Fate/stay night Persona Memory   作:鏡蓮

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5月9日の話。長い話は一日にしています。(調子が乗ったら2日にしよう。)


#12 覚えのない記憶、運命の悩み

5月9日(日)、昨晩の話をしなければならない。俺とセイバーが何者なのかを…。

 

「士郎、昨日の事だが…。」

「ああ…、リビングでいいか?」

 

俺は士郎を起こして、リビングに向かう。広々とした部屋で、1人だと十分すぎる広さだ。

セイバーはすでに座っており、説明をする準備はできたそうだ。

 

「士郎、これは公には出せない話だ。もし、君にその覚悟があるなら、話をしよう。」

「…覚悟はしてる。俺だって、昨日の事を気にしたくない。…でも、合点が付くなら、話をしてくれ。」

「…あの闘いは、既に君が経験してる。3日前、君を殺した青髪の男は英霊だ。命令されたのか、君を殺す事に躊躇はなし。…つまり、 一般にバレたくない物。」

 

「それが、()()()()です。私と彼も英霊として召喚され、私は貴方の従者…サーヴァントとして呼び出された者です。」

「つまりだ、この七騎のサーヴァントに勝った者が、この聖杯戦争に勝てると思えばいい。」

 

俺はまとめたノートを彼に見せる。聖杯から流れた情報はこの3つのクラスと4つのクラスだ。

主力のクラス:セイバーは剣士、アーチャーは弓使い、ランサーは槍。

その他:キャスターは魔術師、ライダーは騎兵、アサシンは暗殺者‥そして強力なクラスバーサーカーは狂戦士。

令呪の事も簡潔だが、3つの命令しかなく、一度の令呪を連続して使えば強制力は強い。と書いている。

 

「難しい話かもしれないが、令呪とクラスくらいは覚えておいてくれ。」

「わ、わかった。‥じゃあ、悠理はアサシンか?」

「いや、俺は何のクラスも属さない。特異的クラスだ。まぁ、マスターを必要としないクラスと言っておこう。」

「‥じゃあ、貴方はどちらの味方でもないと?」

「今は士郎の味方さ。‥けれど、もしものことがあったら殺して構わない。」

「殺す‥悠理はいいのかよ!それでさ!」

「‥死は誰にだって怖いさ。でも、これは戦争だ。割り切るには容易い物だ。」

「‥そうです。元々の話、あの時にランサーに味方をすれば、私やマスターも死ぬに等しかったのです。」

 

苦しい決断かもしれない。けれど、今は味方同士だ。決めるのは彼、士郎だ。

 

「‥まぁ、大河さんには許可を入れた。俺は士郎のサーヴァントとして協力する。セイバーもいいか?」

「‥不服ですが、昨晩の戦いで彼が必要でしょう。マスターもよろしいですか?」

「ああ、俺も友人がいたら嬉しいしな。」

 

一旦、話は終わり、俺は買い出しに出た。聖杯戦争の勝者の暁‥聖杯の説明は知るには早いだろう。


「マスター‥。」

「凄い違和感が来るから、他の呼び方にしてくれないか?」

「‥はい。なら、士郎。彼は、一体何者なんでしょうか?」

 

私は彼の正体を知りたくなっていた。あの男の姓名を持つ少年、その隣で支える彼の事を知りたくなっていた。

…まだ理解できない部分は多いが。

 

「アイツ?俺の友達だよ、アイツが来なかったら…迷ってた。」

「迷い…?それは、何なんでしょうか?」

「自分が将来どうするべきか、どう生きるか…。俺、アイツが来た1ヶ月で分かってきたんだ。」

 

一ヶ月前、4月頃か。つまり、英霊として潜みながら学園生活を謳歌していたと。

…聖杯戦争より必要なことなのだろうか。

 

「2年前なんて、誰かの頼みしか聞いてなくてな。今年になって、自分で出来ることをする。って分かったんだ。助け合いはするけど、一人や多人数で出来ることは断る様にしてる。」

 

…昔は自分より他人を助けるか。だが、彼が来たことで、士郎は変わった事になる。

つまり、この聖杯戦争が彼の影響でどう変わるか分からない可能性があるのか。

 

