HP:142
KP:100
BP:720
LV:7
追記:挿絵挿入出来そうになかったイラストをpixivにあげました。興味のある方はどうぞ
「すいません。一晩止めてもらって」
神奈子「…アンタ、少しは自分の貞操位は大事にしなよ」
早苗「放してください諏訪子様!せめてもう一度!もう一度あの温もりを!」
諏訪子「行かせる訳ないだろう!?夜這いなんかしかけた危険人物なんか!」
結局昨日は一日守矢神社でお世話になった。食事だけでなくその日のトレーニングとして神奈子が背中にある御柱を一つ貸してもらったりしていた
結論から言う。死ぬほど重かった
外の世界で飾ってある御柱とは約10t、長さ17mという大きさだそうだ。それが元となっているので背中の御柱も相応の重さらしい。優に1tは超えるそうだった
何度か下敷きになりつつも、腕立てや素振りを200回程行っているとBPが20増えた。どうやら適切なトレーニングだったらしい
今回のトレーニングを終えてステータスを見直した時に気づいたことがある。それは壁越えだ
以前栽培マンを倒した時、自分のステータスがレベルアップ前と比べて著しい成長を見せた。これは推測でしか無いのだが、特定のレベルで一気に強さが倍増したりする瞬間があるのでは無いのだろうか?
一度試してみようと御柱を自分の上に放り投げてぶつかってみたが、普通なら死んでしまう筈の物体にぶつかっても出血をする程度で済んでいた
その時の怪我を心配してか、あわよくば自身の欲を満たそうとしたのかは知らないが、早苗が救急箱を持ってアワアワと慌てているのをよく覚えている。正直すまんかった
以上の事からおそらく今後も壁越えはあるのだと思う。そして壁越えをする度に自分が強くなっていると分かる反面、本当に自分がこの力を持っていて良いのかと疑問にも思う
だがそんな小さなことを考えていては変な考えに足を絡まれて進めなくなってしまう。今はひたすらに強さを磨くことだけ考えておくべきだろう
トレーニングを終え、風呂に入っていると早苗がタオル一枚で風呂に入って来たので速攻で風呂から出た。貞操の危機を感じたので扉をヒャドで凍らした隙に着替えようとしたのだが、開けられないと悟った早苗が弾幕でドアを破壊。こちらにルパンダイブを仕掛けてきたが神奈子の御柱が早苗の顔に向かって飛んでクリーンヒット。そのまま彼女の意識を奪った
流石に可哀想だったので早苗を回復させてその日は寝た。深夜に早苗が布団に入ってきたのを寝ぼけて抱きしめたのだが、ハッとして反射的に氷漬けにしてしまった
早苗は氷漬けのまま翌朝を迎える事になった。それなのに早苗がピンピンしてるのは正直タフだと思うが、ここまでの執念を感じさせる女性は嫌いじゃない
「早苗さん」
早苗「は、はいっ!」
「また来ますね」
そういって早苗に手を振りながら守矢神社を後にする。後ろからひょわあ~!と聞いた事の無い声が飛んできたが無視して歩みを進める
妖怪の山の麓まで移動すると、以前蛇に出会った場所に出た。昨日と変わらず綺麗な場所だ
思えばあの蛇は神奈子の使いだったりしたのだろうか?今更戻って聞こうとは思わないが、あの時歓迎されたのはここの出来事を見ていたからなのかも知れない
「…さて、そろそろ疑念を解消すべきか」
ここ数日で自分は何人のキャラクターと出会っただろうか。何故こんな短期間で自分の知るキャラクター達と会うことが出来たのだろうか
思えば不自然なんだ。ここに来てすぐの時は殆ど物語に出ない様な妖怪や動物と出会ったのに、最近は帳尻を合わすかのように不自然な程に東方キャラ達と出会いを果たした
もっと思考を飛ばして考えよう。これが能力ではなく、何らかの前兆としたらどうだ?
何か不吉な事が起こる前触れ。例えるなら出かける前に靴ひもが切れる。お茶を飲んでいたらコップが割れるといった出来事。これは出会いにも当てはめる事が出来るのではなかろうか?
