鬼滅の刃~世界を渡った剣聖・閃とヒノカミの鬼殺譚~   作:来斗

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遅くなってもうしわけありませんでした。

色々とバタバタしていたのですがそれが一段落したと思ったら体調を崩してしまい遅くなりました。

今週も忙しくなるので遅くなるかもしれませんので申し訳ありませんが気長にお待ちください。


剣士と戦士

 

 昼食が終わって暫く経った頃、炭治郎と玄弥はリィンの指示で稽古場へと向かうと互いに炭治郎は木刀を、玄弥は木刀ではなく木剣に加えて摸擬戦用の銃―現代で言う所のエアガンに近い構造であり、弾も柔らかく殺傷力が低い物を使った特別性の物―をそれぞれ手に持ち互いに向き合うと戸惑いつつもその時を待っていた。そしてその二人の様子を見ていた善逸と伊之助は互いにこの戦いがどうなるか予想していたがそれを知ってか知らずかリィンの頼みで二人の傍にいたクロウが二人に問いかけた。

 

『さてと…今回の試合を見守る事になる二人に質問だ。この戦いはどちらが勝つと思うか…正直に答えてくれ』

 

 クロウからの突然の問いかけに善逸は「え?」と疑問符を浮かべながら考え込んだが伊之助は当たり前のように「何当たり前のことを聞いてんだよ?そんなの勘三郎が勝つに決まってんじゃねぇか。あの信也って奴は全集中の呼吸が使えねぇんだろ?ならわかり切ってんじゃねぇか。統一もそう思うだろ?」と言いながら善逸に問いかけたが善逸は難しい表情で答えた。

 

「…俺も炭治郎が勝つと思う…けど何と言えばいいのかな…あの玄弥って隊士からは煉獄さんとも違うちょっと変わった音がするんだよ…だからだけど炭治郎が勝つって言う予想その物には同感だけど…その前はわからない…もしかしたら炭治郎でも苦戦するかも…」

 

 善逸の予想を聞いた伊之助は「変わった音ってなんだよ?」と問いかけ、それを聞いた善逸は首を傾げながら「いや…変わった音としか言いようがないんだよ…けど強いて言うなら―」と続けようとしたが準備を済ませたリィンが姿を見せ、それに気づいたクロウは二人に対して『おっ!始まるみたいだから静かにな』と静かにするように促した為、善逸はすぐに「話はの続きは後で」と伊之助に伝え、そんな中リィンはすぐに立会人が立つ位置に着くとすぐに振り向き口を開いた。

 

「これより鬼殺隊士、竈門炭治郎と同じく鬼殺隊士、不死川玄弥の一対一の摸擬戦を開始する!勝負は一本決着とし勝敗は相手の気絶、もしくは立会人である俺の判断で行う!双方準備は良いか!」

 

 リィンの立会人としての言葉を聞いた二人はそれぞれに答えた。

 

「はい!竈門炭治郎!準備できています!」

 

「同じく不死川玄弥。問題ありません」

 

 二人の言葉を聞いたリィンは満足げに頷くと右手を掲げた。

 

「両者の合意を確認した。それでは試合…開始!」

 

 その言葉と共にリィンは手を勢いよく振り下ろし、それを見た二人は即座に動いた。

 

「(先ずは先手を取ってやる!そのために隙を作る!)」

 

 最初に攻撃に移ったのは玄弥だった。玄弥は慣れた動きで炭治郎に銃を向けると間を開けずに発砲し、それを見た炭治郎はクロウとの試練を思い出すと直ぐに体制を低くして銃弾を回避した。

 

「お、おい!なんだよあの武器は!?見たこともねぇぞ!?」

 

 そんな様子を見た伊之助は驚きの余り声を上げた。彼は銃と言う武器の存在自体は知っていたものの実物を見るのは今回が初めてだったことから驚きを隠せなかった。そんな伊之助の姿を見たクロウは何処か得意げな笑みを浮かべながら口を開いた。

 

『驚いたか?あれが銃だ。伊之助は実際に見るのは初めてだよな?さてここで二人に問題だ。銃の利点は大きく分けて二つだ。それが何か答えてくれ、ああ一人一つで良いぞ』

 

