ウマ娘プリティーダービー『The Player』   作:K.T.G.Y

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いよいよ最終回です。
書きたいもの全部詰め込んだら普段の倍以上の文章量になってしまった……。
読むの大変でしょうけど、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


Player

 

「……ZZZZ……」

タキオンは爆睡していた。もはや昨日の記憶も定かではない。

そして日が十分に上に昇ったあたりで、目を覚ました。

「ふわぁぁ~」

大欠伸をし、眠たい眼を擦りながら、ベッドから起き上がり、ドアを開ける。

「んん~~、Playerくぅ~ん、おはよ~」

「タキオン、もう11時だよ。おはようというには遅いね」

「はっはっはー、今日も重役出勤だねぇ」

 

トレセン学園を卒業してから数年が経過した。

アグネスタキオンは卒業後、実家に研究室を作り趣味の研究をとことんまで追求していこうと思ったのだが、

アグネスフローラお母様から、

「働きなさい」

と、至極真っ当な事を言われ、Playerと相談した結果、都内の某製薬会社に入社した。

「今、紅茶を入れるね」

そしてPlayerは専業主夫としてタキオンを支えている。

このアバターは二人が卒業後リニューアルしたもので、万能さに磨きをかけ、ログアウトの必要がないAIに近い代物。故にずっとタキオンの傍にいられる。

「んん~」

タキオンは未だ寝ぼけ眼。歯を磨いたものの眼はショボショボする。紅茶を口に含むと、砂糖のカロリーがようやく体を目覚めさせてくれる。

「あれ? Playerくん、私の記憶が正しければ、私は会社の研究室にいたはずだが……」

「ああ。徹夜して床に突っ伏してたよ。それをわざわざ向かいに行って、拾っておんぶしてここまで連れて帰ってきたんだ。帰路は車だけど」

「ほほぅ、成程成程、どうりでいい夢が見れたわけだ。夢の内容は覚えていないが」

「ははは……」

タキオンとPlayerは一応同棲ということになっている。まだ籍は入れていない。

母からは「早く孫の顔を見せなさい」と度々言われるが、今は研究に忙しくてそれどころじゃないと返している。タキオンも母親は苦手だ。

 

二人が住んでいるところは都内の分譲マンション。値段相応だけあって充分な広さがある。

そこに子供部屋すら置かず、家内研究室を置いているのがいかにもタキオンらしい。

唯一の不満点は、二人の部屋が別々で、ベッドも別々ということだけ。

住んだ時は「そこは布団は一つ枕は二つだろPlayer君!?」と追及したが軽くあしらわれた。

 

いや一応やる事はやっている。(うまぴょい)を。

初めての時はタキオンも女性なりに緊張していたが、Playerが滅茶苦茶上手く体の相性もよかったのかそりゃもう乱れさせられて、今でもあの日を思い出すとタキオンは赤面する。

でもあんなのを毎日やってたらタキオンは体が持たないと泣く泣く日を減らしたのだ。

(カフェはほぼ毎日のように盛っているらしいけど私はねぇ……この回数は淡泊なのか?)

 

 

解き明かして

さあハイファイな世界の先へ

超光速で視界はライトレス

 

 

不意に充電器に刺さっていたタキオンの携帯電話が鳴った。

「タキオン、鳴ってるよ」

「んん~~私程のウマ娘になると電話の方から寄ってくるべきだと思うんだがねぇ」

「そんな事言ってないで」

「はいはい分かってるよ」

 

「はいもしもしアグネスタキオンだ。私の力が必要かい? ……え、……んん……はあ? あー……んー、あーわかったわかった。そっちにいくよ。時間? いいだろそんなこと。今日中だよ今日中」

 

「会社からかな?」

「予定のレポートの提出期限が今日だったのをすっかり忘れてたよ。まあ家の研究室でやってたからすぐにでも出せるけど」

「じゃあ今日は出勤確定だね」

「しょうがないねぇ。あー、Player君、たまごサンド作ってくれ」

タキオンは就職して以来小食になった。多忙もあるが、サプリメントの摂取量も増え、Playerの美味しい食事以外殆ど口にしていない。

弁当を作るのは勿論Player。特にコンビニのものとは比較にならない味のサンドウィッチが好きだ。片手で食べられるのでレポートを読むときも楽だからだ。

 

「それじゃ、行ってくるよ」

「今日中には帰れそうかい?」

「引き留めても帰ってくるよ」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

トレセン学園を卒業して数年、アグネスタキオンは一流のキャリアウーマンを目指し頑張っている。

しかしその勤務態度は極めてアバウト。徹夜で研究室にこもりきりになることもあれば、昼過ぎに来社することもあり、はたまた家でやると言って欠勤することもしばしば。

普通なら即刻クビなのだが、結果だけは出しているので誰も文句は言えない。

 

そう結果は上々だ。

タキオンが特許申請して自分のものにした体が光る薬は、今やパーティグッズから飲料メーカーとのコラボによる清涼飲料水、さらに化粧品など運用は多岐に渡る。

そして製薬会社でのタキオンの発明は、通常の三倍効く湿布に、一粒で鳥の胸肉500g相当のたんぱく質を摂取できるチュアブル型プロテインなど様々。

現在はスプーン一杯でバスタブが甘くなるが和三盆並みにさらっとしていてしかも無害の人工甘味料の製作中で、もはや最終段階に入っている。

会社の業績は鰻登りで、タキオンが来て以来一度も下方修正したことはなく、株価も上がり続け、このところ毎期増配もしている人気銘柄となっている。

 

もしクビにして他会社に引き抜かれたらえらいことになると上司も戦々恐々としており、実際ヘッドハンティングは何度かある。

だがタキオンはどれだけ条件が良くても断ってきた。別に今の会社に義理があるとかではない。

彼女にとって、研究は趣味である。仕事とはまた別だ。つまんないと感じたら止める。それを思う存分試せる環境こそほしいのであって、他会社は金の話ばかりするので嫌いだった。

 

家の研究では、今でもウマ娘の無限の可能性を追い求めている。PCに向かう彼女はいつも真剣で、怪我に泣く娘を一人でも減らせないかと考え続けている。

自分は自分他人は他人、それは分かってはいるが、もう欠陥品(ポンコツ)となった脚をさすりながら自分の様な境遇のウマ娘を救えないかと身の丈に合わない事を夢想していたりする。

 

だがそんなタキオンが研究に没頭できるのは、間違いなくPlayerが傍にいてくれるからだろう。

彼がいなかったら、とっくに家はゴミ屋敷だし、会社だって辞めてるだろうし、風呂にも入らない日々になっている筈だ。

支えてくれる人がいる事の喜び、それを噛み締めていられるから、タキオンは道なき道を歩んでいくことができている。

 

 

「やあやあ諸君、おはよう」

「おはようじゃねーですよ! もう2時ですよ2時!」

「ハッハッハ! いい加減慣れたまえ。それじゃ、会議室に行こうか」

 

 

「……であるからして、後は大量生産するための工場及び生産ラインの確立といったところで」

「やはり新規で建てるのは必至か」

「社長が首を縦に振ってくれれいいんですがねー」

 

(相変わらずこの時だけはつまらないねぇ……)

 

