鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~ 作:来斗
今回から少しずつ変化がわかりやすくなりますがその分長くなりました、まずは彼の再登場です。
炭治郎は頭上に現れた鬼の姿を見て困惑した。
「(浮いてる!?いや…今まで起こったことから考えると多分蜘蛛に関係する能力だろうから糸の上に立ってるんだ!それにあの子は今まで戦った鬼と何かが違うような…)」
炭治郎は上にいる子供の様な姿の鬼に対して違和感を持ったがその鬼はそれに構わず口を開いた。
「お前達のような有象無象にぼく達家族は倒されない…お前達なんてすぐに
その鬼の言葉を聞いた炭治郎はより困惑した。
「!(家族に…母さんだって!?おかしい…鬼は一部の例外を除いて群れる事ができないはず!ならあの子はその例外のうちの一人なのか?)」
炭治郎の困惑を余所に伊之助は「んなとこから見下してんじゃねえ!」と叫ぶと操られた隊士を踏み台にして跳躍したが伊之助の刀は彼に届かず続けて「テメェどこに行きやがるんだ!!勝負しろ!!」と落下しながら喚く伊之助の言葉ですら彼はどこ吹く風と言った様子で山の奥へと去っていき、そのまま伊之助は「だうっ!!」と言う声を上げながら背中から落ち、炭治郎は「あの子は多分操り糸の鬼じゃないんだ!操り糸の鬼がいる方向はなんとなくならわかるけど変な匂いが強くておれの鼻じゃダメだ!伊之助!!もしも君が鬼の位置を正確に探れる力を持ってるなら協力してくれ!!」
炭治郎は相も変わらない状況に焦っていたがどうにか対応しすぐにもう一人の隊士に目を向けたが「それから、えーっと…」と彼の名前を聞いていなかったことを思い出し、切迫していた事もあり名乗っていなかった彼も操られた隊士の刀をはじきながら「村田だ!!」と名乗り、それを聞いた炭治郎は頷くと「操られている人達はおれと村田さんでどうにかするから伊之助は糸を使っている鬼を見つけてくれ!!」と叫び、伊之助は立ち上がると「あーあーあー!!わかったよ!!鬼の居場所を探れってんだろ!!探してやっからデコ太郎も富田もこいつらをおれに近寄らせんな!!」そう言うと伊之助は操られた隊士から離れた場所で刀を二本とも地面に突き刺すと体制を低くして両手を広げ集中しだした。
「獣の呼吸・漆の型・空間識覚!!」
炭治郎は嗅覚が、善逸は聴覚が人並みはずれて優れているように伊之助は触覚が優れており彼は細かい糸の繋がりを手に取るように感じ、手繰り寄せるように探り始めた。
「(チッ!思ったより糸が多くて鬱陶しいな!どこだ?どこにいやがる!!)」
伊之助はそのまま感覚を研ぎ澄ませ、やがて糸の中心にいる鬼の姿をはっきりと捉え「よォし!!見つけたぞ!!」と叫ぶとそれを聞いた村田は「わかった!!ここはおれに任せて君たちで先に行け!!」と死亡フラグの典型例のような言葉を投げかけ、それを聞いた炭治郎は「えっ?」と驚き、伊之助は「お前みたいな弱虫が何言ってんだ!」と言い、それを聞いた村田は伊之助に「誰が弱虫だ!!まずは黙って聞け!!」と言い返すと操られた隊士の攻撃をかわしながら続けた。
「先輩として情けない話だがおれが君達よりも弱いことは否定できない!正直君達のどちらに付いて行ってもおれじゃ足手まといになる!だからここに残って操られている仲間をどうにかする!!糸を斬れば良いとわかったし、ここで操られている仲間の動きは単純だから問題ない!蜘蛛にも気をつける!!何より鬼の近くにはもっと強力に操られている仲間がいるはずだ!!だから二人で行ってくれ!!」
炭治郎はそれを聞いて「わかりました!!どうかご無事で!!」と叫び返すと伊之助と二人で山の奥へと駆け抜け、やがて二人は操られた隊士の姿を見て立ち止まった、二人の姿を見た彼女は泣きながら「お願い…こっちに来ないで…そうじゃないとみんな殺してしまう!!お願い…」悲痛な表情で二人に懇願していた。
―糸の中心部―
