非常識に生きる者   作:七福えると

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とりあえず後数話は近日中にあげます。理由としては人離れを防ぐ為と、序盤も序盤なのでスイスイと進んだ方が見てる方もストレスが少ないと感じたからです

しかし数話を投稿して以降は不定期投稿となりますのでご了承の程お願いいたします


非現実に生きる

「…なるほど。不味い」

 

今自分は川で魚を取っている。それが安全か非安全かなんてものは分からずに素手で魚を掴んで取っている

 

成果は先程食べた魚一匹のみ。魚の種類なんて分かるわけないのだが、とりあえず食べてみた

 

結論から言うと不味い。生で食べているので不味いのは当然なのだが、魚の中にいる細菌等で体調を崩すという未来が明らかに見えているのに、それでも生食したのには理由がある

 

一つは火の危険性だ。煙で更なる妖怪等を呼んでしまえば確実に餌食となる。それが理由で火をつけて食べていない

 

もう一つはもっと簡単だ。火がつけられない

 

木の枝を擦って火を付けようとしたが駄目だった。木くずや葉っぱなども用意してコスコスと木の枝を回したが火は付かず、断念したのだった

 

 

「背に腹は代えられないとはいえ、生で食って大丈夫かなぁ」

 

 

そういいながら魚を食べる。実に不味い

 

昨日撃退した蛙を食おうかと考えたが、妖怪を食べたりでもしたら今食べてる魚以上に不味い事になりそうでやめておいた

 

まぁあの後時間経過でピチューンと音が鳴って跡形も無く消えたのだが、あんな雑魚妖怪でも弾幕ごっこのルールでも適応されているのだろう

 

他にも木の実などを探しては見つけ、それを軽く口に入れて少し飲み込み様子を見る。時間が経っても体に異変が無ければ食べれる物と判断し食す

 

自分はこんな生活をしたくて今まで生きて来たわけでは無いのだが、これはこれで良いトレーニングになりそうだ

 

 

「…さて、もう一回テストしてみるか」

 

 

昨日出てきたステータスウィンドウ。どうみても昔ゲームでやったドラゴンボールのBPシステムが適応されている画面だ。最近ではPS4とかSwitchで販売されたゲームでもBPシステムが実装されていたんだっけ?

 

もしこの画面に書かれてあることが本当に自分の能力として可視化されているのだとしたら、昨日やってきた妖怪を倒す事で成長出来ると考えられる

 

まるで非現実だ。非常識だ。こんなの自分が知る常識とかけ離れている

 

…だが、非現実だと思っていた幻想郷があり、昨日は幻想郷に住まう妖怪に襲われた。これでは現実と認めるしかないではないか

 

考えを一先ず保留にし、あのステータスウィンドウが表示されないかを意識する

 

すると自分の視界の端にウィンドウが出てきた。触れようとしても触れる事が出来ず、それ以前に目の中にあるようで触れるという事自体が出来なかった

 

HP、これが0になればやられる。KP、これが無いと必殺技が打てない。BP、戦闘力を表す

 

たしかゲームでもこんな感じだ。自分の元のBPがどれだけかは分からないが多分5だろう。大体地球人はそれくらいだったはずだ

 

 

「しかしKPすっくねぇ…HPも少ないし、常にヒットアンドアウェイの戦いが求められるよなぁ」

 

 

そうやってぼやいていると近くの茂みからガサガサと音が鳴った

 

すぐさまそちらを振り向くと昨日の蛙がやってきた。しかも今度は仲間を連れており、合計二匹と対立することになった

 

 

蛙「ゲゲッ、ゲゲッ」

 

「…仲間を連れて来たぞって言ってるのか?」

 

蛙「ゲコゲコッ」

 

 

どうやら合っている様だ。何処か自慢げに見える

 

 

「…だけどさ、そこは普通二人位連れて来るもんじゃないのか?一対三になって襲うってのがお約束ってもんだろ?」

 

蛙「…ゲコォ」

 

「あっ、ふーん…」

 

 

どうやらボッチだったらしい。何とか頼んで一匹だけ来てもらったという事か

 

 