 クロウはリィンに頼まれた仕事である二人に対する問題を出しており、それを聞いた二人は考え込んだが最初に伊之助が答えた。

 

「わかったぜ!離れた場所から攻撃が出来る!そうだろう?」

 

『正解だ。良く気付いたな。それじゃあ二つ目は善逸が答えてくれ』

 

 クロウは伊之助の答えに対してそう答え、そんな中炭治郎は体制を立て直すと玄弥から見て右斜め前へと駆けだし、狙いを付けにくい動きをしながら玄弥へと迫る行動をしていたが善逸はそれを見ながら遠慮がちに答えた。

 

「…多分だけど…力が弱い人でも銃を使う事で戦えるようになる?」

 

『正解だ…まあ逆に言えばそれだけ悪いことに使われやすいって事でもある…だから銃を使う奴はある意味では刀を使う者以上に重い責任があるって事だ…何しろ力が無くても当たり所が悪けりゃ子供でも簡単に人を殺せちまう…それが銃と言う武器の特徴であり恐ろしさだからな…』

 

 クロウのこれまで以上に重々しい口調に二人は何も言えなくなったがそれでも炭治郎達の戦いからは目を離さずに見ていたがやがてある事に気づいた伊之助が口を開いた。

 

「?…そういや新次郎はなんであんな動きをしてるんだ?あんな動きしねぇで早く攻撃した方が良いんじゃねぇのか?」

 

 伊之助のある意味彼らしい質問に対しクロウが理由を答えた。

 

『いい質問だな。理由はそこまで難しくない。銃であれ弓であれ遠くから攻撃する武器を使う奴は必ず目標に対して狙いを付ける…まあお前らみたく視覚以外の五感のどれかが極端に優れていたり、相手の居場所を察知できるほどに勘が鋭い奴…俗に第六感って呼ばれることがあるけどそれが優れてる奴だったら相手を見なくても出来るだろうがそう言ったごく一部の例外を除けばみんなそんな行動をとるってわけだ。とは言え銃はそれさえできれば後は引き金を引くだけで弾が発射される…その速度は物にもよるが一秒にも満たないなんてこともある。つまりは銃を使う相手と戦う時は如何に相手に狙いを付けさせないかが重要になる。炭治郎が今ああしているのも狙いを付けさせないためだ。こいつはそう言う術を使う鬼相手でも役に立つから覚えとけよ』

 

「おう…覚えとくぜ」

 

 クロウの答えと補足に納得がいった伊之助は彼にしては珍しく素直に答えたがそれを余所にクロウは『(にしても…)』と心の中で呟くと炭治郎に目を向けた。炭治郎は相変わらず素早い動きで何処か変則的な動きを混ぜながら玄弥に狙いを付けさせないように動いており、それを見たクロウは感心した様子で心の中で呟いた。

 

『(見事と言うべきかな…この前の試練で俺と戦った時の経験を良く生かしてやがる…こんなに早く成果を見る日が来るなんて思わなかったけど…嬉しい誤算って奴か…とは言え…)』

 

 クロウは炭治郎を評価しつつ玄弥に目を向けた。玄弥は炭治郎が自身に迫るのを見てこれ以上は撃つだけでは意味が無いと悟ったのか銃を持つ手とは逆の手に木剣を持ち炭治郎に向けて駆け出すとそれを炭治郎が持つ木刀とぶつかり合ったがその後、一瞬の隙をついて跳躍しつつ近距離から銃弾を撃ちこもうとしたが炭治郎は間一髪でそれを躱し、追撃しようとしたところで玄弥が持つ木剣に攻撃を防がれてそのまま威力を逃がす形で受け流されると言う様子を見て考え込んだ。

 

『(武器を見た時からもしやとは思ったがあいつの戦い方…サラと似てるな…つまりリィンは玄弥の武器を見てサラの技の型を叩き込んだってところか…要するに玄弥は剣士の戦い方より猟兵の戦い方の方が合ってるからそれを教えたって事か…となると…一番可能性があるってことだな…)』

 

 クロウはある男とかつて『王』と呼ばれた男を選んだあの存在を思い出して笑みを浮かべ、再び二人の戦いに注目した。二人は今や接近戦を繰り広げており互いに相手の技を分析していた。

 

