鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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遅くなって申し訳ありません。

遂に無限列車編開幕です。

前回の予告通り今回からリィンも炭治郎達に同行します。


第五章―追憶と望郷―
新たな任務 無限列車へ


 

 炭治郎達は新たな任務のために駅へと向かう途中、リィンが口を開いた。

 

「皆、歩きながらで良いから聞いてくれるか?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

 リィンの問いに炭治郎はそう返すとリィンは直ぐに答えた。

 

「屋敷にいる隠の中の誰かから聞いていると思うけど…おれがヒノカミ神楽について調べてるって事は知っているな?」

 

「!はい、以前九重さんから聞きました。けど…わかったことはまだほとんど無いそうですけど…」

 

 炭治郎の言葉を聞いたリィンは頷くと直ぐに続けた。

 

「ああ…今のところは戦国時代と呼ばれている時代の記録を中心に調べてはいるけど…ヒノカミ神楽に繋がりそうな情報はあまりないんだ…柱の仕事もあるからそこまで時間を割けないと言うのもあるけど…戦国時代だけでも資料が多いから正直な所埒が明かない…だから今回の任務の序に今回同行する柱である炎柱…煉獄杏寿郎に聞いてみようと思う」

 

 リィンの言葉を聞いた善逸はすぐに「その人がえっと…ヒノカミ神楽?の事に関して何か知ってるんですか?」と問いかけ、リィンは考え込むと「実のところ確証は無い…けど杏寿郎の家系は代々鬼殺隊で炎柱を輩出している家系だから悲鳴嶼さんって言う岩柱の人から聞いたことだけど煉獄家には独自の資料があるそうだからもしかしたらヒノカミ神楽についても何かわかるかもしれない」と答えると伊之助は「ほう…そいつは強いのか?」と問いかけ、それを聞いたリィンは彼にしては珍しくニヤリと笑うと「ああ、以前摸擬戦をしたことがあるけど強かったよ。どちらが勝ったのかは想像に任せるけどな」と結果をぼかして答えたが炭治郎は勝負の結果を直感的に悟っていた。

 

 

―無限列車・出発駅―

 

 

「な…何だあの生き物は―!?」

 

 目的地である駅に着いて列車を目にするなり伊之助はそう叫び、先頭に躍り出ると「間違いねぇ…こいつはこの土地の主だ…今は眠ってるようだが目を覚ました時にどうなるか判らねぇぞ…」と注意を促したが善逸はそんな伊之助を冷ややかな目で見ながら「いや、これが列車だよ知らねぇのかよ。と言うかリィンさんまだ教えてなかったんですか?」とツッコミを入れつつリィンに問いかけ、リィンは苦笑すると「簡単な読み書きと食器の使い方以外はまだだな…」と答え、クロウも『野生児にこういう事教えんのって結構難しいんだぜ?おれもリィンも専門家じゃねぇから詳しくは無ぇけど』と答え、炭治郎は未だに落ち着かない様子の伊之助に対して何を思ったのか「落ち着くんだ伊之助。この土地の守り神かもしれないから敬意をもって接するべきだし、急に攻撃するのも良くないぞ」と冗談を言ったが善逸はすぐに「だから列車だって言ってるだろ…と言うか炭治郎!おまえはしれっと知らないふりしてんじゃねぇよ!?鬼殺隊に入隊する前にリィンさんに乗せてもらったことがあるってこの前言ってたじゃねぇか!」と盛大なツッコミを入れ、それを聞いた炭治郎は「あはは!ばれたか!」と満面の笑みで答え、そんな炭治郎の冗談を聞いたリィンはクロウに対してしみじみとした様子で「見たか?クロウ…炭治郎が冗談を言えるようになってるぞ…」と言いクロウも『そうだな…お兄さんも嬉しいよ…会ったばっかの頃の炭治郎は全く冗談を言えなかったからな…』と涙を拭うようなしぐさをしながら珍しく二人して悪ふざけをし―炭治郎が冗談を言えるようになっていることに感動しているのは本心だが―それを見た善逸が「オイこらそこの二人!感動してんのは本心だって音で解るけど今の会話の半分は悪ふざけだってのも解ってるからな!」と言い放つなどの騒動になりその様子は警備員に刀のことを咎められるまで続いた。

 

「悪ふざけについては悪かったよ…皆の緊張を和らげようと思ってさ…」

 

 先ほどの悪ふざけについてリィンはそう答え、クロウが『おれは本気でふざけてたけどな』と言うのを余所に善逸が先ほどの事を踏まえた解説を始めた。

 

「リィンさんがおれ達を気遣ってくれていたのは解ってるので…それはそれとして…おれ達鬼殺隊は政府公認の組織じゃないから普通は刀持って歩けないんだよ。実際に襲われた経験がある人たちは別として鬼のことだって普通は信じないしな…だから大体の隊士は今回の様に人通りが多い所に行くときはリィンさんみたく竹刀袋かなんかに隠してるんだよ…おれ達の場合はそう言う入れ物を買う余裕が無かったから仕方無いけど…」