「まぁいいや。さっさとかかってこい」

 

蛙1「ゲコッ!」

 

蛙2「ゲゲッ」

 

 

蛙1が飛び掛かってきたが、すぐさまその場から離れて回避をする

 

しかしその瞬間を狙って、蛙2が自分の足を舌で掬い上げた

 

そのまま尻餅をついてしまい、その場から動けずにいると再び蛙1が飛び掛かってきて押しつぶそうとしたが、寝転んだ状態で転がって再び回避を行う

 

その様子にイラついているのか地団太らしきものを踏んでいる蛙1と、ヤレヤレといわん顔で頭を振る蛙2がいた

 

 

「お前、狩りが下手だな。だから後ろの蛙みたいに面倒見のいい奴しかついてきてくれなかったんだろ」

 

蛙1「ゲッ!?」

 

蛙2「ゲコッ」コクコク

 

 

どうやら本当にそうらしい。困惑したまま狼狽える蛙と腕組みして頷く蛙という、何とも不思議な光景が視界に映っていた

 

 

「次はこっちから行くぞ?」

 

 

昨日蛙1を突き刺した木の枝を持って構える。昨日はあまりの大きさに持つのは難しいと思っていたのに、今は片手でギリギリ掴める位には持てる様になっていた

 

槍を構えるかのように木の枝を持ち、先端を蛙1に向けて突進して突き刺そうとする

 

蛙1はこれを跳躍して回避したが、ジャンプした方向に合わせる様に体を回し、着地した瞬間を狙ってそのまま背中から蛙1の背中を突き刺した

 

しかし驚いたのはここからで、突き刺したハズの木の枝が貫通して蛙1を貫いたのだ

 

蛙1は一瞬で絶命し、そのままピチューンと音を立てて消えていった。それを見た蛙2は少し驚いた様子を見せたが、すぐさま冷静を取り戻し、自分を完全に敵と見なしている雰囲気を受けた

 

 

「…一戦しただけでここまで成長しているって、流石にこのシステムヤバすぎねぇ?」

 

 

誰に向けて話した訳でも無いが、とりあえずゲームバランスおかしいという事を言いたかった。ただ逆を言えば、これより強い敵がウジャウジャといて、少しステージを進んだだけでかなりの強敵が待っているとも言えてしまった

 

そんな事を考えていると蛙2が舌を自分に向かって放ってきた。すぐさまそれをスウェイで躱し、そのまま舌は後ろの木にぶつかって大きな音を立てながら少しだけ傾いた

 

 

「…ウッソだろお前」

 

 

蛙2はすぐさま舌を口に仕舞って再び自分に向かって飛ばしてきた。それもスウェイで躱して蛙2に向かって接近するが、蛙2の顔が笑っている様に感じた

 

咄嗟に危機を感じ、その場で跳躍すると、鞭のようにしなった舌が先程まで立っていた場所を抉っていた

 

それに驚いた顔を見せた蛙2だが、その舌に巻き込まれた小石が蛙2に向かって飛んでいって体にべちべちと音を立てながらぶつかっていた

 

好機と思い、後少しで蛙に自分の腕が届く距離まで近づく事に成功した

 

先程蛙1に突き刺した木の枝は蛙2の舌に巻き込まれて折れてしまい使い物にならない。ならばどうするか?

 

右ストレートでぶっ飛ばす!脳内に浮かぶのはこの言葉だけ!

 

しかし普通に殴ってはあの体に弾かれる。そう考えた自分はアイスピックの様に指を束ねて先端が尖るように構えて蛙に拳を伸ばす

 

すると拳は蛙の胴体にぶよんと弾かれて終わるかと思いきや、そのまま貫通してしまった

 

蛙の体液や血液が自分の腕に滴り、とても気持ちの悪い感触が腕を伝ったかと思えばピチューンという音を立てて蛙が消えてしまった

 

 

「…うわぁ」

 

 

脳内で再びファンファーレが鳴り響くが、そんな事を気にせずにすぐさま河原へと向かい腕を洗う

 

ねちょねちょとした感触がしっかりと取れる様に何度も腕を川で洗い、やっと気持ち悪い感触が消えた事で洗うのをやめた

 

 

「さてさて、早速結果を見るか」

 

 

画面を見るとBPが80になっており、どうやら一体辺り25のBPを取得出来るという事が理解出来た

 

BP25と言えば、強襲サイヤ人の序盤ではかなり破格の経験値と言える。確かモブサイヤ人と栽培マンの色違いみたいな奴の三体セットで入手出来るレベルだ

 

しかしドラクエの様なファンファーレが流れる事を考えると、ドラクエ世界の基準で言えば序盤から少し進んだ先の敵レベル。そう考えると割と大した事ではないのか?

