鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

41 / 83

 累との対決二話目です、思ったよりも早く新しいパソコンが手に入りそうなので次回からパソコンでの投稿に戻れそうです。


下弦の伍・累

 

 炭治郎と《C》は累の左目に刻まれた数字を見て身構えた。

 

『やっぱり十二鬼月だったか!あの数字…相手は下弦の伍か、気をつけろよ、序列は下のほうみてぇだけどだからと言って弱いはずがねぇからな…』

 

「(はい!何か気づいたことがあったら何でも教えてください!)」

 

 炭治郎の言葉に《C》は頷き―少なくとも炭治郎はそう感じた―累はそれでも諦めない炭治郎を見てため息をつくと静かに口を開いた。

 

「…ぼくの正体がわかっても諦めないんだ…呆れたね…ぼくは自分の役割を理解してない奴は本当に嫌いなんだよね…だからそういう奴は生きてる必要なんてないって思ってる…お前は自分の役割をはっきり言わないとわからないみたいだから教えてあげるけどお前の役割は妹を置いてぼくの目の前から消えること…ただそれだけだ…それができないなら死ぬだけだよ…それにその刀は見たところさっき投げつけようとした奴よりも強力みたいだけど使ったところで宝の持ち腐れだよ…当たらなければ意味が無いし君じゃぼくの頸を捉えることはできないからね…」

 

 累はどこまでも見下すような言い回しだったが実力が不足していることは炭治郎が一番理解していたこともあり顔をしかめた。

 

「(癪だけどあの子が言っていることは間違っていない…『利剣・緋王』を使ったところで当たらなきゃ意味が無い…あの糸の壁を全部斬りおとせるかわからないしあの子の頸が糸よりも硬かったら…《C》の力と合わせれば斬れるだろうけどどこまで近づけば通じるか…)」

 

 炭治郎は累を倒すために思考を巡らせていたが累はそんな炭治郎を見て淡々と続けた。

 

「…そう…何を言ってもわからないんだ…それにしても君の目つきを見ると嫌な気分になるな…まさかと思うけど…実力差がわかってるはずなのに…―勝つつもりでいるのかな!!」

 

 累は突如として顔をしかめると右手を振り上げ、それと同時に禰豆子が見えない何かに引っ張り上げられ、次の瞬間には累の下に引き寄せられ、彼は禰豆子の首元を抑えて逃げられなくしていた。

 

「!(いつの間に糸を回して!全く気づけなかった!!)禰豆子!!」

 

 炭治郎は反射的に禰豆子に呼びかけ、累は冷たく続けた。

 

「ほらね…もう奪ったよ…君の役目はこれで終わりだからぼくの目の前からとっとと消えてくれない?」

 

 累の言葉に炭治郎は一瞬にして冷静さを失い、それに気づいた《C》は『!おい!炭治郎!!』と呼びかけたが炭治郎は累に対して「禰豆子を放せ!!」とだけ叫ぶと《C》の言葉にも耳を貸さずに駆け出し、累は「とっとと消えれば命は助けてやるって言ってるのがわからないのかな?」と嘲るように言ったがその直後禰豆子が自由な右手を振り上げると累の顔に爪を立てると一思いに切り裂き、累は糸を出している方の腕を振り上げ、それを見た炭治郎は慌てて避けたが直後に禰豆子がいなくなったことに気づくと困惑し、辺りを見渡した。

 

「!(禰豆子がいない!?いったいどこに?)」

 

 炭治郎は禰豆子の姿を探して辺りを見渡したがすぐに上から降ってきた血に気づき上を見上げると糸で体の至る所を締め上げられた禰豆子の姿があり、それを見た炭治郎は顔を青ざめさせ禰豆子の名前を呼ぼうとしたがすぐに『いい加減冷静になれ!炭治郎!!』と《C》が呼びかけたことで炭治郎は「(どうしてですか!?)」と返し、《C》はすぐに続けた。

 

『落ち着くんだ…酷なことを言うようで悪いけど今はあれで好都合だ…禰豆子を守りながら戦うってのは難しいからそういう意味ではこっちにも都合がいい…何より禰豆子は鬼だから体力の消耗はあるだろうけど失血死なんてことにはならないはずだ…それにあいつは禰豆子のことが欲しいって言ってたから自分の身代わりで盾にするなんてことはしないはずだ…だから今は落ち着け…冷静になれ…勝てる戦いにも勝てなくなっちまうぞ…大丈夫だ…お前は一人で戦ってるわけじゃねぇだろ?』

 

 炭治郎はそれを聞いて僅かだが冷静さを取り戻した、声こそ落ち着いているが《C》も焦っていることが感じられ炭治郎はすぐに冷静さを取り戻すと「(わ…わかりました…すみません…)」と謝罪し、すぐに累に向き直り、累は眠った禰豆子を見つつ、事も無げに口を開いた。

 

