Fate/stay night Persona Memory 作:鏡蓮
…何故、私の魂は揺れる。──知らない英霊なのに、何故…助けようとする。何故、涙が出るんだ…?
5月13日(木)の放課後、俺は遠坂さんに言われたように、料理の材料を探しに来た。
深山ならありそうだけど…。
数分経って、材料は買えた。時間もまだあるし。冬木市で行った事ない場所に行く事にした。
「そういえば、一成がいる寺って…あそこだよな。」
山を登って、寺に向かう事にした。もう街は小さく見えてるが一成に会える可能性があると思い、歩いていた。
だが、そこにいたのは目を閉じた侍の様な男が居座っていた。
「え、寝てる…?」
「…ふむ、俺でも認識出来ないほどの人間…いや、英霊か。」
「──ッ!?まさか、お前も…。」
「今は満月が来ていない。さて、何用か?」
「友達がここに住んでるって思ってきたんだが…。」
そう理由を話すが、侍は首を振った。何か制約があるのだろう。山門の前で門番の様に佇んでいる。
「…敵意はないが、我にも制限がある。今は朝だ。話でもしようじゃないか。」
「そ、そうか。暇だったし、いいよ。」
侍の名前は佐々木小次郎。空想として名高い侍だが、存在してたのか?
「某は生前、ある老人の剣技に見惚れていた。だが、その男はもう居なくなっていてな。俺は、彼の嫌疑を見様見真似で練習をしていたのだ。」
「見様見真似で…?」
「ああ、何度も記憶に入れ込んだのか、農民の俺は…死ぬ直前で彼になれた。だが、戦えなかった。」
「…果たせなかったんだな。」
俺は彼の言葉に共感した。努力しても報われない。そんな想いを。…だけど、俺は後悔なんてない。
…その筈なのに。
「もう夜になる、俺とは離れてくれ。」
「…どうしてだ?」
「俺を呼んだマスターが来るんでな。それに、具材があるんだろ?離れた方がいいだろう。」
「わかった、また来るよ。」
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りは即ち、
生きし英霊の力とならん。
我、法王のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
勝利へと至る、更なる力とならん…
「待ってくれ。一つ尋ねたい。」
「はい?」
「…お主は、英霊として生きる道を選ぶか、人間としてこれからの人生を歩むか?」
「…まだ決まってませんよ。」
俺はアサシンの言葉を聞いて、少し迷いができた。
人としての人生、英霊として戦う人生、まだ…俺には決められない。
「それで…遅れた理由は?」
「あ、そのー。」
「何よ、私たちはお腹を空かしてでも、衛宮くんを鍛えてたの!ほら、昼は何してたの!」
「あ、アサシンと会って話してた。」
遠坂さんに問い詰められた俺は、答えを出した。遠坂さんは俺を二度見し、何故か引かれた目をしている。
…この力の話しないといけないけど…、難しいんだよな。
「あ、アサシン…と?一体どこで──。」
「凛、彼のした事だ。それに、そこが本拠地じゃない可能性もある。」
「そ、そうね。でも、アーチャー。彼のした事は聖杯戦争と関係ある物よ。」
そんな会話をしている2人の説教を聞きながら、次から間に合うようにしよう。と反省をしていた。
5月14日(金)、放課後はセイバーと共に冬木の探検をすることになった。
「セイバー、ファンシーショップでも行くか?」
「ファンシーショップ?」
「ああ、ぬいぐるみ専門店みたいな所なんだけど…。」
俺も行った事はない。けれど、セイバーの期待の眼差しが来るため…一応行くことにした。
「ここがぬいぐるみっていう物があるんですか!」
「ああ、まぁ…気に入った物を買っておくから。」
「そうなんですか!ありがとうございます!」
ここなら前回より被害が少ない。…せめて二個にできたらいいんだが。
そんな事を考えてると、セイバーは二つのぬいぐるみを持ってきた。
「これは、ライオンにシマウマ?」
「はい!ショクモツレンサってあるんですよね!ですから、貴方にはシマウマを。」
「そ、そうか。じゃあ、買おうか。」
食物連鎖…。俺、喰われる側なのか?