 

いやいや、いきなり幻想郷にやってきて序盤で苦戦する敵が出て来たんだ。そう考えるとかなりヤバかったのかもしれない

 

とりあえずは回復をしたいが、寝て回復したくても時刻はまだ昼くらい。正直飯とかも食いたいので休むわけにはいかなかった

 

 

「とりあえず飯だ。また木の実を探してそれ食うか」

 

 

森の奥へと足を向け、木の実の成っていそうな木を探す。一日だけとはいえ、割とこの作業も楽しく感じていた

 

以前木の実を見つけた木の元へと再び向かい、また少しだけ木の実を採取する

 

いきなり全てを取ってしまうとその地域の生態系を壊してしまうかも知れない。更に言うなら再び木の実が付かなくなるかも知れない事を恐れての事だった

 

同じように近くに生えている木から幾つかの木の実採取を終え、拠点としている場所へと無事に戻ってきた

 

皿何て上等なものは無いので、手のひらに幾つか木の実を乗せてそのまま食べる。多分見る人が見たら完全な変人として見られ、通報待ったなしの状況だろう

 

そうこう考えながら木の実を完食し、ご馳走と声を出して木に登って張り付き、再び眠りに落ちるのだった

 

 

ドレミー「はーい。こんにちは」

 

「…昨日の今日でどうしたの?」

 

 

気付けば昨日みた景色の部屋にいた。向かいにはドレミーが座り、お茶をズズズっとすすっている

 

 

ドレミー「いやね、暇つぶしで見てたけど見てられないって言われたから、ちょっとお手伝いしようと思って」

 

「見てられないって…ここに呼んだのは紫さんじゃないの?」

 

ドレミー「あ、紫の事も知ってるんだ」

 

「まぁ名前だけなら昨日貴女が言ってましたけどね」

 

ドレミー「まぁそうだけど。一応本人が言うにはたまたま博麗大結界の修復中に貴方が入り込んでしまったって形でさ、元の場所に返そうと思ったけど、博麗大結界が安定しないからしばらくは無理だって言ってたから、しばらくここで過ごしてもらう事になるんだよ」

 

「つまり…自分は本来ここに来るべき存在では無かったと?」

 

ドレミー「そういう事だ。ま、君も活き活きと過ごしてたみたいだし言う事は無いけどね」

 

「なるほど。まぁ一つの楽しみみたいなものを見つけましたしね」

 

ドレミー「あ、そうそう。それに関してなんだけど、貴方が元住んでた場所ってそんな風に誰かを倒したら能力が伸びる世界だったりする?」

 

「いや、そんなことはない。というかこんな能力はどちらかと言えばゲームであったくらいだね」

 

ドレミー「…なるほど。ちょっとそれに関して紫と話す事があるから今日はこれで解散にしていいかな?」

 

「あぁ…って、何か手伝いに来たんじゃないの?」

 

ドレミー「おっと、そうだった」

 

ドレミー「実は君のいる所から山を降りてしばらく歩くと人里に着くんだよ。君が今住んでる所が厳しくなったりしたら人里へ向かうと良い」

 

「なるほど。情報ありがとうございます」

 

ドレミー「良いって良いって。それが仕事だからね」

 

ドレミー「それじゃ、そろそろ目覚めようか。良い幻想郷ライフを♪」

 

 

また以前のように辺りがぼやけていき、光が少しずつ視界の中へと入ってくる

 

木から慎重に降り、川で軽く顔を洗って一日を迎える

 

さて、今日もまた一日生き延びようか

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