鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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少しずつですが後の展開に関わる伏線もできる限り張っていきます、炭治郎とリィンの再会も近いです。


臆病な強者の決意と操られた隊士達

 

 炭治郎と伊之助が先行していた隊士から話を聞いていた頃、善逸は那田蜘蛛山の麓で自問自答していた。

 

「おれ…炭治郎に信頼されるだけの価値ってあるのかな…」

 

 善逸は待っていると言っていた炭治郎の言葉事態は嬉しかったものの内心悩んでいた、最終選別での手鬼との戦いの時はともかくそれより後は迷惑しかかけていないと思っていた。

 

「炭治郎とまた会えた時に嫌がる女の子に縋り付いていたのも今にして思えばあれは無いわって感じだしあの悩みの相談も迷惑だったかもって思うし…」

 

 実際の所悩みの件については炭治郎は特に迷惑に思ってはいないのだが色々と迷惑をかけてしまった自覚が出ていた為悪い方向に考えてしまっていると同時に藤の花の家で炭治郎にした相談を思い出していた。

 

―数週間前―

 

 伊之助が寝静まった頃、善逸は炭治郎に相談を持ちかけていた。

 

「おかしな夢?」

 

 炭治郎は善逸の言葉にそう聞き返し、それを聞いた善逸は「うん…」と頷き、少し考えこむと夢の内容を話し始めた。

 

「正直な話をするとおれも変な話だとは思うんだけど本当のことなんだ…最初に見た時は全く違う夢…いつも見る昔の…修行してた時の嫌な夢だったんだ…」

 

 善逸の表情はできれば考えたくないと思っている物だったが、それでも続けた。

 

「けど途中で夢の内容が変わったって言うか…割り込んできたんだよ…おれの兄弟子に当たる人に罵られるって思ったら急に場所が変わって何処かの古い石造りの建物みたいな場所に立ってたんだ…」

 

 炭治郎は善逸の言葉を聞いて腕を組みながら考えこんだ、善逸の言葉は確かに突拍子も無い言葉だが嘘を言っている匂いは無かった。

 

「…その建物は真っ暗で建物って言うよりは地下にある部屋みたいな感じで…もっと言えばこの国の建物とは全然違う感じだった…夢にしては妙に現実的で…何より見たことも無い場所だった…それからその部屋の奥に扉があって…炭治郎何か書く物無い?」

 

 善逸の言葉を聞いた炭治郎は「少し待っててくれ…」と言うと自身の荷物から記録用の手帳と筆記用具を取り出すと善逸に手渡し、善逸は手帳の一番最後のページを丁寧に破り取ると机の上でそれに扉のような縦長の長方形の形の中心に縦に線を引き扉と解るようにすると「それから…」と言い、真ん中辺りに花のような模様を書くと筆記用具を置き「大体だけどこんな感じで…真ん中辺りに花みたいな模様が有った」と言いながら炭治郎に見せた、ちなみに本来の善逸の絵は鯉のぼりを描くと上手くはあるが画伯と呼ばれるほどに元々のそれとかけ離れた物になるが今回は簡単に描いたためどう言った物か解りやすい物となっていた。

 

「この扉が夢に出てきたのか?」と炭治郎は聞き、善逸は「うん」と頷き、炭治郎はじっくりと見ながら考えこんだ。

 

「(…不思議だな…おれも初めて見るのに何処かで似たような扉を見たことが有るような気がする…)善逸、他には何かあったか?」

 

 それを聞いた善逸は考えこむと「あ…」と何か思い出したように言うと「そう言えば…扉の向こうからかどうかは夢だったから自信が無いけど…頭の中に声が響いてきたんだよ…確か…『我ノチカラガ欲シイカ?欲シケレバ覚悟ヲ持ッテコノ扉ヲ開ケテ見セロ』って言ってたと思う…」と答え、炭治郎は「…それで…どうしたんだ?」と聞いたが、善逸は俯きながら「それが…よく解らなかったんだ…中が気になって扉を開けようとしたんだけどどうしても扉に触れる事ができなくて…それで目が覚めた…それから時々夢に見るんだよ…それもこの扉の夢はやけに現実的だったから…」そう言い炭治郎と善逸はそのまま考察を続けたが最後まで答えは出なかったが炭治郎の精神に間借りしている彼―《C》は『マジかよ…思いもしないとこで見つかった…と言うより候補者って所か?』と頭を抱えていた。

 

―時は戻って…―

 

 善逸は暫く座ったままだったが頷くと「…行かなきゃダメだよな…炭治郎助けないと…」と言いながら立ち上がった善逸はふと炭治郎が禰豆子が入った箱を背負ったままだった事を思い出すとはっとした表情になり「ってそういえばあいつ!禰豆子ちゃん持ってってんじゃねーか!!」と叫んだ…実際の所はおいていった場合は後から来る可能性がある後続の応援に置いていった禰豆子が殺されてしまう可能性があることを考えると結果的に禰豆子を連れて行くという判断は比較的正しいが今の善逸はそこまで考えが回らず、炭治郎への文句を叫びながら全速力で山に向けて駆け出した。