「…意外だな…すぐに冷静さを取り戻すなんて…まあ鬼である以上これくらいじゃ死ぬことは無いけど…とは言え兄を傷つけるとかダメな妹だし暫くはこのまま失血させて躾けよう…それでも言うことを聞かないなら日の出まで放置して少し炙って半殺しにすればいい…それを何度も繰り返せば言うことも聞くだろうからね…(…それにしてもどこか妙だな…この鬼は…漠然とした感じだけどぼく達とは何かが違う…)」

 

 累の言葉を聞いた炭治郎は怒りが沸き上がるのを感じ取り刀を強く握ったがすぐに自分に言い聞かせた。

 

「(落ち着け…《C》が言うように冷静になれば勝てない相手じゃない…感情的になるな…集中しろ…)」

 

「…にしても…君は意地でも諦める気が無いようだし…仕方ないから…少しだけ相手してあげるよ!!」

 

 累は炭治郎の真上の糸をすぐに振り下ろし、炭治郎はすぐに対応した。

 

「(来る!!)八葉一刀流・一の型!螺旋撃!!」

 

 炭治郎は上空からの攻撃に対応できる螺旋撃を放ち上空からの糸を全て切り払うと累に向けて駆け出し、それを見た累は僅かながら考え込んだ。

 

「(上からの攻撃を簡単に斬った…やっぱりあの刀は普通じゃない…ぼくでもあれを折ることはできそうに無いな…けどあの坊やは刀を完全に使いこなせていない…素人のぼくでもわかる…上手くやれば折ることはできないけど弾き飛ばすことならできる…)」

 

 累は炭治郎の弱点に気づくとすぐに足元を狙って糸を張り、それに気づいた《C》はすぐに『跳べ!!』と叫び、すぐさま炭治郎はそれを跳躍してかわし、累は炭治郎の落下地点付近に糸を張ったが炭治郎はそれに気づくと糸を切るために構えた。

 

「水の呼吸・弐の型!水車!!」

 

 炭治郎は水車を放つと落下の勢いを利用して糸を両断しながら着地し、再び駆け出し、それを見た累は顔をしかめると「往生行際が悪いな!!」と叫ぶとあやとりの橋のような形の糸を炭治郎の周囲に展開し一気に狭めて刻もうとし、それを見た炭治郎は居合の構えに入った。

 

「八葉一刀流・七の型!無想…覇斬!!」

 

 炭治郎はギリギリまで糸を引き付けるとそれらすべてを無想覇斬で切り捨て、それを見た累はどうにか冷静な表情に戻りつつも考え込んだ。

 

「(思ったより頭がいい…何よりこいつは二つの技を使い分けている…水の呼吸はまだいい…技の全てを見たことがあるわけじゃないけど昔相手にした鬼狩りにも使う奴がいた…だからある程度はわかる…けど八葉一刀流とか言う流派は見たことは勿論だけど聞いたことも無いから何をしてくるか見当もつかないな…だったらさらに糸を硬くして防げばいい…)」

 

 累は先ほど斬られた糸よりもずっと硬い糸を放ち、炭治郎はそれも切り捨てようとしたが回転の勢いが足りずに弾かれ、危うく転びそうになったが、どうにか持ちこたえると

転びかけたそこに糸があるのに気づき冷や汗を流しつつすぐに飛びのいた。

 

「!(あ…危なかった!あのまま転んでいたら間違いなく死んでた!糸を幾つも張り巡らされているなら罠があるのが常なのにそのことを忘れていた!)」

 

 一方累も炭治郎が避けたのを見て考え込んだ。

 

「(…かからなかった…まあ本当にかかるとは思って無かったから別に良いけど…それならここは弱い糸と強い糸を混ぜて判断を付きにくくする!)」

 

 累は様々な強度の糸を混ぜ合わせて罠を張り、それを見た《C》はつい顔をしかめた。

 

『なるほど…斬りやすい糸と斬りにくい糸を両方使いやがったか…考えやがったな…一本一本強度を確認してたら間に合わねぇな…!』

 

 それを聞いた炭治郎はすぐに「(だったら全部まとめて切り捨てます!糸の強度にも多分限度があるでしょうし何よりも彼は完全には本気を出してないなら綻びがあるはずです!)」とややごり押しではあるがこの場では最も有効な手段を提示し、すぐに「(それから…一つ考えがあるんです…あくまで可能性の話ですが…)」と続け、それを聞いた《C》はすぐに『聞かせてくれ』と答えすぐに炭治郎は自身の懸念を伝え、それを聞いた《C》は考え込むと『…ほんとにそんなことがあるのか?』と困惑しながら聞き、それを聞いた炭治郎は「(わかりません…でもリィン教官の話とあの鬼の戦い方を考えると可能性があります…だから…)」と答え、それを聞いた《C》は頷いた。

 

『…わかったぜ…おれの力を使うのは最後の最後だな?その時は遠慮なく使え…ここまでやったんだ、気を抜くんじゃねぇぞ…』

 

 《C》の言葉に炭治郎は無言で頷き、すぐに累を見据えるとその刃を構えすぐさま駆け出した。

 

 





 次回遂に累戦最終話となります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。