鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~ 作:来斗
今までで一番長くなったので少し大変でした。
暫くは漆の軌跡を集中してプレイしたいのでとりあえず最低でも週一回の投稿を維持できるように頑張ります。
「なんでだ!?なんでここに異形の鬼がいるんだ!?」
彼は異形の鬼―手鬼とでも言うべきそれから全力で逃げていた手鬼はニタリと笑うと逃げていた隊士候補に無数の腕を伸ばしたその時だった。
「八葉一刀流二の型―」「雷の呼吸壱の型―」「―疾風!」「霹靂一閃!」
二人分の人影が横切り手鬼の腕を切り落とし、二人の隊士候補―炭治郎と善逸は手鬼を見据えた。
「ああん?」
手鬼は目を細め、まず善逸を見、続けて炭治郎を見るとニタリと笑った。炭治郎はそれに構わず襲われている人の方に目を向けると「ここはおれ達に任せて逃げろ!」と叫び、それを聞いた彼は何度も頷きすぐにその場を離れた。
「!―(イィヤァーーー!!流れで咄嗟に攻撃しちゃったけど絶対に目ぇつけられたぁぁー!!けど炭治郎もあの人も見殺しになんか出来ないし…どうすれば良いんだよォォォ!!)」
…善逸は心の中で叫びまくっていたが…
手鬼はそれに目も向けず炭治郎を見てやはりニタリと笑った。
「来た来た、おれの可愛い狐が…」と言う言葉を聞いた二人は身構えたが手鬼は唐突に炭治郎に問いかけた。
「おい狐小僧、今は明治何年だ?」と言う問いに二人とも驚いたが炭治郎は驚きながらも「!?今は大正だ!」と答えると手鬼は「大正?」と確認するように繰り返したが途端に自身の体を締め付けながら叫びだした。
「アアァァァーー!!年号が!!年号が変わっている!!!まただ!!また!!!おれがこの牢獄にいる間に!!!鱗滝めぇぇ!鱗滝めぇぇぇ!!」
この手鬼の叫びに二人は更なる衝撃を受けた。
「!た…炭治郎!鱗滝って確か!」善逸は叫ぶように炭治郎に問いかけ、炭治郎はすぐに答えつつ考えこんだ。
「ああ!俺の師匠の一人だ!(この鬼は多分この山にいる鬼の中では間違いなく一番強い…ならリィン教官が教えてくれたように善逸と二人で生き残る事を優先する)それと善逸、おれがあの鬼の気を引くからあの鬼から見えないところに隠れてくれ、おれが合図をしたら頼む」
炭治郎はリィンから複数人で戦うときの役割分担や連携の重要さを教えられたこともありこう言った柔軟な考えも出来るようになっていた(最も一対一の際は相変わらずだが…)、その言葉に善逸は頷くと手鬼から死角になる場所まで動くとそこで息を潜めるのを確認しつつ炭治郎は手鬼の気を引き始めた。
「鱗滝さんを知っているのか?」
炭治郎の問いに手鬼はよくぞ聞いてくれたとばかりに答えた。
「ああ…よく知ってる…なにしろオレをここに放り込んだのはあいつだからなぁ…四十七年前あいつがまだ鬼狩りだった頃…今で言う江戸時代…慶応の頃だった」
それを聞いた炭治郎は考えこんだ、鱗滝からはここにいる鬼はそこまで人を食らってはいないものがほとんどだと聞いていた、そうなるとこの鬼はこの場所でそれだけの間生き続けていると言う事になる。炭治郎が考えこんでいるのを見た手鬼はよりニヤニヤ笑いを強めた。
「驚いてるみたいだなぁ…おれはこの中でガキ共をだいたい五十人は食ったなぁ」
炭治郎は五十人と言う人数に対し思考を巡らせこの鬼の強さを測り始めたが鬼は構わず続けた。
「それに…おまえで十四だな…」
