低カロリーなタフチーンの作り方を教えてください   作:猫好きの餅

18 / 19


今回、「職場の先輩がウチの飼い猫に似ている」のキャラが登場します。ご了承くださいませ。


幼なじみとお祭りに

 

 

 

 

□□□□□

 

 

 

「海灯祭?」

「うんっ、こんどやるみたいだから、行ってみたいなぁーって」

 

 時刻は週末の夜。部屋に響いた幼なじみの踊り子の声に、俺は聞き返した。

 

 海灯祭。璃月で新年の初新月に行われるお祭りだ。規模としてはテイワットの中でも1番なんじゃないかな。スメールの花神誕祭もすごいけど、去年参加した海灯祭の花火は圧倒されたのを覚えてる。

 

 

「クーファは行ったことあるんだっけ?」

「ああ。去年のはな」

「……ひとりで行ったの?」

「そうだぞ?その頃ちょうど璃月の料理を教えてもらいに下宿してた時だし、参加しに行ったというか、勝手に開かれたというか」

「…今年の海灯祭、2人で行かない?」

「喜んで」

「もぅ、ちょっとは考えて答えてよっ」

 

 俺の上に乗っかってきたニィロウは、俺の体に手を置きながらそう言う。でもね、ニィロウからの誘いとか断るわけないんだよなぁ。

 

「それに、1回本場の璃月料理も食べてみたかったんだぁ」

「あ、さてはそれが理由だな?」

「ぎくっ、…ち、ちがうもん」

 

 俺がからかった仕返しなのか、乗っかったニィロウがモゾモゾ動くのがとても効く。そのままだと埒が明かないので、俺は上のニィロウを押しのけて浴槽(・・)から立ち上がった。それを女の子座りして見ていたニィロウが、妖しく笑う。

 

「ふふ、元気だね」

「…そりゃな」

 

 クーファ(・・・・)をじっと見てくるニィロウが手を伸ばして来るが、今日はたくさん公演したみたいだし、そのまま好きに流されようっと。

 

 

 普通、幼なじみはタオルもなしに一緒に風呂入らないんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからも俺とニィロウの生活は順調に続いていた。スメール学院祭はまだ先なので、ニィロウはシアターで踊り、俺がタフチーンを届けに行くというるいつもの日常を送っていた。

 

 ただ1つ変わったところがあるとすれば、ニィロウが人前でも俺にくっついて来るようになったことだ。だから外では生暖かい目で見られることが多くなった気がする。

 

 つうことで、ニィロウはやっとこさ彼女にランクアップしたという訳。…まぁ、もう彼女になる前に色々としちゃってはいるんだけどさ。昨日も普通に一緒に風呂に入って背中流し合ったし、慣れってすごい。

 

 

 俺はそんな物思いに浸りながらオーブンにタフチーンをぶち込んだ。焼き時間は……ニィロウの好みの75分っと。

 

 さて、焼き上がるまで暇になってしまった。ジュートさんの店も今日は休みだし、海灯祭に行く準備でも進めようか。

 

 自分の厨房を出て家に歩いていると、向こうに見覚えのある金髪が見えた。横をふわふわ飛んでるマスコットと何かを話し、辺りを見回している。

 

「…おーい、旅人、パイモン」

「…ん?あ、クーファじゃないか!」

「久しぶり」

「スメールシティにいるなんて珍しいな」

 

 俺が声をかけたのは、テイワットの外から来たらしい旅人の蛍。生き別れた兄を探して各国を旅している女の子で、スメールの英雄でもある。なんでこんなすごい人と知り合いかって言うと、俺がニィロウと疎遠だった時代にスメールシティを案内したことがあるからだ。

 

 横に飛んでるパイモンもおしゃべり且つ食いしん坊で、案内した時に出したピタパンサンドを3口で持ってったのは記憶に刻まれてる。その体のどこに入ってくんだろ。

 

「なにか探し物か?」

「うん、近々海灯祭が璃月港であるでしょ?せっかくだしスメールの友達も誘おうかなって。…クーファもどう?」

「ああ。俺はもともと行こうと思ってたから。ニィロウもいくって」

「本当か!?やったぜ!………って、あれ、クーファ、ニィロウと仲良かったのか?」

「わたし達の記憶だとなんか疎遠だったよね」

「ああ。2人にもお礼言わないとな。前にニィロウが教令院の人と討論をしただろ?その時に色々あってまた話すようになったんだ。当事者じゃない俺が言うのもなんだけど、ありがとうな」

「どういたしまして。…よかったねっ」

 

