友好侵略宇宙人 ヴァルテン星人登場。
地球──その中でも主に日本は、土着の怪獣が起こす災害にたびたび悩まされてきた。
それだけにとどまらず、脅威は宇宙からもやって来る。
地球防衛隊──GGF──日本支部はそれらに対し、独自に対怪獣組織を設立した。
特殊怪獣対応分遣隊、通称『
SKaRDを中心とした人類は怪獣、宇宙怪獣を相手に奮闘を続けた。
そしてついに、宇宙から怪獣を送り込んでいた謎の存在である『V99』との遭遇を果たす。
地球人の懸命な呼びかけに応えたのか、V99は人類の前から撤退。
彼らが最後に送り込んだ『宇宙爆弾怪獣ヴァラロン』は打倒され──地球はひと時の平穏を手にしたのだった。
「とはいえ、俺たちの仕事に大掛かりな休みはないわけだが」
「ゲント隊長、どうしたんですか? いきなり大きな独り言をつぶやいたりして……」
SKaRDの隊長であるヒルマ・ゲントがため息とともに漏らした愚痴が、副隊長のナグラ・テルアキの耳に嫌でも入ってきた。
二人はSKaRDの本部である作戦指揮所で、机の前から離れられない状態にあった。
それは他の部隊員も同じ。
整備員のバンドウ・ヤスノブ、パイロットのミナミ・アンリ、情報収集担当のアオベ・エミ。
この三名もまた、机の前でパソコンの画面を注視していた。
ゲントはテルアキの疑問に答える。
「いや……この間、ヴァラロンとの戦いを終えたばっかりだって言うのに、上はまとまった休暇をくれないんだなぁ~って思ってな」
「仕方ないですね。上層部は、V99意外の知的生命体が──それも悪意を持った存在が、この星を狙っている可能性を危惧していますから」
ゲントの小言に、テルアキは上の人間が思っていることを代弁した。
確かにこれまでも、V99意外の異星人がこの星を脅かした前例は存在するのだ。
「だから私たちに、監視衛星を通して怪しいものが地球に近づいてこないか監視しろ、なんて」
「宇宙は広いから、いくら人出があっても足りないってのに、私たちだけでなんてねぇ」
備えあれば
エミとアンリも口々に不平をこぼした。
「まあまあ、皆さんそう言わんと。アーくんも頑張ってくれてますから」
ここには姿の無い六人目の仲間の名を出しながら、ヤスノブは皆の不満を和らげようと、笑顔をつくって場を和ませようとする。
と、気を利かせるヤスノブの行いをフイにするがごとく、本部内に緊急を知らせるアラームが鳴り響いた。
SKaRDの面々の顔が引き締まる。一同は警告の原因を調べるために、コンピューターのキーボードに指を走らせる。
「これは……!」
ゲントの目に、信じられない情報が入った。
コンピューターの画面上に、「地球に近づいてくる、未確認の物体あり」との報告が表示されているではないか。
「アーくん! まさかこいつは……!?」
『物体の飛来軌道は、V99が宇宙怪獣を送り込んできたルートと酷似しています』
ヤスノブの問いかけに、人工知能
「まさか……、V99が新しい宇宙怪獣を!?」
「でも、彼らは私たちの言葉に応えて、地球への攻撃を止めたはずじゃ……」
動揺が隠せないアンリとエミ。
「第五波……フィフス・ウェイブなのか……?」
ヴァラロンのような強敵が、またやってくる?
