鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~ 作:来斗
今回は炭治郎と善逸の再会、原作とは違ってこの時点で互いの事をそれなりに知っている二人のやり取りはいかに、お楽しみください。
炭治郎は自分のよく知る人物の余りにも情けない姿になんとも言えない気分になり、彼としては珍しく「(ものすごく他人の振りがしたい…)」と言う考えが頭の片隅に現れてしまっていたが、知り合いのせいで困っている人がいる以上、そんな事をする気はなかった、そしてそんな炭治郎の考えを知ってか知らずか善逸の鎹鴉ならぬ鎹雀のチュン太郎―実際はうこぎと言う名前らしい―が炭治郎の存在に気付くとすぐに炭治郎の傍に来ると善逸をどうにかして欲しいとチュンチュン鳴きながら訴え、彼の考えを察した炭治郎は「わかった…任せてくれ…おれとしても手伝うって言ってくれた人のあんな姿は見たくないから…」と答えると相変わらず「たのむから助けてくれ!!結婚してくれ!!」と喚く善逸の背後に立つと善逸の羽織を掴み、「いい加減にしろ善逸!!こんな道の真ん中で嫌がっている子にすがりつく奴があるか!!そして雀とついでにおれの事も困らせるな!!」と言う風に怒鳴り、善逸は「急に誰だよ!?と言うかなんでおれの名前知ってんの!?」と叫んだが、相手が炭治郎だとわかると「あー!炭治郎ぉぉぉ…会いたかったよぉぉぉ」と泣きながら手を伸ばしてきたが炭治郎は躊躇い無く空いてるほうの手で善逸を引っ叩いた。
「いやいきなりなにすんの!?じっちゃんにだって叩かれた事は…割とあるけど!友達に叩かれたのは初めてだしなんならその友達って言える相手も炭治郎が初めてだよ!?」いきなり叩かれた善逸はなんだか悲しくなる事実を交えながらそう突っ込み、炭治郎はすぐに怒鳴った。
「はっきり言わせて貰うぞ善逸!おれはお前なら信頼できるって思ってアークスを渡したんだぞ!それなのに信頼した人と再会してすぐにあんな情けない姿を見せられたおれはどうすればいいんだよ!リィン教官にも申し訳ないしおれは自分の判断が合ってるのかわからなくなったんだからな!?」
半ば八つ当たりの様にも聞こえる言い回しだが、実際炭治郎はあんな行動を取っていた善逸にどう接すればいいのかわからなかったため、こんな言動になっており、それを聞いた善逸も「そうだよね!なんかごめん!」と即座に謝った、余りにも唐突な展開に善逸にすがりつかれていた少女―ついでに天王寺も―はポカーンという擬音が聞こえてきそうな表情になっていたが炭治郎はすぐに「おれの友人がご迷惑をかけました、このバカはおれが引き取るので貴女はすぐにでも家に帰ってください」と言う風に返し、少女も、「あ、ありがとうございます…」と頭を下げたが、それを見た善逸は「いや、ちょっと待ってよ!?」と叫び、それを聞いた二人が善逸に目を向けたところで善逸は再び叫びだした。
「聞いてたよね!?その子はおれと結婚するって決まってるんだよ!おれのこと好き何だか―」「いいかげんにしてください!」『バシッ!』「―らっ!」その少女は怒りの叫びと共に善逸に痛烈なビンタを食らわせるとそのままの勢いで千手観音を髣髴とさせる残像が見えるほどの速さで善逸を叩きまくり、善逸は泣きそうになり、流石にやり過ぎと感じた炭治郎は「気持ちはなんとなくわかりますけど落ち着いて」と言いながら引き離したが、案の定と言うべきか善逸は大泣きしていた、それに構わず、その少女は怒りの声を上げた。
