鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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 いろいろ確認しながら書いているので少し遅くなりました、蝶屋敷編三話目です。


更なる修行と困惑

 

 炭治郎は一足先に訓練所に戻りアオイに対して頭を下げた。

 

「機能回復訓練、よろしくお願いします!!」

 

「え…ええ…もちろんです…」

 

 先ほどまでぐったりしていたとは思えないほどのやる気の入った炭治郎の姿にアオイは困惑したがすぐにそう答えると壁を越えて聞こえてくる善逸と伊之助の言い争いを聞きながら訓練に移った。

 

「では炭治郎さん!頑張ってください!」

 

 炭治郎のやる気を感じ取った三人娘の一人である、きよちゃんはすぐにそう声をかけ炭治郎も「お願いします…」と覚悟を決めた表情で布団に横になり、すぐに身体をほぐす作業に入った。

 

「!!っーーーー!!(やっぱり凄く痛い…!耐えろ…耐えるんだ炭治郎…!!おれは長男だ…!それに善逸が言っていたようにこんな事で挫けてるようじゃとてもリィン教官の期待に応えられないぞ…!!)」

 

 炭治郎がそうやって耐えている中、炭治郎がいないことに気づいた善逸と伊之助が「おいゴルァ!!抜け駆けしてんじゃねぇぞ炭治郎!!一人だけキャッキャウフフな空間にいるんじゃぬぇーー!!」「おれ様が一番に訓練を終わらせてやるぜ!!競争と行こうじゃねぇか!!」と叫びながら乱入し、訓練に参加することとなった…結果的に善逸の参加により二人の士気は上がり、凄まじい程に気合が入っていた。まず善逸だが善逸は炭治郎と伊之助ですら諦めかけた最初の訓練の時点で「ウフフフフフフフ」と身体をほぐされながらも笑っていた。

 

『正直気持ちわりぃんだけど…』

 

 あまりにもド直球な感想を本人に聞こえないのを良いことに口にしたのはやはり《C》であり、善逸の恍惚した表情と聞き方によっては不気味な笑いのセットを見て引いていた。

 

「あいつ…おれですら涙が出るってのにただ者じゃねぇな…」

 

 逆に伊之助は彼にしては珍しく素直に善逸をほめていた。

 

 更にその後の反射訓練ではアオイに勝利を収め「おれは女の子にお湯をぶっかけたりしないぜ…火事とかでそうしないと命に係わるとき以外はな」とドヤ顔で言い放ったが…先ほどの叫び声が聞こえていたこともあり、直後の反射訓練でも勝利を収めたものの女子四人に容赦なくボコボコにされていた。

 

 続く伊之助もやる気に火が付いたこともありこれまで散々だった結果が嘘のように勝利を収め勝ち誇っていた…しかし二人が順調だったのはここまでだった。アオイにいとも簡単に勝利した二人だったがカナヲにはどうやっても勝てず文字通り惨敗と言ってもよかった。

 

「紋逸が来ても結局ずぶ濡れのままで終わったな…」

 

 結局伊之助は意気消沈と言った様子に逆戻りし、善逸も「…おれもう改名しようかな紋逸に…」あまりにも落ち込みすぎた結果、伊之助の間違えた名前を自分の名前にするかどうか本気で悩んでいた。炭治郎は考え込むと「おれ達って殆ど同じ時期に鬼殺隊に入ったのに何でこんなに差があるんだろう?」と疑問を口にしたが善逸は半眼になると「おれ達がその疑問に答えられるわけないだろ?と言うかカナヲちゃんと一番いい勝負してたお前だけは言う資格無いし、むしろおれが聞きたいわ!」と言い放ち、善逸の剣幕に炭治郎は「ご…ごめん…」と謝罪し、それを見た善逸は考え込むと「けどしいて言うならだけど…強さとかそっちを聞いた感じだけど…炭治郎とカナヲちゃんから聞こえる音に微妙な違いはあるけどなんか少し似てるんだよな…参考になるかはわからないけど…」と言う風に答えた。

 

 実は善逸が言ったようにカナヲと一番いい勝負をしていたのは炭治郎だった、と言うのも「炭治郎さん!貴方は適合者であると同時にある程度は身体の調子も戻ったようですので今日からはカナヲが担当します!」と言うアオイの言葉もあり今回からカナヲと訓練することになったのだが実際に二人よりもずっといい勝負ができていた、反射訓練では最初の数秒だけだがカナヲの動きについていけていたことに加え、全身訓練でも何度か捕まえられそうな場面があり、惜しくも逃していたがそれすら無かった二人からすれば確かに聞かれたくないのも仕方ないだろう。

 

 その結果伊之助は負けが重なった結果ふてくされてしまい…善逸も「うん、おれにしては頑張ったし今日からは遊びに行こう!」と言い放ちその結果次の日から訓練に真面目に取り組んだのは炭治郎のみでアオイは「あの二人は結局サボりですか!!」と激怒し炭治郎は「すみません!明日は何とか連れてきますから…」と謝罪したがアオイの怒りは止まらず、真面目に来たはずの炭治郎にまで飛び火した。

 

「必要ありません!もうこの際あなたも遊びに行って構いませんので!!」

 

 アオイはそう怒鳴ると肩を怒らせて去っていき、炭治郎は謎の虚無感に襲われてしまい、これには流石の《C》も『…とりあえず元気だせよ…』としか言いようがなくなり何とも言えない重苦しい空気が漂うことになった。

 

 それからしばらくした後、炭治郎は縁側で《C》に対し「《C》はどうすれば良いと思うか教えてほしいんだけど…」と声をかけ、《C》は考え込んだ。

 