 俺のニィロウ方面の悩みは前に相談していたので、ニヤッと笑った2人に肩を叩かれる。

 

「ああ。その後もいろいろあったけど、恋人にもなれたし、2人は恋の天使だな」

「…え、えええ!?付き合えたのか!?」

「…え!?前までは目も合わせられなかったのに?」

「今思い出すと恥ずかしいけどな」

 

 長い間シティを離れてた2人は初耳だったみたい。リアクションがよろしい事で。その中で、ぽろっと旅人の声が聞こえてきたのを俺は聞き逃さない。

 

「……いいなぁ」

「いいなって、旅人にもそういう相手はいないのか?」

「ぅえ!?…べ、別にそんな人はいないけど!?」

「何その慌てよう」

 

 俺が聞いた途端に声デカくなりすぎだろ。パイモンも何か知ってるようですごいにやにやしてる。

 

 正直めちゃくちゃ意外だ。そういうの興味無いかと思ってた。

 

「ほ、ほんとに居ないからっ」

「えー?……まぁでも旅人ってあんまり1箇所に留まるイメージ無いし、男と接する時間は無いか……」

「…って思うだろ?」

「パイモンっ!」

「え、やっぱいるの?」

 

 ニヤニヤしてるパイモンに呟かれ声を張上げる旅人。その反応はクロだろ流石に。……やべぇ超気になる。

 

「…一体誰、って俺ほとんど外国に知り合い居ないや。それかスメールの人?」

「だ、だからっ、そんな人いないからっ!パイモンも、それ以上話したら晩ごはん抜きだからね!」

「オイラもう口開けないぞ!」

 

 頼みの綱のパイモンも口封じされてしまった。……くそ、マジで気になるな。……そう考えたところで、俺の少ない外国の知り合いの男の人が浮かんできた。あの人、確か5人いるんだよな……。……まさか?

 

「……まさか、迅…さんとか?」

「っ…?」

「え、……ビンゴ?」

 

 まさか俺の口からその名前が出るとは思ってなかったんだろう。びっくりしたように肩が跳ね、俺はポカンと口を開ける。うっそ、んな馬鹿な。

 

「……なんで、迅を知って…?」

「この前俺フォンテーヌに行ったんだけどさ、その時のキャラバンで一緒だったんだよ。ディシアさんやニィロウも知り合いだぞ?」

「……」

「……まぁ、その顔でだいたいわかったわ。……んじゃ、海灯祭でな」

 

 その顔の色でもうわかった。俺は踵を返して歩き出すと後ろから「えっ、いやっ、違っ!」とか「あっ、当日私がワープで連れてくから、シティの入口にいてね」とかが飛んできたので歩きならがひらひらと手を振って、俺は帰路に着いた。

 

 

 

 

 

 

「えっ!旅人が迅さんをっ?」

 

 そして夕方。公演が終わったニィロウにタフチーンを渡した時に昼間のことを話したら驚いた顔をする。

 

「な、意外だろ?」

「ね。…でも、迅さんってもう恋人がいるんだよね。……そうだとすると、ちょっと悲しいなぁ」

「まぁ、そうだな」

 

 ちなみに迅さんの彼女が複数人いることはニィロウには伝えてない。哀れんだ声を出すニィロウだが、俺からしたらワンチャン増えるんじゃね?みたいな期待ができる。旅人、まだ諦めんなよっ。

 

 そんな俺の内心を知らずにニィロウの顔が曇った。

 

「どうした?」

「……今、ちょっと私だったらって考えちゃって…。クーファのことが好きだって気がついた時にはもう恋人がいるってなったら私、立ち直れないよ」

「それは大層なもしもだなぁ」

「でも、クーファっ1ヶ月くらいスメールを出てた時があったでしょ?確か、璃月港に行ってたんだよね」

「おう、璃月港の万民堂ってところで料理を教えて貰ってたんだ」

「……その間に、仲良い子とか出来なかったの?」

「…………いないよ?」

 

 いないといえばいない。そう、つまりいない。ちょっと考えたせいで返答に間が空いてしまった。そんな俺にニィロウの頬がどんどん膨らんでく。可愛い。

 

「…やっぱりいたんだ」

「いや、今はってか、俺はずっとニィロウ一筋だって」

「でも、海灯祭行く時に再会するんでしょ?」

「そうだけど、ただ挨拶するだけだってば」

 

 それでもニィロウのヤキモチが治まってない。俺が歩きながらするりと手を繋ぐと、すぐさま指の間に指を絡めてくる。

 