「タキオンさんはどう思います?」

「は、私にふるのかい? んん~~……工場を丸ごとリースしてくれる会社とか探してみるのはどうだい? それなら安上がりだろ?」

「え?」

「あーいや、素人の思いつきにすぎないけど」

「そうか、その手があったか!」

皆の眼の色が変わった。

 

「よし、国内のリース会社で工場を扱っているところに片っ端から電話しろ。これなら食料品と類似してる生産ラインでも可能かもしれない」

「おっす! 営業の連中に声かけてみまっす!」

 

「あーちょっと待ってくれ」

タキオンが制する。

「何だいタキオンっちゃん」

「実は……この企画が終わったら、すぐにでも始めたいプロジェクトがあるのだがねぇ。これに皆目を通してくれないか?」

 

「な、なんじゃいなこりゃあ……」

「アルコール、ギャンブル、覚醒剤、それぞれの依存症で脳を焼かれた人間の中枢神経に作用して依存症を綺麗さっぱり取り除く薬さ。実現すれば凄いものになりそうな気はするんだが」

「こ、こんな夢みたいなこと本気で実現する気ですか?」

「薬師の本懐じゃないのか? 依存症患者なんて国内だけで吐いて捨てるだけいる。つまり治験対象は年齢層も幅広く数も充分。いけると思うのだが」

「で、でもこれを現実のものにするなんて……」

「達成出来たらボーナスが山ほど出るよ」

「ま、まあ今は検討中ということで……」

 

しかしそれから数年後、タキオンの発案した薬は現実のものになる。

世界中のどの大手製薬会社でも成し遂げられなかった特効薬が開発され、多くのダメ人間が救われることになった。

それどころか研究を重ねた所、生まれつき知的障害や発達障害を持つ人間にも効果があり、健常者として生活できるようになる者すらいた。

会社の株価は更に上がった。

情熱大陸で主人公になったりもした。

 

そしてアグネスタキオン、本人も予想していない、ノーベル医学・生理学賞を受賞。

「えぇぇーー」

趣味に没頭していただけでノーベル賞を受賞したウマ娘として世界中に認知される羽目になる。

 

 

そしてタキオンはそれとほぼ同時期、ウマ娘としてある一つの夢を実現してしまう。

「やったよ、タキオン!」

「ふあぁぁ~~……なんだいPlayer君。朝っぱらから騒々しい」

「君が立ち上げたプロジェクトの一つである、屈腱炎の投薬治療の治験結果が出た!」

「……ほほぅ。あのパーをピーしてプップクプーのペッペッポーしたら偶然出来た、タキオントロフェルビン酸カルシトニンとか適当に名を付けたあれか……。で、結果は?」

「7割だ。7割のウマ娘に症状改善の効果が現れたらしい」

「7割じゃ低いじゃないか」

「何言ってるんだ。手術を介さず投薬だけでウマ娘の不治の病とされる屈腱炎が治せるんだよ。これは歴史的快挙だよ!」

 

そう、アグネスタキオンは屈腱炎だった。Playerの加護もあって痛みはないが、放っておけば再発するくらいその脚は危うい。

ましてや現役を走るウマ娘にとって、屈腱炎は未だ不治の病だ。軽度の物であれば手の施しようはあるが、具体的な治療法は未だ確立されていない。

そこに一石を投じる薬ができた。それを会社に提出した時は、皆が目の玉が飛び出るくらい驚いていたのを覚えている。

「こ、これは素晴らしい!」

「これを商品化したらどれだけのウマ娘が救われるんだ!? どれほど途方もない薬を作成したって言うんだタキオンさんは!」

早速治験が行われた。屈腱炎に悩むウマ娘など、現役引退済問わず世界中に存在する。タキオンは募集をかけ薬を世界にばら撒いた。

藁にも縋る思いで薬を飲んだウマ娘は多かった。その効果が出て、またかつてのように走れるようになる。

これがどれほど凄い事か、タキオンは理解していなかった。

 

世界中からタキオンに向けて感謝のメールや手紙が送られた。

「……ん、これは、クロフネ君からじゃあないか」

 

 

『アグネスタキオンへ。

 

突然の手紙失礼する。君には無作法なメールより感謝の意を込めた手紙の方がいいと考えこの筆を取っている。

 

あれから私の脚は走りを止めても悪化の一途を辿った。医者からは最悪車椅子での生活を覚悟してほしいと言われた。平静を保っていたが、心の内は絶望して涙を零したことは何度もあった。

 

例の薬は私も服用した。飲むだけで屈腱炎に対して効果が現れる。半信半疑だった。だが私は、君を信じた。

 

飲んで数ヶ月後、私の脚に異変が起こった。あれほど長年脚にこびり付いていた痛みと違和感が、綺麗さっぱりなくなっていたのだ。

 

そのおかげで今は脚の痛みに悩むことなく走れるようになった。無論私は引退の身だが、もう苦しむこともなく生活できるのは有難かった。

 

君はウマ娘の世界に奇跡を齎したのだ。もっとも、君は別に誇る事もしないだろうが。

 

本当に有難う。

 

今度来日する。一緒に酒でも酌み交わそう。

 

かつて共に走ったウマ娘、

 

ブラックシップより。』

 

 

「……ふぅン。褒められても何も出ないこの身ではあるが、かつてのライバルから感謝されるというのは、悪い気はしないねぇ」

 

そして翌年、アグネスタキオンは一つの賞を受賞する。

ウマ娘の世界において、どのGⅠ勝利よりも栄誉ある賞とされる『ゴールドアヅゥーカー賞』を受賞し、人々に称えられたのであった。

 

 

作者の個人的最高傑作『ゴールドアヅゥーカーと呼ばれたウマ娘』

 

https://syosetu.org/novel/284258/

 

面白いので是非これを機会に読もう!前後編の短編なので時間も掛からないぞ!

 

 

「うーん……」

「どうしたんだい、タキオン?」

「Player君。私は研究の過程で様々な新薬を作り出してきた。それは自分でも想いの寄らぬ方向に向かい、気付けば多大な名誉と莫大な財産を築くことが出来た」

「そうだね、おめでとう」

「……だが、一つ何か足りないとは思わないか?」

「何だろう。想像が付かないな」

「決まっているだろう! 君との籍だよ!」

「あー……」

「もういいだろう。お互い覚悟を決めて結婚しよう。子供を産み家庭を築こう。私も女としての本懐を果たす!」

そう言って、バン! とテーブルに置かれたのは婚姻届けだった。

Playerは何も言わず書類にサインした。

「じゃあ明日役所に持っていこうか」

「君は本当に淡泊だねぇ! ……まあいいさ。有給を大量消費して家に引きこもろう。そして毎晩(うまぴょい)しよう!」

 

「精力剤よし! 排卵誘発剤よし! 媚薬アロマ香よし! 水分補給用のスポーツドリンクよし! 準備万端だ!」

「シーツと布団は洗ってお日様に当てたのでふかふかだよ」

「よし問題ないな。では前戯代わりとして、一緒にお風呂に入ろうじゃあないか」

「私はこれアバターだから汗もかかないし垢も付かないんだが」

「私だってムードの問題というものがあるのだよ。さあ入ろう。何なら風呂でおっ始めてもいいぞ!」

 

 

