Fate/stay night Persona Memory   作:鏡蓮

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5月13日〜14日(金)の日の話です。


#15 何処までも続く未練

…何故、私の魂は揺れる。──知らない英霊なのに、何故…助けようとする。何故、涙が出るんだ…?


5月13日(木)の放課後、俺は遠坂さんに言われたように、料理の材料を探しに来た。

深山ならありそうだけど…。

数分経って、材料は買えた。時間もまだあるし。冬木市で行った事ない場所に行く事にした。

 

「そういえば、一成がいる寺って…あそこだよな。」

 

山を登って、寺に向かう事にした。もう街は小さく見えてるが一成に会える可能性があると思い、歩いていた。

だが、そこにいたのは目を閉じた侍の様な男が居座っていた。

 

「え、寝てる…?」

「…ふむ、俺でも認識出来ないほどの人間…いや、英霊か。」

「──ッ!?まさか、お前も…。」

「今は満月が来ていない。さて、何用か?」

「友達がここに住んでるって思ってきたんだが…。」

 

そう理由を話すが、侍は首を振った。何か制約があるのだろう。山門の前で門番の様に佇んでいる。

 

「…敵意はないが、我にも制限がある。今は朝だ。話でもしようじゃないか。」

「そ、そうか。暇だったし、いいよ。」

 

侍の名前は佐々木小次郎。空想として名高い侍だが、存在してたのか?

 

「某は生前、ある老人の剣技に見惚れていた。だが、その男はもう居なくなっていてな。俺は、彼の嫌疑を見様見真似で練習をしていたのだ。」

「見様見真似で…?」

「ああ、何度も記憶に入れ込んだのか、農民の俺は…死ぬ直前で彼になれた。だが、戦えなかった。」

「…果たせなかったんだな。」

 

俺は彼の言葉に共感した。努力しても報われない。そんな想いを。…だけど、俺は後悔なんてない。

…その筈なのに。

 

「もう夜になる、俺とは離れてくれ。」

「…どうしてだ?」

「俺を呼んだマスターが来るんでな。それに、具材があるんだろ?離れた方がいいだろう。」

「わかった、また来るよ。」

 

我は汝…汝は我…

汝、ここに新たなる契りを得たり

 

契りは即ち、

生きし英霊の力とならん。

 

我、法王のペルソナの生誕に祝福の風を得たり

勝利へと至る、更なる力とならん…

 

「待ってくれ。一つ尋ねたい。」

「はい?」

「…お主は、英霊として生きる道を選ぶか、人間としてこれからの人生を歩むか?」

「…まだ決まってませんよ。」

 

俺はアサシンの言葉を聞いて、少し迷いができた。

人としての人生、英霊として戦う人生、まだ…俺には決められない。

 

「それで…遅れた理由は?」

「あ、そのー。」

「何よ、私たちはお腹を空かしてでも、衛宮くんを鍛えてたの!ほら、昼は何してたの!」

「あ、アサシンと会って話してた。」

 

遠坂さんに問い詰められた俺は、答えを出した。遠坂さんは俺を二度見し、何故か引かれた目をしている。

…この力の話しないといけないけど…、難しいんだよな。

 

「あ、アサシン…と?一体どこで──。」

「凛、彼のした事だ。それに、そこが本拠地じゃない可能性もある。」

「そ、そうね。でも、アーチャー。彼のした事は聖杯戦争と関係ある物よ。」

 

そんな会話をしている2人の説教を聞きながら、次から間に合うようにしよう。と反省をしていた。


5月14日(金)、放課後はセイバーと共に冬木の探検をすることになった。

 

「セイバー、ファンシーショップでも行くか?」

「ファンシーショップ?」

「ああ、ぬいぐるみ専門店みたいな所なんだけど…。」

 

俺も行った事はない。けれど、セイバーの期待の眼差しが来るため…一応行くことにした。

 

「ここがぬいぐるみっていう物があるんですか!」

「ああ、まぁ…気に入った物を買っておくから。」

「そうなんですか!ありがとうございます!」

 

ここなら前回より被害が少ない。…せめて二個にできたらいいんだが。

そんな事を考えてると、セイバーは二つのぬいぐるみを持ってきた。

 

「これは、ライオンにシマウマ?」

「はい!ショクモツレンサってあるんですよね!ですから、貴方にはシマウマを。」

「そ、そうか。じゃあ、買おうか。」

 

食物連鎖…。俺、喰われる側なのか?

