいは、一定量の敵集団を罠の前に誘いこんでくる役割の部隊が必要となるんですよ。
この連携が、ナラ軍は、できていたわけです。>>>
((( 私はこの乗物で、ヒト同士の戦闘フィールドに入ったことはないのだが。
もしそんな機会があれば、多くの点であれこれ口出しをしたくなってしまうんじゃないだろうか。
猛烈なフラストレーションに苛まれそうだ。
そういう気がしてきたよ。なんと恐ろしいことだ。)))
<<< そんな場に先輩と同伴できるなら、俺も鑑賞したいものですね。
ぜひその時は、シグナルで呼んでください。>>>