…そんな困惑をしながら、俺は買う事にした。喜んでるし、深くは考えないでおこう。
「悠理、私は人間でいられてるんでしょうか?」
「…人間で?」
「ええ。私は…元々英霊と呼ばれた。貴方は、どうなんですか?」
「…そうだな、俺は英霊や人の価値観は差がある。けれど、セイバーは人間さ。」
そう告げ、俺は家に向かう。少しずつ夜に傾く太陽を見ながら、セイバーと俺はぬいぐるみを抱えて帰っていく。
夜は…士郎の訓練に付き合った。
「魔術回路は、簡単に言えば擬似神経だ。それを使って、聖杯戦争で立ち向かう…一つの力と思えばいい。」
「それじゃあ、それに集中すれば…。」
「そうだな、それなら、並の人間には応対できる。…訓練すればマスターとも応対できるだろ。」
「なら、やってみる!」
俺は士郎の隣に立ち、士郎がどんな風に魔力を集中するかを擬似体験した。
「
「───基本骨子、解明」
「───構成材質、解明」
「────基本骨子、変更」
「──、──っ、構成材質、補強」
少し手こずっている。試しの新聞紙に魔力を注いでるが…、失敗してる。
「士郎、少し短くしてみたらどうだ?」
「え、詠唱をか?」
「ああ、強化だけなら…少しでも簡略化できるんじゃないか?大体でいいし。」
「…そんな物なのか?」
士郎の疑問に俺も多少は疑問はある。だが、昨日、訓練を1日していたとするなら、応用できる筈…。
「
「───構成材質、解明」
「───構成材質、補強」
「───
その時新聞紙に魔術の回路が巡られていた。…成功したのか?
「…試しに板を割ってみるか?」
「あ、ああ。やってみよう。」
俺は置いてある木の板を新聞紙に向ける。多少なりともこの板が割れるというなら…成功したと言える。
「ハァッ!!」
縦に振った士郎、その時、木の板が縦に綺麗に割れた。…せ、成功した!
「これなら…、明日は投影の事を聞いた方がいい。」
「投影…?」
「ああ、遠坂さんからの受け入りだが…武器を外見そのままにこの時代に呼べる物…。だと思えばいい。」
「な、なら、セイバーの持つ剣も投影できたら…。」
「それは何度も戦闘に慣れたらな。今は基本だ。それに、一般市民から聖杯戦争に入ったんだ。少しでも…基礎は学んだ方がいい。」
「わ、分かった。」
士郎は渋々賛成した。難しい事だろうが、士郎はまだ一般人だ。少しでも、戦闘を知らないと死ぬ可能性が出てくる。
「ねぇ、衛宮くんは?」
「ん?…ああ、同調を終えた所だ。」
「早いわねぇ…。ねぇ、夜だし何か食べる?貴方は謎だし、それに…アサシンの件を知らないと行けないんだから。」
「わ、分かったよ。」
遠坂さんは料理の準備ができたのかやる気満々だ。
はぁ…、まだあの件を引きずらなきゃいけないのか。…話すのは要約しておこう。
「それで…、アサシンと何の話を?」
「ああ…。ただの世間話。それに、彼は満月になるまで戦わないって言っていたよ。」
「そう…。真名とか聞いたの?」
「聞いたけど…。」
意味はない。と言いたい。だって、佐々木小次郎は存在しない筈。
「…佐々木小次郎…?生きてない英霊の名を言うなんて…。」
「さぁな、でも…どう言う理由であれ、難しい問題だな。」
俺は遠坂さんと話し、料理を食べ続け…テレビを付けようとする。
「私が付ける。」
「そうか?ならいいけど。」
俺は遠坂さんに頼み、料理を食べ続ける…のだが,一向に動かない。
「ど、どうしたらつけれるの?」
「…赤いマークを押せばいい。」
「わ、分かった!」
機械音痴だ…。俺は意外な一面に驚きながらも、料理を食べる手は止まっていなかった。
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