「(剣だけならまだしも銃まで使ってるから戦いずらい!クロウみたいに武器によって戦い方が変わるんじゃなく同時に使っているのはクロウとはまた別の意味で厄介だ!玄弥は匂いだけだと弱く感じるけど手数が多いし体力もあるから簡単には勝てそうにない!ちょっとでも隙を見せたら負ける!)」

 

「(リィンさんの弟子ってだけはあるな…癪だけど思ったよりもやる…八葉だけじゃなく水の呼吸の技まで使えるのは厄介だな…それに全集中の呼吸が使える分俺よりも強いのは間違いない…だがただじゃ負けねぇ…人間相手に使いたくは無かったが負けるとしてもまずは俺の全力をお見舞いしてからだ!)…ハァァァァァ…!」

 

 玄弥はそこまで思考を巡らせ、すぐに炭治郎から距離を取ると力を込め始めそれを見た炭治郎は彼が放つすさまじい気迫を感じ取り思わず硬直した。

 

「!(なんだ?玄弥の匂いが変わってきている?それにこの気迫は…いったい何をするつもりなんだ!?)」

 

 炭治郎が固まっている間も玄弥は力を込め続けておりそしてその時は訪れた。

 

「(ここだ!)ハァーーーー!!」

 

 玄弥は自身の中にある力を以前の修行やこれまでの任務でして来た時と同じように爆発させるようなイメージで開放し、ガクリと項垂れたような体制になったがすぐに炭治郎を見据えると何処か野獣を連想させるような獰猛な笑みを浮かべながら口を開いた。

 

「…待たせたなぁ…コイツを鬼を殺る時とリィンさんとの修行以外で使う事になるとは思わなかったが…今の俺が出せる全力って奴だ…精々…耐えて見せな!!」

 

 玄弥がそう告げた直後、彼はこれまでとは違う速さで炭治郎の目前に迫った。

 

「!(速い!!)」

 

 玄弥の想定外の速さに炭治郎は一手遅れたが間一髪で防御態勢をとることに成功した。しかし玄弥の攻撃は木剣によるものでは無かった。

 

「コイツを喰らいやがれ!!」

 

 玄弥が放った技は木剣どころか銃も持たない左腕からの掌底でありそれに驚いた炭治郎は勢いを弱める事こそ成功した物のその衝撃を完全に殺しきる事は出来ず体制を崩すことになった。

 

「!(剣じゃなくて体術!?それにさっきまでとは動きが違いすぎる!なにより今の技は)…破甲拳に…似ている!」

 

 炭治郎の言葉を聞いた玄弥はニヤリと笑うと「良く気付いたじゃねぇか…いや…八葉の使い手なら気付くか…こいつはリィンさんとの修行で見た技を俺なりに改良した技だ…威力は元には及ばねぇが体勢を崩すくらいなら問題なくできる…それで出来た隙をつくこともなぁ!」と続けると炭治郎に追撃をしかけ、それを察した炭治郎はすぐに回避して体勢を立て直しつつ応戦したが先ほどまでと違い殆ど互角だった。

 

「お…おい!?何なんだよ今のは!?あの裕也って奴さっきと全然違うじゃねぇか!?」

 

「…音が全然違う…さっきまでは弱かったのに今は強く感じる…」

 

『へぇ…リィンの奴思い切ったことしやがるじゃねぇか…ウォークライとはな…』

 

 明らかに何か知っている様子のクロウの言葉を聞いた二人は同時にクロウの方に目を向け善逸はすぐに「何か知ってるんですか!?」と問いかけ伊之助もすぐに「知ってんだろ!?俺にも教えやがれ!あいつが使ったその…だーくらい?って奴を!」と詰め寄り、クロウは溜息をつきつつも口を開いた。

 

『ウォークライな?何だよそのモンスターの名前みたいな言い間違いは…まあいい、簡単に説明するぞ。ウォークライってのは俺とリィンがいた世界の猟兵って言う雇われ戦士の技って言うか技術だな。さっきあいつがやったように一気に気合を溜めてそれを爆発させることで一時的に身体能力を飛躍的に向上させる技術だ。最も長時間それを維持するには慣れが必要だが使いこなせればうまい具合に武器の一つになる…とは言え欠点もあるけどな…』

 