BGM うまぴょい伝説

 

作詞・作曲:本田晃弘

 

 

「……か、体中が、痛い……。特に腰が痛い……」

「ごめん、少しやりすぎた」

「いやいや、いいんだよ。それだけPlayer君にとって私が魅力的だということだからねぇ。……これだけやれば妊娠するだろう。君もいよいよ旦那様というわけだ」

 

そしてタキオンは目出度く懐妊し、一年後一人の女の子を産む。

「おめでとうございます。玉の様な女の子ですよ」

「ふぅン、ただの女の子だったか。いやはや目出度い。が、この娘には私の代わりにターフを走るウマ娘であってほしかったのだが……。さてPlayer君、名前は何と付けよう」

「一応いくつか候補はあるけど、ダイワスカーレットだけはやめようね」

 

子供を産んで以来、タキオンはますますPlayerに甘えるようになった。

徹夜続きで不規則だった生活も正し、仕事もアフター5には何処にも寄らず帰るようになった。

我が子は死ぬほど溺愛したという。

「末は博士か大臣だねぇ」

「産まれる前はどんな実験をしてやろうかなどと考えていたが、それがどれほど極悪非道な行為か思い知らされたよ。我が子に謝らなければ……」

「聞いたかいPlayer君! 今、我が子が「ママ」と言ったよ。この子は凄い! 私など足元にも及ばぬ超光速の成長速度を持つプリンセスになれるぞ!」

「おおSDカードがもう満タンか。新しいのに切り替えよう。いやあ我が子の成長をビデオに収めるのがこれほど楽しいとは」

 

「いやはや、こういう生活も悪くはないねぇ。それもこれもPlayer君、君のおかげだ。有難う。そして……愛してるよ」

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「うう~~……体も頭も痛いです……」

「カフェ、長旅お疲れ様。体調も悪そうだし、今日は早めにホテルに行って休もうか」

「そうします……」

『遠征適性ないって本当だったんだね。でもカフェ、これからが本番だよ』

 

トレセン学園を卒業してすぐ、カフェ、サンデー、Playerはアメリカに来ていた。

サンデーサイレンスは言った。カフェに会わせたい人がいる。そりゃもういっぱい、と。

『あ、これからはお姉ちゃんって呼んでね』

「あ、はい……お、お姉ちゃん……」

 

 

『ハーイ、ヘイロー!』

「……んだぁ?」

サンデーはカフェを連れて、葉巻を咥えたいかにもガラが悪そうなウマ娘と引き合わせた。

『紹介するよカフェ。彼女はヘイロー。一応私のお母さん……になるのかな。凄いウマ娘なんだけど、猫殺し(キャットキラー)と言われるくらい気性難なウマ娘で……』

「っせえよ、サンデー。俺はセントサイモンじゃねえぞ。しばらく顔を見せてねえから死んでたと思ってたぜ……」

ヘイローはカフェの前に歩み寄る。

「……で、こいつがてめえの妹か?」

「……は、はい。マンハッタンカフェです」

「ほう……。いい眼をしてやがる。本物のウマ娘の眼だ。現役だったら、即刻喧嘩を吹っかけていたぜ」

 

サンデーはその後もアメリカのレジェンドと会わせるためにカフェを連れまわした。

ノーザンダンサー、スペクタキュラービッド、ネイティヴダンサー、ケルソ、等々……。

ついでにかつてのライバルであり今や親友のイージーゴアにも。

「私がついでだと!? 扱い酷くないか!?」

 

勿論アメリカのトレセン学園も紹介した。

『あの像を見てごらん。アメリカにも三女神像はあるけど、それ以上に偉大とされるBIG REDの2代巨頭、マンノウォーとセクレタリアトの像さ』

「これが、あの……」

 

 

「……しかし、どうして、私にアメリカを紹介するんですか?」

『え、何故って、……お礼みたいなものかな。私がさ、君の最高の『お友だち』でいられたのは、この雄大なアメリカという世界のおかげなんだ」

「…………」

『私はなんだかんだこの国が好きだ。私を育ててくれたこの国が大好きだ。だから私の国をカフェには知ってほしかった』

「……分かる気がします。確かにこの国は、雄大で……素晴らしい国です」

『それに、カフェはなるんだろ? 将来はトレーナーに』

「え……」

『カフェは面倒見ががいいし眼力もいい。将来きっといいトレーナーになれる。だから色んなウマ娘を見聞きして……』

「……なりませんよ」

『そうそうなりません……。……? え、今なんて……』

「トレーナーにはなりません……。だって忙しいですし、Playerさんとイチャラブできる時間も減りますし……」

『え……え……』

「私がなるのはバリスタです。一流のバリスタ。コーヒーを淹れるのは得意ですけど……改めて一から勉強して、プロになるつもり、です……」

『…………』

 

『私の尽力はなんだったんだああああああっ!』

「……知りません」

 

 

これはとある日の朝の事。

『ねえカフェ……』

「なんですか?」

『あまり言いたくはないけど、……その、毎晩盛り過ぎじゃないのかい?』

「……」

カフェは顔を赤く染めた。

『毎晩毎晩うまぴょいうまぴょい(ギシギシアンアン)、種牡馬じゃないんだからさ』

「……大丈夫ですよ。……ピルは、飲んでます」

『いやそういう問題じゃなくて、私が眠れないというか』

「カフェって意外と激しいんだよね。特に座位が好みでね」

「……昨日は、私が上でしたけどね」

『Playerさんも少し自重しようよ! 姉として度を越えてイチャイチャするのは目のやり場に困る!』

「……Playerさん、あーんで食べさせてください」

カフェは口を開けた。

「どうぞ。あーん」

「……あーん。……。美味しいです。ただのbreakfastなのに、とても美味しく感じます……」

「カフェの淹れてくれたコーヒーも美味しいよ。また腕を上げたみたいだね」

「Playerさんの為なら……幾らでも淹れてあげますよ。味覚、……あった方がいいって分かったでしょう……」

『あーもう! このバカップルは!』

 

(ラブコメノカフェッテ別人ミタイダヨネ)

(モウハグモキスモトコロ構ワズダシ)

(デモイッツモニコニコシテテ幸セソウダシ、コノママデモイイカ)

 

 

そして数年後、見事バリスタとして認められたマンハッタンカフェは日本に帰国し、喫茶店を開くことを目標に準備を始めた。

「カフェはどんな店を開きたい?」

「……そうですね。立地はPlayerさんにお任せしますけど、やはり落ち着いてコーヒーを飲める店にしたいです。店内は黒を基調としたシックに、窓は大きく明るく、常にジャズが流れるような……」

「いいねいいね。となると……街のど真ん中より、郊外のベッドタウンの方がいいかな……」

「……分かりません。でも勝負するなら、都心でも構いませんよ」

『…………』

(なんか、不安だな)

 

そして物件選びを続けた結果、都会の真ん中に良さげな土地を発見した。

潰れたファミレスを居抜きで使う為店内は丁度いい広さで、壁の一部が大きな窓になっているのもカフェの要望に沿っている。

なによりサラダバーやスープバーがあった場所を改装すればカウンタとしてすぐ使える。

駐車場も申し分ない広さで、遠方から車で来る客にも対応できそうだ。

 