テルアキの背中に、冷たいものが走った。
「いや、みんな。ちょっと待て!」
ゲントの声で、隊員たちは彼が見つめていた画面に視線を向ける。
宇宙からの外敵を探査するためのレーダー。
その波形に映っていた飛来物体のシルエットが、前触れもなく消え失せたではないか。
「どういうことや、これは」
『ボクの探知機からも、物体の存在がロストしました。各種計器にも反応なし、感知できません』
V99という宇宙からのテクノロジーを利用してつくられたEGOISSでも、消えてしまった物体の動向は把握できなかった様子。
次々に起こった突然の事態に一同は騒然としたまま、この出来事はいったん収束するのだった。
後日、SKaRDのメンバーは改めて、消失した物体の動向を調べていた。
部隊内で主に情報の分析を担当するアオベ・エミの調べによって、新たな事実が浮かび上がる。
それは
「物体はV99とは無関係の可能性がある?」
「はい」
ゲントの言葉に応えるように、エミは自らが解析した画像を提示。
画像には地球へ向かってきたV99の軌道と、謎の物体の軌道が重なるように表示されている。
ゲントは二つの軌道の線を見比べて、ぽつりとつぶやく。
「……ちょっとズレてる……かな?」
「そうなんです」
隊長のつぶやきを肯定するエミ。
「V99が送り込んできた宇宙怪獣は、すべて寸分たがわず同じルートを通って地球にやって来ました。でも、謎の物体の通過ルートは……」
「なんとなく、たどたどしい感じがしますね」
副隊長のテルアキが、ゲントにうかがうように言った。
中々答えの出ない状況に、アンリはたまらずエミにたずねる。
「つまり、これは……どういうことなんですか?」
「物体は、V99の通過点をたどるような動きをしている。恐らくですが……これは、『V99の後を追ってきた何者』か、ではないかと」
『正解です~♪』
部隊の誰でもない、耳慣れない何者かの声が指揮所内に響いた。
隊員たちは顔を上げ、声の発された場所に目を向ける。
そこには……
『どうも、始めまして』
「う、宇宙人や……!?」
予兆なく姿を見せた人に在らざる者のシルエット。
ヤスノブの言うような、いわゆる「宇宙からの来訪者」が、SKaRDの面々の前に姿を晒していた。
隊員たちの間に緊張が走る。
宇宙人は、そんな警戒をあらわにする地球の者たちを、なだめる様な仕草を見せる。
『改めまして、始めまして。私、「ヴァルテン星人」の者です~』
氷でできた針の山を思わせる、青と水色のトゲトゲしい体をした異星人は、自らをそう名乗った。
「
ゲントの脳裏に、昔習ったドイツ語の単語が浮かんだ。
確か、「支配」とかいった意味だったような気がするが……。
『いやぁ、フォース・ウェイブの時はずいぶん大変だったようですねぇ。さしずめ私は……
星人は、黄色く光る目を点滅させながら、雑談でもするように話をする。
和やかな物言いだが、明滅するイエローの光は、自らが危険な存在であることをにおわせる、注意信号の様な雰囲気を漂わせていた。
「なんでフォース・ウェイブのことを……」
『ちょっと遠くから拝見してましてね。いやぁ、実に面白い
エミの言葉に、お祭りでも眺めてきたような愉快さを隠そうともせず、ヴァルテン星人は答えた。
地球の、人類の存亡がかかったあの大決戦を、そんな風に……。
星人は一瞬でSKaRDの面々の内心を不愉快に染めたことにも気づかずに、言葉を続ける。
『すいませんねぇ。実は彼ら──貴方たちが言う所のV99がああなってしまったのも、我々に原因があるんですよ』
「……どういうことだ?」
隊長であるゲントが、他のメンバーを代表してヴァルテンにたずねた。
『V99が自らの星を捨てて宇宙をさすらう旅人になったのは、私たちヴァルテンが彼らの星を侵略したからなんですね』
「はぁ!?」
思わずSKaRD隊員たちの声が重なる。
目の前の異星人は、なにをとんでもないことをサラッと言ってのけたのだろう。
必死に理解を追いつけつつ、ゲントは質問を続ける。