「!?なんの話だ」
突然なにかの数を話し出した手鬼に炭治郎は問いかけ、手鬼はあざ笑うように続けた。
「オレが喰った鱗滝の弟子の数だよ、アイツの弟子はみんな殺して喰ってやるって決めてるんだ…特にあの二人は最高だったなあ…珍しい毛の色で口に傷があるガキに…花柄の着物を着た女のガキだ、思ったよりも早かったから苦労させられたな」
それを聞いた炭治郎は衝撃を受けた、この鬼が言う二人のガキが錆兎と真菰の事だと解ったからだった。
「(あの二人が死んでた!?でも確かにおれはあの時二人に会ってるはず、ならあの二人はいったいなんだったんだ?)」
困惑する炭治郎に構わず手鬼は続けた。
「それとその狐の面…鱗滝が彫った面にはアイツがしてた天狗の面と同じ彫り方だからなあ…その面…厄除の面って言ったか?それがオレからすれば目印のようなものだからなぁ…それをつけてたからみんな喰われた…言ってしまえば鱗滝が殺したようなもんだ。」
炭治郎はもはや話を聞くだけで精一杯だった、そして手鬼は楽しそうに語った。
「そういやこれを言った時、女のガキは泣いて怒ってたなぁ最後には完全に冷静じゃなくなって動きがガタガタだったものなぁ…手足を引き千切って―」「もういい…!」
そこまで気化された時点で炭治郎の我慢は限界を迎えた。
「(リィン教官が手紙で警告してた何かはこの鬼だ!)」
炭治郎は手鬼に斬りかかり、手鬼が延ばしてきた腕を切り落したがぎりぎりのところで向かってくる腕に気付き回避したが結果手鬼の腕がかすり面が飛ばされて砕けたのを見て逆に冷静になった炭治郎はすぐに飛びのくと深呼吸した。
「(落ち着け…リィン教官と鱗滝さんの…二人の教えを思い出せ…怒りに囚われそうな時こそ冷静になれ…あの二人の…いや、皆の仇は討つ…善逸も待ってくれてるんだ…隙を見つけるか作るかしろ!)」
炭治郎は刀を納めると目を閉じた、それを見た手鬼はいぶかしんだ。
「なぜ目を閉じた?まあいい…なら大人しく喰われるんだな!」
手鬼は炭治郎に腕を伸ばしてきたが炭治郎は視界を遮断した分正面以外の腕も完全に察知できるようになっていた。
「(残月の…五の型の修行を思い出せ…!)」と言うふうに炭治郎は自分に言い聞かせると手鬼があちこちから放ってきた腕をかわし手鬼が集中力を失ってきた事が解った。
「ウロチョロと…!避けてばかりで何している!」そう叫んだ手鬼は四方八方から炭治郎に腕を伸ばして来た。
「(この数はおれの疾風じゃ無理だ、でも!)善逸!頼んだ!」
炭治郎の叫びに善逸はすぐに動いた。
「(ありがとう信じてくれて…)雷の呼吸壱の型霹靂一閃―」その速さは炭治郎の疾風を圧倒的に超えた物だった。「―六連!」善逸はその勢いを損なうことなく炭治郎が避けきれないと判断した六本の腕全てを切り落した。
「!こ…こいつはあの時消えた!」
手鬼は姿を消してから全く姿を見せなかった善逸を気にも留めていなかった。だがその気にも留めていなかった相手が目にも留まらぬ速さで腕を六本切り落したと言う事実に手鬼も困惑を隠せず、腕を伸ばしたままで固まり、炭治郎はその隙を見逃さなかった。
「(今なら!)八葉一刀流六の型、緋空斬!」
炭治郎は居合いの動きで真空の刃を放ち残る手鬼の腕を切り飛ばした。この技は鬼を殺す事はできないが、こう言った遠距離からの攻撃を防ぐためならば役に立つ技だ。現に炭治郎はこの技を守るために使った。遠距離から自分の腕が切られたと言う事実に手鬼には二度目の困惑が襲っていた。