「買ってきたぞ、今日はお好み焼きをな。」

「お、お好み焼き…?」

「ああ、セイバーは知らないか。これは、日本で作られる日本食だ。食べてみたら、意外に美味しいぞ?」

「は、はぁ…。」

 

帰ってきた彼は、私に袋を渡す。…これがお好み焼き。生前はそんな物知らずにいた。

…楽しみな自分が居る事に、少し嫌気がさしてしまう。

 

「士郎、頼めるか?」

「ん?ああ…、冷凍か。まぁ、時間はかかるがな。」

 

士郎はそう言って、私の手から持ち去られる…。ああ、開けて食べてみたい…。

 

「冷凍だからな、セイバー。」

「ぐっ…。分かってますよ!」

 

敵同士…だが、心を許せる相手と一瞬で錯覚してしまう。

…彼の能力なのか?

 

「ああ、セイバー、士郎の守りってできるか?」

「え?あ、はい。」

「なら良かった。よろしく頼む。」

 

悠理はそう言って、手洗い場に向かう。…士郎の守り…、貴方が誰のマスターでも無いなら、私に頼まなくてもいいはず…。

─僕が、彼と合体しなければ…。

ッ──!?後ろを向くが、誰もいない。…誰なんでしょう、この声。

 

「ほら、お好み焼きだぞ。」

「わぁぁっ♪♪」

 

私の顔は喜びに満ちた。そう、生前のご飯以上の美味しそうな匂いが。私の鼻に伝わる。

 

「た、食べましょう。」

「ああ…さっき食っていいか?」

「いいよ、俺、外に一旦出るから、先に食べててくれ。」

 

そう言って、彼は何処かに行く…。何なのでしょう、この胸騒ぎは。

そう心の違和感を抱きながらも、お好み焼きを食べました。こんな食べ物があるなんて、何故、彼は教えてくれなかったんでしょう。

夜、私は士郎を眠らせ、悠理の帰りを待った。…少し時間がかかり、彼は玄関から入ってきました。

 

「どうして、帰ってこなかったんですか?」

「いや…、深い訳はないんだ。ただ…、君たちはマスターとサーヴァントの関係…。俺は部外者だ。だから、俺は…。」

「私は貴方と一緒に食べたかった。──敵同士だと思ってます。でも、貴方が一緒に居てくれないと…、その気まずくなるんです。」

「え?」

 

気まずい…、それは、士郎が黙々と食べていて、私の話題を挙げなくなったこと。話題を振っても上の空というか…。

それを伝えると、悠理は呆れた顔をしていた。

 

「セイバー、それは多分、お前が女性だからじゃないか?」

「じょ、女性!?」

「ああ、生前って…どうだったんだ?」

「男装して振る舞いをしていましたね…。」

「ああ…。だから、緊張してるんだろ。生前の事は知らないけど、士郎からすれば、同い年くらいの女性。だから、緊張してるんじゃないか?」

 

そういう事だったのですか…。で、ですが、どう話題をふればいいのか…。

そう思い悩む私に、彼も悩んでしまう、

 

「…ああ、士郎を理解する為には、好物とか、趣味を最初に聞いた方がいい。そこから、輪を広げて、聞ける話も増やせるはずだ。」

「あ、ありがとうございます!あ、そういえばですね。」

 

悠理が食事に戻ろうとした時、私は昼の出来事を教えることにしました。

 

「僕が、あの時合体しなければ…か。」

「はい、心当たりは?」

「いや、分からないな。俺も記憶が部分的に無くなってる。思い出すには、まぁ何かの衝撃で思い出せるんじゃないか?」

「そ、そうですか。」

 

曖昧ですが信じることにしましょう…。もう深夜になりつつある。もう寝なければ。

 

「おやすみなさい、悠理。」

「ああ、お休み、セイバー。」

 

そう言って、彼は食事の方に向かう…。彼の交流関係を知る必要がありそうだ…。そう、私の脳内は私の心に伝えている気がしていた。

明日は、彼を観察する事に集中するとしましょう!!

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