鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~ 作:来斗
太陽が赤く染まり始めた頃、犠牲者の埋葬も終わり、九重は一通り弔いを済ませると立ち上がり炭治郎たちに向き直ると「では私はこの辺りで失礼致します」と言いながら頭を下げ、炭治郎も「いえ、ありがとうございました、リィン教官にもよろしく伝えておいてください!」と九重に告げ、それを聞いた彼も頷き、そのまま背を向けて去って行ったのを炭治郎たちは見送りすぐに山を下ることになったが、善逸は正一にしがみつきながら「いやだ!正一君は強いんだ!おれは正一君に守ってもらうんだ!絶対に離れないから!!」とごねておりそれを見た炭治郎は「前も言ったけど本当にいい加減にしろ!!正一君は嫌がってるだろ!!」と叫びながら強烈な手刀をくらわせて意識を刈り取った。
その後天王寺が藤の花の香り袋を吐き出した、曰く鬼避けとして使える為、稀血の清は今後持ち歩けと言うことらしいが善逸がもし意識が残っていたら「(もっと他に渡し方あるだろ…)」と心の中で呟いていた事は想像に難くなかった。それから三人は炭治郎たちを見ると「助けてくれて本当にありがとうございました、家までは自分達だけでも帰れます」と清が言い、てる子がペコリと頭を下げ、炭治郎は三人の姿が見えなくなるまで手を振りながら見送り、その後ろでは何を思ったのか伊之助が木に向かって頭突きと掌底を繰り返していた。
「サァ!ツイテ来イ!コノ私ニ!!カァア!!」と天王寺が鳴き、三人は身の上話をしながら山を下り始め、伊之助の話を一通り聞いた炭治郎は「そうか、伊之助もおれと同じで山育ちなんだな」と言ったが伊之助は不機嫌な様子を隠そうともせずに道端の小石を蹴りながら「フン!お前なんかと一緒にすんな、おれには親も兄弟もダチもいねぇぜ、他の生き物との力比べだけがおれの唯一の楽しみだ!!」と言いそれを聞いた炭治郎といつの間にか意識を取り戻していた善逸は一筋の涙を流しながら「そうか…」と言い炭治郎はリィンと都会に言った時の事を思い出すと「おれは二回都会に行ったけど都会には山とはまた違った楽しい物と美味しい物がたくさんあるんだよな…人ごみは凄かったけど…」と呟き、それを聞いた伊之助は「ホウ…そうか」と呟いたが、すぐに炭治郎に自分が師匠も無しに完全な実力だけで鬼殺隊に入った事を話すと「おれは必ずお前に勝ってやる!!」と炭治郎に戦線布告とも取れる発言をし、炭治郎は「おれは竈門炭治郎だ!!」と自分の名前を告げると伊之助は「覚えたぞ!かまぼこ
―日がくれた頃…―
天王寺が三人を案内したのは藤の花の家紋が門に描かれた家で、天王寺は「カァァーーーッ休息!休息!!負傷ニツキ完治スルマデ休息セヨ!!」と告げ、それを聞いた炭治郎は「えっ?おれ休んでいいのか?珠世さんの手当てとリィン教官の薬(試作品)が有ったとは言え怪我したまま鬼と戦ったけど……」となんともいえない表情で言ったが天王寺は「ケケケッ」と性格の悪そうな笑い声を上げるだけで炭治郎は「ケケケッて…」とぼやき、それを見た善逸は「炭治郎の鎹鴉…性格悪くない?」と呟き、伊之助も「コイツ食おうぜ…」と言い、それを聞いた天王寺は「エッ」と驚いた表情で固まり、炭治郎は「いやそれは止めてくれ頼むから…」と言いながら門を叩くと「ごめんくださーい!」と声をかけた、すると『ギィィ』と音を立てながら門が開き、一人の老婆が「はい…」と言いながら姿を見せ、炭治郎はすぐに「あっ…夜分に申し訳ありません」と言ったが善逸は「お…お化けっ…お化けだ」と顔を青ざめさせ、炭治郎は「こらっ!!失礼だろ!!」と言ったが、老婆は「構いませんよ…」と言い三人の姿を確認すると「鬼狩り様ですね…どうぞ…」と頭を下げ、炭治郎達を屋敷に通すと立て続けに「お食事でございます…」と食事を三人分出し、続けて「お布団でございます…」と同じく三人分の布団が用意されていたが、どれももの凄い速さで用意されており、それを見た善逸は顔を青ざめさせると「間違いなく妖怪だよ!炭治郎!あの婆さん妖怪だ!あの年齢にしては速すぎるもん!異様に!妖怪だよ!妖怪婆…」「だからいい加減にしろ!」二度あることは何とやら、三度失礼な事をまくし立てた善逸はまた炭治郎に沈められた。