 クロウが口にした欠点と言う言葉に善逸は少し考えこんだがやがてハッとしたような表情になると答えた。

 

「欠点…!もしかして体にかかる負担が大きい?」

 

『ご明察だ。熟練の猟兵でもウォークライは連発する事はまず無いと思っていい…少なくとも周りに誰も味方がいない時はな。慣れていない限り負担が半端ねぇことに加えて動けなくなることがあるからってのが理由だ。いや違うな…慣れていたとしても負担はある。だから使わない猟兵もいるし、改良して負担を減らす奴もいるな』

 

 クロウの説明を聞いた伊之助は目を輝かせながら「なあ!俺も使えるか?」と問いかけそれを聞いたクロウは『そうだな…』と顎に手を当てながら考え込むと『じゃあ炭治郎も含めたお前ら三人が使えるかって視点で答えるぞ』と続けた。

 

『…俺はウォークライを習得するつもりは無かったしそもそもそれよりも負担が少ない技が使えるから習得する必要が無いからあくまでも知り合いの元猟兵を見たからこその客観的視点からの意見だけど…先ず炭治郎はそもそも優しすぎるから向いて無ぇな…まぁ俺の技を共有しているから仮に向いていたとしても習得したところで使わねぇだろうから蛇足になっちまうだろうな…』

 

 クロウは最初に炭治郎は習得するしない以前に必要ないという結論を話した後に今度は善逸に目を向けた。

 

『次は善逸だけど…結論から言わせてもらう。炭治郎とはまた違った理由で無理だ』

 

「いや!なんとなく無理だとは解ってたけど直球すぎない!?」

 

 自分でも無理だと悟っていた善逸だがここまでばっさり切り捨てられればやはり文句の一つでも言いたくなるのか瞬時に突っ込んだがクロウはジト目になると口を開いた。

 

『理由は単純だ。ウォークライを使うにはかなりの精神力、そして戦いの中でも集中を乱さないことが重要だが…お前は調子良い時と悪い時の落差が激しすぎるだろ』

 

「ウッ(…否定できない…)」

 

 善逸は自分のそう言った一面にはある程度自覚があったのか否定できずに項垂れたがクロウは内心『(と言っても俺の予想が合ってればお前も炭治郎と同じで習得する必要がなくなるだろうけどな…)』と声に出さずに呟き、最後に伊之助に目を向けた。

 

『最後は伊之助だけど…おめでとさん。お前は習得できると思うぜ』

 

「本当か!ならどうすれば使えるようになるか教えろ!」

 

 クロウの言葉を聞いた伊之助は興奮気味に詰め寄ったがクロウは直ぐに『だから俺はやり方なんざわかんねぇって言ってんだろ…全部終わったらリィンに聞いてみな。助言くらいは貰えるだろうし…』と半ば呆れながら答えたが試合に動きがあったことに気づくと『それよりも試合に動きがあったみたいだから目を離さないようにしようぜ』と二人に伝え、それを聞いた善逸・伊之助を含めた三人はすぐに試合に目を向け直した。

 

 一方炭治郎と玄弥の戦いにも動きがあった。炭治郎は玄弥の動きに対応し始めており、玄弥はウォークライを維持する限界が近づいているのか息が上がってきていた。

 

「ハァ…ハァ…(まずいな…これ以上はウォークライを維持できそうに無ぇ…)」

 

 玄弥は息を切らしながらも炭治郎を見据えた。炭治郎は躊躇った様子を見せずに玄弥に対して刃を向け、玄弥は自分の限界を感じつつ呟いた。

 

「(…これ以上は無理か…結局コイツの全力を引き出すことはできなかったか…)」

 

 玄弥は諦めたように木剣を下ろしかけたその直後だった。

 

―俺は何としても柱になってあの人の隣に立ってやる!―

 

 かつての自分の言葉が脳裏に過った途端に玄弥の目に闘志が戻る事となった。

 

「(いや…まだだ!)」

 

 玄弥は木剣を強く握りしめ炭治郎を睨むと自身を奮い立たせた。

 

「(こんなところで諦めるもんかよ…俺には剣士としての才能は無い…けどだからどうした!俺はそれでも諦めずに戦って来た!今回だって同じだ!剣士の才能が無いからこそ俺は戦士の戦いを学んで俺なりに努力して力を付けたんだ!この力を身につける前とは違って今の俺は前ほど鬼を喰わなくても鬼を倒せるようにはなってる!だったらせめて戦士として諦めずに戦う!それだけだ!)」