 

「禰豆子ちゃん大切に思ってんなら明らかに今までのなかで一番危ないとこに連れてくなよ!!とんでもねぇ炭治郎だ!!あのバカ野郎!!炭治郎!!禰豆子ちゃーん!!今行くよォォォォォォ!!!」

 

 …最も禰豆子だけでなく炭治郎の心配もしているのも本心だと考えると善逸も成長しているのかもしれないが…

 

―同時刻那田蜘蛛山中腹―

 

「アハハハハハハハッ!ハッハァーー!!」

 

 伊之助は高笑いを上げながら操られた隊士の攻撃をパルクールのような動きで避け、炭治郎の方を見ると「こいつらバカしかいねぇぜ!!隊員同士でやり合うのが御法度だって知らなえんだ!!」と前の自分を棚上げした言葉を投げたが炭治郎は別の隊士の攻撃を残月でかわしながら「いや!明らかに動きが不自然だ!多分何かに操られてる!!」と叫んだ炭治郎の言葉を聞いた伊之助は「成る程な!ならぶった斬ってやるぜ!」と言いながら嬉々として刀を構えたがすぐに炭治郎は止めた。

 

「ダメだ!生きてる人もいるからそれをするわけにはいかない!」

 

 その言葉に伊之助は「否定ばっかすんじゃねえ!このままだとおれら全員殺されるだろうが!!」と叫ぶと炭治郎に頭突きを食らわせようとしたが炭治郎はすぐに残月の動きで避け、続けざまに無事だった隊士に襲い掛かっていた二人を伊之助と同時に地面に叩きつけた直後、炭治郎は妙な匂いを捉えた。

 

「!(背中から妙な…甘い匂いがする!!)」

 

 炭治郎はすぐに何も無いように見える場所に刀を振るうとその隊士を繋いでいた糸が切れ、彼はそのまま文字通り糸が切れた操り人形のように倒れ、それを見た炭治郎は「目に見えないほどに細い糸だ!それで操られてる!!糸を切るようにするんだ!!」と叫び、それを聞いた伊之助は「はん!そんな事お前よりも先に気付いてたね!!」と叫ぶと二本の刀ですぐそばの三人を繋いでいた糸を斬り捨て、その一連の動きを横目で見た彼は「お前らホントに癸かよ!?誰に教わったらそんな動きできるんだ!?」と困惑しながら叫び、それを聞いた二人はそれぞれ「おれは誰にも教わっちゃいねえ!!山で一人生きてきたおれからすればお前らの方が温いんだよ!!」「おれは狭霧山で鱗滝さんから水の呼吸を!それからリィン教官に八葉一刀流を教わりました!」と律儀に叫び、それを聞いた彼は糸を切りながらも「マジかよ!?そこの猪頭は我流でお前の方は冨岡と同門の上に鬼殺隊で最強は誰かって話になると岩柱様と一緒によく名前が出てくる灰柱様の弟子かよ!?そりゃ普通の癸より強えーわな!ここに派遣される訳だよ!!」と叫びながら切り伏せていたが炭治郎は一瞬腕から刺激臭を感じ、すぐにそこに目をやると何匹かの蜘蛛がおり、途端に炭治郎の腕がその蜘蛛が出した糸に引っ張られた為、反射的に糸を切ると、すぐに蜘蛛を地面に叩き落し、すぐに先ほどまでいた場所に目をやると、糸を切ったはずの彼らが再び操られているのが目に入り、炭治郎はすぐに叫んだ。

 

「蜘蛛だ!二人とも糸を出している蜘蛛に気をつけるんだ!操られる!それから蜘蛛を操ってる鬼を倒さないと状況は変わらない!!蜘蛛は小さいし多分この近く以外にもたくさんいる!!伊之助!!もしも君が鬼の位置を正確に探れるなら―」協力して欲しい、炭治郎はそう続けようとしたが途端に月明かりを遮るような影が現れ、同時に妙な匂いを感じた炭治郎は続けずにすぐに上を見据えた、そこには少年のような姿をした鬼が木の間に張り巡らされた糸の上に立ち、炭治郎たちを冷ややかな目で見下ろしながら、やはり冷たい口調で「ぼく達家族の静かな暮らしの邪魔するな」と言い放った。

 

 





 善逸が原作よりも炭治郎に協力したいと思ったタイミングが早かったこともあり、原作と比べれば少しだけ前向きですがその分不穏な要素もあると言う感じですがどうでしょうか?主人公二人が再会するまでできるだけ速めに投稿するように頑張ります。

 そういえば村田さんの名前今回も出せなかった…
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