鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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今回は原作と変更点が少ない代わりに少しネタに走りました。


謎の男と自覚無き強者

 

「(なんなんだあの男は?猪の被り物に…二本の日輪刀を持ってる!!)」

 

 炭治郎の困惑を余所にその男は刃こぼれして鋸のようになった日輪刀を構えながら高らかに叫んだ。

 

「さあ化け物!!屍を晒しておれがより強くなり高みへ行くための踏み台となれ!!」

 

 謎の男は響凱へと挑みかかったが響凱はただ「腹立たしい…腹立たしい…」とだけ呟くと『ポン』と左肩の鼓を叩き、三人がいる部屋が再び回転し、炭治郎はてる子の方に顔を向けると「どこでも良いから家具に掴まるんだ!」と叫ぶと自身は響凱に目を向けようとしたが、謎の男が炭治郎を足場にして響凱に飛び掛っていったためできず、それを見た炭治郎は「そいつは異能の鬼だ!!一人で戦うのはよせ!!」と叫び共闘を促したが、響凱は連続で鼓を叩き、部屋が回転し結果的に元の状態に戻ったが謎の男は自身が降りた畳にてる子がいる事を気にも留めずにてる子を踏みつけながら着地すると高笑いを上げた。

 

「アハハハハハハ!!まさか部屋が回るとは思わなかったぜ!!面白いぜ、面白いぜぇ!!」

 

 男はそう叫んだが、炭治郎はすぐに懐に駆け込むと「何を考えてるんだお前は!」と叫ぶと男を投げ飛ばし、男は一瞬面食らったが、すぐに体制を立て直すと見事に着地すると「なんだよテメェ…」と炭治郎を睨みつけ、炭治郎は自身にしがみついてきたてる子をかばいつつ「俺だけならまだ良いけど、こんなに小さい子を踏みつけるなんてどういうつもりだ!!」と叫び、謎の男をキッと睨みつけたがその男は被り物の下でニヤリと笑みを浮かべると再び高笑いを上げた。

 

「アハハハハハハハハ!!いいね、いいね!!テメェ、なかなかやるじゃねえか!!人間に投げ飛ばされたのははじめてだぜ!!」

 

 彼はそう叫ぶと響凱には目もくれずに炭治郎に襲い掛かり、それを見た炭治郎は困惑した。

 

「!?(なぜおれに向かって来るんだ!?この男、鬼殺隊じゃないのか!?)」

 

 炭治郎はてる子を抱えたままで応戦するわけにもいかず咄嗟に彼が振るってきた斬撃を避けた。

 

「(太刀筋は力任せだけど動きが早い!それもリィン教官と鱗滝さんの話だと二刀流を使いこなすとなるとかなりの技術がいるはず!それに感じた違和感はおそらくこの男が人間よりも獣に近いからだ!だとすると何をしてくるかわからない!)」

 

 炭治郎はそう思考を巡らせたが、男はお構いなしに叫んだ。

 

「おれの刀は痛いぜ!!お前らが使うような刀じゃねぇからよォ千切り裂くような切れ味が自慢なのさ!!」

 

 炭治郎は男の攻撃を避けつつ「なにをやっているんだ!!まずは鬼をどうにかするべきだろう!!」と叫んだが男は「知るか!!まずは俺と戦え!!」と叫び、炭治郎に襲い掛かろうとした時だった「虫め…消えろ…死ね」と響凱は呟きながらこれまで一度も叩かなかった胸の鼓を叩き、炭治郎と男は殆ど直感的に飛びのくと先ほどまでいた場所に巨大な爪痕のような傷が刻まれていた、それを見た炭治郎は唖然とし、男はそれを見てもなお「いいね、いいね!アハハハハ!」と闘志を漲らせていた、響凱は再び鼓を叩き、男がいた場所を狙って斬撃を発生させ、それに続いて鼓を叩き部屋を何度か回転させ、男を部屋から放り出したが炭治郎は響凱がどの鼓を叩いたかを記憶していたが響凱が鼓を叩いていない(・・・・・・)のに鼓の音が三回響き、再び部屋が変わった。

 

「(また部屋が変わった!!でもどうしてだ?あの場所から離れられたのは正直ありがたいけどあの鬼は鼓を叩いていなかったはず…あるいはあの鬼とは別に鼓が有って誰かが叩いたのか?だとするとなんのために―!血の匂いがする…)」

 

 炭治郎はてる子に「おれの後ろに隠れているんだよ」と声をかけ、てる子が「うん…」と頷いたのを確認すると慎重に廊下を覗いたが、炭治郎は血の匂いの原因を見つけ、思わず目を逸らした。

 

「!!(また人が食い散らかされて…こんな事がもう何度も…)」

 