「つ、つまり……V99は君たちから逃げて、この宇宙にまでやって来たのだと?」
『そうですねぇ。彼らが地球人を恐れて怪獣を送り込んできたのも、我々に対する恐怖が
「…………」
『要するに、全て我々ヴァルテンのせいです』
ハッハッハッ、と星人は笑い声をあげる。
全て笑って水に流そうとでもいうのだろうか。
思わぬ事実を聞かされ、ゲントたちは黙り込んでしまう。
数秒後、ハッと我に返ったゲント隊長は、改めてヴァルテン星人に質問する。
「それで……それを伝えにわざわざ、我々の前に?」
『おっと、そうでした。私たちはV99の星を奪い、彼らを奴隷として使役しようとしたのですが逃げられてしまったので……代わりに、この星の人たちに奴隷になっていただこうかと』
「……え?」
今度こそ理解が追いつかない。
目の前の異星人は、地球人を自分たちの奴隷にするためにやって来たと、そう言ったのだ。
「それは、宇宙人流の冗談なのか……?」
『冗談なものですか。調べたのですが、地球人は正直者を好むのでしょう? なのでこうして正直に、
その声色は真剣そのもの。
とてもスペース・ジョークなどではない。
この宇宙人は大マジメに、地球の人々を隷属させようとこの星にやって来たのだ。
ゲントら五人はとっさに携行式の拳銃を手に取ると──迷うことなくヴァルテン星人に向けた。
「……我々の答えは、
武器を間近に向けられても、異星人は恐れの欠片も見せない。
まるで玩具の水鉄砲でも子供が向けているような感じで、
『おやおや、友好の使者に手荒い応答ですねぇ』
「なにが友好や! あんた、めちゃくちゃ言っとるで!」
『いきなり力で攻め込まず、こうして地球人の同意のもとに隷属を迫るのは、十分友好的だと思うのですけれど……』
確かに他の異星人は、武力をもって地球を
しかし正直に真意を打ち明けられたからといって、はいそうですかと大人しく従うかといえば、それは別だ。
黙って自らの星を奪われるほど、地球人は無抵抗主義者ではない。
『残念ですねぇ……。たった数人でも同意を得られないとなると、他の地球人も反対すると見た方がいいでしょうか……?』
「納得してもらえたなら、すぐに帰ってくれないかな」
『わかりました』
その言葉に胸をなでおろす間もなく、星人は次の言葉を続ける。
『地球人は反抗的、侵略は不可能ということで……この星の人間は滅ぼさせてもらいますね♪』
「って、なんでやねん!?」
『だってこれから先、我々の他星侵略活動を邪魔をされてはかないませんから』
思わずツッコミを入れてしまうヤスノブ。
ヴァルテンは彼の隣に経つヒルマ・ゲントに手をかざすと──光の弾丸を放った。
「グァッ!」
「「「「ゲント隊長!?」」」」
光弾はゲントの胸を直撃、その体を大きく後ろへ吹き飛ばした。
他の隊員たちがゲントに駆け寄り自分への注意が消えたのを見て、ヴァルテン星人は作戦指揮所からテレポーテーションで姿を消す。
間もなくして、SKaRD本部のあるGGF日本支部教江野基地のレーダーが、出現した巨大生物をレーダーで捕捉。
それは、特殊な装置によって巨大化した、先のヴァルテン星人であった。
「テルアキ副隊長、巨大化したヴァルテン星人が付近の街へ向かって行きます!」
アンリ隊員がGGFからの報告を伝える。
エミとヤスノブは、光弾を受け意識を失ったゲントの容態を見ている。
テルアキは決断した。
「緊急事態につき、私が臨時で指揮を
「副隊長は?」
「私もアースガロンと共に、
ナグラ・テルアキの
おかげで巨大化したヴァルテン星人が近郊の街へたどり着く前に、アンリとヤスノブが搭乗する巨大怪獣型ロボット──23式特殊戦術機甲獣、アースガロンは現場に到着できた。
「アースガロン、戦闘行動に入ります」
「ウィルコ」
コクピットの中でアンリ、ヤスノブが操縦桿を握り、巨大ロボを駆る。
『これほどの戦闘兵器を持つとは、地球人も意外と野蛮ですねぇ』
「これは、守るための力や!」
