鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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明日からはまた平日で投稿する時間が無くなってしまいそうなので、できれば今日中に八葉一刀流の稽古まで投稿したいです…


約束と信じると言う事

 あれから半年と一月たったある日、耀哉から許可を貰ったリィンは狭霧山を目指して森の中を歩いていた、リィンはその時のことを思い出していた。

 

―一週間前・産屋敷家―

 

 リィンは耀哉の元を訪れ、例の件を相談していた。

 

「…と言う事情があり彼を鍛えるために暫くの間休暇をもらいたいのです…鬼殺隊の当主として鬼を連れた隊士の存在を容認できないのは承知しております…ですがどうかあの二人の事を…炭治郎と禰豆子の事を認めてもらえませんか?」

 

 リィンが頭を下げたのを見た耀哉は静かに口を開いた。

 

「顔を上げてほしい…リィンさん…二つ確認させてもらえるかな?」

 

 リィンは顔を上げると「はい」と答えた。

 

「…彼…炭治郎が蒼の適合者なのは確かだね?」

 

 リィンは頷きつつ「はい、間違いありません、ヴァリマールも断言していましたし何より…」リィンは一瞬口ごもったが続けた。

 

「…何より一人目の時と同じく本来のライザーの姿が見えました…」

 

 耀哉は「そうかい…」と呟き、考え込むとさらに続けた。

 

「もしも万が一の事態が起こった時に貴方達が責任を取ると言ったのも本気なんだね?」

 

 リィンは頷き「ええ…本気です。」と続けたのを見て耀哉は微笑んだ。

 

「やれやれ…リィンさんと義勇がここまでの覚悟を見せているのに認めなかったら私が悪者になってしまうじゃないか…」

 

 耀哉は困ったような口調だったが、それでもリィンに歩み寄ると告げた。

 

「わかったよ、私も鬼殺隊の当主として炭治郎と禰豆子の二人を認めよう、そもそも人を襲わない鬼よりも異世界から来た人間って言う方がありえないからね…にも関わらずそのありえないような人が目の前にいる以上その子達の事を私も信じる事にするよ」

 

 最後の部分は何処か冗談めかした様子だったが耀哉は笑顔でそう告げた。

 

 それを見たリィンは「ありがとうございます」と再び頭をさげ、産屋敷家を後にした。

 

「…あまね…君には今回の事はどう見えたのか教えてほしい。」

 

 耀哉はリィンが去った後に傍に控えていた自身の妻に声をかけた。

 

「…そうですね…リィンさんのことと同じく今までにありえない事ではあるのでしょう…ですが悪い事ではないとおもいます。」

 

「…それを聞いて安心したよ。」

 

 そう言い耀哉は空を見上げるとはっきりと告げた。

 

「…これまでに何人も子ども達が犠牲になり無惨は異世界から来た存在と組み、おそらくかつて無いほどに強くなっている…だけどそれは私達も同じだ…そして今の世代が無惨をしとめる最後の機会だろう…必ず…なんとしても私達の代で終わらせよう…」

 

「はい…当然です…」

 

 二人は決意を新たにし、日課の墓参りへと出かけて行った。

 

 

―時は戻り狭霧山―

 

 リィンは狭霧山に差し掛かった所で改めて前を見た。

 

「(お館様が二人を認めてくださった以上、次は俺の番だ)」そう決意したリィンは彼らが寝泊りしている家につくと、戸をたたいた、すると事前に来訪を告げていたこともありすぐに男性の声で「どうぞ」と声が返ってきたため、リィンも「失礼いたします」といい引き戸を開け、天狗の面を付けた男、鱗滝左近次と対面した。

 

「(異人の柱…彼がリィンか…)」彼はリィンを招きいれ、座るように促し自身も座して対面するとリィンは深々と頭を下げた。

 

「…鱗滝左近次殿と見受けしました、お初にお目にかかります、鬼殺隊灰柱リィン・シュバルツァーと申します。」

 

 それを見た鱗滝も頭を下げると自己紹介した。

 

「いかにも、わしが鱗滝左近次だ、貴殿の事は義勇からの手紙でよく聞いている。」

 

 リィンはそれを聞きすぐに答えた。

 

「(ルトガーさんに声が似てるな…)いえ義勇には私も世話になっていますから…それと、こちらお土産のおまんじゅうです、お茶請けにどうぞ。」

 

 そう言いながらリィンはまんじゅうの箱が入れられた包みを取り出し、鱗滝に差し出し、彼はそれを受け取りつつ考え込んだ。「これはご丁寧に(ふむ…隙があるように見えて一切の油断が無い…この若さでこれほどとは全盛期のわしならば…それでも勝てるかどうか…)」

