鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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 FGOの復刻イベントが忙しかったので遅くなりました次回はもしかしたら今回よりも間が開くかもしれませんが楽しみにしていてください。



証明と期待

 

 リィンは禰豆子が入った箱を陰になっている部屋の一角に置き、腰に差された二振の刀のうちの一つに手を添えると「…少し痛いけど我慢して欲しい…君と君のお兄ちゃんを助けるために必要なんだ…」と優しく声をかけ、それを聞いた禰豆子は箱の中でコクリと頷き、リィンはそれを感じとると手を添えていた刀―灰色がかった銀色の刀身の日輪刀を抜いた。

 

「(…あれがリィン教官の日輪刀…銀色なのに灰色がかった…何処か不思議な感じがする色だ…)」

 

 炭治郎は何処か呆けたような表情でそれを見つめていたがすぐに真剣な表情に戻ると禰豆子が入った箱と見たことも無いほどに何処か緊張した様子のリィンを見つめ、それを見たしのぶは炭治郎に「大丈夫ですよ竈門くん…君も知っての通り、リィンさんは禰豆子さんを必要以上に傷つけることはけしてしません…ですが万が一と言う事もあるのでわたしからも弁護人として一言助言です…禰豆子さんに声をかけてあげて下さい、彼女にとって竈門くんは君が思っている以上に支えになっている筈ですから…」そう声をかけ、炭治郎は「…はい」とだけ答え、リィンはそれを横目に見て覚悟を決めると禰豆子が入った箱を二度日輪刀で突き刺した。

 

「(…できればやりたくなかった…でも二人を認めてもらうには必要なことだ…そしておれにできるのはその手伝いだけだ…やれることはやった…後はおれの生徒を…二人の絆を信じるだけだ…)」

 

 リィンは箱を開けてすぐに数歩下がり実弥の血が注がれた薬瓶を禰豆子に差し出すとほどなくして箱の中から禰豆子が立ち上がり、その場にいる殆どの人物はそれを緊張した様子で見つめ、実弥だけはにやついた笑みで「(どうせ無駄に決まっている)」と嘲笑していた、事実として禰豆子は実弥の血の臭いで息が荒くなっており、いつ飛びかかってもおかしくない様子だったがリィンは一瞬だけ炭治郎に目を向け、頷くとそれを見た炭治郎はすぐに「禰豆子!」と呼びかけると禰豆子ははっとした表情になるとほとんど反射的にリィンが手に持った薬瓶を叩き落した。

 

「(痛っ!…反射的に叩き落した…よかった…)」

 

 信じていたとはいえ実弥の血のこともありリィンは不安に思っていたことからほっと一息ついていた、そして一連の出来事を目にした柱達は困惑しており静まり返った様子に耀哉は「どうなったのかな?」と問いかけ、双子の片割れはすぐに口を開いた。

 

「鬼の女の子はリィン様が持った不死川様の血が入った薬瓶を叩き落しました」

 

 すると禰豆子はリィンを僅かだが怪我させてしまったことに気づき、リィンの手を握ると傷ついたところを撫で始め、リィンは「かすり傷だから大丈夫だよ」と落ち着いた声で告げ、さらに少女は「リィン様に二度刺されていましたが目の前に血が注がれた薬瓶を差し出されても我慢していましたし…今は叩き落した際に怪我をしてしまったリィン様を心配している様子です」と答えると耀哉は笑みを浮かべた。

 

「そうか…よかった…ではこれで、禰豆子が人を襲わないことが証明できたね」

 

 それを聞いた実弥は唖然とした表情になり、反面炭治郎は笑みを浮かべた。

 

「炭治郎…今回の事で禰豆子が人を襲わないことは証明できたけどそれでもまだ禰豆子のことを快く思わない者も多いだろう…」

 

 耀哉の言葉を聞いた炭治郎はすぐに彼の前で深く頭を下げ、耀哉の言葉を聞いた。

 

「これからも君たち二人が証明しないといけない…鬼殺隊として役に立てることをね…とは言っても炭治郎はもう十二鬼月を倒しているからこれから炭治郎がやるべきことは…適合者としての力を高めることだね…鎹鴉からの報告によると炭治郎は既にある程度は力を使えるようだから今後はその力を持続させる時間を延ばして次の段階に進めるようにするんだ…柱は才能と鍛錬さえすればなれるけど適合者はそうはいかない…理由は適合者はそもそも誰が選ばれるかはわからないからだよ、適合者は炭治郎も含めて六人だけど最初から適合者だったリィンさんを除けばまだ君も含めて二人しか見つかっていないんだ…だから君はある意味では柱と同じくらい私達にとって重要なんだよ…だからその力を高めてほしい…そうしたら君の言葉の重みは変わる…それを忘れないでほしい」

 

 炭治郎は耀哉の言葉を平伏したまま聞いていたが何処か不思議な気分となっていた。

 

「(…何だろうこの感じ…この人の言葉を聞いていると不思議な高揚感がある…この人の為に頑張りたいとかよく解らないけどそんな感じがする…)」

 

 炭治郎はそう思うと自身の決意を伝えるために口を開いた。

 

「…おれにはまだ適合者の事は勿論ですが期待に応えられるだけの実力がまだ備わっているとは思えません…十二鬼月に勝てたのも相手に油断が有ったからだと思います…だからこそおれはこれからも鍛錬を重ねて期待に応えられるだけの実力を身に着けて見せます!!」