「……まぁ、よしとしますっ」

「ありがたきお言葉」

 

 手を繋いだのが功を奏してお許しが出た。

 

 

 

 

「……それとも、どんだけ一筋か証明した方がいい?」

「………ぅ、……うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 あの後、しっかりとクーファに「証明」されてから数日。

 

 ついに海灯祭の日がやってきた。ほんとだったらスメールシティを出て東に結構歩く必要があるんだけど、旅人のおかげで楽に行ける。いいなぁ、私もそれが出来たらクーファと色んな国のご飯を食べに行けるのに…。

 

 ちなみに、璃月港に行くのは私達の他に、ティナリさんとコレイちゃん、ドリーにディシアとドニアザード、セノさん。結構大人数だね。

 

 スメールシティの南門にクーファと行くと、もうみんなが集まってた。パイモンが私に気がついて手を振ってくれる。

 

「…あ、ニィロウっ!クーファも、待ってたぞ!」

「おはよう!今日はよろしくね」

「まっかせとけ!祭りはみんなで行った方が楽しいからなっ!」

 

 旅人にも挨拶をしていると、ドニアザードと、何故かソワソワしてるディシアが話しかけてきた。

 

「ニィロウっ、私お祭りなんて初めてよ!楽しみねっ!」

「そうだね!海灯音楽祭もやるみたいだし、ステージもあるんだって」

「いいわね!せっかくだしニィロウも踊らせて貰ったら?」

「お、良いんじゃないか?ニィロウの踊りを世界に広めるときだろ」

「クーファもっ、悪ノリしないのっ」

 

 もう、璃月港のステージで私が踊っても場違いなだけだと思うんだけど…?

 

「…えと、ディシアはなんでソワソワしてるの?」

「…あ?……あぁ。ちょっとな。…もしかしたら会えるかもしれないからさ」

「ああ、迅さんに?…でも、恋人と一緒にいたらどうするんですか?ダメージ貰うだけですよ」

「いいんだよ。ちょっと話せれば。祭りが楽しみなのも本当だしさ」

 

 他の人達にも挨拶をして、クーファと手と手を繋いで旅人の肩に手を乗せる。ちょっとした浮遊感の後に目を開けると、景色がガラリと変わっていた。

 

 

「……わぁ……!」

「相変わらず綺麗だなココ」

 

 大きな橋の向こうに、赤色の建物がいっぱい建ってる。何回も来たことあるクーファは私を見て微笑んでる。

 

「すごいね…!フォンテーヌとはまた違う」

「そうだな。こっちも綺麗だな」

 

 みんなを連れて来るって言う旅人と別れて、私達は2人で璃月港の大きな橋を渡る。

 

 わぁ、すごい人……。見ると璃月の人だけじゃなくて、色々な国の人もいる。………わ、あの人なんかすっごく美人だなぁ。モンドの人かな?

 

 水色の髪の女性を目で追っちゃったりしながら、クーファに手を引かれて璃月港を歩く。

 

「お店もいっぱいだね」

「ああ。璃月港の南にもっといっぱいあるぞ?ここは緋雲の丘って言って、高級目な店が並ぶところ。南はチ虎岩って名前の庶民向けの商店街だな」

 それにしてもすごい人混み。お祭り当日だから当然だけど、道の真ん中を区切りにチ虎岩から戻る人と緋雲の丘から出る人ですれ違ってる。そして、道の真ん中寄りを歩いていた私達がその逆方向の人の流れに巻き込まれた。

 

「…クーファっ!」

「ニィロウっ」

 

 私がすれ違う人混みに引っかかって手が外れちゃった。でもこのまま引き返すわけにもいかないし、また反対の列に戻ろうとしてもクーファはすぐに見えなくなっちゃった。緋雲の丘の半分くらいまで戻されてやっと解放された私は、周りをキョロキョロと見回した。

 

 ど、どうしよう。このままここで待ってた方がいいかな?それとも、クーファを探しに行くべき?……でも、入れ違いになっちゃったら本当に迷子になっちゃうよ…!

