All you need is…… 作:ほむほむほむほむほむほむほむ
昔から、『何かおかしい』とは思っていた。
転生という事象そのものに関しては、『実在したのか』と思うだけだった。
生年月日が前世より十年ほど早くなっている──つまり過去への転生、という時点で『
しかし、それを加味して考えても尚……文明が進み過ぎていると感じていた。
その理由を知ったのが、小四のある日。インキュベーターの存在を確認した時だ。
──この世界は、『魔法少女まどか☆マギカの日本』だった。
だけどそれでも、確かにここは『日本』で。
西暦があって、言語も同じで、同じ童話があって、教科書には見知った名前があって──。
──『東京』があって、『
…………ずっと、気になっていることがある。
この世界でも、
何年経っても覚えている、あの日の出来事。
曜日も、時間も、覚えている。
2011年3月11日 金曜日。午後3時の少し前。
僕は学校が終わった後の、習い事に行く直前だった。いつものように、出発前までゲームをしていた。
そして、あの大震災が発生した。
…………別に、それが『前世の死因』だったワケじゃない。
僕は大した傷も負わずに、生き残った。ただ『怖かった』と、『その後の生活は暫く厳しかった』と、そんな記憶がこびりつく程度で済んだワケだが……。
僕は被災者になったことがあって、これから起きる『災害』を知っていて────僕には『ソレ』を、止める手段があったから。
『何を願うか』で、迷うことはなかったのだ。
人間は、全てを救うことができない。
優しさだけじゃ、どうにもならない。
それを『あの日の僕』は知っている。
ならば。必ず救えない人が現れるなら。
僕は、
この身は、誰の味方でもない。
ただ
*
某月十七日。土曜日。ループ起点の翌日。
ケーキ屋『レコンパンス』 喫茶スペースにて。
「……OK、復唱確認するよ?
直近の課題は『鹿目さんの契約阻止』と『追加戦力の確保』でいいんだね?」
「……はい。……その、なんとか……なりそうですか……?」
「うん。その二つなら、僕の伝手で解決できると思うよ」
「本当ですか!?」
「──うん? もしかして、
「……藤宮さんの固有魔法はたしか、『因果の強行』……ですよね?」
「そうだね」
因果とは『物事の原因と結果』のこと。
強行とは『無理を押し切り強引に行う』こと。
それぞれの意味は、ほむらも分かっている。しかし、それらを組み合わせると『どういう意味』になるのか……そこが難しいところだ。
「前に一度、軽く説明はしてもらったんですが……正直『どういう魔法』なのか、イマイチよくわからなくて……。
なんというか『頑張れば屁理屈を現実にできる能力』なのかな? くらいのフワッとした印象なんですけど……。
えっと、つまりその……どうして『嘘を言わない』ことが『攻撃手段』になるんですか?」
「ん〜〜……合ってるんだけどな……。
僕の魔法はキミの言う通り、『屁理屈を現実にする能力』を持つ。
これによって僕は、〝『決して嘘を言わない』なら『
だから僕は、『倒す』と言えば『対象を
「──でも、貴方の力はそこまで『なんでもアリ』じゃない」
「そうだね。
結局のところ僕の魔法は、『ワルプルギスの夜』
『因果の強行』という特性は、『契約が成立している』なら『願いは成就している』という当たり前の事実と、『ワルプルギスの夜を単独で対処することは不可能である』という現実が重なった結果生まれた副産物に過ぎない。
その点、似通った成り立ちの魔法を持つキミは……感覚で解るんじゃないかな?」
「いえ、やっぱり全然ワケがわかりません……」
「むぅ……まぁ、最低限の理解はあるみたいだし……なんとかなるでしょ」
「ならいいんですが……」
「……さて、余計な話に時間を割き過ぎたね。最初のターニングポイントは今晩なワケだし、余裕がある内に本題に入ろうか」
そう言うと藤宮は、店員を呼び出した。
緑髪の若い女性が、彼らのテーブルへやって来る。
「…………はい、お待たせしました……」
──そして藤宮は開口一番に、『
当然店員の彼女は、困惑した様子を見せたが──。
「は? ──あァッ!? うっっわ仕事中になんてこと思い出させてくれやがるんですか藤宮さん!!」
「え? え??」
「紹介するよ暁美さん。
こちら『
アニメ勢の方向けに説明すると……。
愛生まばゆ:スマホ向けゲームアプリ『マギアレコード』にて閲覧できる『魔法少女まどか☆マギカ scene0』の主人公。
固有魔法は『推定:光にまつわるもの』らしく、
しかし何より特筆すべき点は──
彼女は時間停止空間を自由に闊歩可能であり、
今作での出番は少ないので、この部分を理解しておけば問題なく読めるかと。