鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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 連休最後の投稿になります、リィンの手紙これで良かったかは少し不安ですが頑張りました。


最終選別へ 稲光との出会い

「…おまえを最終選別に生かせるつもりは無かった…いや…わしが行かせたくなかったのだ…リィン殿が何度も言ったようにお前には既に覚悟ができていたと言うのに…」

 

 炭治郎が斬った岩の前で鱗滝はまるで懺悔するかの様に炭治郎に語りかけた。

 

「謝らせてほしい…お前は勿論リィン殿にも…子どもが死ぬのを見たくない…その一心でお前の覚悟だけで無くリィン殿の信頼をもわしは踏みにじってしまった…お前にあの岩は斬る事はできない…そう思っていたのに…すまなかった…そしてよく頑張ったな…」

 

 鱗滝は炭治郎を撫で、炭治郎は鱗滝が何故自分にあのような無茶な課題を言い渡したのか、やり方はどうあれ彼なりに自分を思っての行動だったと悟り涙を流した、鱗滝は炭治郎を優しく抱きしめると静かに告げた。

 

「…最終選別に行く事を許可する…だが必ず生きて戻ると約束してくれ…わしも妹もここで待っている…何よりここにいないお前の教官であるリィン殿もお前が生きて帰る事を望んでいる…必ずだ…」

 

 鱗滝は炭治郎の髪を切り終えると戸棚からある物を取り出した、一つは鱗滝自身が彫った厄除の面―錆兎と真菰の二人がしていた狐の面と良く似ているが模様は太陽のような物―に少し大きめの木箱だった。

 

「その木箱の中身はリィン殿からだ、お前が最終選別に向かうその日に渡して欲しいと頼まれたものだ。」

 

 それを聞いた炭治郎は自身が使っている部屋に戻ると蓋を取った、中には何かの包みとリィンからの手紙があり炭治郎はまず手紙を開いた。

 

『炭治郎へ この手紙を読んでいるって事は最後の課題に合格したと言う事だな、まずはおめでとう、直接言いたいけど柱としての仕事が忙しくて言えないと思うからここに記しておく。

 色々言いたい事は有るけど、まず炭治郎なら大丈夫だろうけどこれだけは伝えたい、鱗滝さんを怒らないであげてほしい、あの人はとてもつらい経験を何度もしてきた人だから炭治郎と同じで優しい彼には炭治郎を死なせたくない、そう思ったからこそあんな無茶な課題を出したんだろうと思う…けど気をつけて欲しい、鱗滝さんの弟子で最終選別に向かった子達は義勇以外誰も帰って来れなかった…鱗滝さんの修行はかなり厳しいと言う事実を考えると何か原因があるのは間違いないと思う、炭治郎なら大丈夫だと思いたいけどけして油断しないで欲しい、最終選別の後にまた会いに行くと約束する、その時にまた別の贈り物を渡すから必ず生き残って欲しい、幸運を祈る リィン・シュバルツァー』

 

 炭治郎はリィンの手紙を置くと包みを手に取り開いた、そこに有ったのは以前一度だけリィンが持っているのを見た事が有るよく解らない道具でそれが二つあった、炭治郎はそれに同封された現在で言う所のメモを手に取った。

 

『その道具はわけ合っておれが所持していたアークスと言う道具だ、この国では技術の関係で幾つか使えない機能があるんだけど一番大事な機能、アークスを持った人が一定の距離に二人いて始めて発動する機能は無事だったから渡しておく、何故おれがこんな物を持っているのか今は話す事はできないけど、もしも最終選別の場で本気で信頼できるって思った相手がいたら渡すのも良いと思う…まあ騙されたと思って受け取ってほしい』と書かれており、炭治郎はリィンがなんの理由も無しにこれを残しておくと思えなかった事もあり、その手紙どおり受け取った。

 

―次の日の早朝―

 

 炭治郎は朝早くに先日に準備した荷物を纏め、家から出ると駆け出した。

 

「鱗滝さん!ありがとうございました!錆兎と真菰にもよろしくつたえてください!」

 

 炭治郎はそう伝えすぐに駆け出したが鱗滝は困惑していた。

「…何故だ…何故お前が帰ってこれなかった…死んでしまったあの子たちの名を知っている?」

 

 鱗滝は困惑を隠せずその場に立ち尽くしていた。

 

―藤襲山入り口―

 

「…鱗滝さんが言ったとおりだ…藤の花がこんなに…」

 

 炭治郎は藤襲山に着いたが思ったよりも早く着いた事もあり誰もいなかった、炭治郎は少し考えこむと以前リィンに教わったイメージトレーニングをする事に思い至ると刀を抜いて構えるとすぐに目を閉じ、自身が知る中で最もイメージしやすい強者であるリィンの姿を思い浮かべるとゆっくりと目を開いた本人の姿こそ無いが今の炭次郎の前にはリィンの姿がはっきりと思い起こされ炭治郎は静かに口を開いた。

 