業者に見積を出してもらい、細かな要望を応えると、工事は瞬く間に進んだ。

耐用年数を過ぎ古くなったものは思い切って取り替えた。入り口はバリアフリーを意識し階段からスロープに変更した。

 

そして……、

「できたぁ……私のお店……『喫茶 マンハッタン』が!」

カウンタは勿論、椅子、テーブル、その他調度品いずれもアメリカ最先端の流行を意識して作られたセンス溢れる喫茶店が完成した。

カフェは嬉しくて店内をくるくる回っている。

「おめでとうカフェ」

「……はい、Playerさん。この最高のお店で、お客様に最高のおもてなしと……最高のひとときを提供しますよ」

『あまーい!』

サンデーサイレンスが声を張り上げた。

『甘い甘いあまーい! 甘いよカフェ! チェリードーナツぐらい甘い!』

「え……お姉ちゃん、ど、どうしたの……?」

『みんな座る!』

カフェとPlayerは半ば強制的に椅子に座らされる。新品の匂いがした。

『いいかいカフェ! ここは街のど真ん中なんだよ。どれだけセンスがあろうがただの喫茶店を経営してやっていけると思ったら大間違いだよ』

「……ど、どういうことですか」

『確かにカフェの淹れるコーヒーはとても美味しい。でもね、日本は安くて美味しいコンビニコーヒーが街のどこでも飲める国なんだ。

コーヒーだけが目当てで通ってくれる客を囲う、これはとてもとても難しいよ。まともにやったら閑古鳥がなくのは間違いないよ』

「あっ……」

確かにそうだ、と、カフェは思った。

そういえばお店の事ばかり気にかけて、どんなメニューを出すかまでは考えていなかった。

自分は厨房スタッフでもホールスタッフでもなく、店全体を見なければならない経営者側になるのだ。

果たして、コーヒー一本で戦えるだろうか? 少考したが、厳しいと言わざるを得ない。

「……で、でも、豆はPlayerさんが出してくれるし、他の材料も……」

『だーめ、倉庫が空で搬入を全くしない店舗なんて噂が立ったら、絶対怪しまれるよ。食材はちゃんと買う。そしてそのうえで黒字を目指す。

いい喫茶店以前に、いい店舗であれ、常識だよそんなの』

「じゃ、じゃあ……コーヒーの値段を少し下げて……」

『それもNG。値段は安いに越したことはないけど、値段というのはその商品の『格』でもある。格を下げれば価値まで下がり、人はその商品に対価を払ってくれなくなる。

経営する側は適正価格というのをちゃんと見定めないといけないんだ』

「…………」

『あと営業時間も考えようね。コーヒーショップはオールデイダイニングをやる店も多いけど、かといってモーニングの時間から深夜までやったらカフェの負担が大きすぎる。

開店時間と閉店時間も熟考すること。勿論休業日も頭に入れてね』

 

「……お姉ちゃん、随分詳しいですね」

『ふふーん♪ カフェが修行している間、将来の事を考えてその手の本を読み漁っていたんだ。意外と面白かったよ』

サンデーはドヤ顔でふんぞり返った。

「……ど、どうしましょうPlayerさん。今からでも……経営コンサルタントに相談、しましょうか……?」

「ふむ……」

 

「私としての意見だが、この地域はビジネス街と近い。モーニングの需要はあると思う」

『ふんふん』

「朝忙しいがパンの一切れと一杯のコーヒーは腹に入れたい。中にはノートPCで仕事もしたい者もいる。サラリーマンに朝食を提供するのは悪くないだろう」

『じゃあ名古屋風にする? コーヒーを頼めばトーストが付いてくる、みたいな』

「そうだね。カフェのコーヒーは他とは一味違うと認知させるのが重要だ。それにお持ち帰りも付ける。マイタンブラーを持ち込めば100円引きで提供すれば需要は高まるだろう」

 

話し合いの結果、開店時間は7:00に決まった。朝の仕込みが大変だが、そのぶん閉店時間を早める事でバランスを取る。

「カフェの負担を考えると、閉店時間は21:00……いや、朝の事を考えれば19:30でラストオーダー19:00でいいだろう」

「そうですね……。中休みがあるとはいえ、立ち続けるわけですから……幾ら体力のあるウマ娘といえど、深夜は厳しいです」

『夕食を食べたいという人がギリギリ来店できる時間か。悪くないね』

 

「サラリーマンの需要を考えると、休業日は土曜日がベストだろうね」

『私もそう思う。日曜はサラリーマンは来ないけど普通の客でかき入れ時になる。日曜はやらなきゃ駄目だ』

「谷間……、ということですか」

 

『となると、一番の問題がランチの時間だね。ここをどうするかでこの店の価値が決まる。いいメニューが決まるといいんだけど……』

「……料理するのがPlayerさんだから、大抵のものは、作れると思いますが……」

「それで、提案なんだけど……これでどうかな?」

Playerが宙にモニターを映し出す。

「……。え、ええ? かつ丼定食に唐揚げ定食、炒飯に回鍋肉定食、オッチャホイ定食……」

「ちなみにオッチャホイはダンツフレーム君ゆかりで発案した」

「ま、待ってください! ……これじゃ定食屋じゃないですか! ここは喫茶店なんですよ!」

『いや、Playerさんの案は面白い。採用するべきだ』

「お姉ちゃんまで……!」

『いいかいカフェ、さっきここはビジネス街と近いと言っただろう。ならばランチの時間帯に来る客も必然的にそういう人たちが多い。

彼らは小洒落て斬新な創作料理なんかより、シンプルでお腹いっぱい食べられる料理を好むんだ。お腹にたまるご飯ものはピンポイントの需要がある』

「でも……でも……これじゃ、某所のネタスレ『定食屋まんはったん』と同じじゃないですかー!」

「カフェ、理想と現実は大抵離れていくものなんだ。いいものならば売れるなどというナイーブな感情はこの際捨てるべきだ」

「またそんなラーメンハゲみたいな……」

カフェは最初心底嫌がったが、Playerとサンデーの説得で渋々承諾した。

閑古鳥が鳴いてからテコ入れしても遅いと分かったからだ。頭を抱えるなら早いうちがいい。

 

(ああ……私の思い描いた喫茶店像が、音を立てて壊れていく……)

カフェは心の中で泣いた。

 

「これにサイドメニューも付けたいな」

『はいはいはーい! 私としてはアメリカンにハンバーガーやフライドポテト、そしてフィリーチーズステーキも採用すべきだと思いまーす!』

「……何ですかそれ?」

『説明しよう! ペンシルヴァニア州フィラデルフィアの名物でね、ロールパンに炒めた牛肉を挟み溶けたチーズをたっぷりかけたサンドイッチだよ』

「……カロリーの爆弾じゃないですか」

『でも絶対美味い』

「アメリカ人ってこれだから……」

 

「女性客は食べきれない人も出るだろうから、量は調整しよう。レディース(-100円)、普通、大(+200円)、ウマ娘盛り(+500円)の4段階で」

『オグリキャップ対策というわけだ。で、食後にドリンクかコーヒーを付ける。完璧だね』

「値段はどうしよう。このセットで外食における1,000円の壁を越えた今なら1,500とってもおかしくないが」

『うーん、そこまでいくと敬遠されるかな。毎日でも通えるギリギリの値段となると、1,200がベストだと思う。サイドなしなら1,000。それ以下だと家賃と土地代が払えない』

(……私が話に割って入れる余地が、どんどんなくなっていく。でも絶妙な意見なので反論できない……)

 

(コレナラ商売繁盛間違イナシダネ!)

