鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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今日は某人気ゲームの情報公開が始まる前に投稿できてよかったです、今回炭治郎と『彼』が初めて言葉を交わすことになります。


二人組みの鬼

 

 炭治郎は攻撃が収まった所で破壊された壁から外に目をやり毬を持った女の鬼―朱紗丸の姿を見据えた。

 

「(毬でこれだけの威力が!…一つだけならどうにかなるかもしれないけど同時にいくつも投げられたら厳しいぞ…)」

 

 炭治郎の分析を余所に朱紗丸は「キャハハ、見つけた、見つけた」と毬を突きながら言い、まるで遊びを楽しむような笑顔を浮かべると毬を全力で投擲した、それは縦横無尽に跳ね回り、炭治郎は禰豆子を抱えながらもかわし、愈史郎もかわしたが突然一つの毬がおかしな挙動を見せ何も無い筈の場所で跳ね返るような動きを見せ、愈史郎の頭を吹き飛ばした。

 

「!愈史郎さん!(このままだと奥の人が危ない!)禰豆子!奥で眠っている人を安全な所へ大急ぎで運んでくれ!」

 

 炭治郎の支持を聞いた禰豆子はすぐに駆け出し、炭治郎は朱紗丸と向き合った。

 

「(無惨を除けば今まで遭った鬼の中で一番濃い匂いだ…明らかに格が違う…油断するな…相手の一挙一動を観察しろ!)」

 

 朱紗丸は炭治郎に気付くと毬を突きながら「耳に花札と似た飾りを付けた鬼狩り…お前がそのようじゃのう…」と言い、自分を狙っている事に気付いた炭治郎は珠世にうながした。

 

「珠世さん!あいつの狙いは俺です!すぐに身を隠せる場所まで下がってください!」

 

 炭治郎の言葉を聞いた珠世は静かに口を開いた。

 

「…心配してくださりありがとうございます…ですが私達の事は大丈夫です…鬼ですから…」

 

 朱紗丸は再び毬を投げ、炭治郎は刀を構えつつ思考を巡らせた。

 

「(あの毬はよけたとしてもすぐに曲がるから残月でよけるのは無理だ…なら速い攻撃で威力を最小限まで落として止める!)水の呼吸七の型!雫波紋突き・曲!」

 

 炭治郎は水の呼吸の中で最も速い技である七の型で毬を止め、朱紗丸はそれを見て考えこんだ。

 

「(考えおったな…曲線で突いて毬の威力を止めたか…じゃが)甘いわ!」

 

 突如完全に止まったはずの毬が動きだし炭治郎にぶつかって来た。

 

「(!?どうして曲がったんだ?愈史郎さんの時も明らかに妙な曲がり方だった…これはまさか!)」

 

 炭治郎が思考を巡らせているのを余所に愈史郎は自身の頭部をある程度再生させ自身の血鬼術の弱点について珠世に話していたのを聞き炭治郎は考えこんだ。

 

「(成る程…この場所が隠されていたのはやっぱり愈史郎さんの血鬼術だったのか…)」

 

 愈史郎は殺意を漲らせながら叫んだ。

 

「珠世様!おれは貴女と二人で過ごす時を邪魔する者が大嫌いだ!絶対に許さない!」

 

 そう叫んだ愈史郎をあざ笑うように朱紗丸は口を開いた。

 

「キャハハハ何を言うておるのかはわからぬが、なかなか面白い!本気で相手をしてやろう!」

 

 そう言い朱紗丸は着物から腕だけを自由にすると腕を六つに増やし、同時に毬も六つに増やした。

 

「十二鬼月である私の本気を見た上で死ねる事を光栄に思うがいい!」

 

 それを聞いた炭治郎は驚きの表情になった。

 

「(十二鬼月!?コイツがその一人!…いや…でも何か違和感が…リィン教官の話だと十二鬼月には他にもわかりやすい特徴があるはず…確かそれは…」

 

 炭治郎は思考を巡らせていたが朱紗丸は六つの毬を一斉に投げ、炭治郎はそれに対応せざるを得なくなった。

 

「!(考えるのは後だ!)」

 

 炭治郎は飛んでくる毬を斬って威力を殺したがそれでも向かってくるのを見て考えこんだ。

 

「(斬ってもぶつかってくるのはそう言う血鬼術だからだろうけど…微かだけどもう一つ匂いがある、位置も匂いでわかった、けど―)」と言う風に思考を巡らせる炭治郎を余所に愈史郎に当たったときと同じような軌道で毬が曲がった。

 