 

 焦った私が内心涙目になっていると、後ろから声がかけられる。

 

「……あれ、ニィロウさん?」

 

 私を知ってる?恐る恐る振り返ると、スメールシティで何度か見たことがある顔の女の子。亜麻色の髪に翡翠色の瞳、お尻から2本のしっぽが生えた猫又さん。

 

「…は、配達員さん?どうしてここにいるの?」

 

 狛荷屋の配達員……綺良々さんは私の不安を吹き飛ばすような、とても眩しい笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

□□□□□

 

 

 

 やべぇ、ニィロウとはぐれてしまった。チ虎岩の広場で列から開放された俺は戻ろうとしたのだが、壁や看板に「迷った方はこの矢印の通りにお進み下さい」と張り紙がされてあった。そしてその目的地はまさにココ。

 

「…あぁ、なるほど…だったら下手に動かない方がいいか?」

 

 うーん、でも心配なものは心配だ。うちのニィロウ超可愛いから、なんか危ない目にあってないだろうか…などとソワソワしながら緋雲の丘方面の橋をチラチラながら待っていると、後ろから肩を叩かれた。

 

「…っ、……って、ディシアさんですか」

「おう、にしてもすげぇ人だな。お前、ニィロウはどうした?」

「ちょっとはぐれちゃいまして。張り紙見たらここが迷った人の集合場所になってるみたいなんで動かずに待ってたんです」

「ありゃ、…まぁこんな人の数、花神誕祭でもそうそうないからな」

 

 ディシアさんとドニアザードは旅人にこのチ虎岩に送って貰ったらしい。そのドニアザードは?と尋ねると、指を指され、その向こうでそこで意気投合したらしい璃月の少女と話し込んでいた。

 

「へぇ…!あなたも詩を書くの?私も良くお家で暇だっときに勉強したのよ!」

「ふふふ、お姉さんもなかなか詳しいね…!まだ璃月港にいるんでしょ?時間がある時に往生堂に来てくれたら私の詩集をいくつかプレゼントするからっ」

「ホントっ!?やったぁ!たおちゃんだっけ?ありがとね!」

「た、たおって呼ばれるのは恥ずかしいんだけど…!」

「え?でも、フーが名字で、タオが名前なんでしょ?かわいいじゃない」

「うぅ、どっかの夜叉と同じこと言う……」

 

 あ、誰かと思えば往生堂の子じゃん。あの子結構変わった感じの子なんだけど、仲良くなってるの相変わらずドニアザードのコミュ力すげぇ。

 

「…ドニアザードにとって、こういう外国は初めてですもんね。…ね、ディシアさん………、ディシアさん?」

「………お、おい………アレ」

「ん?…………あ」

 

 

 何故かぷるぷる震え出したディシアさんの指の方向に、前フォンテーヌに行く時に世話になった迅さんが歩いていた。……横にどちゃくそ美人なお姉さんを連れて。

 

 濃い紫色の長い髪をポニーテールに結った、泣きぼくろが特徴的な美人さん。……というか美人度が人間離れしてる気すらする。まるで人形のように整った顔が幸せそうに彩られ、迅さんの腕に美人さんの腕が離さないとばかりに回されてる。

 

 ……えぇ、迅さんの彼女、凄すぎね?

 

 璃月の長袖のシャツとロングスカートのに包まれた美人さんと歩く迅さんは、美男美女カップルを地で進んでいて、周りの視線を一身に集めてる。いや、こりゃ見ちゃうよ。しょうがないもん。

 

 横を見ると、ディシアさんがなんだか白くなっていた。……どんまい。

 

 思わず背中をポンと叩くと、凄まじく目を泳がせるディシアさん。

 

「い、いや、わかってたし?迅に彼女がいるってことはさ。だから一応挨拶だけはしようかなと思ってただけだぞ?……でも、あそこまで美人なのは聞いてないぜ…」

「まぁ、幸い人は多いですし、色々探して見たらいかがですか?現にディシアさん結構見られてますよ」

「…そうか?」

 

 いうてこの人もかなりの美人だからな。スタイルもかなりいいし。多分璃月方面では珍しい露出度に目を引いてるってのも少しあるか。

 

 そんなディシアさんを見ながら苦笑していると、橋をニィロウが渡ってきた!

 

「ニィロウ!」

「……あっ!クーファっ!」

 

 ニィロウも俺を見つけて、不安だったのか満面の笑みでこっちに走ってきた。

 

「良かった…、ごめんなはぐれちゃって」

「ううん…私こそ…。あの人たちが案内してくれたの」

 後ろを振り向いたニィロウの目線を辿っていくと、そこには5人の美人さん達が。璃月の人にモンドの人、それに稲妻の人が3人…すっげぇなあそこのグループ。

 

 数瞬ほうけてしまった俺は、気を持ち直すとニィロウと一緒に頭を下げる。

 

「ありがとうございました」

「連れ人と会えたなら良かったわ。海灯祭を楽しんでね」

 

 頷いて返してくれた璃月の美人さんに再度お礼を言っていると、5人の中でひとり、すっごい聞き覚えがある女の子がいた。亜麻色の髪に翡翠色の瞳そしてしっぽ。………あ、もしかして?