(オ店ニトッテ忙シイコトハイイコトダヨ)

 

「……何言ってるの? あなた達も手伝うんだよ」

 

(エ!? ナンデボクタチマデ……)

 

「……。だって……、君達、ちょっとでも目を離したら……、すぐお客さんにいたずらするでしょ(ゴミを見る目)」

 

(ギク!)

(ソ、ソレハ否定デキナイ……)

 

「……。お化けが出るお店なんて即刻客が飛ぶでしょ。困るのは、私だから……」

 

(ウウ、カフェニハオ世話ニナッテルシ、除霊ハサレタクナイシ……)

(ショウガナイニャア)

 

「最後はデザートだけど、まあ、業務用のアイスでいいか」

「……パフェもメニューにいれましょう。女性にも需要がありますし、多分ポッケさんも来るでしょうし……」

 

 

こうして、理想と現実の中で激しく揺れ動くカフェを置き去りにしつつメニューの土台は決まった。

「……まあ、やるからには……全力を尽くしますけどね」

 

 

それから数か月後、食材の仕入れ先も無事決まり、いよいよ『定食屋まんはったん』……ではなく、『喫茶店マンハッタン』はオープンした。

開店時にはたくさんの祝花が送られた。

 

PlayerとSSの発案は悉く当たった。

朝はちょっとお得なモーニングで立ち寄る客は意外と多く、お持ち帰りのコーヒーはとても便利だと親しまれた。

「カフェさん、こいつにブレンド淹れてくれませんか?」

「……はい。300円になります。今日も一日、頑張ってください……」

 

ランチタイムはサラリーマン、ガテン系の雄臭い人々でごった返す。

「うめ、うめ、うめ」

「あ^~たまらねえぜ」

「うーーーーーまーーーーーいーーーーーぞーーーー!」(口から光線)

 

「炒飯、できるよ!」

(羽根ツキ餃子、モウチョイダヨ)

「お待たせしました。唐揚げ定食・大です」

「ええ!? スーパーで売ってるでっかい鶏むね肉の唐揚げが2個だって!?」

「食べきれなかったら言ってください。包みますので」

喫茶店とは思えない店内の油臭さも、またこの店の個性と許容された。

 

「いやートラックを停められるくらい駐車場がでかいってのは俺たちにとっては大きいっすよねー」

「最初は喫茶店って聞いて俺達みたいなのはおよびじゃねえと思ってたが、気にならねえってのはいいよな。飯も美味いし」

 

ピークが過ぎればゆったりとリラックスしながら午後のコーヒーを楽しめる時間に。

カウンタでコーヒーを淹れるカフェの姿は、見惚れるほど可愛かった。かつてのファンも、この時間によく来る。

サインをねだられても、カフェは嫌な顔一つしなかった。ただし写真はNG。『あの子』達が写るとまずいので。

カフェにとってもこの時間は自分の腕が一番ふるえる最高のひと時だ。女性客も集中する時間なので気が楽である。

「カフェさん、おかわりお願いします!」

「……もう5杯目ですよ」

「だって美味しいんですもん。こんなの飲んだら、もうインスタントなんて飲めませんって」

 

夕方になると、二度目のピーク。

仕事帰りと部活帰りの人々で賑わう。

セットメニューは出ないものの、疲れた体にはカロリーが高いものが合う。ガッツリ食べたい人から、軽くつまみたい人々まで様々。意外にも女性客も混じる。

「ここのかつ丼美味いよなー。毎日だって食べたくなっちゃうわ」

 

「お待たせしましたー。ベーコンポテトピザです」

「わーい、きたきた!」

「じゃ、これを食べながら週末の予定決めちゃいましょうか」

 

「唐揚げ定食・大にベーコンレタスバーガーのオプションチーズと餃子とフライドポテト大盛ください」

「……もちづきさん相変わらずよく食べますね」

 

 

勿論旧友や見知った顔馴染みも来店する。

「邪魔するよぉ~カフェ」

「……邪魔するなら帰ってください」

「つれないなぁ~。では紅茶を頼むよ」

「……紅茶はありません。リプトンの御徳用ティーパックがあるので、……勝手に淹れてください。お湯だけは注いであげます……」

「喫茶店に紅茶がないとは、相変わらずズレてるねぇ。ほら見たまえ、この店の評判も完全に定食屋扱いで……」

「出禁です」

「えぇぇーー」

 

「ようカフェ、季節限定パフェ食いに来たぞ!」

「カフェちゃんこんにちはー」

「……あ、ポッケさん。ダンツさん。どうも……」

「しかしなんだかな、おまえすっかりマスターの姿が板に付いたよな」

「そうですか……?」

「いや、なに、おまえさん結構不愛想だったり人見知りするほうだと思ってたからさ」

「……。変わったんですよ。お姉ちゃんと、Playerさんのおかげで……」

「ははっ、まああの二人がいたらそりゃ変わるわな。でも俺とおまえは、いつまでもダチのままでいてくれよな!」

「あ、そうだカフェちゃん。ミラ子ちゃんがお好み焼き屋さんオープンしたんだよ。今度一緒に行こう」

 

今日は不定期爆食い系テレビドラマ『オグリのグルメ』の収録。

「お待たせしました。かつ丼定食ウマ娘盛りです」

 

どん!

 

テーブルがミシミシ軋む程の大きさの椀が出てきた。

店内がザワつく。カメラを構える人々がごくりと唾を飲む。

蓋を開けると、そこには飯、飯、飯、カツ、カツ、カツ、卵、卵、卵がぎっしりと詰まっている。

 

「…………」

(私は、ご飯の湯気に食欲をそそられない者は日本人ではないと思う)

(そこに卵を加えるだけで、その白米は純金のように輝く)

(ましてや肉も加われば、それはもはや宝石。天下の財宝だ)←ココ(CV高柳知葉)

 

その後、オグリはウマ娘盛りとハンバーガー5個とポテト大盛2つとコーヒーを飲んで店を去った。

収録後には、「時間があればもっと食べたかった」と語ったが、「あそこは最高の定食屋だ」とタブーに触れた為二度目の来店はカフェの意向により禁止された。

「オグ……タマモクロスだ」

「アホかオグリ! もうこれ以上うちの出禁店を増やすなや!」

 

 

「はー……疲れた……」

「カフェ、お疲れ様」

ようやく閉店後の掃除が終わり、カフェは一息ついた。

やはり客商売というのは肉体だけでなく精神的にもつらい。

タキオンとどちらが楽か、間違いなくタキオンだろう。あちらは時として徹夜上等だが、実験自体はマイペースなので誰にも気を使う必要はない。

好きと仕事を両立させるのはそれだけ困難な道だ。

 

 

それでもカフェが頑張れるのは間違いなく……、

 

「……Playerさん、あーんで食べさせてください」

 

「……Playerさん、お風呂に入りましょう。一緒に洗いっこしましょう」

 