「だれもあなたの事を好きだなんて言ってません!!道端で蹲っていたのを見てもしも具合が悪かったら大変だと思ったから声をかけただけです!!」それを聞いた善逸は明らかに驚いた表情になり、「ええ!?おれのことが好きだから心配で声をかけてくれたんじゃないの!?」と叫んだが、彼女は当然怒鳴り返した。
「心配はしていましたがわたしには婚約者がいますのでそれこそ絶対ありえませんし、仮にいなかったとしてもあなたみたいな情けない人と結婚なんか死んでもいやです!それだけ元気なら大丈夫ですね!さようなら!!」
それを聞いた善逸は「いやたのむから待って!」と叫んで追いかけようとしたが「本当にいい加減にしろ!!」と叫んだ炭治郎から全力で手加減された破甲拳をくらわされ、善逸は悶絶して蹲り痛みに呻きながらも炭治郎を見て「炭治郎!おれ達友達だろ!?なのに何で邪魔するんだよ!」と叫んだが炭治郎は呆れを通り越して哀れみすら感じながら善逸を見やり、それを見た善逸は叫びだした。
「止めてくれないその顔!?たのむからそんな別の生き物を見るような目で見ないでくれよ!!そもそも最終選別の時はなんであんなに上手く動けたのかさっぱりわからないんだよ!!あれ以来どうやってもまともに戦えなかったからおれも早く炭治郎に会いたかったんだよぉぉーー!」
善逸は余りにも叫びすぎた事で疲れたのかぜぇぜぇ息をしだし、それを見た炭治郎は一周回って冷静になり「えっと…まあ経緯はどうあれ…また会えてよかったよ善逸」炭治郎は善逸にそう声をかけ、それを聞いた善逸も冷静になったのか「あ…うん…おれも嬉しいよ炭治郎…」と答え、それから二人は一緒に歩いていたが、それから暫くして炭治郎は善逸に言い聞かせた。
「善逸の逃げたいって気持ちもわかるけど雀を困らせるのはダメだよ」
炭治郎から渡されたおにぎりを食べていた善逸だが、その言葉を聞いたとたん固まった。
「いやまって、今雀が困ってるって言ったの?なんでわかるの?」
困惑した善逸はそう聞いたが炭治郎はすぐに「いや善逸がすぐに騒いで仕事に行こうとしないし今回もだけどしょっちゅう女の子にちょっかい出すしついでに夜はイビキもうるさくて困ってるって言ってるぞ」とチュン太郎を指しながら代弁し、チュン太郎も合ってると言うように「チュン」と頷きながら鳴き、善逸は「言ってんの!?と言うか鳥の言葉がわかるの!?」と叫び、炭治郎はすぐに頷いたが善逸は「炭治郎がそんな奴じゃないのはわかるよ!?けどそれは流石に嘘だろふざけんなよ!?」と叫んだがそれを狙ったように「カァァ!!駆ケ足!!駆ケ足!!炭治郎モ善逸モ急ゲ!!共ニ向カエ!!次ノ場所マデ!!」と二人の上空を旋回していた鎹烏がけたたましく叫び、それを見た善逸は「ギャーー!!カラスが喋ってる!!化けガラスだーー!!」と叫びながら驚きの余り転倒した。
ドタバタ劇と言ってもいい様子だったがしばらくして再び落ち着きを取り戻した善逸は炭治郎が背負っている箱を見ると遠慮がちに口を開いた。「…ねえ炭治郎、もしかしてだけどその箱の中にいるのって…」そう言う風に聞いてきた善逸の問いに炭治郎は頷くと答えた。
「ああ…妹の禰豆子だよ…今は明るいから出てこれないけど、夜になったら善逸にも紹介するからその為にも頑張って任務をおれ達二人で終わらせよう」
炭治郎の言葉を聞いた善逸は「うん…」と頷き、その後二人は森の中へと向かって行った。
次回は遂に鼓屋敷編です原作でのもう一人の仲間である彼の登場まで行けたらなあと思います。