 炭治郎の様子に気付いたてる子は「どうしたの?」と心配そうに聞いたが炭治郎はすぐに「大丈夫だよ、この近くに鬼はいないから…さぁ向こうへ行こう」と声をかけ、てる子に死体を見せないように逆方向へ向かう途中で炭治郎はこれまでと違う匂いを捉えた。

 

「!(この匂いは…人間の匂いだけど今までとは違う奇妙な感じだ…独特な感じで…出血の量も少ないみたいだ…)」

 

 炭治郎はてる子を見て静かにと示し、てる子も頷き、それを見た炭治郎は引き戸を開けるとその向こうにいた少年は反射的に抱えていた鼓を叩こうとした。

 

―一方その頃…―

 

 善逸は正一の手を引きながら屋敷の縁側のような構造の通路を歩いていたが、その正一が「すみません…善逸さん…」と声をかけたところで善逸は「ヒィ!」と悲鳴を上げ、正一にすがりついた。

 

「ねえ声かけてくれるのは良いけどまず合図してくれよ、口から心臓出るかと思ったじゃん!もしそうなったらキミ人殺しだからね?わかってるよね?」

 

 善逸は早口でそう言い、それを聞いた正一はあまりの勢いに「す…すみません…」と謝罪したが正一は善逸に対して「ただ…善逸さんあまりにも震えすぎで怖がってるのがいやと言うほど伝わってくるので…そのおれも不安になってくるので…」と伝えると善逸は大声で「そうだよね!なんかごめん!!」と何処かで聞いたような謝罪をし「とにかく早く炭治郎と合流するよ!いつ鬼が出てくるかわからないし、まずは君を避難させ…て…か…ら…」そう言ったが縁の下から現れたそれ―蛇の様に長い舌を持った鬼を見たじょじょに声が小さくなり、「ギャー!だから言ったじゃなーい!!」と叫ぶとすぐ正一を抱えて走り出した。

 

「アーーーーッ(汚い高温)頼むから来ないでェ!!マジでやめてーー!!」

 

 善逸は走りながらさらに「おおお美味しくない!!真面目な話間違いなく美味しくないよおれ!!この子もこの子で痩せてるから絶対に食べるとこも少なくて不味いから!!」と叫んだが鬼は「そうかぁ?喰ってみねえとわからねえだろぉ?」と言いながら舌をものすごい勢いで延ばして攻撃してきたがその攻撃は善逸には当たらず、近くに有った水瓶を真っ二つにし、それを見た善逸は「ギャーーーー!!」と悲鳴を上げた。

 

「なんなのその威力!?水瓶が真っ二つって舌が出して良い威力じゃないでしょ!?普通に考えてありえないんですけど!!」

 

 善逸は縁側のような廊下の部屋の一つに引き戸もろとも倒れこみながら、入ったが恐怖で動けなくなり、正一は慌てて善逸を助け起こそうとした。

 

「善逸さん!!立ってください!!」正一は善逸の手を引きながらそう叫んだが善逸は「ご…ごめん…あ…足が震えすぎてたてなぃぃぃぃ」そう答え泣きながらも覚悟を決めた善逸は「もういいよぉぉおれの事はぁぁどんな形でも君だけは死なせたくないから早く逃げてェェ…」そう言い正一は自分がこんな状態にも関わらずなんだかんだ自分を助けようとしている善逸に対し、「そんな事できませんよ!」と叫び、善逸はその言葉に胸を打たれた。

 

「(こんなに怯えた音なのにそれなのに逃げようとしないなんて…おれがやらなきゃ守ってあげなきゃダメだろ!享年一桁とかダメだろ!でもどうしたら…誰か教えてぇぇ)」

 

 善逸の中で恐怖が極限に達した時だった、善逸は頭の中に修行の日々に関する―『存在しない記憶』を幻視した。

 

―善逸の(存在しない)記憶―

 

 ある日の昼間、善逸は相変わらず修行をしていたが彼の師である桑島慈悟郎が姿を見せ「善逸…お前に客じゃ」と声をかけ、それを聞いた善逸は「おれにお客さん?誰なのそれ?」と返した、桑島の後ろから姿を見せたのは―某宗教で語られる天使が着ているような服を着た謎の外国人だった、その人物は『パアアアア』と言う擬音が聞こえてきそうな程の後光を放ち、善逸と向き合った。

 

「はじめまして善逸…私はリィン・シュバルツァー、キミの技を見に来た者だ」善逸はリィンに対し『ナニカ』底知れない物を感じ、すぐに技を見てもらい、善逸の技を見たリィンは「成る程…」と頷き、すぐに口を開いた。

 

