All you need is…… 作:ほむほむほむほむほむほむほむ
「ボクと契約して、魔法戦士になってよ」
それは、ある平日の朝のこと。
いつものように登校して、図書室に入って、授業が始まるまで読書をしていよう──と、椅子を引いた時のこと。
振り返ると足元に、ソレは居た。
猫と兎を足して割らなかったような耳に、硝子玉のような赤い眼球。白く短い体毛を持つ、愛らしい四足獣。極め付けは、『天使の輪』に似た
「──インキュベーター……」
詐欺紛いの手口で、人間の少女を宇宙の薪にする……心の無い救世主。
「おや、僕を知っているんだね」
「…………ひとつだけ、願いを叶えてくれるんでしょう?」
「話が早いね。──なら、その先も知っていると捉えていいのかな?」
「死ぬまで終わらない、魔女との戦い」
「うん。ボクからの説明は不要みたいだね」
あぁ、知っている。
お前達に個々の概念がないことも、感情を持っていないことも、聞かれるまで口に出さない『目的』も、知っている。
…………だからこそ、解らない。
「……どうして、男の僕にお前が見える?」
コイツらは基本的に、『第二次性徴期の女児』しか狙わない。
その理由は、魔法少女が魔女へと変転する『希望と絶望の相転移時』に回収できるエネルギーが最も大きいから。道徳心を持ち得ないからこその、胸糞悪い究極の効率厨なのである。
「それは『キミに適性があるから』としか言いようがないね。ボクも驚いているんだ。──キミほど強い『因果』を抱えた人間を、他に見たことがない」
「……はてさて、これは『鶏が先か卵が先か』」
「どういうことだい?」
「『偉業を成す者が強い因果を持つ』というのなら、『強い因果を持っていたから成し遂げることのできた偉業』に意味は無い筈なんだ。
──卵より先に、鶏が発生する。そんなことはあり得ない」
「なら、結論は出ているじゃないか」
「だけどたぶん、僕は『
客観的に見て、何の取り柄もない僕に……『誰よりも凄い偉業』なんて、成せる訳がない。だから、自分に『インキュベーターが驚くほど強い因果』があるとは思えない。
──それでも尚、僕が偉業を成すというのなら。
一つだけ、心当たりがある。
「それはつまり、『魔法戦士として偉業を成す』心構えでいる……という認識で構わないかい?」
「うん、そうなるね」
「じゃあ、聞かせてもらおうか──キミはボクに、何を願うのかな?」
決まっている。
「僕は、『〝ワルプルギスの夜〟を撃滅したい』」
西暦2000年。『物語』が始まる、十年ほど前のこと。
こうして僕、『