「な…なにをしたんだこいつは!?」
炭治郎は善逸の隣に立つと静かに口を開いた。
「…善逸…あの鬼を倒す…手伝ってくれるかな?」
炭治郎の今までに無く冷たい言葉と手鬼に善逸は一瞬体を震わせたが頷いた。
「う…うん…いいよ、さっきの話…聞いてたけど…おれもゆ…許せないから!」
そう口にした善逸は震えてこそいたがはっきりとそう告げると構えた。
「…ありがとう…行こう!善逸!」「あ…ああ!行こう、炭治郎!」
アイツを倒す、二人の意思は確かに一つとなっていた。するとそれに反応するかの様に二人が持つアークスが光ると二人を光の線で繋ぎ不思議な感覚を覚えた、二人は突然の事に驚いたが、不思議と悪いものとは感じずむしろ不安が消えていくのを感じた。「こ…これって…炭治郎!?」「分からないけど…もしかして!」「死ねぇ!」「「!」」
二人が戸惑っている間に腕を再生させた手鬼が攻撃してきたが二人はまさに以心伝心と言える動きで腕を回避した。
「何!?」
手鬼は困惑していたが二人には何処か遠い世界のように感じ取れた。
「!善逸!」
炭治郎は善逸を攻撃しようとする地中の腕に匂いで気付くと叫んだ。すると善逸は炭治郎の感じ取ったものに気付き炭治郎が伝えようとしていた腕の匂いがしない地面に飛びのくとその直後に地中から大量の腕が突き出した。
「あ…危なかった…!炭治郎!」
善逸は焦ったが、すぐに炭治郎の周囲に回っていた腕に気付き叫ぶと、炭治郎も安全な場所に飛びのいた。それを見た手鬼は焦っていた。
「なぜ分かるんだ?こいつら…」と言う風に呟く一方二人も驚いていた。
「(わからない…なんでだ?善逸の…)」「(―炭治郎の…)」「「(考えている事がわかる!)」」
二人とも炭治郎は匂い、善逸は音で相手の考えがある程度はわかるもののここまではっきりと相手の考えている事が分かる事は無かった。
「炭治郎!もしかしてアークスが二つ揃って始めて使えるってこの事なんじゃないの?」
善逸の言葉に炭治郎も「多分そうだと思う!」と叫び、攻撃を避けたが善逸はと言うと「って良く考えたらどんな技術使ってんだよ!?ホント何者なのリィン教官!?」あった事も無いリィンに対する困惑を強めていたが向かってきた腕をさばきながら叫んだ。
「あーーー!!もう!この腕多すぎるんだよ!炭治郎!腕はおれがどうにかするから炭治郎は!」
善逸の叫びを聞いた炭治郎も応えた。
「ああ!あいつの頸を斬る!」そう叫ぶと炭治郎は駆け出したがそれを見た善逸は「って!先に腕をどうにかすんだからまずおれが前にでねーとダメじゃねーくぁぁー!!」と叫ぶと慌てて駆け出し炭治郎を追い抜くと炭治郎の行く手を遮っていた腕を一閃した。
「やれ!!炭治郎!!!」善逸はそう叫び、炭治郎も通り抜けざまに「ありがとう、善逸!」そう声をかけたが同時に炭治郎の頭の中に声が響いた。
『なかなかやるじゃねえか…いいぜ、ちょっとだけ力を貸してやるか』
「!(今のは…)」
炭治郎の頭に響いた誰かの声―冨岡義勇の声と似ているが明るい口調の者―が聞こえ、直後に炭治郎の体は蒼い光を纏っていた。
「!なんなんだよその光は!?」
「!?(気のせいじゃないのか?)」
手鬼はそれを纏った炭治郎を見て困惑し、炭治郎も戸惑ったが、体が軽くなり力が漲るのを感じた。
「(いや、今優先するのはこいつの頸を斬る事だ!)」
炭治郎はすぐに思考を切り替えると手鬼の残りの腕をかわしながら近づき最後に地中からの腕は跳んで回避するとそのまま空中で構えた。