 

「あれ、貴方ってもしかして迅さんの…?」

「あれ?迅くんを知ってるの?」

「はい、以前一緒のキャラバンでお世話になったんです」

 

 猫しっぽの女の子が自分に指をさして目を見開いた。なるほど、こういうところかぁ…。世間は狭いなぁって思っていたら、横から橙色の稲妻服の金髪の女の子が話しかけてくる。

 

「なぁ、迅がうちらのこと話しとったん?」

「はい。色々と。大切そうにしてました」

 

 そう答えると5人がそれぞれ照れたような顔になる。……おぉ、すげぇ、ほんとにこの人数と付き合ってるんだな。……て、あれ?

 

 迅さんって5人じゃなかったっけ。

 

 えっと、猫又の子に、今話した金髪の子、銀髪をポニーテールにした綺麗な子に璃月のツインテールの子、そしてモンドの騎士っぽい綺麗な人。………これで5人。

 

 

 

 ん?…………じゃあさっき一緒に歩いてた人って………?

 

 

 俺はぶわっと冷や汗が吹き出るのを感じた。……もしや、これ俺が迅さんの運命握ってね?

 

 

「えと、じゃあ俺たちはこれで。本当にありがとうございました!」

「うん!またね!ニィロウさん!」

「ありがとう〜!」

 

 迅さんの彼女五人衆に手を振って別れ、チ虎岩を歩く。すると、ニィロウがおもむろに話しかけて来た。

 

「みんな美人さんだったね?」

「まぁそうだな。仲良くなったのか?」

「うんっ!特にエウルアさん…水色の髪の人やポニーテールの綾華さんは踊りも得意でね、お話するの楽しかったよ」

「そっか、祭りは何日か続くからまた会えたらいいな」

「えへへ、そうだね!」

 

 と、とりあえず難は去ったか?迅さん、そんな浮気するような人じゃなかったし……誤解だと信じたい。まぁ彼女ほっぽってなにしてんのとは思ったけどさ。

 

 とりあえず今は祭りを楽しもう。ニィロウの手を引いて、適当な食べ物の露店に歩こうとしたところで。

 

「……………あ、迅さん、お久しぶりです」

「迅さん…お知り合いですか?」

「…まぁ、前にちょっと…。……お、おう。久しぶり」

 

 おっと、まさかの遭遇。見間違いだと祈ってた光景が目の前にさらけ出され、俺は白目を剥き、ニィロウは目を輝かせた。

 

「……お、ニィロウも久しぶりだな?」

「わぁ……その人があの、迅さんの彼女さんなのっ?」

「エッ」

 

 ちょっ!何爆弾投げてんだ!?まぁ確かにニィロウは迅さんがハーレム野郎なのは知らないけど(失礼)!

 

 ニィロウに盛大に誤解されて表情が固まる迅さんを他所に、隣の美人さんは頬を染めて、こくりと頷いた。

 

「……えへへ、お祭りデートですか?私達もなんです」

「ええ。私も初めてで、少し興奮していますね」

「……………」

 

 にこやかに会話する美人さんとニィロウを他所に、冷や汗を流しながら迅さんのアイコンタクトをする。

 

 「浮気っすか?」を目を細めれば迅さんは「違う違う!」とブンブン首を横に振った。口パクで「にんむ」と言ってくる。口ぶりからして彼女たちにも内緒みたいだ。そうなると、俺はさっさとこの爆弾(ニィロウ)を撤去することが先決だ。

 

「じゃ、そろそろ行きますか」

「あ、そうだね。……じゃあお2人も、楽しんでください!」

「あ、ああ」

「ええ。そちらも」

 

 俺はさっきより強めにニィロウの手を取って歩き出す。ニィロウは「わわっ」とびっくりしながらも俺の顔を見上げてきて、にっこりと笑うと指を絡めてきた。

 

「ふふ、どうしたの?」

「いや、ちょっと心配だったんだよ。迷子先で変な目にあってないかって」

「もう、それはこったのセリフなんだから」

 

 お互いそっぽを向き、同時にお互いを方を向いて目を合わせ、同時に吹き出す。

 

「あーもう、お腹空いたっ!どっかでたべよ?」

「おうそうだな。璃月料理はほんとに辛いから気をつけるよ?」

「うんっ!」

 

 

 

続く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。