 

 善逸の言葉を聞いた炭治郎は「おれ達だって何時も頑張ってるのにな…」とぼやき、善逸は「まぁそこは仕方ないよ…」と呟き、リィンは「一応鬼殺隊の協力者の中には警察官もいるにはいるけど都合よく接触できるわけじゃないからな…おれも二回しか会ったことが無いし…」と自分の経験を踏まえた補足をし善逸は「入れ物の事は今回の任務が終わったら考えるとして、歩きにくくなっちゃうけど今回は服に隠してそれからすぐに列車に乗ろう。切符自体は事前に送られて来たし…」と言い、それを受けた炭治郎は背中に背負う形で刀を隠し、伊之助も背負ったが本人は相変わらず隊服を着ておらず、それを見た善逸は「刀隠せって言ったけどお前話聞いてなかったのかよ?お前はその被り物に上半身裸のせいでただでさえ目立つんだからせめて服を着ろよバカ」と言い放ちそれを聞いたリィンは「とりあえず…そうだな…伊之助はこれを身に着けたらどうだ?」と言いながらマントを取り出すと伊之助に着せ、伊之助は傍に有った鏡を見ると「ウオォーーー!悪くねぇじゃねぇか!気に入ったぜ!」とマントを絶賛し、それを見たリィンは「さてと…杏寿郎はもう乗り込んでいるはずだからおれ達も乗り込んで探すとしようか」と言い、それを聞いた炭治郎は「わかりました!」と答え、善逸と伊之助も続き、今度は警備員に見つからないように気を付けながら行動し、目的の無限列車へと乗り込むこととなった。

 

 

―無限列車・内部―

 

 

「よぉし!主の腹の中だ!ここからが本番だぜ!!」

 

 列車に乗り込むなり伊之助は叫んだが善逸はすぐに「いい加減にしろドアホ!」と言い放ちつつ伊之助の首に手刀を打ち込んで気絶させるとリィンに目を向けるなり「その煉獄さんって人はもう乗り込んでいるそうですけど…何処にいるか分かりますか?」そう問いかけ、それを聞いたリィンは「何処にいるかは分からないけど杏寿郎の髪は目立つからすぐにわかると思う」と答え、炭治郎も頷くと「うんリィン教官の言う通り派手な髪だったし…匂いも感じるから多分そんなに―」そう答え、離れていないと続けようとした時「美味い!」と大声が聞こえ、リィンは以前共に行動した時の事を思い出し「またか…」と苦笑いしだし、クロウはリィンの表情を見て『前にもあったんだな…姿は見えないのに声だけ聞こえてきたこと…』とぼやき、何とも言えない空気になったが彼ら(伊之助は引きずられているが)は声が聞こえて来た方に向かうとやはり「美味い!」と何度も口にしながら大量の駅弁を食べている杏寿郎の姿が有り、傍らには山積みになった空箱があった。

 

「…この人が煉獄さん?ただの食いしん坊じゃなくて?」

 

 善逸は炭治郎を見ながらそう問いかけ、炭治郎もやや困惑しながら「…うん」と答え、リィンは「まあ食いしん坊なのも間違っては無いな…前に二人で任務に行った時の帰りでもたくさん食べてたし…」と先ほどの善逸の言葉に補足するように答えるとそれを聞いた炭治郎は「あ…あのぉ煉獄さん?」と声をかけたが杏寿郎は相変わらず「美味い!」と言いながら弁当を食べ続け炭治郎は続けて「すみませーん」と声をかけたが直後に杏寿郎は「美味い!」と言いながら炭治郎の方に振り向き、炭治郎は「あ、それはもう凄く伝わりました…」と引き気味に答えると杏寿郎はリィン達に気づくと「おお!待っていたぞ!すまなかったな!みんな座ると良い!残りの弁当も皆一つずつ食べると良い!何しろたくさんあるからな!」と言いながら弁当を手渡し―気絶している伊之助の分は善逸が受け取った―リィンは苦笑しつつ弁当を受け取りながら「あ…ありがとう…炭治郎も遠慮しない方がいいぞ…完全な善意だからな…」炭治郎にそう告げ、炭治郎も「あ、はい…いただきます…」と言いながら弁当を受け取り杏寿郎は頷きながら「うむ!まずは食事と行こう!話はそれからでもできるからな!」と言い彼の言う通り先ずは夕食をごちそうになる事となった。

 

 





煉獄さんが炭治郎達に弁当を進めているのはアニメ版の無限列車編のオープニングで炭治郎達に駅弁を渡そうとする姿が有ったのを意識しました。次回も楽しみにお待ちください。
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