『そうだな…要はカナヲって子に勝てればいいってことだろ?手段自体は色々あるけどな…』

 

 そう二人が―炭治郎の姿しか見えないが―首を傾げて考えているのを蝶屋敷三人娘は物陰から見つめており三人は「炭治郎さん頑張ってるね」「ああいう人を努力家って言うんだよね?」「適合者の人って元々力を使ってた人とお話できるって聞いたことあるけど炭治郎さんもできるのかな?」と思い思いの会話をしつつある物を取りに向かった。

 

 炭治郎はそれからリハビリがてら走り込みをし一旦休憩として水を飲んでいたがそんな中三人娘が姿を見せ、ある技術のことを話していた。

 

「全集中・常中?」

 

 炭治郎は三人が言った名前を返し、それを聞いた三人は説明を始めた。

 

「はい、しのぶ様はそう呼んでおられました、しのぶ様の他にはカナヲさんに…柱の皆様も使われていますね、リィン様は例外みたいですけど…」

 

 きよちゃんの解説に付け加えるようになほちゃんが続けた。

 

「簡単に説明すると全集中の呼吸を朝昼晩と起きてる時だけじゃなく寝ている時もずっとする事だそうです」

 

 それを聞いた炭治郎は「へー、全集中の呼吸を…一日中?え?寝てる時も?」と困惑してそう聞き返し、なほちゃんが「はい寝てる時もです」と肯定し、きよちゃんが簡単な補足を始めた。

 

「全集中・常中の習得はとても難しいそうですが一度でも使えるようになれば後は意識的に止めない限りは自然に使えるみたいです、それにこれはしのぶ様がおっしゃっていたのですが…炭治郎さんは適合者でもありますので、他の方と比べて習得までの負担も少ない可能性が高いそうですので、まずは習得してみるのが良いと思います」

 

 きよちゃんの説明を聞いた炭治郎は「なるほど…」と頷き、なほちゃんが「ちなみにリィン様が全集中の呼吸を使われていないのは下手に習得すると逆に調子を崩してしまい、これまで通りの実力を出せなくなってしまわれる可能性が高いからだそうです」と付け加え、きよちゃんはある物を取り出すと説明を続けた。

 

「それからカナヲさんは修行の一環でこちらの瓢箪を吹かれています」

 

 そう聞いた炭治郎は小ぶりな瓢箪を受け取ると「へぇ瓢箪を吹けば音が出るのかな?」と言ったが《C》は『それにしては口の部分以外に穴が見当たらねぇけど…』と疑問を口にすると偶然にも疑問に答えるようなタイミングできよちゃんが「いえ、違います。瓢箪を破裂させるんです」と答え、炭治郎は「へぇー瓢箪を…え?破裂?」と困惑し《C》も同様に『破裂ってマジかよ…』と困惑し、炭治郎は震えながら「えっと…こんな硬い瓢箪を?」と聞き、きよちゃんは頷くと「はい、それからこの瓢箪は特殊な改良をしているそうなので普通の物よりもずっと硬いです」と答えそれを聞いた《C》は『手でぶっ壊す方がまだ簡単かもな…』とぼやき、きよちゃんはさらに説明を続けた。

 

「少しずつ瓢箪を大きくしていくそうです、今カナヲさんが破裂させているのは…こちらの瓢箪です」

 

 そう言いながらきよちゃんが示した場所にはなほちゃんとすみちゃんが持ってきた瓢箪があり、その大きさは正座したきよちゃんと殆ど同じ大きさであり《C》は『うわぁ…最早化け物じゃねぇかよ…』と困惑し、炭治郎も「(でっか!!)」と唖然としたが「(でも頑張ろう!)」とどうにか自身を奮い立たせそれからは昼間は全集中の呼吸を高めるための走り込み、夜は適合者の力を更に引き出すための精神修行をすることになった。

 

―一方その頃…―

 

 リィンはある人物に呼ばれ、山奥にあるその人物の住む屋敷に立ち寄っていた。

 

「ここが…ごめんくださーい!!」

 

 リィンは戸をノックしながら呼びかけるとやがてガラっと音を立てながら戸が開けられ、ある人物―悲鳴嶼行冥が姿を見せた。

 

「…待っていました…リィン殿…」

 

 悲鳴嶼はそう言いながらリィンを通し、リィンは屋敷で彼と向き合うと「悲鳴嶼さん…今日はどんな用件でお呼びしたのでしょうか?」と問いかけ、悲鳴嶼は頷くと口を開いた。

 

「…頼みと言うのは他でもない…時の許す時で構わない…私の弟子…不死川玄弥に稽古を付けて貰いたい…」

 

 リィンは悲鳴嶼の言葉に困惑し、すぐに問いかけた。

 

「悲鳴嶼さんの弟子…ですか?…それに不死川ってもしかして…」

 

 リィンは不死川と聞いてある人物の顔を思い浮かべ、この国の姓全てを把握している訳では無いものの不死川と言う姓がかなり珍しい物と言うことは把握しており、悲鳴嶼は頷くとすぐに答えた。

 

「…お察しの通り…玄弥は風柱…不死川実弥の実の弟に当たる者だ…」

 

 リィンはそれを聞き考え込むと「…まずは本人に会わせて貰えますか?稽古を付けるかどうかはそれからです」と答え、悲鳴嶼は頷くと「…こちらへ…」と言い先に立って屋敷から出ていき、リィンも後に続いた。

 

 





 炭治郎の方では強化フラグ、リィンの視点では炭治郎に先駆けて玄弥と関わるフラグが立ちました、これからの展開も楽しみにしてください。
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