「…お願いします」炭治郎がそう口にするとほぼ同時に想像したリィンも刀を構えそのまま手合わせが始まった。

 

―???視点―

 

「…なんていうか解らないけど…すごい…」

 

 彼が山の入り口に着くなり目にしたのは自分と同じくらいの年齢の狐の面をした少年が刀を手にして型の確認をしていると言う光景で彼の動きはまるで舞のような動きだったが同時に誰もいないのに誰かと稽古をしている、そう言う風に見えた、そして彼は自然ともうすぐ終わると悟った。

 

「行きます…八葉一刀流奥義!」と言う風に言いそれを聞いた彼は疑問符を浮かべた。

 

「(八葉一刀流?聞いた事が無い…)」彼はそう思ったが少年の刀が蒼い炎を纏っているのを幻視し素早い動きで振り下ろされたそれから目が離せなかった、少年は暫くの間動かなかったが刀を鞘に納めると稽古が終わった後の礼としてか誰かに対し「ありがとうございました」と頭を下げた、すると少年は彼に気付き「あ…」と呟くと彼に歩み寄った。

 

「ごめん…おれ一人しかいなかったから型の練習をしていたんだけど…じゃまだったかな?もしそうだったらごめん…」

 

 そう謝った少年に対し彼は少し慌てて「ああいや違うよ、ただなんて言うか…凄いって思ったんだよ…だからつい目が離せなくて…」と返しそれを聞いた少年は少し笑うと「ありがとう」と答え隣に立つと続けた。「おれは竈門炭治郎、炭治郎でいいよ。」

 

 炭治郎と名乗った少年に彼も「あ…おれは我妻善逸…おれの事も善逸でいいよ。」と言うふうに名乗り、それを聞いた炭治郎も「よろしく、善逸」と返した。

 

―三人称視点―

 

 炭治郎と善逸は色々話していたが暫くして互いの師の話になった。

 

「そうか…善逸はそのじっちゃんって呼んでる人に技を習ったんだ…」

 

 炭治郎の言葉を聞いた善逸はどこかバツの悪そうになりながらも頷いた。

 

「うん…けどおれって技も壱の型以外はうまく使えなくて…でもそれでもじっちゃんはおれを見捨てたりしなかったから…だから少しでも期待に答えたいんだよ…炭治郎は?」

 

 炭治郎は自分に二人師匠がいると言うのは珍しいのはわかっていたが善逸が話した事もあり自分も話す事にした。

 

「おれには師匠が二人いるんだ。」と言った炭治郎に善逸は驚いたように聞き返した。

 

「それじゃあ炭治郎は二つの技を使ってるの?」と言う善逸の問いに炭治郎は頷くと、「うん、水の呼吸と八葉一刀流って言う技で鱗滝さんもリィン教官もおれの事情を知っても向き合ってくれたから頑張らないと駄目だって思うんだ…」と言うふうに語った。

 

 善逸は炭治郎の事情が少し気になったがあえて聞かずに「炭治郎はすごいよ本当に…」と答えたが炭治郎は首を横に振ると「いや…おれがうまく使えるのは水の呼吸のほうで八葉は基本の型は使えるけど完全に使いこなせているとは言いにくいし、奥義も蒼炎の太刀は完全に習得できたけどもう一つの終の太刀はまだ実戦では使えないんだ…それにリィン教官は無理を言って休暇を取ってまで指導に来てくださったからちゃんと期待に応えたいんだ…」と言ったが善逸はふと気づいた事を問いかけた。

 

「…そうなんだ…ってあれ?八葉の師匠の事、教官って呼んでるんだ?師範とかならわかるけど…」

 

 それを聞いた炭治郎は「ああ…そのことだけど…リィン教官は異国の方で元々いた国では先生をしていたみたいで最初はおれも師範って呼ぼうと思ったんだけど教官の方が慣れてるって言われて…それからは教官って呼んでるんだよ」と答えた。

 

 善逸は「そっか…」と答え炭治郎の話からリィンと言う人に一度会ってみたいと思っていた。

 

 炭治郎と善逸の話が終わって暫くした頃、他の参加者の姿も見え始め、やがて案内役で双子と思われる二人の少女が姿を見せ、同時に最終選別の説明が始まった。

 

「隊士候補の皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださり、ありがとうございます、この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼共が閉じ込めてあり外にでることはありません」

 

「山の麓から中腹まで鬼共の嫌う藤の花が一年中咲いているからでございます。」

 

「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから鬼共がおります、この中で七日間生き抜くこと」

 

「それが最終選別の合格条件でございます、では行ってらっしゃいませ。」

 

 先ほどの話し合いの際に二人で行動すると決めていた炭治郎は全逸に「行こう、善逸」と声をかけ、善逸も「う…うん」と頷き、後に続いた。

 

 




アークスについてはリィンは教官ですし、万が一アークスに機能不全等が起こった際に使用する予備を持っていてもおかしくないかなと思いそれを炭治郎に託したと言う事にしました、次か次の次の話であの機能を見せられたらなあと思います。
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