一方糸の中心では操り糸の鬼、もとい母鬼がキリキリと音を立てながら糸を動かし、「ウフフフフ…わたしに近づけば近づくほど糸は太く硬くなってお人形たちも強くなるのよ!」と言いながら糸を介して炭治郎たちの様子を察知しており、嘲笑っていたが直後、「母さん」と呼ぶ声が木の裏から聞こえ、母鬼は顔を青ざめさせ怯えたように「累」と木の裏から除いていた少年の鬼の名を言い、彼女に累と呼ばれた彼はただ一言「勝てるんだよね?」と冷たく告げ、それを聞いた彼女は震えた声で「も…勿論よ!あんな奴ら母さんなら簡単に殺せるわ!」と言ったが累は「それにしては…少し時間がかかりすぎなんじゃない?」と冷たく言い放ち、続けて「早くあいつらを殺してよ…でないと父さんに言いつけるからね」と言い、それを聞いた母鬼はさらに顔を青ざめさせながら、叫んだ。
「大丈夫よ!母さんはやれるわ!!必ず守るから!!だから父さんはやめて!!」
そう叫んだ母鬼に累は「だったら早くしてよね…」とだけ告げると彼女の前から姿を消し、母鬼は恐怖で息を切らせていたがすぐに糸を動かし始め、「ううう!死ね!死ね!!早く!さっさと死ね!!でないとわたしが…!」ただ自信の身を守る為により強く糸を動かしだした。
―糸の先―
「早く逃げてぇ!!」
糸で操られた彼女は凄まじい速さで炭治郎と伊之助に切りかかり、二人は「(速い!)」「(どんな速さだよコイツ!)」と戦慄し彼女は「操られてから動きが違いすぎるのよ!わたし達こんなに強くなかった!!」と叫んだ直後、彼女の腕が人間ではありえない動き方をし『バキ』と明らかに骨が折れた音が響き、炭治郎は顔を顰めた。
「(鬼が糸で無理やり動かしてるから!骨が折れてもお構い無しに…!)」
直後に背後の森からもキリキリと音が響き森の奥から彼女以上に見るに耐えない姿となった二人の隊士が姿を見せ、彼はうつろな表情で炭治郎たちに向けて「た…たのむ…こ…殺してくれ…」と今にも消え入りそうな声で懇願して来た。
「手足も骨が…お…折れて…内臓にも刺さって…るんだ…動か…されると激痛で…耐えられない…しょ…正直…こう…して…話すのも…つらいんだ…頼む…どの道…遅かれ…早かれ…もう…死ぬ…たのむ…止めを…刺してくれ…!!」
彼の悲痛な言葉に炭治郎は顔を青ざめさせたが伊之助は「よし!わかった!!」と叫んで飛びかかったが炭治郎は慌てて止めた。
「ダメだ!何とか助ける方法を!」
「おまえまたそれか!さっきとは訳がちげえぞ!それに本人が殺せって言ってんだろうが!!」
伊之助の言葉を聞いた炭治郎は歯を食いしばりながら内心で葛藤していた。
「!(わかってる…伊之助の言う事は間違ってない…最初の女の人は助かる可能性があるけど後の二人は傷の様子から見ても手遅れだって素人のおれだってわかってる…そういう意味で言えばこれはおれの我侭だ…仲間を殺したくないって言う自分勝手な都合だ…でも!)本当に少しだけで良い!考えるから時間をくれ!!」
それを聞いた伊之助は「ああああ!!仕方ねえな!けど本当に少しだけだ!!こいつら速ェからもたもたしてたらこっちがやられちまうぞ!!」と叫び、炭治郎はかわしながら「ありがとう!!」と伊之助に告げると思考を巡らせた。
「(糸で操られてる相手…何か策は…)」
炭治郎が思考を巡らせる中、彼の頭に声が響いた。
『苦戦してるみてぇだな…』
その声は以前炭治郎に話しかけたときと違い軽薄な様子ではなく真剣な様子だったが炭治郎はすぐに相手が誰かを察すると頭の中で呼びかけた。
「!(もしかして…《C》?)」
『ああそうだ…おれに考えがある…って言ったら聞くか?』
冗談抜きで人命がかかっているというのもあってか《C》は以前の悪戯っ子のような様子とは打って変わり、まるで歴戦の策士と言っても過言ではない真剣な口調で話しかけ、それに加えて以前とは逆に炭治郎に気付かせる形ではなく、提案と言う形で声をかけ、それを聞いた炭治郎は「(何でも良いです!!この人達を助けられるならそれで!!)」と攻撃を回避しながら答え、《C》は頷くと(少なくとも炭治郎はそう感じた)作戦を告げた。