「(やっぱりだ、また曲がった!この感じ…この鬼の血鬼術じゃない!多分二人目の鬼の血鬼術だ!)」

 

 炭治郎は珠世と愈史郎を守りながら戦うにはどうすればいいか考えこんだがそれを見て愈史郎は苛立ちながらも考えこんだ。

 

「(あいつはバカなのか?鬼であるおれ達を助けるとは…守られてばかりなのは尺に触る…そんな義理も恩も無いが見捨てたらシュバルツァーの奴に何を言われるか…仕方ない!)おい!竈門炭治郎!その毬は矢印で操られている!俺の視覚を貸してやるからまずは矢印だけでもどうにかしろ!」

 

 愈史郎はそう叫ぶと自身の血鬼術を込めた札に待ち針のような針を刺した物を炭治郎の額に投げつけ、それが当てられた炭治郎の目にも矢印が目に入った炭治郎は叫んだ。

 

「愈史郎さん!ありがとうございます!おれにも見えました!」

 

 その直後に戻って来た禰豆子がもう一人の鬼が潜む木の近くにいることに気付いた炭治郎は叫んだ。

 

「禰豆子!その木の上にもう一人の鬼がいる!」

 

 炭治郎の支持を聞いた禰豆子は手の目と言う妖怪と似た特徴を持った鬼―矢琶羽をけり落とし、それと同時に操作する者がいなくなった毬が投げられ、炭治郎はすぐに動いた。

 

「八葉一刀流二の型―」炭治郎は向かってくる毬を全て斬り捨て「―疾風!」その速さを維持したまま朱紗丸の腕を切り落とすと通り抜けざまに朱紗丸の目を見て違和感の正体に気付いた。

 

「!(そう言う事か!)今わかった!お前は十二鬼月じゃない!」

 

 炭治郎の叫びに朱紗丸は一瞬動揺し、炭治郎はそのまま続けた。

 

「リィン教官の話しだと、十二鬼月は下弦の鬼と上弦の鬼がいる!下弦ならどちらかの眼に下弦の文字と壱から陸のうち一つの数字が!上弦だったら片方の目に上弦の文字、もう片方の目に数字が刻まれてる!けどお前にはそれが無い!(それでもこの強さだから十二鬼月の候補ではあるはずだ…)」

 

 炭治郎の指摘に動揺した朱紗丸は攻撃を止めたが矢琶羽がそれを補うように血鬼術を発動し朱紗丸の頸を斬ろうとした炭治郎を引き寄せて転ばせたが炭治郎はすぐに受身を取り立ち上がると矢琶羽と向き合った。

 

「(くっ!まずはあの矢印をどうにかしないとだめか!…それにしても申し訳ないけどあの目気持ち悪いな!妖怪じゃあるまいし!)」

 

 炭治郎が矢琶羽と向き合ったのを見た愈史朗はすぐに声をかけた。

 

「竈門炭治郎!お前はその手の目みたいな鬼をやれ!毬の鬼はおれ達と妹が引き受ける!」

 

「!わかりました!(手の目ってなんだ?いやそれは後だ!)」

 

 炭治郎は矢琶羽に向かって斬りかかろうとしたが彼は血鬼術で炭治郎の攻撃のタイミングを逸らすと言う荒業で炭治郎の攻撃を防いでいた。

 

「(矢印が見えるおかげで致命的な攻撃は避けれてるけどどうすればいい?あの矢印を全部よけた上でアイツを倒すには…!あの技なら攻撃をよけた上で離れた所からアイツの腕を切れる!でもやれるか?いやあの技の型は覚えてる!リィン教官に見せてもらったんだ、やるしかない!)」そう言いながら炭治郎は疾風の構えに入り、リィンが見せたあの技を正確にイメージした。

 

「八葉一刀流二の型―」炭治郎は目を閉じ集中していたが矢琶羽はすぐに構えた。

 

「薄汚いだけでなく頭も悪いか…その技は既に見たぞ!」

 

 矢琶羽はそう言うと血鬼術を発動し無数の矢印が向かったが炭治郎は縦横無尽に動き、矢琶羽を動揺させることに集中して動き、矢琶羽がいらいらしだしたのを見逃さず矢印の密度が下がった場所を見つけるとそこを瞬時に駆け抜け、背後を取ると構えた「(捉えた!)秘技!裏―「遅い!」―なに!?うあっ!」炭治郎は見様見真似の裏疾風で矢琶羽の頸を斬ろうとしたが最後の一撃に隙があり、矢琶羽の血鬼術で向こう側の壁まで飛ばされ、続けざまに木や壁にぶつけられたと思うと高く飛ばされ、高所から落とされたが炭治郎はすぐに対応した。