そして全員が自分に親しくしてきたというのも疑問だ。特に霊夢が少しの時間であそこまで自分に親しくして来たのは本当に怖い。というか解釈違いだ
霊夢と言えばツンデレだろう。普段はツンツンしており、友人である魔理沙にもその態度を崩す事はないが、宴会の時にハメを外す事はあったり、実際に親しい人にはちょっとデレたり、自身が認めた相手にはツンツンした態度を取りつつも相手をしっかり信頼しているというのが誰から見ても分かるくらいに理解出来る人物なんだ。それでいて人里の子供達には滅茶苦茶優しいし、実際に漫画でも人里の子供達と接している描写がある
良くも悪くも平等で、基本的に人を助けるというよりかは事件を解決するから人を助けるのであって、自分の様に出会ってすぐの人間を助ける程彼女は優しくない。あくまで彼女が人を助ける時は間接的に助けるという方が正しいのだ。それか自分の利益になる時だけ
自分の経験上、こうして人が自分に近づいてくる時は大抵ドデカイ難題がやってくるんだ。その度に助けられてきたんだが…思い出すとイライラするな。情けない
とにかく何らかのイベントが迫っているという事は頭の隅に置いておくべきだ。ならば自分はそれに備えてさらに精進するのみだ
「さて、とすると何か良い方法は無いかな。今の自分に最適な鍛錬が出来る場所とか…」
「最悪能力をフルに使えば何とか出来ない事も無いだろうけど…そうなったら確実に幻想郷は滅ぶよなぁ。というか自分の存在自体が危険そのものだから紫に消されてもおかしくないと思うんだけど…そこんトコロどうなんですかね?」
虚空に向かって話しかける。しかし誰も答えることは無い。返ってくるのは木々の揺れる音だけだった
「藍さんか橙が自分の事を見張ってるって思ったけど違うのか?もしくは霊夢みたいに無意識で自分は安全だとでも思われてたりする?」
「それだったらこいしが悪さして自分に対して能力使ってるって話になるんだが…あれって自分以外に能力使えたっけ?」
頭を捻らせるが、もしこいしが能力を使用して自分の能力を間接的に利用していたりするのならば自分の疑問もサッパリ解決してくれる
だがその理論で行くとこいしが悪者だ。いや、彼女は無意識でやってるんだとしたらそこに悪意はない事になるけど、他者がその人を悪と決めたらその人は悪者と認識されるしなぁ。自分は一体何を考えてるんだろう
「ヤバい。思考がトリップしてる。というか何考えてたんだっけ」
考えようとすると思考が方々に飛び散ってしまう。もう少し思考をコントロール出来る様にならないと…
「…あ」
そうだ。コントロールの訓練をしよう
本を正せば能力の暴走を今の自分は恐れてる。そのせいで周りが自分に親しく接してくると考えるなら、そんなことが起こらないように能力をコントロールしてしまえば問題はない
だけど自分が無意識に発しているかも知れない能力をどうやって知覚すれば良いんだ?第三者に認知してもらおうにも能力の影響を受けたら分からないしなぁ…
…自分の能力は「非常識が常識になる能力」だと仮定しよう。それとは別で自分のステータスが可視化可能という能力も持っている。これって十分非常識だよな?
なら逆に常識にならなくすればいいんじゃないか?そうすれば能力が発動する事はないはずだ
イメージするんだ。能力をオフにしたか確認出来るウィンドウ表示を作る様な感じで…
って!待て待て!もし能力をオフにしたらオンにしたくなっても能力使えないから無理じゃね?
アレだ。プログラムでオンからオフに変更するの作ったけど、オフからオンにする仕様作ってないっていう昔よくやったバグになってしまう
あ、じゃあ能力の大部分を発動する為のオンオフ設定だけならどうだ?これなら能力がオン状態ならオフにする。オフならオンにするって設定を判別するだけで良いハズだ
とすると…デザインパターンとかの話になってくるんだけど何かあったっけ?丁度良いやつがあったと思うんだけど、アレをイメージして…
『能力をオフにするよ』
すると脳内に音声が流れだした。しかもゆっくりボイスで
仕様としてはウィンドウが画面に出てくる想定なんだけどなぁ。まぁバグだと思ってもう一回試すとしよう
『能力をオンにするよ。ついでに能力の起動状態をウィンドウに表示するよ』
その音声と共にウィンドウが画面に出てきて、能力と書かれた横に丸が左右にスライド出来る形で生成されている
※イメージ
能力 ⊂●
左に動かしたら白色の丸になったりするのかな?とりあえずもう一回触って確認しようとそれに触れると、能力側に丸が寄って白色に変化した。どうやらアタリらしい
