鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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もう少し他の柱達も話させないとなあと思う今日この頃、けど直球かつわかり易く聞いて来そうな人がこの方しかいない事を考えると仕方ないかも…


鬼殺隊との会談と同盟

 

 庭に現れたそれ―ヴァリマールを前にした柱や隠達の反応は様々だがその場にいた全員が驚いていることだけは断言できた、というのも、「っな!」「すさまじい圧を感じるな…」「さ…流石にこれは予想外ですね…」「よもやこのような存在を眼にする日が来るとは…!」「うぉぉー!!悔しいがすげぇ派手でかっこいいじゃねーか!気に入った!」「…これはすごいな…」「!…こんなものを見せられては信じるしかないな…」「きゃー!すごい!なんなのこれ!」といった反応をみせているのは実力者である柱達であり再び耀哉が「静かに」と合図するまでそれが続くこととなったが、一通り騒ぎが収まったところでヴァリマールは耀哉を見据えると語りかけた。

 

『…お初にお目にかかる…鬼を狩る者達の当主とそれを支えし柱達よ…我はヴァリマール、灰の騎神にしてリィンの相棒といったところだ』

 

「…しゃべった…」「しゃべりましたね…」といった反応をする一部の柱達をよそに、耀哉は口を開いた。

 

「こちらこそ、お目にかかれて光栄だよ、私は産屋敷輝哉、鬼殺隊の当主をしている」

 

 耀哉の冷静な口調にヴァリマールは考え込むと続けた。

 

『思ったよりも冷静なのだな』とヴァリマールは言ったが、彼は首を横に振るとこたえた。

 

「いや…これでも驚いているよ、ただ、あなたの存在が有る以上りぃんさんが別の世界から来たことや無惨の傍に『黒』がいる可能性が高いという話も事実だと改めてよく解った、みんなに聞きたいけどこれまでの話や彼の存在を踏まえてもりぃんさんが嘘を言っていると思うかな?」

 

 誰一人としてそれに反論する者はなく、リィンが真実を語っている事がはっきりと受け入れられたことがわかった耀哉は改めて口を開いた。

 

「さて…りぃんさん達の事を受け入れてもらえたところで一つりぃんさん達さえ良ければだけど提案があるから皆にも聞いてほしい」

 

 耀哉の言葉に柱は勿論、リィンとヴァリマールも彼の次の言葉を待った。

 

「今回の事で我々鬼殺隊は鬼舞辻無惨に加え新たな敵として『黒のいしゅめるが』の存在がわかったことになる―あありぃんさん達のことを責めてはいないよ」

 

 一瞬申し訳無さそうな表情になったリィンを見た耀哉はそう言い、さらに続けた。

 

「りぃんさん達がここに来たのは『黒』がこの世界に逃げ込んだのが原因だからね、わかりやすく言えば事故のようなものだろう、それに『黒』が無惨の傍にいるなら無惨と戦うという事は必然的に『黒』とも戦うことになる筈だからね、なによりそうなればりぃんさんにとっても無惨は倒すべき敵になると思うけど違うかい?」

 

 耀哉の言葉にリィンは頷くと応えた。

 

「ええ、もちろんです…ですがそうでなかったとしても無惨のことは八葉の剣士として…何より一人の人間としてその様な存在をほうっておくことは出来ません」とリィンは耀哉の目を見た上ではっきりと一切の迷い無く応えた、それを聞いた柱達はリィンの覚悟を感じ、耀哉は期待通りの言葉だったこともあり満足して頷きつつ、そのまま続けた。

 

「わかった、なら本題に移らせてもらうよ、りぃんさん、そしてばりまある…さん?貴方達が来たことは僥倖と言えると私は思う、話から推測したところ『黒』は今は力の大半を失って自由に動けないそうだけどあなた達はどう思っているのか聞かせてもらえるかな?」

 

 ヴァリマールの名前はやや訛っておかしな響きになってはいたが、耀哉は迷い無く問いかけ、リィンも少し悩んだものの応えた。

 

「…私のこれもイシュメルガの持つ悪意を知る故の推測ですが…無惨の悪意を糧にあいつは失った力を取り戻そうとしているのだと思います、勿論そうした所で私達と戦った時ほどの力よりは弱いかも知れませんが…そして一番の懸念は…」リィンは耀哉を見据え、彼も「一番の懸念は無惨も『黒』の力を利用しようとしている…さらに言うなら、『らいざあ』だったね?それになっている可能性が高い…という事だね?」とリィンの言葉を引き継ぐ形で答え、リィンはそれに「ええ」と答え、それを聞いた全盲の柱が重々しく口を開いた。

 

「…りぃん殿…いくつか聞いてもよいだろうか?」

 

 リィンは彼から発せられた知り合いによく似た声に一瞬戸惑ったが、すぐに応じた。

 

「なんでしょうか?(トヴァルさんとミハイル教官に声がそっくりだな…)」

 

 彼―岩柱―悲鳴嶼行冥は静かに問いかけた。

 