「……Playerさん、(うまぴょい)しましょう。今日は背面座位の気分です」

 

『……またやってるよ、あの二人』

(毎日毎日ヨク体ガモツヨネ)

『私も史実みたいに、いっぱい子供作ろうかなー。婚活にでも行こうかな……』

 

 

(……好きな人と一緒にいられるって、こんなに幸せな気持ちになれるんですね……)

(……大好きです。Playerさん)

 

 

トレセン学園を卒業し、日常に戻るウマ娘は多いが、セカンドキャリアで躓く事は意外と多い。

果たしてタキオンとカフェの同期のウマ娘達はどうなったのか、ジンクスを覆すことはできたのか、一部それを追ってみよう。

 

「いいねー、それじゃもう一本いってみよー」

「はーい!」

「……。(まさかこのネイチャさんがトレーナーになるとはねえ。世の中分からないものだねまったく)」

カノープス一番の古株だったナイスネイチャは引退後、実家のスナックを継がずにトレーナーに転身した。

かつてのトレーナーだった男の悲願、GⅠ勝利という夢を叶えるために。

(しかし、あれだね。自分が世界で一番早いと思ってる娘の鼻っ柱折ったり、自分に自信がない娘を励まして勝たせるのは、現役とは違う快感がありますなー)

そして数年後、ネイチャは一人の歴史的な雑草魂と出会う。

中々芽が出ない彼女に、ある日ネイチャは一つのアドバイスをした。

「ねえあなた、大逃げやってみる気はない? ターボみたいにさ」

その言葉が、彼女の運命を大きく変えた。そのスピードとスタミナ、そしてド根性は、彼女が理想とする走りとシンクロしたのだ。

念願の重賞勝利を成し遂げた。名勝負製造機と言われ、多くのファンが付いた。国内では一度もGⅠは勝てなかったが、国外でGⅠを二勝する。

そう、〇〇のツインターボと言われた、あのウマ娘である。

 

 

「はーい! 外側カリカリ、中はふわトロ、たこ焼き屋ターボボール新店だもん! 今なら30円引きクーポン付きだよ!」

「おお、いいですね反応。これならフランチャイズで拡大……そしてゆくゆくは上場企業に……」

「ロイスにこんな商才があるとはね。さあ祝いにMusicaを奏でよう!」

ツインターボと他の仲間達は飲食店を始めるため揃った。新生カノープスとして、小さな会社に夢を乗せて。

やれる店はなんでもやった。パン屋、ラーメン屋、回転寿し、ピザのデリバリー、ジャンルには拘らなかった。

ターボの動画作成技術、マチタンの看板娘の振舞、ロイスの賑わいを活かしたプロモーションは最高のシナジーを生み出す。

その会社はとんとん拍子に業績を伸ばし、フードコンサルも手掛け、やがて海外でも店を構える世界的上場企業となった。

でもターボは、一年に一度のネイチャの実家での同窓会で、

「何百万するワインとか、高級食材とか、色々飲んだり食べたりしたけど、やっぱりネイチャが作ったカクテルとポテサラが一番美味しいもん」と言ったそうな。

 

 

「お好み焼き屋開店したけど、おまけでパンケーキ始めたらやたらカップルが増えたなあ」

「たまに行列が出来るのは嬉しいんだけど、ここ駐車場がないからご近所迷惑だよね」

「今度商店街の人飲みに誘っていい人アピールしておかなきゃだよね~……」

ヒシミラクルが始めたお好み焼き屋は、ジョークで始めたパンケーキが瓢箪から駒で大ヒットした。

カフェの店とは正反対に、若者が集う憩いの場となった。

ただ本人はいたってマイペースで、忙しすぎて痩せたと嘆いているそうな。

だがそこに至るまでの道は波乱万丈を絵に描いたものだった。。学園卒業後、ミラ子は短大に進学し、その後無事就職する。

「私は普通のウマ娘だからね。普通の生き方をすべきだよねー」

しかしその企業はド級のブラック企業であった。半年で辞めた。辞めさせてもらえなかったので、内部事情をマスコミに暴露(リーク)して逃げるように辞めた。

睡眠時間もまともに取れず、毎晩酒をあおっていたため、アルコール依存症になりかけた。辞めた後は実家でニートを続けた。

「ミラ子、そろそろ働いた方が……」

「もう人の下で働くのは一億積まれてもいや!」

貯金が底を尽きかけたので、ギャンブルを始めた。パチンコ、スロット、競艇、競輪……。だが、勝った。勝ち続けた。浮いたお金は両親に渡していたのでやがて怒られることもなくなった。

「……(あ、この台いいかも。釘は開いてるし、寄りも悪くなさそう)」

「あのウマ娘の姉ちゃん、いつもいるよな。しかも毎回勝ってるし」

そしてミラ子は、遂に人生の分岐点に辿り着く。

「5-3-2。3連単で。賭け金はこの1222万ね」

「なっ……!? あの姉ちゃん正気か!?」

この頃ミラ子は競艇は日本の国技と言い張るほどどっぷり浸かっていた。そのメインレースの大勝負。内枠絶対有利と言われる競艇で1番を外すのははっきりいって無理筋である。

が、運命はミラクルを呼び起こした。1番が痛恨の出遅れ。4番はフライングで失格。5番はあっさり先頭に立ち、そのままゴール。2着は接戦だったが、写真判定の結果3番だった。

「あ、当てやがった。あの姉ちゃん……。これ3連単だぞ、どんな配当になるんだ!?」

ミラ子曰く、「2億から先は覚えていない。数えるのめんどい」らしい。

大金を手にしたミラ子だったが、もうこれ以上のミラクルは起きないだろうなー、とギャンブルの世界からは綺麗さっぱり足を洗った。

そして暇つぶしで始めたお好み焼き屋は大繁盛。奇跡(ミラクル)は、まだ続いている……。

 

 

ジャングルポケットは翌年も現役を続けた。

「タキオンもカフェもいねえターフに未練はねぇが……もう少しだけ頑張ってみるか」

そしてナベさんの相談で選んだ舞台は、ドバイだった。直線から豪脚炸裂。実にあっさりと勝ってしまった。

海外のレーティングでも評価され、日本にジャングルポケットあり、とその名は海を渡って知れ渡った。

「俺が世界、ねぇ……。じゃあ俺も挑んでみるか。凱旋門(せかい)に」

佐岳メイ率いる『プロジェクトL'Arc』のメンバーの全面協力の元、春先からポッケは欧州入りした。

「こりゃまた随分走りずれえ芝だな。日本のウマ娘はこんなの走ってたのか。そりゃ勝てないわけだ」

照る日も、曇る日も、雨の日も、ポッケは愚直にフランスの芝を練習で走り続けた。脚が欧州の芝を覚え、対応できるまで、何日も、何日も。

そして春が終わり、夏が過ぎ、前哨戦を勝ち、遂に凱旋門賞当日を迎える。

だが、当日は雨だった。ロンシャン名物「ぬかるみみたいな芝」発動である。

あー今年も日本のウマ娘の凱旋門賞勝利という悲願は駄目かー、日本のファンはすっかり諦めてしまう。佐岳メイもこの時は敗北を覚悟していた。

ただ一人、ジャングルポケットを除いて。

「いい逆境じゃねえか。タキオンを目標にしてた頃を思い出すぜ。いっちょやるか!」

20名のフルゲート、意図的なペースメーカーの存在、四方八方敵だらけ、だがこの完全アウェイが、ポッケの魂に熱を宿らせた。

(タキオンはおまえらより強かった! カフェなんて凱旋門勝ったウマ娘二人に勝ってるんだ! 俺だって、負けてたまるかよ!)