実際に能力を使ってみようと、以前試した体の変化を再びイメージするが今度は変化しなかった。どうやらテストは完璧に成功したと思って良いだろう
能力の無効化を無効化するスキルを持ってるってキャラクターがなんかの漫画で見た気がするけど、如何に凄い事をしていたのかこうして実感してます。多岐に渡る能力があっても所詮は使い物になるかは本人の技量次第という事らしい
「…能力のオンオフはこれで良いとして、この状態での力はどうなっているんだ?」
もし仮にあのステータスが能力の派生だとするのならば、能力を封じた今では全く意味を為さない筈だ
拳を握りしめ、腰を深く落としてターゲットを一点に絞る。目標は地面だ
今の自分の力なら数メートルの小さなクレーターが出来るだろう。しかしこれが能力の派生でないのなら自分は地面に凹みを入れる事すら出来ない筈だ
関節をキュッと締め、一気に力を解放して腕を地面に叩きつけた
すると地面は轟音を鳴らしてクレーターを作った。自分の予想より少し大きめの五メートルはありそうなクレーターだ
その衝撃で周りの木は激しく揺れて葉っぱが散り、木で休んでいたであろう鳥たちが飛び立つ音が耳に入って来た。正直ごめん
とりあえず後始末をするべく、再び能力を使える様に設定を変更してベホイミをクレーターを作った箇所に向けて放つ。するとすぐさま地面は元の形を取り戻し、周りの木も再び葉を付け始めた
完全に元通りになったのを見届け、宛ての無い目的へと歩を進めようとしたその時
???「グルルルル…」
背後から突然聞こえた獣の低い唸り声。声の出し方だけを聞けば狼の様であったが、その声には只管に冷たさを感じさせた
すぐさま後ろを振り向くとそこには何もいなかった。しかし殺気の様な視線が突き刺さっている事だけは分かる
辺りを警戒しながら姿の見えない存在を警戒すると、視界の端で草が揺れた
草の先端から犬の様な形をした存在がこちらに向かって飛びだしてきた。ネバついた液体の様なモノを滴らせながらこちらの首筋を狙って口を開いたかと思えば、飛んできたのは牙による攻撃ではなく突出した舌だった
ギリギリの所で何とか躱したが、舌から飛んだ液体が体に付着する。するとそこから命が吸われるような痛みに襲われた
急いで液体を拭き取ると、この攻撃方法に思い当たる敵がいたのを思い出した
「ティンダロスの猟犬か…!確か時間跳躍を行った奴を永遠に追いかけ回す厄介な奴だった筈だ」
ティンダロス「グルルルル…」
「…丁度良い機会だ。今の状態で戦えばどうなるか試したかったんだよ」
「こい。ワンコロ」
ティンダロス「ウオォーーーン!!!」
遠吠えを出した瞬間、自分の体に鳥肌が立ったのを感じた。所謂SANチェックというやつだ
ティンダロスの猟犬がこちらに向かって舌を飛ばすが、体を捻って回避しながら前進することで二人の距離を縮める事が出来た
自分は弾幕を出せない。だからこうして接近するしか勝ち筋が思いつかないのだが、仮に拳で殴ったら腕が使えなくなってしまうのではないかと少し不安があった
まぁ物理しかないんで関係なしにぶん殴るんだけど、せめて気弾位出せたらなぁ
拳を握りしめ、胴体に拳を入れる。するとスライムの様な液体を殴ったかの様な感触が手を包み、強烈な痛みに襲われた
すぐさま手を確認すると、火傷をしたかの様に触れた部分が紫色になって焼けていた
殴った時に付いた液体が溶かす様な音を出して自分の手を焼いていく。急いでそれを地面で拭い取ると、再び鋭い舌が飛んできたので体を伏せて頭と背を掠めながら後方にあった木に突き刺さる
地面に手を着いた状態から腕をバネにしてティンダロスに更に接近し、今度は顔辺りを狙って回し蹴りをする
足は耳らしき場所にヒットし、口から謎の液体を吐き出しながら蹴った方向へ飛んでいくティンダロスだが、空中で体勢を立て直しながら空中で舌で刺突が飛んできた
回避しきれず、肩を貫いて地面へと突き刺さる。突き刺さった箇所から何かが吸われているかの様な感覚に襲われた
何か取り返しのつかない事になりそうだと思い、なりふり構わず舌を手で掴んで口で噛み千切った
ビクッと体を揺らし、すぐさま舌を引き抜いて口の中へ戻していく。口の中はドロドロに溶けた毒を口に含んだみたいな感じがして、とてもじゃないが痛いし気持ちが悪かった
少し怯んだ様子で少しずつ後退していくティンダロス。敵意は以前として感じるが、ここで引くという行為を見るに思っても無い反撃だったようだ