「私から見た感覚だが…キミはけして役立たず等ではないよ、キミは居合いに特化している、すなわちそれを徹底的に極めるべきだろう…キミは技の数から見て最強とはなれないだろうけど…最速は目指せるだろう」

 

 善逸はリィンの言葉を聞き「最強は無理でも…最速なら…」と繰り返し、リィンは善逸に歩み寄ると優しく続けた。

 

「いつか本物の私と出会ったときに本物の私から聞くといい…まずはこの試練を乗り越えるといい、大丈夫だ、キミはキミ自身が思うよりもずっと強い」

 

 そしてリィン(妄想)の言葉を最後に善逸の『存在しない記憶』は終わった。

 

―現実―

 

 善逸が現実に戻った直後にその鬼は縁側に上がり首を傾げながら「ぐひひっお前の脳を耳からぢゅるりと啜ってやればさぞ上手いだろうナァ」と呟いた直後、善逸のなかで恐怖と責任感が限界を迎えはじけ、『パタリ』と倒れ、それを見た正一は「ぜ…善逸さん!?いったいどうし!」たんですかとは続かなかった、何故なら善逸はぐっすり眠っており、その姿に正一は困惑した。

 

「ぐひゃははは!なんだその鬼狩りは!情けねーな!死ね!」

 

 鬼は二人をしとめようと舌を伸ばして来たのを見た正一は悲鳴を上げ、「起きてよ!善逸さん!!」と叫んだときだった―『ブツン!』―という音が響き、直後その鬼の舌先が『ボトリ』と言う音を立てて床に落ちその鬼は「ぐぎゃっ!」と悲鳴を上げた正一の目の前には彼自身をかばうように立った善逸の姿があり、鬼は舌を再生させつつもこれまでの善逸とは明らかに違う気配に恐怖して動けず、善逸はそのまま居合いの構えに入った。

 

「雷の呼吸壱の型―霹靂一閃」

 

 直後―ドン―とまるで雷鳴のような音が響き、舌を持つ鬼はその一瞬で舌と頸を斬られ気づいた時には既に頸が床に落ち、善逸はその音で目を覚ましたが自分の足にぶつかった鬼の頸を目にし、「ギャーーーッ!!なんでっ!?なんで死んでるの!?」と叫びそのまま「なんで急に死んでるの!?助かったのは良かったけどホントなんなの!?」と続けたが正一を目にし善逸は「正一くん…もしかして…」と続けるとそのまますがり付き「キミだったんだね!助かったよ!こんな強いなら最初から戦ってよ~」と泣きついたが、当の正一は困惑し、様々な事が重なったことも理由の一つだが何よりも善逸ほど頭の悪い人間と会ったことがなかった、そして彼は善逸に「…行きましょうか」とだけ声をかけ、考える事をやめた。

 

 一方屋敷の別の場所では例の謎の男が屋敷の中を全力疾走していた。

 

「クソ!!また別の場所か!三日前からずっとだ!こんな狭っくるしい中を進むのはおれは得意じゃねえんだよ!」

 

 彼が曲がり角に差し掛かったとき、巨大な腕が襲い掛かってきたが彼はとっさにかわすとそこから大柄な鬼が現れ、それを見た彼はニヤリと笑い、その鬼は「…不意を突いたつもりだったが避けたか…面白い」と呟き、彼はその鬼に「的がでかいならその分切り甲斐があるぜ!!」と叫び、彼は鬼の腕を切り落として隙を生じさせるとすぐに技の構えに入った。

 

「終わりだ!屍を晒せ!そして踏み台になれ!!獣の呼吸参の牙!喰い裂き!」

 

 彼は交差させた刀を振りぬいて頸を落とすとさらに身体を踏みつけにし、さらに奥に進むと「猪突猛進!猪突猛進!!」と繰り返しながら駆け抜けて行った。

 

 そして炭治郎とも善逸とも謎の男からも離れた場所で屋敷の主である響凱はどこかうわ言の様に「稀血…稀血…」と繰り返しながら廊下を歩き、「稀血の人間をもっと探して喰らうのだそうしたら小生は―」そう口にした直後、響凱の裏返った瞳が顕になった「―また十二鬼月に戻れる…」その右目にはバツ印のような傷が付き、その傷の下には十二鬼月の下弦の鬼の印である『下陸』の文字があった。

 




またきり方がわからなくなって長くなりました…とりあえず善逸の存在しない記憶に登場したリィン(妄想)は特徴は捉えていますが絶妙に似ていないと言うイメージです、口調が安定しないのも妄想だからと言うのが大きいです。

…イラストも書いてみたいですが自分は悪い意味での画伯なので止めた方がいいんですよね…鬼殺隊の服を着たリィンとか書いてみたいと思った事も有りますが…(遠い目)
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