「もしも無惨が『らいざあ』となっているのならば同じ『らいざあ』でなければ倒せないのでは?」

 

 彼の言葉にリィンは考えつつ慎重に言葉を選びながら応えた。

 

「…騎神の力無しでは難しいと思います、ヴァリマールがいる以上完全な存在となる為に間違いなくイシュメルガは出てくるでしょう、それと同時に話しを聞いた限り無惨は躊躇い無く他の手段が無ければ使うでしょう、そしてそれはイシュメルガも同じだと断言できます。」

 

 リィンの言葉を聞いた彼はさらに続けた。

 

「…ではもう一つだけ問おう、これはばりまある殿に聞きたいが、『らいざあ』は他に増やすことは可能だろうか?」「…どうなんだ?ヴァリマール?」

 

 リィンとしても気になっていた事もあり、彼と共に問いかけ、それを聞いたヴァリマールは思案した後に答えた。

 

『…真なるライザーを増やすことは不可能だ…だが仮初のライザーならば可能だろう…』

 

 この言葉に一番驚いたのはリィンだった。

 

「!できるのか?ヴァリマール!」

 

 ヴァリマールは頷くと続けた。

 

『我らがいた世界と違うからこそ可能なのだが、我の中に力として存在する黒を除く騎神が選択した者を仮初のライザーとできるだろう―無論使いこなせるかは彼ら次第だが…』と言い柱達を見据えた。

 

「成るほど…世界が違うからできる反則技と言ったところか…」

「…疑問に答えてもらい感謝する…」

 

リィンと行冥はそう口にし、ヴァリマールへの問いが終わったところで再び耀哉が口を開いた。

 

「ありがとう行冥、りぃんさんも答えてくれてありがとう、さて…一通り疑問も解決したところで本題に移ってもかまわないかな?」

 

 他に誰も質問が無いことを確認した耀哉はリィンとヴァリマールを見ながら続けた。

 

「りぃんさん、私からの提案だけど、黒と無惨を倒すために協力したいと思うから、貴方達さえよければ鬼殺隊に加わってもらえると嬉しい。そうしてもらえれば私達もりぃんさん達を堂々と支援できるし何より貴方の身分も保証できる」

 

 耀哉の提案はリィンから見てもありがたかった、だが一つ疑問があった。

 

「…それは願っても無いことですが…私が鬼殺隊に加わった背景はどういったものにするのでしょうか?」

 

 リィンの問いは当然でありこの国の言葉で言う異人である自分が鬼殺隊にどういった経緯で加わったことにするのかが疑問だった、この場にいる柱達は兎も角、他の一般の隊士にはどう説明するのかが分からなかった、だが耀哉は微笑むと躊躇い無く答えた。

 

「勿論それは考えているよ。私達とつながりのある異国と係わりの強い商人から貴方に関する話を聞き、私達はすぐに凄腕の用心棒である貴方の引き抜きをした、そして貴方はそれに応じて駆けつけてきてもらえた、蜜璃は事前に貴方の元へ送っていた鎹烏からの案内で貴方の迎えに行き、その際に貴方は自身が所持していた日輪刀と同様の効果がある刀で偶然遭遇した鬼を斬り、蜜璃はそれを目撃した…ということにしようと思うのだけど、構わないかな?」

 

 リィンは考え込むとうなずいた。

 

「…内容としては無理の無いように見えますし、そうしてもらえれば助かります」

 

 リィンのその言葉を聞いた耀哉は笑みを浮かべると答えた。

 

「決まりのようだね、鬼殺隊に加わってもらえるということだけど、色々と手続きがあって―例えば住居とかね―できる限り希望に添うようにしたいけど、あいにく西洋の建築には疎くてね…」と言うように耀哉は申し訳無さそうに言ったが、すぐにリィンが答えた。

 

「それでしたら問題ありません、私の故郷は山奥の温泉郷で建物の外観こそ西洋風ですが私の部屋はこの国で言うところの和洋折衷と言う造りでしたので大丈夫です…ただヴァリマールが入れる蔵のような建物は必要ですね…」

 

 最後の部分はやや苦笑い気味であり何ともいえない表情だったが、耀哉はすぐにそばにいた隠に何か伝えるとリィンに向き直った。

 

「住居については問題ないね、次の質問だけど、元の世界ではどんな仕事をしていたのか教えてくれるかい?」と言った形で様々な質問が続き―何故か途中から何人かの柱が加わり模擬戦が行われることとなったが―リィンは暫くの間は産屋敷家に泊ることに決まりお開きとなった。

 

 

 

 




序章は終了です、次章から遂に原作開始及び二人の主人公の一人であり原作主人公である彼が登場します、その為次回からはリィンの視点の話しと彼の視点の話し、両方を書く事になります、彼とその仲間達から見たリィンやリィンから見る彼らの表現も頑張ろうとおもいます。

最後に少しだけ書いた模擬戦の様子は後日番外編として投稿しようと思いますので、遅くなってしまうかもしれませんが楽しみにしてください。
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