 

 玄弥がそう決意した直後だった。

 

『…いい啖呵じゃねぇか。坊主』

 

「!(だ…誰だ!?)」

 

 突然玄弥の頭の中で誰かの声が響き、彼は戸惑ったようにそう問いかけたがその男はその問いに答えることは無く静かに続けた。

 

『誰でも良いだろ?だが少なくとも俺はお前の敵じゃねぇ…さてとどうする?このままじゃお前は殆ど何もできずに終わるが…俺の力を貸してやれば少しは勝てる可能性はある…どうする?』

 

 謎の男の提案を聞いた玄弥は戸惑いを隠せなかったがやがて答えた。

 

「(…決まってる…力を貸せ…俺は柱になる男だ…こんなところで立ち止まっていられねぇんだよ!!)」

 

 玄弥の決意がこもった言葉を聞いた男はニヤリと笑みを浮かべ(玄弥自身はそう感じた)、そして答えた。

 

『よし…なら俺の言う通りにするんだ。先ずは目を閉じて力が全身に行きわたる様子を想像しろ』

 

 玄弥は彼の言う通りに目を閉じてその様子を想像した。幸いにもウォークライを習得していたおかげもありそれ自体は簡単だった。

 

『上手いじゃねぇか。筋が良いな…それじゃあ始めるぞ』

 

 彼が始めると言って程なくして玄弥はウォークライを発動させた時の荒々しい力とは違う穏やかさを感じる力を感じ取りやがて彼は再び口を開いた。

 

『よし、仕上げだ。その力を全身に纏う様子を想像してみろ。その後は俺が手伝ってやる』

 

「(…ああ…今はあんたの提案に乗ってやるよ)」

 

 一方炭治郎は玄弥の様子がまた変わったのを見て警戒を強めていた。

 

「(玄弥の様子がまた変わった…この感じは…!まさか!)」

 

 炭治郎は玄弥の様子に警戒していたがやがてそれがあの力を使う時の自身の行動に似ている事に気づいた。

 

「…待たせたな…行くぞ!!」

 

 炭治郎が気付いた直後。玄弥はそう叫ぶと木剣を何かを振り払うように振るった直後。玄弥は紫色の光を纏ったような姿になり、この事をある程度は予想していたリィンとクロウ以外は驚きを隠せなかった。

 

「!その姿は!(俺と同じ…騎神の力!)」

 

「お…おい!あの健太って奴!お…同じじゃねぇか!?源太郎の奴と!?み…見えるよな!?」

 

「う…うん俺も見えてるよ…色は蒼じゃなくて紫だけど…音があの力を使った時の炭治郎と殆ど同じだ!」

 

「(やっぱり予想通りだ。紫の騎神は剣士よりも猟兵の様な相手を好む傾向がある以上、玄弥がそうである可能性が高いとヴァリマールが言っていたけど大当たりだったな)」

 

『成程…炭治郎を含めてこれで三人目か…お手並み拝見と行くか』

 

 そう言うとクロウは善逸と伊之助の傍から離れようと動きそれを見た二人は慌てた様子で「!ちょっ!クロウ!?何処に行くんですか!?」「オイどこ行くんだ!?」とそれぞれ言い放ち、それを聞いたクロウは直ぐに答えた。

 

『悪い悪い。けどリィンの奴に頼まれてたんだよ。もしも玄弥が適合者だって解ったら炭治郎の傍に行けってな。ここからは本気の勝負だ…目を離すなよ…』

 

 クロウの最後の言葉はこれまで二人が聞いてきた彼の言葉の中で最も真剣な様子であり二人とも何も言えなくなり炭治郎の下へと向かうクロウを見送る事となりクロウはそのまま炭治郎の隣に立った。

 

『待たせたな炭治郎…解るな?ここからは本気の勝負だって…』

 

「はい…俺も油断しません…玄弥に全力をぶつけます」

 

 そう言うと炭治郎も目を閉じ自身も騎神の力を発動させ玄弥と向き合いそのまま二人は再びそれぞれの武器を構えて激突した。

 

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