 

 炭治郎の言葉はその場にいる全員に彼自身の決意を示すには十分だった。それを聞いた耀哉は笑みを浮かべると「君には期待しているよ炭治郎、適合者のことは後日リィンさんから聞くことになると思うけどそれでいいんだね?」そう答え、最後はリィンに対する問いかけであり、それを聞いたリィンは頷くとすぐに答えた。

 

「勿論です…それに炭治郎とは十二鬼月を一体だけでも倒すことができたら適合者のことや私の事情も含めて全て話すと約束していましたから…けど…」

 

 そう前置きして炭治郎に目を向けると続けた。

 

「けどまずはその怪我を治してからだ、俺もすぐに話したいけどまずは身体を万全にするように…しのぶさん、炭治郎の怪我の治療を任せても良いですね?」

 

 リィンは炭治郎にそう言った後にしのぶにそう聞き、しのぶはすぐに頷いた。

 

「ええ、それは勿論です。怪我の治療と機能回復訓練が終了次第、灰屋敷に案内しますね?」

 

 リィンは頷くと「それから後二人…我妻善逸と嘴平伊之助の案内もお願いします…あの二人も炭治郎と一緒にいたんです…知る権利があります」と伝えると耀哉も頷き「わかった…それじゃあ炭治郎達のことはリィンさんに任せるよ…炭治郎達の話はこれで終わり…そろそろ柱合会議を始めようか」しのぶも頷き、「では竈門くんとそのお二人は機能回復訓練が終わり次第灰屋敷に案内いたしますね?それでは連れて行ってください!」と手を叩きながら言うと二人の隠が「前失礼します!!」と叫びながら炭治郎を抱えたが炭治郎はハッとした表情になり「ちょ!ちょっと待ってください!リィン教官にある人から伝言を頼まれていたんです!!」と叫び、リィンは「?どんな伝言なんだ?」と聞き、隠も立ち止まったため炭治郎はすぐに癒史郎の名前を伏せたうえで一言一句違えずに伝えた。

 

「お前の妹と恋人を馬鹿にしてすまなかった!そう言っていました!」

 

 そう伝えた直後リィンが硬直し、炭治郎は「…あれ?」と困惑し、宇随は「なに!リィンお前恋人がいたのかよ!?なんで黙っていたんだ!」と真っ先に反応し、杏寿郎も「確かに驚いたぞ!君が国に帰る時に持っていく土産を考えねばな!」と答え、柱の中でリィンに恋人がいることを最初から知っていた二人―義勇と蜜璃以外の残りの柱も興味深いことを聞いたというようにリィンを見たがリィンはまず宇随と杏寿郎の問いに答えるように口を開いた。

 

「あ…いや…聞かれなかったって言うのもあるけど…別に隠してたんじゃないんだよただ…ちょっと恥ずかしかったんだよな…」と何とも言えない表情で答え、杏寿郎は純粋な気遣いで、宇随は気遣い半分、からかい半分でリィンを見ていたが直後リィンの様子が変わり、炭治郎に対して「それから炭治郎…伝言の返事はこう伝えてくれ…」と冷たい口調で返し、それを聞いた炭治郎は「は…はい…(き…気のせいじゃない…リィン教官からこれまでで一番の怒りを感じる…)」と感じリィンは今日一番の怒りが込められた言葉で伝えた。

 

「…最初から自分で謝りに来い…こう伝えてくれ…」

 

「は…ハイ…」

 

 自分に向けられたソレではないとは言え、桁外れの怒りに炭治郎は震えながら答え、先ほどまでからかっていた宇随を含めた柱もこれまでの人生で戦ってきた鬼に感じたそれ以上の恐怖を感じてしまい思わず立ちすくむ中、実弥は隣にいた伊黒に「なァ…伊黒…」と声をかけ、伊黒も「…なんだ…不死川…」と答え、実弥はすぐに「…シュバルツァーだけは本気で怒らせないようにした方が良いな…」とぼやき、伊黒も「…そうだな…」と彼にしては珍しく二つ返事で同意し、悲鳴嶼は「(ああ…誰かは知らないがリィンを本気で怒らせてしまうとは可哀想に…)」と龍の逆鱗に触れてしまった癒史郎(会ったことも無い人物)を気の毒に思って涙を流し、耀哉も「(珠代さんによろしくと伝えたかったけど…そうも言えなくなってしまったね…)」と本気で困った様子で考え込むことになってしまった。

 

 炭治郎はその後すぐに運ばれて行き心の中で「(…ごめんなさい癒史郎さん…リィン教官…本気で怒っていますのでおれでは止めれません…)」と自業自得とは言え哀れな青年に対して謝っていた。

 

―一方そのころ…―

 

 産屋敷家から遠く離れたある場所にいた癒史郎は得体のしれない寒気を感じ震えあがりながら辺りを見回し、それを見た珠代は「ど…どうしたの癒史郎?」とこれまで彼が殆ど見せたことが無い様子にそう聞き、癒史郎は「い…いえ…ただ得体のしれない寒気を感じたもので…」と震えながら答えていたとか…

 

 

 





 今回の件でリィンは絶対に怒らせてはいけない人物として認識されました、因みに今作の癒史郎に鬼舞辻無惨と本気で怒ったリィンとどちらが怖いか聞くと本気で怒ったリィンと切れ気味に返されます。
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