「逃がさんぞ。お前の経験値がどれ程になるか検証したいんだ」
ティンダロス「グルル…」
「…やっぱり自分の知ってるティンダロスと若干違うな。やってくる事こそ変わらないが、TRPGで表現されるのと比べて若干弱体化されてる」
「それにコイツが突然襲ってくるってのも妙な話だ。コイツは時間を遡る奴を必要以上に狙って何処までも追ってくる奴の筈。それがどうして俺を狙うんだ?」
「考えられるとしたら未来の自分が何かをしたって事なんだけど…一体全体何したらこんな事になるんだか」
ティンダロス「ヴォウッ!」シュッ
「あぶねっ!」サッ
敵意は先程と比べて小さい。だがコチラを見逃す程には弱くなってはいないみたいだ
するとティンダロスが草の先端に吸い込まれる様に消えていき、完全に自分の視界から姿を消し去った
だが依然として敵意は感じたままだ。どこからかは分からないが、先程と変わらない気味の悪い視線を感じている
途端に強い突風が吹き、周りの草木がザワザワと大きな音を立てる。しかしその風に混じって腐臭が漂っているのが分かった
そしてその位置はまるで獲物を狙うかの様にジッと動かない。それがアイツだと言うことは理解出来た
あえてそちらに背を向け、後方から襲わせる様に仕向ける。そのタイミングが来るまで心臓がバクバクと音を鳴らすが、頭の中はとても静かだった
風が止むと同時にティンダロスが予想通り後ろから現れ、コチラへ向かって牙をたてて飛びかかって来る。そしてそれを待っていたと言わんばかりに体を回して後ろ回し蹴りをティンダロスに向かって放つ
蹴りはそのままティンダロスの顔に吸い込まれる様にクリーンヒットし、音も立てずにティンダロスは溶けて消えていってしまった
それと同時にレベルアップの音が鳴る。それを聞いて無事に倒せたのだと理解出来たが、ステータスのレベルの欄が状態異常を示す言葉に変化していた
HP:175
KP:127
BP:990
状態:不浄
…どう考えても良さそうな物でないのでしばらくは人里に寄らない事にした。多分中に入っても『され!穢れた者よ!』とか言ってマップ移動が出来なさそうだ
幸いにもKPはフルにあるので治療を試みようと思ったが、状態異常を回復出来る魔法は存在しただろうか?
…いや、あった。FFでエスナがあったが、一部治らない状態異常も存在しているので、これが治るかは正直賭けになるだろう
「エスナ」
KPを5だけ消費し、しばらくすると体を淡い黄緑の光が包み込み始めた。バブルが弾ける様にパアッと光が弾けると、心なしか体の怠さが消えた気がした
ステータスを確認すると不浄の名前が消えており、レベルがそこに表示されていた
「あ〜良かった。正直治らないかと思ってた」
次の瞬間、強烈な吐き気が自分を襲い、口からティンダロスと同じ色をした泥の様な何かが出てきた。それはしばらく風に当たったかと思うと塵の様に消え去っていった
「エ、エスナって状態異常を消すんじゃなくて体外に排出させるって事なの?流石に違うよね?」
システム『草』
「…お前、意志あるだろ」
システム『は?無いに決まってるじゃん。バカなの?死ぬの?』
「ちくしょう!無駄に腹立つゆっくりボイスで喋んな!」
ホントにコイツはシステムなんだよな?まさか自分の能力が二つあるんじゃなくて、このシステムが取り憑いた相手に力を与える的なやつだったりするのか?
システム『バカなの?』
やかましいわ!考えてることにまで口出してくんな!
…とにかくコイツが自分の敵で無いことは分かった。実際コイツのおかげで強さの可視化が分かるから、自分が今どれだけの強さなのか分かって頑張れるんだよな
システム『やれやれ…疑う事しか知らない主人を持つと大変ですな…』
「岩山両斬波!」
システム『あべっ!』
おっと。つい岩山両斬波(かわらわり)をしてしまった。というか声が何処ぞの五歳児に聞こえたぞ
「さて。アホな事はこれくらいにしといて、治った事に変わりないんだからそろそろ何処かへ行くか」
今いる所は妖怪の山の麓。一度人里に戻るからそこを経由してギリギリ安全そうなのは…地霊殿辺りだろうか?
地霊殿は人里から歩いて何日掛かるのか。自分の持っている食料等の残りと残金を考えると大体3日位で地霊殿辺りに付かないと辛い目にあいそうだ
「…良し。目指すは地霊殿だな」
目的地を決め、山の中を歩いて人里目指して進んで行く。その先にあるのは何かも不明だが、悪い事にはならないだろうと僅かな希望を抱きながら歩みを進めるのだった