「水の呼吸壱の型―」炭治郎の呼吸音とその構えに手鬼は鱗滝の姿を幻視し動きが止まった隙を炭治郎は逃さず捉えた「―水面切り!」炭治郎が放った斬撃は手鬼の頸を捉え、刃を欠けさせること無く頸を斬る事に成功し、そのまま地面に降りると炭治郎は刀を納めそれと同時に彼が纏っていた蒼い光も消えて行った。
「…(今の光は…いや…今は…)」
炭治郎はそのまま死に行く手鬼に向き合い、手鬼は彼の泣きそうな表情を見て驚いたが、何かを思い出したのか炭治郎に手を伸ばし炭治郎はその手を優しく握り返した、それを離れた所から見た善逸は「(…あの鬼…悲しい感じだ…それに泣いてる…そっか、炭治郎は分かってたんだ…鬼がどんな生き物なのか…)」そう心の中で呟くと善逸もゆっくりと炭治郎の隣に立つと炭治郎と同じようにその手を握った。やがて手鬼の体が完全に崩れ去るのを見届けた二人は目を閉じ、炭治郎は静かに口を開いた。
「…成仏してください…この人が次に生まれる時はどうか鬼になりませんように…」
二人は暫く祈るとやがて炭次郎が口を開いた。
「…行こう善逸…水がなくなると危ないから確保できる場所を見つけないと…」
「…うん」
炭治郎の言葉に善逸も頷き返し二人は先へと進んで行った。
炭治郎「みなさんこんばんわ、ようやく主人公らしい活躍が出来ました、主人公の竈門炭治郎です。」
リィン「前回含めて暫くの間は出番は無いけど同じく主人公のリィン・シュバルツァーです。」
炭治郎「第二回解説コーナーでは前回告知した通りゲストがいます、今回のゲストはこの方です!」
善逸「えっと今回のゲストとして呼ばれました、我妻善逸です…」
リィン「初の顔合わせがここで良いのかって思うけど…まあ本編とは関係ない場所だし気にしないでおこうか…」
炭治郎「では今回の解説はどうして原作とは違い善逸が気絶しなかったのか、その理由を推測を交えて解説しようと思います。」
善逸「え?それ解説するの?と言うかおれいつも気絶してたの?」
リィン「まず原作で善逸が気絶してる時っていつも一人…正確には善逸以外戦える人がいない状況って言うのがほとんどだと思ったんだ」
炭治郎「詳しくは話しませんけど確かに善逸が気絶するときはそんな感じだったかもしれませんね」
善逸「気絶したまま戦ってたんだ…おれ…」
リィン「それで今回の場合だけど…今回は一人で戦ったわけじゃないって言うのが大きいと思うんだ」
炭治郎「成る程…それからもしかしてリンクシステム?も関係あるんですか?」
善逸「おれの質問は聞かないのね…」
リィン「あの時の炭治郎と善逸は意識レベルで繋がってたし、善逸も一人で戦っているわけじゃないって強く認識してたからじゃないかと思うんだけど…そこはどうなんだ?」
善逸「えっ!?おれに聞いてるの!?えっと…そうだね…確かに一人で戦ってるわけじゃないって思ってはいたけど…」
リィン「つまりそう感じた結果、緊張が和らいだから実力を発揮できたんじゃないかな?」
炭治郎「成る程!よく分かりました!ちなみに気絶した後に起動したらどうなるんですか?」
リィン「あー…多分、気絶したまま繋がる事になるな…善逸の性格が変わったわけじゃないからな(苦笑)」
善逸「…なんだか腑に落ちないけどそうなるんだ…」
炭治郎「それでは善逸が納得した所で今回はここまで!」
リィン「次回もお楽しみに」
善逸「えっと…お…お楽しみに…(これでいいのかな?)」