ヴァルテン星人の言葉に反論しつつヤスノブは、アースガロンの尾部に搭載されているミサイル──テイルVLSを発射。
敵はゲントを襲った光弾を放ち、ミサイルをすべて撃墜する。
「だったら接近戦で……!」
主な操縦を担当するアンリがレバーを操作して、アースガロンを異星人へとぶつける。
怪獣を模した腕部の爪がヴァルテンの皮膚をひっかく。
火花が散ったが
『ウフフッ、くすぐったいですよ』
なんらダメージが無いようだった。
組み合った状態でヴァルテン星人は、アースガロンの機体に直接電撃のようなエネルギーを流し込み、機器をショートさせてしまう。
動きが止まった機甲獣を、星人は玩具のように軽々と持ち上げたかと思うと、地面に向けて思い切り叩きつけた。
「アンリ! ヤスノブ! 無事か!?」
近くで移動指揮車両から状況を観測していたテルアキ副隊長が、通信を介してアースガロンのパイロットに呼びかける。
二人は地面に叩きつけられた衝撃で意識を失ってしまったのか、それとも機械の故障のためか、応答がない。
「……マズいな」
『副隊長! 大変です!』
そこに、本部に残してきたエミからの緊急通信が割り込む。
「どうした!?」
『救護を呼んで戻ってきたら、その……ゲント隊長の姿が無くって』
「なんだと……!?」
『書置きが残されていて、「俺も現場に向かう」って』
「なんだと!?」
テルアキの視界に、アースガロンにとどめを刺そうとするヴァルテン星人の姿が映った。
無駄とは知りつつ、仲間を助けないという選択はない。
テルアキは反射的に銃器を手にすると、モッピーから飛び出た。
せめて、これで敵の注意をひければ……アンリとヤスノブは助かるかもしれない。
敵巨大星人に比べれば、あまりにもお粗末な武器を向けた瞬間。
不意に、天空より飛来する新たな物体の輝きが、辺りを照らした。
それは何十年も前から宇宙飛行士たちの間で噂されていた、未確認の巨大人型宇宙人。
赤と青──絡まるような
「ウルトラマン、ブレーザー……!」
テルアキの顔が喜色にほころぶ。
彼こそがSKaRD、アースガロンと共に、地球を襲った数々の脅威をはらい続けた仲間の一人。
独特の儀礼めいた動作を行ったのち、今まさに地球を脅かす新たな敵に対して、
『ウルトラマンですか……少し面倒ですねぇ』
『ルロロロロロロロィ!!』
ブレーザーは野生の獣じみた、荒くれ者を思わせる豪快な戦いを仕掛けていく。
対するヴァルテン星人は、本性とは裏腹に優雅に踊るような所作で、ウルトラマンの一挙手一投足をいなしていった。
『ッ!』
ブレーザーは、愛刀であるチルソナイトソードを抜いた。
しかしこの剣術でもっても、敵は
らちが明かないと見たブレーザーは、手の平に発生させたブラックホールから、光り輝く一本の槍を取り出す。
必殺の威力を持つスパイラルバレードに細工を
数ある応用技の一つ、「ラッソーバレード」である。
『ウゥゥゥルルァァイ!』
動きを止めたヴァルテン星人に、今度こそとチルソナイトソードを振りかぶるブレーザー。
が、しかし
『なんの、まだやられませんよぉ!』
ヴァルテンはラッソーバレードを力づくで引きちぎり、自由になった腕でチルソナイトソードを白羽取りで受け止めた。
『えいっ♪』
『ローイ!?』
さらにソードの刃を、ベキリとへし折ったではないか。
愛刀を破壊されたブレーザーの
二つの武器を失ったブレーザーに残された道は……
『GYAOOOOOON!』
共に戦う仲間は、もう一人いた。
ブレーザーは相棒の怪獣、炎をまとった竜を思わせる姿をとる「ファードラン」を呼び寄せた。
ウルトラマンブレーザーはこのファードランを鎧として身に着けることで、より強くなることが出来るのだ。
『あら、面白そうですね。それじゃあ、ちょっと拝借……』
ヴァルテン星人はそう言うと、ファードランに視線を合わせた。
突如、ファードランの様子が変化。
まるで操られる様に、炎竜怪獣はブレーザーを無視して、敵であるヴァルテンの隣りへと飛んでいく。
「なんだ……どうなっている!?」