「でりゃあああああああああああっ!!」

『来た! 日本代表ジャングルポケット! 泥と水を弾き飛ばし、後方から猛然と迫る! だが後ろからも来てる! どっちだ!? どっちだ!?』

その時、全ての日本のファンの瞬きが止まった。

『ジャングルポケットだああああああっ!! 勝ったのはジャングルポケット! やりましたジャングルポケット! 遂に日本の悲願を果たしました!』

「やった! やりやがったシャングルポケット!」

「俺もう諦めてたよ! ていうか今日フランスが雨って聞いた時点で諦めてたよ!」

いつの間にか、雨は止んでいた。そして日本の報道陣に向けてトロフィーを翳し、ポッケは笑った。

「やりおったなぁ~ポッケ。儂が死ぬまでに凱旋門を勝つウマ娘が、しかも教え子の中から生まれるとは。もうこれでいつ死んでもええわい」

「おいおい、このトロフィーはあのボロ屋敷に置くんだからな。長生きしろよ、ナベさん」

この功績が認められ、その年の年度代表はジャングルポケットで決まった。そして正式に引退。

現在はフリーで舎弟に囲まれながら、学園に挑戦するウマ娘を見守っているという。

「やる事なくなって張り合いがなくなっちまったなあ~。いっそバックパッカーにでもなって世界中を旅でもしてみるか。……気が向いたらな」

 

 

ダンツフレームもまた、現役を続行した。

タキオンとカフェは引退、ポッケは海外、あの頃同期を走った者も数えるぐらいになった中、少しでも日本のレースを盛り上げるため全力を尽くした。

徐々に陰り始める脚、下から突き上げるようにやってくる新鋭に挟まれながら、一試合一試合走る事の喜びを噛み締めながら走り続けた。

勝率がよかったわけではない。重賞に幾度となく挑戦したが、春に勝てたのは宝塚記念のみ。秋には二桁着順の惨敗。引退が囁かれる中、最後にマイルチャンピオンシップ二連覇を成し遂げ有終の美を飾った。

「これで私の現役生活も終わりかあ。ここまで走らせてくれたトレーナーさんほかみんなに感謝しないとね。さてどうしよう……。大学に行こうかな」

ミラ子とは違う四年生の大学に進学する。そんなある日の事……。

「え? 飲み会に誘われた?(まだ普通のウマ娘であった頃のミラ子)」

「うん。会ったことのないサークルの先輩から。女性の数が足りないからって。奢るからお願いって」

「……。ねえダンツちゃん、その人達って、他に女性は連れてた?」

「ううん。男の人達ばっかり。サークルにも女性はいないって」

「……。見た目は?」

「うーん、日焼けしてて、アクセサリーいっぱいつけてた、かな?」

「ダンツちゃーーーーん! それ絶対ヤリモクのヤリサーだよ! スーパーフリーだよ!」

「えー大丈夫だよー。嫌だったらちゃんと断るし。ほら、私ウマ娘だから力強いし」

(……嫌な予感がする)

そして飲み会当日。居酒屋の片隅にはダンツをサークルの姫の如く囲んだチャラ男達がハイペースで酒を飲ませていた。

その一部始終を密かにグラサン姿のミラ子と呼ばれてきたポッケが目を光らせていた。

(いかにもチャラチャラしたいけすかねえ連中だな)

(お酒のペースが早すぎる。さっさと酔い潰そうって腹積もりだね)

(おい、今隙を突いてダンツの酒に粉を入れたぞ)

(あれ絶対睡眠薬だね)

(ダンツの様子がおかしくなった。意識がはっきりしてねえ。お、店を出るつもりだぞ)

(追いかけよう)

二人は追うように店を出た。タクシーをウマ娘の脚で追いかけて、男達が着いた先は、案の定ラブホテルだった。

「グレーゾーンどころか真っ黒だね」

「さぁて、どういう目に合わせてやるかな」

受付に人がいないタイプのホテル。もはやヤる事で頭が一杯なのか、全員ポッケとミラ子の存在に気付いていない。そして……、

「…………。……ん? ぅん? あれ、ここどこ……」

「よう、やっと起きたかい、お姫様」

「ポッケちゃん!? え、なんで、……って、あれ? ここは?」

「ラブホだよ。ダンツちゃん」

「ミラ子ちゃんまで!? え……え……?」

まだ思考がはっきりしていないのか、酒と薬が邪魔して状況がつかみ切れていない。分かるのは、ポッケとミラ子と、床に泡を吹いて倒れているヤリサーの連中。

「けっ、このド変態野郎共が。全員股間を蹴り潰してやったぜ。ウマ娘の脚力だ。二度と使い物にはならないだろうぜ」

セン馬(きょせい)ってやつだね」

「え? ええ?」

ミラ子は事の全てを説明した。自分たちがいなかったら、ダンツはこいつらに輪姦されていたこと。不安になった自分たちが見張っていたこと。

「そうだったんだ……」

「もう! ダンツちゃんのばか! お人よし! 自分の可愛さに無自覚!」

「それけなしてんのかほめてんのか、どっちだよ」

「…………」

この一件以来、ダンツは男性を避けるようになった。女友達は多いのだが、恋愛話には適当に相槌を打っている。そして半年後……。朝に電車に乗った時、

(あーあ、大学には来たけど、あんまり楽しくはないなあ。辛かったけど走ってた時の方が楽しかったし。進学は失敗だったかなあ……)

さわ……。

(あれ、今お尻のあたりに感触が……)

さわ……さわ……。

(これ、気のせい……じゃ、ない、よね……私、お尻触られてる……!?)

さわ……さわさわ……さわさわ……。

(私、痴漢に合ってる……! こ、怖い……声出せない……! いやぁ……だ、誰か、助けて……!)

がしっ!!