『いいかよく聞けよ…コイツは一発勝負だ…まずは走り回って糸をできる限りめちゃくちゃに絡ませてやれ、それから隙を見つけてすぐに太い枝に絡まるように操り人形にされてる奴を投げろ!タイミングはおれが教えてやる、そうすれば少なくとも動きは止めれるはずだ』
それを聞いた炭治郎は「(確かにそれならいける!)」と答えたが《C》は『それともう一つ忘れちゃいけないことがある、太い枝から吊るした後はできる限り早く正確に頭と刀を持ってる方の腕と刀そのものに繋がっている糸だけを切り捨てるようにしろ!でないと首を折られるか刀で心臓を一突きにして殺されちまってせっかく助けたのが水の泡になっちまう!忘れんなよ、頭と刀を持ってる腕と刀そのものに繋がってる糸だけを切るんだ!!』と強い口調で伝え、それを聞いた炭治郎は「わかった!!」とつい声に出して答え、伊之助は「何がわかったんだよ!やるなら早くやれ!紋次郎!!」と叫び、炭治郎は状況も有って伊之助の呼び間違いを指摘せずにすぐに彼女の隙を見つけると駆け出し、彼女も炭治郎の後を追ってきた。
『よし!ここまでは作戦通りだ!最後まで気を抜くなよ!』
「(わかってる!助ける為なら何が何でもやってみせる!)」
炭治郎と《C》はそう声をかけ合っていたが傍からみれば逃げてるようにしか見えず、それを見た伊之助は「おいてめぇ!なーにグルグルと逃げ回ってんだ!」と怒鳴ったがその直後に《C》が『今だ!!』と叫び、炭治郎は彼女が振るった刀を体制を低くしながらかわしつつ彼女を掴むと全力で背後の木の枝に向けて投げ、絡ませると、炭治郎は「よし!上手くできた!後は…」と言いながら懐に手を入れると現代で言う所のサバイバルナイフより少しだけ小ぶりな鞘に収められた小刀を取り出すと彼女の元まで上り《C》が指定した三種類の糸を素早く切り落とすとそのまま地面に降り、もう一人の相手をはじめ、炭治郎の一連の行動を見た伊之助は一瞬硬直したがすぐに復活すると「なんだ今のは!おれもやりてぇぇ!!」と叫び、そのまま高笑いしながら炭治郎と同じように相手から逃げ回り、最後には炭治郎と同じように自身を追いかけていた相手を枝に引っ掛けると伊之助は得意げに「どうだ見たか!お前にできることはおれにもできるぜ!!」と得意げに言ったが炭治郎は「ごめん!!状況が状況だったから見てなかった!!」と叫び、伊之助は「なァにィー!」と叫んだが直後に伊之助が吊るした隊士の糸がつながったままと言う事に気付いた《C》が『!まずいぞ!!』と叫び、全く同じタイミングで糸の中心にいる母鬼が「あの人形を出すしかないわね!一人残るけどもう何もできないでしょうし、放っておいても構わないわね…!!」と不穏な言葉を告げ、それを知る由も無い伊之助は「ならあと一人だ!おれがもう一度やるからちゃんと見とけ!!」と叫んだが《C》は伊之助に自分の言葉が聞こえないことを忘れたかのように焦った様子で『そんな事やってる場合じゃねぇぞ!炭治郎!早く伊之助が吊るした奴の糸を切るんだ!』と叫び、はっとした炭治郎は「そうだった!急がないと!」と叫んだが一歩遅かった。
「もう脆い人間の人形なんて必要ないわ!!この役立たず!!」
母鬼はそう叫んで糸を引っ張ると炭治郎が糸を切った隊士以外の二人の首が凄まじい勢いで回転させられると、二人とも絶命し、それを見た彼女は「そんな…」とショックを受けて気を失い、《C》は『クソッ!遅かった…』と助けられなかったと言う事実に後悔した様子を見せ、伊之助は「あーーっ!!畜生!!みんなやられちまったじゃねーか!!」と叫び炭治郎に文句を言おうとしたが炭治郎は伊之助ですら感じた事のない凄まじい怒気を放っており伊之助に対しただ一言「行こう」とだけ告げ、伊之助もただ一言「……そうだな」とだけ言うと母鬼がいる方へと駆け出した。
ここまで読んでいただきありがとうございます、という訳で尾崎さん生存です、ただ後の二人についてはどうしても生存させる方法が思いつかなかったので原作どおりとなりました…
次回は母鬼戦です。