All you need is…… 作:ほむほむほむほむほむほむほむ
『……その制服、見滝原中学の生徒さんか』
最初の印象は、『怖い目をした人』だった。
『なら、時間稼ぎだけで充分だね。得意分野だ』
魔女の結界に誘い込まれた中で出会った、不思議な男性。
安っぽい魔法使いのコスプレみたいな格好をしたその人は──本物の『魔法』を使う『戦士』だった。
『──ゲッ、藤宮さん』
『〝ゲ〟は酷くない? まぁいいけど。
引き続き一般人はこっちで守るから、殲滅よろしく』
『ハイハイ、
『時間稼ぎが得意』と言った藤宮さんは、
彼が『攻撃』を行ったのは、一度だけ。私に群がってきていた使い魔達に対し、
後は私と彼自身を守る形で、半透明に光るドーム状の魔力防壁を作って……それから巴先輩と鹿目さんが助けに来てくれるまで、専守防衛を貫いていた。
『──安心して。防御には自信があるんだ』
『……うん、だよね。そう言われても怖いよね』
『なら、明るいことを考えようか。たとえば……甘いものとか、好き?』
『良かった。美味しいケーキ屋を知ってるんだ。ここを切り抜けたらご馳走するよ。向こうの二人と、キミ。三人でお茶会をするといい』
『大丈夫大丈夫! 財布も結界も、この程度はどうってことないから』
……彼は、ただの不器用な人だった。
巴先輩みたいな華やかさは無かったけれど、本当に強くて、優しい人だということは……話している内に伝わってきた。
そして巴先輩が、あっという間に魔女を倒して。結界が消えて。
私達は約束通り、ケーキ屋さんに連れられて。
彼は巴先輩に『細かい説明は任せた』と言い、三つのケーキを手渡して……そのまま立ち去った。
『…………マミさん、あの人……知り合い?』
『えぇ。──〝藤宮蓮人〟
私よりずっと前から魔女と戦い続けている……ただ一人の〝魔法戦士〟よ』
巴先輩は彼女の家に場所を移し、『魔女』と『魔法少女』の話をしてくれた。
……そして、それが終われば当然……話題は『彼』のことになった。
ただ、巴先輩ですら……『彼のことを深くは知らない』と言っていた。
知っているのは『十年前、当時十歳の時から戦い続けている』こと。
『〝願い〟の影響で、
明確な弱点を抱えながら『誰とも組む気はない』ということ。……しかし『そう言う割に面倒見が良く、戦場で会うと助けてくれる』らしいということ。
──次に彼と顔を合わせたのは、この一月後。
『ワルプルギスの夜』が、現れる筈だった日のことになる。
『大事なことだからね。面と向かって言わなくちゃと思って』
『今回ばかりは、絶対に〝戦おう〟なんて考えないで。僕が負けたら、一心不乱に逃げること』
『──でないと、無駄死にするよ』
『魔力が感知できるキミ達なら、解ってくれるね?』
……思えば、『この時』の私は……あまりにも無知で、無鉄砲だった。
おそらく人生で最も濃密な一月を経験して、『
「…………そうか。キミが〝その姿〟ということは……失敗したんだね。僕は」
『願う』直前、巴先輩と美樹さんが……
「最初に確認しておこう。
──キミは、ソウルジェムが濁り切るとどうなるか……知っているかい?」
『私の戦い』は、この『絶望に満ちた二周目』から始まる。