地上で事のなりいきを見守っていたテルアキの言葉は、ブレーザーも同じ思いだっただろう。
ヴァルテン星人が
これにはさすがのブレーザーも言葉を無くす。
仲間であり戦友でもある存在が、自分の元から去っただけでなく敵の下に降るなど……。
『面白い玩具が手に入りましたよぉ~』
ファードランアーマーをまとうヴァルテン星人は楽し気な声を上げ、呆然自失となったブレーザーに容赦なく追撃をかける。
地上のテルアキは原因を究明しようと、モッピー車内に戻り懸命にキーボードを叩いた。
しばらくして、彼がファードランの様変わりの理由に気づいたのと同じタイミングで、システムが復旧したアースガロン──アーくんのAIからも呼びかけが。
『テルアキさん、ちょっとよろしいですか?』
「すまない、今は手が離せない」
『ファードランのことです』
「! アーくんも気づいたのか」
『テルアキさんもですか。ボクの計器に、あの異星人の体から特殊な音波が発されていることが、観測されました』
「やはり、ファードランはその特殊な音とやらに操られている、ということだな?」
「はい。なので、エミさんに
ブレーザーが懸命に敵の攻撃を防ぐ中で、ついに彼は限界を迎えた。
胸に埋め込まれる様にして存在している「タイマー」が、彼の活動時間が残りわずかであることを知らせるため鳴り響いている。
ウルトラマンは膝をついた。
ヴァルテン星人はファードランアーマーから炎を出現させ、いよいよその熱でもって超人の体を燃やし尽くさんと迫る。
「そこまでだよ!」
星人の前に今度は、完全復帰したアースガロンを操作するアンリが立ちはだかった。
アースガロンの背には、見慣れぬ増加パーツがセットされている。
「頼むで、アーくん!」
『あっ! うるさっ!!』
立ち直ったヤスノブの言葉に応え、アースガロンは背部の機器を作動させた。
巨大な連奏スピーカーから、人の耳には聞こえない程の特殊な波長の音が
音を聞いたヴァルテン星人は不快さをあらわにし、身もだえ始める。
この装置こそ、いずれV99の様な宇宙人とコミュニケーションをとるために新たに開発された、アースガロンの新装備「Mod.5」。
『ああああああああ! 不快不快不快!!』
本来なら友好目的で使用されるはずだったのに、今は敵対者に対しての攻撃手段となってしまったのは皮肉なことだ。
しかしそのおかげでブレーザーへの攻撃は中断され、さらには意識を取り戻したファードランも敵の手から離れ、本来の主人の元へ戻ってこられた。
『ルローイ!』
そして再び手を取り合う。
ファードランアーマーは、彼の在るべき場所であるウルトラマンブレーザーの右半身に装着された。
「ブレーザー、いっしょに」
『ロイ!』
アースガロンの
ウルトラマンブレーザー ファードランアーマーは、左手に発生させたスパイラルバレードに、右手から生み出す炎をまとわせる。
『あ、これ……終わりな感じですか?』
「アースファイア、発射!!」
『ウルルアアァァァイ!!』
アースガロンの必殺兵器と、ブレーザーの新技──「スパイラル・バーニング・バレード」が敵異星人に向かう。
青と赤の二重螺旋の
こうして、新たな戦いは始まると同時に終わりを迎えた。
SKaRDが早期に出撃したため、近隣の街や人々への被害も最小限で押さえられた。
アースガロンの操縦席で、ヤスノブは愚痴るような一言を漏らす。
「それにしても……宇宙人には地球を乗っ取ろうとする、けったいな奴らしかおらんのですかね」
「そんなことはありませんよ」
前の席からアンリが、ヤスノブの言葉をやんわりと否定した。
彼女自身、
「そうでしたね……すいません」
「いえいえ」
それを知っているヤスノブは、素直に頭を下げた。
操縦席の二人の目に、アースガロンのカメラを通して、空へと飛び立つウルトラマンの背中が映った。
──遠く遠く。ただ果てしなく離れているだけだった、遥か彼方の「
ウルトラマンという存在そのものが、この宇宙には共に手を取り合える「友人」が確かにいるという、他ならぬ証に違いない。