「おいてめえ、次の駅で降りろや」

「……!?」

ダンツの尻を触っていた男の手を、巨漢の男ががっしりと捕まえていた。

結局痴漢の男は駅で警察に連行された。話によるとどうもここ最近起きていた痴漢被害の主犯だったらしい。巨漢の男はお手柄だと褒められた。

「ど、どうも。危ない所を助けていただいて有難うございます」

「……。え、い、いえいえ、こ、こちらこそ、出過ぎた真似を、す、すいません」

男は顔を真っ赤にして答えた。

ここではなんなのでとダンツは男を喫茶店に誘った。

「改めまして、私はダンツフレームって言います」

「……。じ、自分は、山内、と言います」

二人の会話は、ちぐはぐではあったが和んだ。ダンツにとって、生まれて初めてのグイグイくる感じがないタイプ。同期にもいなかったタイプ。

「随分がっしりしてるんですね」

「え、あ、いや、中高と柔道をやっていまして。で、今は体育系の大学でしがないラガーマンです。ええ。まあ独活の大木と言う奴ですよ。ははは」

「私はずっとレースの世界にいたから、他のスポーツはわかんないなあ」

「そ、そうなんですか。い、いや、ウマ娘のレースの世界には疎いもので、す、すいません」

男はどうやらダンツがGⅠ3勝をした一流ウマ娘であることも知らないようだ。

「いいですよ。引退してしまえば、殆どの娘はただの日常に戻るんですから」

「え、あ、気に障ったなら、す、すいません」

(なんだか凄くシャイな人だなあ。責めてるわけじゃないのに、すいませんばっかり)

(自分に自信がなくて、スポーツに打ち込んで体を大きくして、頑張り屋さんで、普段は自分を大きく見せて、駆け引きなんかまるで出来なくて)

(でも根はすっごく純朴で、誠実で、一緒にいると安心できるタイプ……)

「あ、あの」

「え、な、なんですか?」

(この人、いいかも)

「連絡先、交換しませんか?」

こうして二人の交際は不格好ながら始まった。ミラ子からは「今時電車男なんて流行らない」と言われたが、ダンツは彼といると凄く楽しそうだった。

そして大学卒業直前、海の見える場所で、ダンツはバラの花束と婚約指輪と共に、山内からプロポーズを受ける。

ダンツは温和ないつもの笑顔を見せながら、

「末永く幸せになりましょうね。旦那様」と答えたのだった。

 

 

皆が皆、新たな道を選び、歩み始めている。

そう、レースを走るウマ娘といえど、その多くは10代半ば。成人してからが人生の本番なのだ。、

 

たまに学園は婚活会場、なんて揶揄される事もある。信頼する異性との結婚、そしてやってくる慢性的なトレーナー不足……。

 

 

その点、タキオンとカフェは幸せだった。

それが、ゲームへの介入者の仕業なのは、果たして幸か不幸かは、人によって解釈が分かれるだろう。

 

 

誰もがPlayerになれる。

 

このゲームのサービスが続く限り。いつまでも……。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

それからどれほどの年月が流れただろう。

 

 

今年もまた、二人のウマ娘がトレセン学園に入学し、夢を追う側になる。

「いよいよだね、カップちゃん」

「学園生活楽しみだね、スカイちゃん」

腐れ縁の親の娘、片やアグネスタキオンの二女、ディープスカイ。片やマンハッタンカフェの長女、ジョーカプチーノ。

ウマ娘としてこの世に生を受けた二人は、幼少時から親友同士として過ごし、これから偉大なる母の道程を辿る。

そこにはどれほどの苦難と困難が待ち受けているだろう。

 

「私たち、どうなるのかな?」

「私は心配してないなあ。だって、あのお父さんがトレーナーに復帰して、私たちの面倒を見てくれるんだから!」

 

 

始業式を終え、二人はとあるトレーナー室に赴く。

トレセン学園ではトレーナーにスカウトされないとメイクデビュー戦を走る事すら適わない。

 

しかし彼女二人の専属になる相手は、もはや決まっていた。

「失礼します!」

「失礼しまーす」

元気よく扉を開ける。

窓の外を見ていた男が、こちらを振り向き、「待っていたよ」と答えた。

 

葦毛の髪は長く、目元は見えず、鹿色のジャケットに黒の差し色が入った流星色のネクタイをした、胡散臭さが服を着ているような一人の男が。

 

「私は『Human』ではない……。ましてや、『Trainer』でもない……」

 

「私の事は『Hucker』……、いや、違うな。そう……『Player』と呼ぶといい……」

 

 

「「よろしくお願いします! お父……Playerさん!!」」

 

 

終 わ り

 

 

育成結果:アグネスタキオン・マンハッタンカフェ、両名ともこの上ない程US級

 




はい、ということで約一年間に渡って連載してきた本作、無事エターならずに終了です。
いやね、やっぱ私、長期連載って向かないんですよ。あの時ああしておけばもっと面白くなったのにな、とか、あれをこうしておけばよかったなー、とか、もっと他のウマ娘も出したかったなー、とか、そういう事考えながら、頭抱え続けてました。
確かに自分なりに軌道修正はやりました。でも効果ありませんでしたね。しかしそれは誰が悪いとかではない。ひとえに私が本作を面白く出来なかっただけですので。仕方ない。

※反省会
色々とあるけど、やはり一番アカンと思ったのは、『Playerの性格がいい人過ぎる』事。まがりなりにもタキオンとカフェのトレーナーなんだから、もっと破天荒な男でもよかった。そしてPlayerなのだから、冷徹で独善的で非情なキャラとして書くべきだったんです。事実、序盤はその傾向が強かった。それをいい子ちゃんにさせすぎたのでブレにブレてしまった。実際、書きにくいと感じたのも中盤以降でした。最高のエンディングのために、駄目だと思ったら即「あきらめる」を押して死に戻りするかのようにシナリオを繰り返すみたいな描写でもよかったかなー、と。だって廃人層は一日複数回育成なんて当たり前なんですから。もっとゲームのPlayerっぽさを全面に出していくべきだったと思います。大いに反省。
後はやっぱり横のキャラの絶対的な不足。ポッケやダンツは映画繋がりだから同世代ということで説明が付くけど、もっと色々出してよかった。ネームドキャラを数合わせの様に書いてしまった。そりゃあ盛り上がりに欠けるよなー、と。
後は没にしたシナリオかな。「Playerの噂を聞きつけて未勝利の無名のウマ娘が尋ねてきて一度だけを条件に育成に関わる」みたいなものもありました。本編には組み込めなかったけど、幕間として書いてもよかった。

※サンデーサイレンスの描写
カフェの「お友だち」にしてPlayer目線ではアレで間違いないこのキャラは企画の段階で必ず描写すると決めてました。だって日本SS系多すぎですもん。なのに運営が意図的に描写をひた隠しにするから、じゃあ俺は名を出そう、と。出すのはほんと終盤中の終盤でしたが、これによりタキオンとカフェの関係がより濃密になりましたしね。カフェが勝ち、一度は存在ごと消えるように見せかけて、実体化し、またカフェの元に現れて本当の意味でお友達になる、という点も決めてました。まあ別の人ならもっとうまく描写できていたんでしょうけど、私はこれが精いっぱい。すまぬ……すまぬ……。

※エピローグについて
この辺りは某所のネタスレのネタも組み合わせて色々と案を練りました。タキオンを女教師にする案とか、カフェの家を猫屋敷にする案とか、色々です。結局取り捨て選択をしつつこういう形に落ち着きました。最後に娘がトレセン学園に入るのは直前で考えました。正直、これがいいエンディングなのかは人の好みもあるから分かりません。長期連載のラストはプロでも素人でもすっごく難しいと思います。自分はこうしました。それに意見があるならどうぞうえるかむです。次回の作品の参考にします。

※今後について
正直、今のところ完全にネタ切れです。こんなSS書いてる暇あったらもっと別な事に時間費やせよといえばそれまででしょうし。ただ次回があるとしたら、短中編程度でサクッと読めるものにしたいですね。人には向き不向きがある。そう考える事にします。

もし次回があるのなら、また追っていただけるとありがたいです。
それではこの辺で。皆さま、少し早いですが、よいお年を。(ジャスト年末進行で吐きそうな筆者より)
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