食事が済んだ後、老婆が呼んだ医者に炭治郎たちは診察されたが…「うん、三人とも重症だね」と言われた為、三人とも完治するまでは休む事となり、誰ともなく「まさか三人とも肋が折れてるとはな…」と言い、伊之助は「コブが痛ぇ…」とぼやき炭治郎は「ごめん」と謝ったが「と言うかおれの怪我って全部伊之助がやってんじゃん、炭治郎も肋が完全に折れたのって伊之助のせいだし…ティアの薬は?」と言う善逸の言葉を聞いた炭治郎はすぐに箱の中を確認したが「…残り一つしかない…キュリアの薬は四つあるけど…」と答え、善逸も「…おれが貰った薬はティアの薬一つ以外は全部伊之助に蹴られた時に入れ物が壊れたし、その一つも使っちゃったからな…」となんともいえない表情でぼやいた、なお伊之助は一向に謝ろうとせず二人とも最初は謝らせようとしたが上手くいかないため結局は諦める事となり、食事の際は食べ方が汚く、炭治郎の食事を奪うなどして挑発していたが炭治郎は優しい笑顔を浮かべると「そんなにお腹空いているならこれも食べていいぞ」とおかずをもう一品差し出しており、全く挑発が効かなかった、反面、禰豆子が入った箱の事を完全に忘れている伊之助に対し善逸はイライラを募らせており、「(箱のことがそんなにすぐにどうでも良くなるんだったらおれのことボカスカボカスカ叩くんじゃねえよ!このバカ野郎!!)」と内心罵倒しまくっていた、ちなみに伊之助は布団に入ってどうして炭治郎が挑発に乗らないのか延々と考えていた。
「(…そういえば)…炭治郎…少し気になったんだけど…リィンさんって炭治郎から見てどんな人なの?」
善逸の問いに炭治郎は「リィン教官のこと?」と考えこみ、それを聞いた伊之助は起き上がると「レェンって誰だ?強えのか?」と聞き、それを聞いた善逸は「炭治郎の師匠だよ、後レェンじゃなくてリィンだからな?」と返した。
「丼治郎の師匠か…
「…優しい人だけど…なんだか悲しい感じがする人…かな…」
炭治郎の答えに善逸は「優しいけど悲しい人って…どういう事?」と聞き、伊之助も「どういう意味だ?そのラァンって奴ホントに強えのか?」と聞き、善逸は「言葉の意味はともかく、強いのは間違いねえよ、リィンさん柱だからな?後ラァンって誰だよ」と突っ込んでいたが、それを余所に炭治郎はすぐに答えた。
「最初に会ったときから本当に優しくて暖かい感じがする人とは思ってたんだけど心のどこかで悲しんでるって感じだったな…何度も泣きそうな目にあったのにそれでも誰かのために戦える人…そんな感じがしたんだ…」
炭治郎の言葉を聞いた善逸は何かに気付いた表情になった。
「あ…(炭治郎が感じたリィンさんの人柄…おれが炭治郎に感じたのと似ているんだ…最初に炭治郎に会ったとき…おれが炭治郎から感じた音は涙が出そうなほど優しい音がした…リィンさんからも優しい音がするんだろうな…多分リィンさんが炭治郎を弟子にした理由は…)…やっぱり会ってみたいな…リィンさんに…」
善逸の言葉に炭治郎は遠い目で「まあ妹さんのことで余計なことしなければ大丈夫だと思うけど…」とボコボコにされたらしい
『カタカタ』と部屋の隅に置かれた禰豆子が入った箱が動きだし、「えっ!?禰豆子ちゃん出てこようとしてるけど大丈夫?」と善逸が炭治郎に問いかけ、炭治郎は「大丈夫だよ」と言い、箱に向き直ると「出て来ても大丈夫だぞ禰豆子」と言い、それを聞いた禰豆子は箱からすぐに姿を見せると、禰豆子の姿を見た善逸は『ズッキューン!』と言う擬音が聞こえそうな感覚が襲い、伊之助は「(ライン…絶対倒してやる!)」と勇んでおり余所を見ていた、炭治郎は「あらためて紹介するよ、おれの妹の禰豆子だ…善逸?」と言ったが善逸は目を煌かせ「(ヤバイ!凄く可愛い!!鬼とかそう言うのは関係ないよね!誰かが可愛いは正義!とか言ってたけど本当だったんだね!)」と心の中でまくし立て、伊之助は何故か腹筋を始め、炭治郎は「…どうしてこうなったんだ…」と混沌とした状況に困惑し、この状況は夜明けまで続く事となったとか…
今回ノリで某ゲームのネタを入れましたが通じているでしょうか?
次回からいよいよ那田蜘蛛山編に入ります。