…そんな困惑をしながら、俺は買う事にした。喜んでるし、深くは考えないでおこう。

 

「悠理、私は人間でいられてるんでしょうか?」

「…人間で?」

「ええ。私は…元々英霊と呼ばれた。貴方は、どうなんですか?」

「…そうだな、俺は英霊や人の価値観は差がある。けれど、セイバーは人間さ。」

 

そう告げ、俺は家に向かう。少しずつ夜に傾く太陽を見ながら、セイバーと俺はぬいぐるみを抱えて帰っていく。

 

夜は…士郎の訓練に付き合った。

 

「魔術回路は、簡単に言えば擬似神経だ。それを使って、聖杯戦争で立ち向かう…一つの力と思えばいい。」

「それじゃあ、それに集中すれば…。」

「そうだな、それなら、並の人間には応対できる。…訓練すればマスターとも応対できるだろ。」

「なら、やってみる!」

 

俺は士郎の隣に立ち、士郎がどんな風に魔力を集中するかを擬似体験した。

 

同調、開始(トレース・オン)…!」

「───基本骨子、解明」

「───構成材質、解明」

「────基本骨子、変更」

「──、──っ、構成材質、補強」

 

少し手こずっている。試しの新聞紙に魔力を注いでるが…、失敗してる。

 

「士郎、少し短くしてみたらどうだ?」

「え、詠唱をか?」

「ああ、強化だけなら…少しでも簡略化できるんじゃないか?大体でいいし。」

「…そんな物なのか?」

 

士郎の疑問に俺も多少は疑問はある。だが、昨日、訓練を1日していたとするなら、応用できる筈…。

 

同調、開始(トレース・オン)…!」

「───構成材質、解明」

「───構成材質、補強」

「───全工程、完了(トレース・オフ)。」

 

その時新聞紙に魔術の回路が巡られていた。…成功したのか?

 

「…試しに板を割ってみるか?」

「あ、ああ。やってみよう。」

 

俺は置いてある木の板を新聞紙に向ける。多少なりともこの板が割れるというなら…成功したと言える。

 

「ハァッ!!」

 

縦に振った士郎、その時、木の板が縦に綺麗に割れた。…せ、成功した!

 

「これなら…、明日は投影の事を聞いた方がいい。」

「投影…?」

「ああ、遠坂さんからの受け入りだが…武器を外見そのままにこの時代に呼べる物…。だと思えばいい。」

「な、なら、セイバーの持つ剣も投影できたら…。」

「それは何度も戦闘に慣れたらな。今は基本だ。それに、一般市民から聖杯戦争に入ったんだ。少しでも…基礎は学んだ方がいい。」

「わ、分かった。」

 

士郎は渋々賛成した。難しい事だろうが、士郎はまだ一般人だ。少しでも、戦闘を知らないと死ぬ可能性が出てくる。

 

「ねぇ、衛宮くんは?」

「ん?…ああ、同調を終えた所だ。」

「早いわねぇ…。ねぇ、夜だし何か食べる?貴方は謎だし、それに…アサシンの件を知らないと行けないんだから。」

「わ、分かったよ。」

 

遠坂さんは料理の準備ができたのかやる気満々だ。

はぁ…、まだあの件を引きずらなきゃいけないのか。…話すのは要約しておこう。

 

「それで…、アサシンと何の話を?」

「ああ…。ただの世間話。それに、彼は満月になるまで戦わないって言っていたよ。」

「そう…。真名とか聞いたの?」

「聞いたけど…。」

 

意味はない。と言いたい。だって、佐々木小次郎は存在しない筈。

 

「…佐々木小次郎…?生きてない英霊の名を言うなんて…。」

「さぁな、でも…どう言う理由であれ、難しい問題だな。」

 

俺は遠坂さんと話し、料理を食べ続け…テレビを付けようとする。

 

「私が付ける。」

「そうか?ならいいけど。」

 

俺は遠坂さんに頼み、料理を食べ続ける…のだが,一向に動かない。

 

「ど、どうしたらつけれるの?」

「…赤いマークを押せばいい。」

「わ、分かった!」

 

機械音痴だ…。俺は意外な一面に驚きながらも、料理を食べる手は止まっていなかった。




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