 

「(見様見真似の裏疾風じゃむりか!落ちる直前に技を使って威力を和らげて少しでも衝撃を減らせ!)水の呼吸捌の型!滝壺!」

 

 炭治郎は滝壺を放った直後に地面を転がる事でどうにかダメージを最小限に押さえ、それを見た矢琶羽は「ほう…」と呟いた。

 

「成る程、技術が伴っていないだけで頭は回るか…少しだけ訂正しよう、お前は薄汚いがわしが思ったほど頭は悪くないか…」

 

「(うかつだった…掌にも目がある時点で後ろも見えるって事に気付くべきだったか…)」

 

 炭治郎は自身の失敗の理由に気付き、立ち上がったがそのまま考えこんだ。

 

「(けどどうする?緋空斬で腕を切り落とすのは無理だ!あいつの血鬼術は掌の目を閉じるだけで発動する!その時点で防ぐのは不可能だと思った方がいい…どうする?どうすればいい?)」

 

 炭治郎は思考を巡らせていたその時だった炭治郎は突然世界の時間の流れが止まったように感じた。

 

「!な…なにが起こってるんだ?」

 

 炭治郎以外全てのモノの動きが止まっており、炭治郎は困惑した。

 

「血鬼術か?いや、でも鬼の匂いはしないし、血鬼術だとしたらおれの動きを止めないで鬼の動きを止めるのはおかしいし…」

 

 炭治郎が様々な思考を巡らせていた時だった。

 

「…あー考え事してるところ悪いんだがこっち見てくれねーか?」と言う遠慮がちな声が聞こえ、炭治郎は勢い良くそちらを見た、そこにいたのはバンダナに銀髪の見覚えが無い青年で炭治郎は困惑したが敵意は感じず考えこんだ。

 

「(敵意は感じないけど…だれなんだ?あれ?この声…)あなたはもしかしてあの時…最終選別の時の?」

 

 炭治郎の言葉を聞いた彼は人の良さそうな、それでいて抜け目の無さを感じさせる笑みを浮かべると答えた。

 

「良くわかってんじゃねーか…こうして話すのは初めてだな竈門炭治郎、おれのことはそうだな…しゃあねえ他には特に思いうかばねーから《(シー)》、とでも呼んでくれ、さん付けはいらねーからそこんとこ忘れないでくれよ」

 

 《C》と名乗った男に対し炭治郎は戸惑ったが特に悪意を感じなかったこともありすぐに答えた。

 

「し…《C》…ですか?あ…えっと…でしたらおれの事も炭治郎と呼んでください、よろしくお願いします…」

 

 炭治郎もそう名乗ったがすぐにあることに気づき、《C》に詰め寄った。

 

「待ってください!《C》!最終選別(あの時)の声が彼方の物ならあの時使ってくれた力をもう一度俺に貸してくれませんか!?」

 

 炭治郎は最終選別の時の事を思い出しそう言ったが《C》は慌てて静止した。

 

「待て待て!落ち着けよ!まったく…こう言う強引なとこ、少しだけお前の教官と似てるぜ?わりーけど今は無理だ…あの時は短い間だったし、お前さんもほとんど万全な状態だったから大丈夫だったけど今のお前さんの体はダメージが蓄積しすぎてっから無理なんだ…そんな状態であの力を使っちまったら最悪死ぬし、良くて暫く動けなくなっちまう、ついでに言うと今のお前さんはまだ未熟だから、今使えたとしても長くて二分が限界だろうからそんなんで実戦はまず無理だぜ?」と彼は炭治郎を根気強く説得し、ようやく炭治郎は折れた。

 

「…でしたらおれはどうすれば…」

 

 そうぼやいた炭治郎に《C》はニッと笑うと続けた。

 

「…簡単な事だぜ?奴の血鬼術を防げねーなら逆に利用しちまえばいいのさ、あの矢印…うまく使ってみな?」

 

 《C》はいたずらっ子のような笑みを見せると「頑張れよ」と言いながら姿を消し、途端に炭治郎以外の『モノ』が再び動き出し、炭治郎は思考を巡らせた。

 

「(相手の血鬼術(ちから)を利用する…あの矢印を使う…それなら機会を見極めろ、《C》の言葉を無駄にするな!)」

 

 炭治郎は自身を鼓舞し、再び矢琶羽を見据えた。

 




きりが良いので今回はここまで、次回もできるだけ早く投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします。
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