 

 リィンは家の中を見渡し少ししてから自身の目的と深く関わる彼の事を口にした。

 

「…炭治郎は修行中ですか?」と聞いたリィンに鱗滝は頷くと「案内しようついて来い」と言い家を出るとリィンを炭治郎の元へと案内した。

 

 

―炭治郎視点―

 

 

 炭治郎は鱗滝に言われた修行として今日も素振りを繰り返していた所で声がかけられた。

 

「炭治郎、おまえに客が来たから今日は休憩だ。」

 

 それを聞いた炭治郎は振り返るとすぐに答えた。

 

「!はい!わかりました!ですが鱗滝さん、おれにお客様って…」誰ですかと炭治郎が続けようとした所で鱗滝の後ろにいる人物を目にした炭治郎は驚いた表情になった。

 

「久しぶりだな、炭治郎、元気そうでよかった。」

 

「リ…リィン教官!?」炭治郎の表情は驚いていたがどこか嬉しそうだった、鱗滝はそれを見ると炭治郎に対し「少し早いが昼食にする、リィン殿との話はその時でも良いだろう。」と言い家に戻っていき、炭治郎達も後に続いた。

 

「そうか…禰豆子が眠ったまま目を覚まさなくなったのか…」

 

 鱗滝の料理を待ちながら炭治郎はリィンにここの所起こった出来事を話していた。

 

「…はい…医者の先生がおっしゃるには特に異常は無いそうですが、それでもこんなに長い間目を覚まさないのは不安なんです…明日には死んでしまうのではないかと思うのも本当に毎日で…」

 

 それを聞いたリィンは考えこむと答えた。

 

「そうか…なら一つ助言しよう、禰豆子を信じてあげるんだ。」

 

「信じる…ですか?」炭治郎の疑問の言葉にリィンは続けた。

 

「おれは鬼にされる前の禰豆子の事は知らないけど…鬼にされても誰かを守ると言う目的以外では人を襲っていない、それは禰豆子が強い子だからだと思う、禰豆子の事をよく知らないおれがそう感じたんだからおれよりもよく知っている炭治郎は信じてあげると良い(…なんて自分を信じられなくてエリゼに怒られたおれが言えた事じゃないかもしれないけどな…)」

 

 リィンの言葉を聞いた炭治郎は「信じる事…」とリィンの言葉を繰り返し頷き返した。

 

「若いな…だが良い師だ…」完成した料理を持った鱗滝は戸の向こうでリィンが炭治郎に向けた言葉にそう呟き、天狗の面の下には確かな笑みが浮かんでいた。

 

 

―昼食後―

 

 昼食とその後の後片付けが終わり、リィンは炭治郎に対して口を開いた。

 

「食事も終わった事だし、本題に入ろう、以前の約束は覚えているな?」

 

 リィンの言葉に炭治郎は頷きながら答えた。

 

「はい…確か次に会った時に他の型も教えると…」

 

 炭治郎の言葉にリィンは頷き、鱗滝を見ると「構いませんね?」と問いかけ、鱗滝も「問題無い」と頷いたのを見てリィンは続けた。

 

「鱗滝さんには義勇を通じて了承を貰っているけど暫くの間ここに住み込みで八葉一刀流を教える、準備は出来ているな?」

 

 リィンの言葉に炭治郎は一瞬戸惑ったがそれに気付いた鱗滝は炭治郎に目を向け、口を開いた。

 

「わしに遠慮しているのなら気にする必要は無い、以前から約束していたのだろう?生きるための手段は多い方が良い…それ以上に入隊前の隊士候補が現役の柱に稽古を付けて貰えることなど滅多に無い…この機会を逃すな。」

 

 鱗滝はこれまで以上に強く炭治郎の背中を押し出し、心の底からそう思っていることがわかった炭治郎は「はい!」と答えリィンを見据えると「ご指導よろしくお願いします!」と力強く叫び頭をさげ、それを見たリィンは苦笑いしながらも立ち上がった。

 

「それじゃあすぐにでも始めよう…鱗滝さんもよろしければどうぞ。」

 

 リィンの言葉を聞いた鱗滝は立ち上がると「そうか、ならば同席させてもらおう。」と言い三人は連れ立って修行場へと向かった。

 

 

 




 鱗滝さんの最後の方で炭治郎に対して投げた言葉は彼の経験を考えるとこういった言葉を言ってもおかしくないかなと思いこう言った内容としました。

 リィンが自分を信じられなかったと言う言葉は閃の軌跡無印でエリゼがトールズに来た時の彼の言動からこういった形に解釈しました。
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